Bluetoothのイヤホンやヘッドホンにおいて、その高音質と低遅延の決め手になるコーデックに全部対応したレシーバ&トランスミッター【inateck BR1008 Bluetooth transmitter and receiver】を買ったのでレビューします。
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Inateck Bluetoothトランスミッタ&レシーバ「BR1008」って何が違うの?
「Bluetoothのトランスミッター&レシーバー」について
- Bluetoothという2.4GHzの電波で音声データ送受信
- アナログ音源をBluetoothで送信する側、受信する側になれる
というものです。
以前、「TROND BT-DUO-S」というBluetooth オーディオトランスミッター&レシーバーを買いました。
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【aptX LL対応】TROND BT-DUO S Bluetooth トランスミッター&レシーバー を買った。
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BR1008 の スペック
BR1008の 気になる特長や性能は? ざっくりと個条書きにしてまとめてみました。
- 商品名:inateck BR1008 Bluetooth transmitter and receiver
- モデル番号:BR1008-BK-JP
- Bluetoothバージョン:V4.1、ClassII
- Bluetoothチップセット:CSR BC8675(Qualcomm)
- Bluetoothプロファイル:A2DP
- 最大転送距離:10〜30m
- 周波数:2.402〜2.480GHz
- サポート:不明
- コーデック:aptX HD、aptX Low Latency、aptX、AAC、SBC
- 内蔵バッテリー:250mAh 充電式リチウム電池
- 動作時間:約12時間(RX、受信モード)、約13時間(TX、送信モード)
- 充電時間:約2時間、DC 5V ≧300mA 、充電しながら使用可
- 寸法:43.8×43.8×12.4mm
- 製品重量:18g
- PINコード:0000、8888、1111、1234
- 保証書期間?
以上のスペックから、
- BR1008は、送信側(TXモード)にも、受信側(RXモード)にもなれる
- aptX HD、aptX、aptX LLを送受信でサポート
- AACを受信のみでサポートすることでオーディオ コーデックをフルカバー
- 内蔵バッテリーは、250mAhでイヤホン(ヘッドホン)アンプとしても12時間使える
- 音量の増減のボタンがないので、BR1008本体での音量の増減はできない
- 充電しながらでも使える
という特徴がみえてきました。実際に使ってみて、
- レシーバー(RXモード)では、すべてのコーデックに対応で、高音質
- 受信モードで、コーデックのAACに対応しているので、iPhoneが高音質で聞けるワイヤレスイヤホン/ヘッドホンができる
- 内蔵バッテリー容量が大きいので、小さめの音でヘッドホンやイヤホンできくのなら、15時間バッテリーが持つ
というメリットを感じています。
欠点は、
- 音が小さくなるところで、ミュート機能が働いて送信が停止し、次の音の頭が切れる
ことです。これは、他のトランスミッターでも同じなので、チップセットの仕様です。
TROND BT-DUO Sとペアで使えますから、非常にレベルの高い Bluetoothのワイヤレス オーディオ環境ができています。
Inateck Bluetoothトランスミッタ&レシーバ「BR1008」を写真で紹介
パッケージには、
- BR1008 本体
- 3.5mm径 3極ステレオプラグ ケーブル
- 3.5mm径 3極ステレオプラグ のプラグ
- 3.5mm径 3極ステレオプラグ - RCAオス ステレオ
- USBケーブル
- 取扱説明書
が入っています。注目すべきは、取扱説明書は、英語、ドイツ語、日本語、フランス語、イタリア語、スペイン語の6カ国対応です。

しかし、日本語が機械翻訳的で分かりにくいです。
BR1008に付属するケーブル類
充電用のmicroB-USBケーブル、3.5mm径のステレオミニプラグのケーブル、RCAオスの赤白プラグに3.5mmのステレオミニプラグを変換するケーブルは、他の製品と同じように付属していました。
この InateckのBR1008には、両端が3.5mmステレオミニプラグがオマケでついてます。

BR1008外観とポート
BR1008には、
- 送信モードと受信モードの切換スライドスイッチ
- 電源 / 多機能(マルチファンクション)ボタン
- 3.5mm径ステレオミニプラグ用のジャック(AUX)
- 充電用 microB USBのポート
- LEDインディケータ
があります。
BR1008の各ポート、機能、操作方法
- 充電
- ペアリング操作
- TXモードで使う
- RXモードで使う
BR1008の充電
BR1008のバッテリー切れ
- LEDが赤く3回チカチカチカと点滅
- 音声に「ピポピポピ」と警告音が鳴ってビックリする
充電は、付属のmicroBUSBケーブルで、スマホ用の充電器やパソコンのUSBにつないで充電できます。
充電中は、LEDが赤く点灯します。満充電でLEDは消灯します。充電電流と電圧をPC700で測って記録しました。
受信モードで最大音量にしてヘッドホンを鳴らして、バッテリーが空になるまで使ってから充電してみました。5V/0.2A前後で充電します。充電時間は、2時間ちょっとかかることがわかりました。
BR1008 の操作
多機能ボタン(マルチファンクション ボタン)を使って操作します。
電源をオンオフ
- 多機能ボタンを長押し3秒で、電源 ONとOFF
- LEDが青で2回点滅で電源がON
- LEDが、赤で2回点滅して消灯 でOFF
BR1008には、自動で電源が切れるオートスリープ機能はありません。
TX、RXモードの切り替えスイッチ
送信(TX)モード、受信(RX)モードの切り替えは、電源をオフにして5秒以上経ってから切り替えます。
BR1008 の 新規ペアリング やり方
電源の入った状態で、多機能ボタンをダブルクリックすれば、新規のペアリング開始(ready to pear、ペアリングスタンバイモード)になります。
ペアリングの履歴がない場合は、自動で新規のペアリング待ち(ペアリングスタンバイモード)になります。
ペアリングスタンバイモードは、LEDが赤と青に交互に点滅します。
前にペアリングしたオーディオ機器が既にある場合
自動で接続を試みます。
ペアリングした機器の検索、接続待ちは、LEDが青色で3秒間で2回点滅します。
BR1008は、過去にペアリングした2台の機器への接続を待ちます。
BR1008のペアリングの履歴を削除する方法
送信(TX)、受信(RX)モードの切り替えることで、ペアリングの接続情報がリセットされるのを利用します。
- 送信(TX)モードでのペアリング履歴を削除するには、電源を切って5秒後に受信(RX)モードに切り替えて電源を入れてから、電源を切る
- 受信(RX)モードでのペアリング履歴を削除するには、電源を切って5秒後に送信(TX)モードに切り替えて電源を入れてから電源をきる
ことで、削除できます。
BR1008をリセットする方法
多機能ボタンを押し続けながら、充電ケーブルをつないで充電することでリセットします。ペアリング履歴もなくなります。
BR1008のLEDインディケータの点滅の意味
LED表示 | BR1008の状態 |
赤と青が交互に点滅 | 新規ペアリング待ち |
青が3秒に2回点滅 | ペアイリング済みの機器を探索 |
青が10秒に4回点滅 | aptX HD で接続 |
青色が10秒に3回点滅 | aptX LLで接続 |
青色が10秒に2回点滅 | aptX で接続 |
青色が10秒に1回点滅 | SBC か、AACで接続 |
緑色で点灯 | 複数デバイスの接続 |
10秒に1回というのは、10秒経って、1回青で光るという意味です。aptX LLでの接続である「10秒に3回」というのは、3.3秒に1回点滅ではなくて、10秒経って3回ピカピカピカと青く点滅するということです。
aptX HDのON OFFにする方法
電源がOFFの状態で、多機能ボタンを7秒間長押しします。
- 青くLEDが3回速く点滅して、おそく3回点滅すると緑に1回点滅して、aptX HDが有効化
- 青LEDが3回速く点滅して、遅く3回点滅してから緑で2回点滅すると、aptX HDが有効化
になります。この動作は、BR1008の電源が切れた状態で行い、切り替えた後も電源はオフになっています。
BR1008を電源をオフにするときは、LEDは赤く2回点滅して切れます。
aptX HDに対応したヘッドホンを買って、aptX HDでの接続を試していきます。
ブログカード
BR1008をトランスミッター(送信機)、TXモードで使う
- 電源オフの状態で、TX / RXスライドスイッチをTXに切り替える
- 多機能ボタン を3秒長押しで電源ON:LEDの青が2回点滅
- 電源OFFは、多機能ボタンを3秒長押し:LEDの赤が2回点滅で消灯
- 新規にペアリングは、電源ONの状態で、多機能ボタンをダブルクリック:LEDが赤青で点滅
自動的にスリープ、スタンバイにならないと説明書に書かれているので、使わない時は電源をOFFにしましょう。
このBR1008も、トランスミッター(TXモード)側として使う時は自動ミュート機能が災いして、非常に小さい音からの大きな音になるクラッシックの曲では、ブツブツと途切れる不自然な音になります。
ゲーム機には、aptX Low Latency 接続
Nintendo Switchにワイヤレスヘッドホンを付ける方法としても、低遅延のaptX LL接続は最適です。
TRONDのTD-BH01は、aptX LLに対応しているヘッドホンなので、つないでみました。しばらく遊んでみましたけど、音は良いままで途切れることはありません。
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドでは、音声が途切れる現象がおきる
Nintendo Switchのイヤホン端子へBluetoothトランスミッターを挿して音声をワイヤレス化する時に、ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドだけが音声が途切れる現象が起きます。
- スプラトゥーン2やマリオオデッセイなどの他のソフトでは起きない
- Nintendo Switchのゲームに限らず、iPod touch 6のイヤホン端子からのクラッシック音楽を聴いていても、音が小さくなると消えて、曲の頭が途切れるかんじで音が鳴る
ことから、音が非常に小さくなったり、無音になったりするのところで、ミュート機能が働く仕様が問題点だと分かりました。
この現象の再現性と原因を究明するため、いろいろ試していたので手間取りました。
2018年後半から発売されているBluetooth 5.0のCSR8675チップを使うBluetoothトランスミッター&レシーバは、評判の悪かったミュート機能が多少改善されて、無音状態がすこしくらいならブツブツ切れることはありません。

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BOWを遊ぶ時、Bluetooth 4.2で aptX ll対応ヘッドホンやイヤホンを使う場合は、
- Bluetooth 4.2 CSR8670チップのトランスミッターは避けて、USBタイプのBT-TM700、BT-W2
- Bluetooth 5.0 CSR8675チップのトランスミッター(2018年後半〜)
で対応できます。
2つのイヤホンやヘッドホンに同時に送信
ヘッドホンやイヤホンをペアリングして、直近の2つは同時に認識して、両方に音楽が流せます。
2つ同時にBluetoothイヤホンやヘッドホンをつなぐ方法
- aptX、aptX LL、AAC、aptX HDをサポートするヘッドホンやイヤホンを使わない
- SBCだけをサポートする安物のイヤホンやヘッドホンを2つ用意
- 順番にペアリングしていくと、LEDが緑に点灯して同時につながる
インディケータLEDが緑に点灯するので、わかります。
注意すべき点は、コーデックは SBCのみです。つなぐデバイスが、ほかの上位のコーデックに対応していると つながりません。
aptX LLで日頃から聞いていると、すこし遅延があるので、動画を観る時に音ズレをかんじる時があります。気のせいレベルですので気にしなければ大丈夫です。
テレビやディスプレイにつけるトランスミッターとしても使える
テレビの音声をBluetoothのワイヤレスヘッドホンで聞くときに、このBR1008を使うと、aptX LLコーデックが使えるので低遅延で高音質の音が転送できます。
ただし、
- aptX LL対応のヘッドホン(イヤホン)
- aptX LL対応のレシーバーにつないだ有線のヘッドホンかイヤホン
とペアで使います。
テレビの映像と音声のくい違いが、aptX LLのコーデック対応のヘッドホンやレシーバー&ヘッドホンの使用で解決できます。
このBR1008は、自動的にスリープになったり、電源をきる機能がないので、テレビを切ってもBR1008本体はONのままです。
使い方としては、Bluetoothのワイヤレスヘッドホンで聞きたい時だけにつなぐというのがベストでしょう。
15時間以上つけっぱなしにするときは、TVのUSBからmicroBケーブルをつけてやれば、バッテリー切れの心配はありません。
BR1008をレシーバー(受信機)、RXモードで使う
Bluetoothに対応してない、有線(ワイヤード)のヘッドホンやイヤホンに、BR1008をつないで受信機&ヘッドホンアンプとして使います。
例として、SONYのヘッドホンの標準機 MDRシリーズで、MDR-1Rも、このBR1008を短めのイヤホンケーブルでつなげば、Bluetoothヘッドホンになります。
受信モードでは、aptX HDやAACのコーデックも使えるので、対応のスマホやプレーヤを持ってれば、無線とは思えない、有線とまったく区別の付かないくらいの高品質の音楽をきくことができます。
私も、年に1回くらいは、子供らに協力してもらって、ブラインドテストをしています。しかし、低品質のSBC、高音質であるはずのAAC、aptXの区別の確度が半分以下になりました。年々、正解率が落ちています。感覚器の老化はどうにもならないですね。

自分で変更して自分で聞くのは、ブラインドテストではありません!
オーディオ関連の記事で、自分で設定してから自分で目隠しをして聞いた結果を載せている人がいますが、それはブラインドテストとは言いません。
ゲームをプレイするときには、低遅延のaptX LLで接続していることを確認して使いましょう。
まとめ
Bluetoothのトランスミッターやレシーバは、年々良くなってきています。バッテリー容量が増え、対応するコーデックも増えて使い勝手が良くなりました。
今回は、2018年1月発売のInateckのBR1008を紹介しました。aptX HDで送信できるので、aptX HDのワイヤレスヘッドホンを買っても使えるようにするための布石でもあります。
主要部品のチップセットはQualcommしかない状況なので、中身は同じで見た目がちょっと違うだけの同じようなものが、他のメーカーブランドからも出てきます。

2018年後半から、Qualcomm CSR8675のチップを搭載した新しいトランスミッター&レシーバがいろいろでてきてます。ミュート機能の改善と2.4GHz帯の周波数帯域を広くとることで、音質と接続安定性が向上しています。
Bluetooth V5.0より以前のバージョンのトランスミッターは、レシーバとして使いましょう。昔から愛用しているアナログのイヤホンやヘッドホンが、aptX-LL対応の低遅延&高音質のワイヤレスになります。
2022年から、2.4GHz帯の混信がひどくなりすぎたので有線化に舵を切りました。