口の中を洗う薬を含嗽(がんそう)剤と言います。含嗽剤は、教科書的に
- ポビドンヨード系(明治うがい薬、イソジンガーグル)
- アズレン製剤(アズレンスルホン酸ナトリウム:ハチアズレなど)
- 抗生剤
等があります。
リステリンは、(天然素材)ハーブ(アロマ)系成分配合の医薬部品外品の洗口剤(せんこうざい)、マウスウオッシュです。う蝕(むし歯)や歯周病の治療に使う医薬品ではありません。
今回は、アフィリエイターやブロガーが好んで書きたがるネタ、「デンタルヘルスケア商品」の中でも…
「リステリン」の種類、比較して詳しく解説します
リステリンは、アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソンが製造販売する洗口剤で、1879年から販売という140年の歴史を持っています。
リステリンの有効成分
リステリンの有効成分は、
- 1,8-シネオール … ユーカリのアロマオイル
- チモール … アロマ成分でビリビリとした味
- サリチル酸メチル … 抗炎症剤
- ℓ-メントール … ハッカのシーンとする味と香りの成分
の4種類が基本になっています。140年前からですから、昔からあった天然ハーブ素材です。
リステリンの種類
- オリジナル
- フレッシュミント
- クールミント
- ターターコントロール
- クールミント ゼロ
- ホワイトニング マウスウォッシュ
- ハグキケア(ノンアルコール)
- ムシバケア(ノンアルコール)
- トータルケア プラス ← New 2018年9月発売
- トータルケア ゼロ プラス(ノンアルコール) ← New 2018年9月発売
があります。やたら種類が増えてきています。患者に聞かれるので、全部試していますが、その差の違いが説明できません。

その無意味さに気がつきはじめた意識高い系の層を狙った、洗口剤としてのリステリンではなく、液体歯磨き剤としてのリステリンへシフトするべきだと私は思います。
リステリンの基本的な使い方
リステリンには、2種類の使い方があります。
- 洗口剤:歯みがきの後に、一口分(10〜20ml)を原液のまま口に含んで、30秒間ブクブク
- 液体歯みがき:歯みがきの前に、一口分(10〜20ml)を原液のまま口に含んで、30秒間ブクブク
液体歯みがき のタイプは、歯を磨く前に ブクブクする時間が違うものがあります。
- トータルケア プラス(30秒)
- トータルケアゼロ プラス(30秒)
- ホワイトニングマウスウオッシュ(60秒)
と、ホワイトニング だけが長いので注意してください。
待合にリステリン各種を置いて、患者に好みの味を投票をしてもらいました。その結果を参考に、人気のある順番で紹介します。
薬用リステリン クールミント
1.5リットルの歯科医院専売のボトルで、別売のポンプがつきます。
1.5リットルなら、家族4人で朝晩使って、3ヶ月くらい持ちます。ポンプは1回押すと約3mlでますので、一口20mlは、6〜7回押します。

サッカリンが入っているので甘いです。ミントの香りがさわやかで、「リステリン=ビリビリと辛い!」というイメージを刷新したモデルです。日本人の口に合うと思います。
リステリン オリジナルより、ずいぶん甘いです。「刺激が少ない」と書かれていますが、それでも口に含んで30秒ブクブクするとキリキリと粘膜を刺激してきます。
その刺激に耐えられず、グチュグチュと30秒間待たずしてはき出す人も多いでしょう。口腔内粘膜からアルコールが吸収されるので、アルコールに弱い人は顔が赤くなるかも知れません。
アルコール特有の刺激も封を切った最初のうちだけで、ボトルの半分以下になってくるころには、アルコール成分が飛んで良い感じになります。
昔も今も、一番人気です。昔は、歯科医院専用の1.5リットルとポンプのセットがよく売れました。今は、Amazonで売られるようになったので、昔ほどは売れないです。
成分は、【(溶剤)エタノール (湿潤剤)ソルビット液 (薬用成分)1,8-シネオール、チモール、サリチル酸メチル、ℓ-メントール (溶解補助剤)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール (保存剤)安息香酸 (矯味剤)サッカリンナトリウム (着香剤)香料<ミントタイプ> (pH調整剤)安息香酸ナトリウム (着色剤)緑3】です。
薬用リステリン クールミント ゼロ
2017年8月21日から、新製品として発売されました。一番人気のリステリン クールミントのアルコールの代わりに、溶剤としてプロピレングリコールを使っています。
色は、クールミントより少し薄めの水色です。
味は、クールミントのアルコールの突き刺すような刺激はありません。しかし、ピリピリとした刺激はあります。味はキブさを感じます。
他の「ゼロ」と同じで、プロピレングリコールのために、唾液のネバネバ成分が洗い流され、
- 歯がクキクキする
- ほっぺた内側(頬粘膜)がザラつく
- 歯の舌触りが、悪くなる
などの特徴がでてきます。香り、味、ともにクールミントです。
リステリンの4つのアロマ成分は油性なので、アルコールなしの水には溶けず分離します。そこで、プロピレングリコールという乳化剤を使って、液の中に小さい粒状にした油性分を混ぜ込んであります。プロピレングリコールは、アルコールの仲間です。
アルコール特有の口の中の粘膜が熱く、しびれる感じが少ないのは良いと思います。
ただし、唾液の粘液成分まで洗い流してしまうので、頬の粘膜や歯の表面のネバネバが流れてしまって、うがい直後は、歯や頬粘膜がクキクキ、キシキシします。
乳化された成分が、口の中でアルコールで溶かしたものと同様に作用するかどうか?なんてのは、「おまえが そう言うんだから そうなんだろう」です。
ナチュラル ケアの紅茶の香りと後味が、「午後の紅茶」でうがいしているようで気持ち悪いという人も多かったので、クールミントのゼロが出たのを歓迎している人が多いでしょう。
とくに、後味として残るサッカリンの甘さが、アルコール入りのノーマルより少ないように感じます。
後味が甘いのが嫌いという人も増えてきたので、今後は、これが一番人気になるでしょう。うちも、これを患者にすすめることにしました。
成分は、【(湿潤剤)ソルビット液 (溶剤)プロピレングリコール (溶解補助剤)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム (薬用成分)1,8-シネオール、チモール、サリチル酸メチル、ℓ-メントール (pH調整剤)安息香酸 (保存剤)安息香酸ナトリウム (矯味剤)サッカリンナトリウム、スクラロース (着香剤)香料<ミントタイプ> (着色剤)緑3】
薬用リステリン フレッシュミント
緑の液体です。

緑色の液体
これも、サッカリンが入っているので、クールミント同様に甘いです。フレッシュミントというくらいですから、クールミントに比べて、パンチの効いたミントの香りがします。
クールミントとフレッシュミントの味は、口に含んでいる時はあまり差を感じません。後味がミントの葉っぱをかじったあとのように残るのが フレッシュミントです。
私個人としては、クールミント ゼロが一番好きですが、クールミント(アルコール入り)よりは、フレッシュミントのパンチの効いた香りと後味が好きです。
成分は【(溶剤)エタノール (湿潤剤)ソルビット液(薬用成分)1,8-シネオール、チモール、サリチル酸メチル、ℓ-メントール (溶解補助剤)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール (保存剤)安息香酸 (矯味剤)サッカリンナトリウム (着香剤)香料<ミントタイプ> (pH調整剤)安息香酸ナトリウム (着色剤)黄203、緑3】
リステリン トータルケア ゼロ+(歯みがきの前に使う)
2018年9月 トータルケア ゼロ のマイナーチェンジ版「リステリン トータルケア ゼロ プラス」が、発売になりました。

トータルケアゼロプラス
エタノールの入ったトータルケアでは「30秒もクチュクチュできない」という人に対応したものです。代わりに、イソプロピレンがはいっているので、唾液が洗い流されて粘膜や歯がクキクキと滑りにくくなります。
歯磨きをしている間に、唾液がでてきて良い具合になります。口の中の唾液のネバネバも吐きだしてから歯を磨くので、ある意味理にかなっていると言えるでしょう。
味は、同じクールミント味ですが、色が薄くピンク色にも見えるので桃味?と思ったら、ミントだったみたいな勘違いをします。人間は視覚で味覚をきめてかかる、いい加減な生物であることが実感できます。
前の成分と比べても、さほど差がないようです。リステリンならではの4つのハーブ成分の記載がないのですが、全部入りということなので、省かれたんでしょう。秘密のレシピw
「電動歯ブラシで歯を磨く時に、霧状に飛び散るツバの生臭い臭いが嫌だ」という患者に、歯を磨く前に使う香りの良い液体歯磨き剤が必要だと感じることも多いので、これを薦めてみましょう。

(湿潤剤)ソルビット液(溶剤)プロピレングリコール(着香剤)香料《ミントタイプ》(溶解補助剤)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム(薬用成分)塩化亜鉛、イソプロピルメチルフェノール(矯味剤)サッカリンナトリウム、スクラロース(pH調整剤)安息香酸(保存剤)安息香酸ナトリウム(着色剤)赤102、青1
薬用リステリン トータルケア プラス (歯みがきの前に使う)
2018年9月にリニューアルしました。

トータルケア PLUS +
目先が変わっただけのような感じだけど… 何が変わったのかわかりませんww
甘さは、かわらず甘いです。エタノールが入っているので、30秒口に含んでブクブクしていると、口腔内粘膜からアルコールが吸収されるので、すこし酔う人がいるかもしれません。
成分表から、リステリンならではのハーブ成分の記載がなくなっています。
薬効成分には期待できませんので、「これから歯を磨くぞ!」という液体歯磨き剤として、モチベーションアップ、歯磨きするぞ!という気分の高揚には、「プラス」になります。
味は、クールミントですね。でも、見た目が紫なので、グレープ味にかんじる錯覚も楽しめます。
「ペースト状の歯磨き剤は害がありすぎるので、歯磨き剤なしで磨け」と患者に指導します。しかし、「歯磨き剤なしでは気持ち悪くて磨けない」という患者には、これを薦めてみることにします。
(溶剤)エタノール(湿潤剤)ソルビット液(着香剤)香料《ミントタイプ》(溶解補助剤)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(薬用成分)塩化亜鉛、イソプロピルメチルフェノール(pH調整剤)安息香酸(矯味剤)サッカリンナトリウム、スクラロース(保存剤)安息香酸ナトリウム(着色剤)赤102、青1
意識高い系を気取るブロガーが、このトータルケアを使い、さらに電動歯ブラシで磨くという紹介記事を書きたがります。

振動系の電動ブラシと相性が良い
大切なことなので繰り返します。洗口剤、電動歯ブラシともに、歯垢の除去、歯周病治療や予防、口臭予防に直接作用する効果はなく、単なる「歯みがきをするモチベーションのため」と解釈してください。「サッパリとして気持ちが良い」ということの方が重要なんです。
情弱をだまして、高い電動歯ブラシや洗口剤、意味の無い高価な歯みがき剤を売りつけるアフィリエイターが連発するデタラメ記事に、だまされないようにしましょう。
薬用リステリン ターターコントロール
市販の歯みがき剤に含まれていることがある、塩化亜鉛(ジンククロライド)が添加されています。歯石を付きにくくするという効果を狙ったリステリンです。
液体の色は、クールミントよりちょっと薄いかな?というかんじです。

クールミントより少し薄い青色の液
味は、クールミントと変わらないです。激しい刺激のため、甘いのと、口の中に残るミントの香りくらいしかわかりません、元々味わうものではないですからね。
歯石は、歯垢の取り残しに唾液(つば)が作用して石灰化したものです。
口の中の状態を清潔に保つ重要な役割を持つ唾液(つば)は、弱アルカリ性でカルシウム成分が飽和状態になっています。唾液(つば)は、歯の表面へカルシウム成分を付着させ石灰化することで歯の表面を修復します。
歯石は、歯垢という細菌等の塊が石灰化してしまったものなのです。歯垢の取り残しが歯についたままになっていると、一週間程度で固まってきます。
歯ブラシとフロスや歯間ブラシをつかって歯垢を完全に除去していれば、理論上、歯石は付きません。
亜鉛イオンに期待
ずいぶん前に、亜鉛イオンを歯みがき剤に添加することが流行りました。亜鉛イオンの効果についてのレポートを読んだような記憶がありますが、覚えていません。まぁ、そんなもんです。
雑な性格のため、歯みがきが丁寧にできない人で、3ヶ月に1回行く歯医者の定期チェックで、「歯石がまたいっぱい付いている」と指摘されるような人には良いかもしれません。ウチでも、すすめて使ってもらったことがあります。しかし、その効果は感じられませんでした。
むしろ、「スッキリ、サッパリ」することによる、歯みがきのモチベーションアップにより、歯みがきが熱心になることには有効だった気がします。
成分は、【(溶剤)エタノール (湿潤剤)ソルビット液 (薬用成分)1,8-シネオール、塩化亜鉛、チモール、サリチル酸メチル、ℓ-メントール (溶解補助剤)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール (保存剤)安息香酸 (矯味剤)スクラロース、サッカリンナトリウム (pH調整剤)安息香酸ナトリウム (着香剤)香料<ミントタイプ> (着色剤)青1】です。
薬用リステリン オリジナル
昔ながらの黄色(オレンジ色?)の液体です。オリジナルだけ、甘味料のサッカリンが入っていません。

甘いリステリンは、リステリンじゃない
誰しもが、口に含んだ瞬間、「からい!」と感じるくらいの刺激があります。生姜をそのまま囓ったような刺激です。リステリンといえば、この「辛さ」が特長だと思います。
リステリン オリジナルは香料が控えめなので、うがいしたあとの洗面台や流しのニオイが、あまりしないんですよ。フレッシュミントやナチュラルケアのように、水で綺麗にシンクを洗い流す手間と、余分な水がいりません。
「日本の甘いリステリンは気持ち悪い」と本場のアメリカ人は言います。
しかし、この辛さは日本人の口には合いませんでした。おかげで「リステリン」の知名度は上がらず、患者にすすめても、さっぱり売れませんでした。
今でも、日本人には人気がありません。昔は、英語の教師として来ているカナダやアメリカ人のオーダーで1.5リットルボトルを取り寄せていたこともあります。今は、Amazonで買えるので、欧米の人たちにも売れません。
成分は、【(溶剤)エタノール (薬用成分)1,8-シネオール、チモール、サリチル酸メチル、ℓ-メントール (保存剤)安息香酸 (溶解補助剤)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール (pH調整剤)安息香酸ナトリウム (着色剤)カラメル】です。
有効成分は、エタノール、サリチル酸メチルくらいでしょう。成分もシンプルで、リステリン7種類の中で、もっとも後味がさわやかです。しかも、刺激が強いので唾液(つば)を出す効果が一番高いと思います。サッカリンの妙な甘さが口に残りません。
リステリン ホワイトニング
2018年3月に日本での新発売になった、液体歯みがき剤です。
10ml(キャップ4分目)を口に含んで60秒間ブクブクとします。その後、ブラッシングします、朝晩の一日二回使って歯みがきをしろということです。
味は、甘いです。ミントの香りもなくて、アルコールの刺激とちょっと塩っぱく感じる何かを感じます。後味も良いですね。
この液体歯磨剤を使って歯が白くなるのか?テストしてみました。

茶渋が取れたらすごいけどな
成分は、「水、(溶剤)エタノール、(湿潤剤)ソルビトール、(洗浄剤)三リン酸5Na、(洗浄助剤)ピロリン酸4K、(可溶化剤)ポロキサマー407、(pH調整剤)クエン酸、香料、(防腐剤)安息香酸Na、(香味剤)ユーカリプトール、(清涼剤)メントール、(香味剤)チモール、(香味剤)サッカリンNa、(防腐剤)シメン−5−オール、(香味剤)スクラロース」です。
汚れを落とす成分は、(洗浄剤)三リン酸5Na、(洗浄助剤)ピロリン酸4Kです。まぁ、リン酸ナトリウム水溶液を使うわけですから、歯の表面を一層溶かしてってことなのかな?
まずは、2週間ほどやってみましょう。
ホワイトニング
日本人は、エナメル質が透明なので象牙質が透けてクリーム色のような黄色い歯をしています。どんな薬剤や紫外線を当てても歯は白くなりません。
エナメル質の表面を薬剤でスリガラス状に粗造にして、一見白くみせる技術を「ホワイトニング」と言います。むし歯の減った歯科医院の売り上げの補填ができるドル箱の一つでした。
3週間続けた結果…

施術後は、わざとオーバー気味で撮る
ポイント
効果のない物をあたかも効果があるように見せかけるという、三十年前からある古典的手法、オーソドックスな撮り方です。
歯ブラシは、電動歯ブラシ(オーラールB、ソニッケアー、ドルツ)を使っています。
現役歯科医師でも、老人性の退縮した歯肉と露出した歯根部に歯頚部齲蝕ができることも、この正面観写真で分かると思います。
リステリン ハグキケア(リステリン HC) ノンアルコール

ハグキケア
液体歯磨き剤あつかいなので、歯を磨く前に30秒間クチュクチュします。
ハグキケアの味は、炭酸の抜けたウイルキンソンのジンジャエールです。甘いショウガ味です。
うがいした後の流しから漂う香りは、他のミントとかと変わりません。吐く息も、ミント系と同じような香料の香りです。
ノンアルコールで溶剤としてプロピレングリコールが入っているので、30秒もブクブクすれば、口の中の粘膜や歯がクキクキ、コキコキします。
歯周病に最も有効なのは、縁下ポケットにある歯周病菌と炎症性物質の機械/物理的除去です。

有効成分は、
(湿潤剤)ソルビット液(溶剤)プロピレングリコール(溶解補助剤)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム(薬用成分)1,8-シネオール、チモール、サリチル酸メチル、ℓ-メントール、グリチルリチン酸ジカリウム(pH調整剤)安息香酸(着香剤)香料 ≪ジンジャータイプ≫(保存剤)安息香酸ナトリウム(矯味剤)サッカリンナトリウム、スクラロース(着色剤)カラメル

リステリン ムシバケア(リステリン MC) ノンアルコール
紅茶味のナチュラルケア の後継ですね。
液体歯みがき剤の扱いなので、ブラシで歯を磨く前に30秒クチュクチュします。ノンアルコールで辛くないのでできます。

グリーンミント味 ムシバケア
このハーブティみたいな香りと味は、「ミント紅茶味」なので、好みが分かれます。
ズバリ、男性の整髪料のようなニオイですので、好き嫌いが分かれます。
プロピレングリコール入りのノンアルコールタイプなので、歯と粘膜がクキクキします。
むし歯に対して効果があるのは、フッ化ナトリウムくらいです。有効成分は、「ムシバケア」なのにフッ素が入っていませんね。それで、どうやって齲蝕予防になるのでしょうか? そもそも、歯と歯の間(隣接面)の齲蝕予防は、フロスや歯間ブラシ以外で有効なモノは存在しません。

(湿潤剤)ソルビット液(溶剤)プロピレングリコール(着香剤)香料 ≪緑茶ミントタイプ≫(溶解補助剤)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム(pH調整剤)安息香酸(保存剤)安息香酸ナトリウム(清涼剤)ℓ-メントール、チャエキス(1)(矯味剤)サッカリンナトリウム、スクラロース(薬用成分)イソプロピルメチルフェノール(着色剤)黄203、緑3
リステリンなどの洗口剤についての使用上の注意や質問
リステリンはブクブクうがい(毒だしうがい)
歯の間を含んだリステリンなどの含嗽剤や水を高速に動かして、ブクブクという音を立てながらうがいします。一般的に、「ぶくぶくうがい」と言います。
2018年4月25日のNHKの朝イチで「毒だしうがい」と称して紹介する歯科医がいました。
ポイント
ブクブクうがいをする患者には、注意しますけど、テレビでやったから、また、増えるんだろうな〜。
歯医者から帰って、普段の生活の中でリステリンを使うのは、なんら問題はありません。
リステリンは、歯みがきの後で使うものですか?
その通りです。
説明書通りに、歯を磨いた後に、原液のままで一口分(20ml)を含んで、口の中をクチュクチュと回します。歯の間に液体が通るようにすると効果的でしょう。
紫色のトータルケアとトータルケア ゼロは、歯みがきの前に使います。
先にも述べた通り、トータルケア(ゼロ)は、「液体歯磨き」という設定になっているので、歯みがきをする前に、一口分を口に含んで30秒グチュグチュします。液をはき出したら、水ですすいで歯みがきをします。
歯みがきはブラシだけで良いですか?
歯みがきは、歯間を掃除しないと綺麗に歯垢が取れません。

適切にフロッシングと歯間ブラシが使えたら、リステリンなんて要らない
30代までは、フロスという糸を通して歯の間を掃除します。40代からは、歯間の隙間が大きくなるので歯間ブラシを使って、歯の間を磨きます。
口臭や歯周病予防、虫歯予防には、フロスや歯間ブラシが有効であることは事実です。ですから、リステリンなどの洗口剤が単独で口臭や歯周病予防、虫歯予防に寄与しているわけではありません。
歯間ブラシとフロスを使わないとどうなるのか? 実際に私の口でテストしました。

トータルケア&ターターコントロールとソニッケアで一ヶ月
歯みがきは、朝晩のソニッケアー電動歯ブラシ、昼間は手で普通の歯ブラシを使います。歯みがき前にトータルケア、歯磨き後にターターコントロールでうがいしています。下顎3〜3は、フロスと歯間ブラシは使いません。テスト前に歯石だけ、スケーラで除去しておきました。
デブリス(茶渋)は、仕事で使うプロフィー(自費のホワイトニングなどで使う塩粉による清掃機)の性能テストのために、日頃からお茶を朝昼晩口に含んで意図的に付けているので気にしないでください。これで、茶渋、コーヒー、ワインの汚れが、電動歯ブラシやトータルケアで完全に取れるわけではないことが分かりますよね。
患者には、毎月「ここが磨けていない」と指導して指導料をもらいます。プロの私ですら、フロスと歯間ブラシを通さないと歯間に歯石が付きます。
リステリンを使う回数は?
大切なことなので繰り返します。「うがいのしすぎ」は唾液(つば)を薄め口の中の状態を悪くします。
食後20〜30分で、歯みがき剤を何も付けずにブラシだけで歯みがきをしてから、リステリンで口の中をさっぱりとします。ですから、一日、2〜3回程度のものです。それ以上は、しないようにしましょう。
受験生で、眠気覚ましのために、歯みがきをしたり、刺激のあるリステリンでうがいをしている人がいました。誰かから教えてもらった(ネットで知った?)みたいです。しかし、やり過ぎたために、口腔粘膜が赤くただれて乾燥し、味覚障害まで起こしていました。
口内炎の時は、リステリンが使えません
口内炎(アフタ)は、白くポツンと丸いものができて、痛いですよね。とくに舌の横、喉の奥側(舌根部側面)にできると、食べ物が飲み込めないほど痛く(嚥下痛が大きく)なってしまいます。
その口内炎(アフタ)の主な原因は、歯ぎしりによる咬傷です。また、食事のときにスプーンやフォークや歯ブラシを歯肉(歯ぐき)にぶつけてケガをしたところも、アフタになります。
口内炎(アフタ)は粘膜が損傷し細菌感染による炎症が起きて激しい痛みを出している状態ですので、さらなる細菌感染を抑えるように口の中を清潔にする必要があります。
アフタへの一番のおすすめは、イソジンガーグル(明治うがい薬)です。ステロイド軟膏やパッチを貼るよりも除痛までの時間が短い(一週間痛むのが5日に短縮される)ようです。
え? リステリンはダメなの? はい、そもそも殺菌が期待できないので使っても しみるだけです。それに、大人の事情で(薬機法的に)医薬部外品のリステリンが口内炎(アフタ)に効くとは言えないんです。殺菌効果のあるのは、ポビドンヨード系やアズレン製剤等の医薬品の含嗽剤です。
料理の味見をする人は使ってはいけません
料理人、食品工場で品質検査や味見(官能検査)をする人は、リステリンのような香料の強い洗口剤は使ってはいけません。リステリンなどの洗口剤を使ってブクブクうがいをすると、味覚と嗅覚が数時間麻痺します。
タバコを吸う料理人が、まったく話にならないのと同じです。自分の感覚が狂うようなことをしてはいけません。
頻繁にうがいをする人は、洗口剤をつかっていなくても、唾液(つば)の洗い流しで粘膜表面にダメージをうけます。舌の細胞まで、おかしくなっていることがあります。
バイオフィルムって何ですか?
バイオフィルムは、歯周病菌が自分たちの周りにつくるバリア(シールド)の事です。唾液(つば)のネバネバのことではありません。菌体外多糖類(ゼリー、ネバネバしたもの)で菌がたくさん集まってコロニー(集落に例えられるばい菌の塊)を形成しています。
三十年ほど前、歯周病菌の研究をするためには、あらかじめ決められた菌株を使わないと学術的に認められませんでした。その菌株には、バイオフィルムを作る元気が無かったのです。だから、バイオフィルムの存在が分からなかったのです。
口の中から採取した新鮮な歯周病菌から、このバイオフィルムを作るものが見つかりました。
バイオフィルムは、唾液(つば)に含まれる抗体(免疫)や抗生剤などの薬剤から菌を守るバリアとして機能します。

もちろん、洗口剤ごときでバイオフィルムを溶解するなんてことはできません。唯一、バイオフィルムを溶解できるかも?と言われているのが、炭酸水素ナトリウム(重曹)です。歯みがき剤に昔から入っている成分です。
もし、「バイオフィルムは唾液(つば)のネバネバだ」なんて書いているブロガーがいたら、まったくのデタラメです。その人の書いた記事は過去にさかのぼって、どれもデタラメだと思っていただいて良いでしょう。
リステリンのポンプの先が必ず詰まる件
リステリンの成分が徐々に固まって、ポンプの先(100円)がつまります。

先が乾いて固形物が詰まってしまう
ぬるま湯につけて、固まった成分(ロウ状の固形物)を軟かくしてから洗いましょう。
固形物を除去できたら、次亜塩素酸系漂白剤(キッチンハイター)に数時間浸けて殺菌消毒します。パイプ内に新鮮な水道水を通して良く洗ってから、水気を切って乾燥させ、再利用します。
リステリンでうがいすると、歯がギシギシするのは?
歯の表面を覆っている唾液の粘液(ネバネバ)成分が洗い流されるからです。特に、アルコールが含まれていない、リステリン ナチュラルケアやトータルケア ゼロには、プロピレングリコール(溶剤)が使われているため、その傾向が強いと思います。
歯がかみ合う(咬合)時、歯同士は、お互いにこすれます。唾液(つば)は、歯が欠けたり削れるのを防ぐ潤滑油として働きます。
完全に乾いた歯は脆く傷みやすくなります。だから、口呼吸はダメなのです。
リステリンでうがいをして、すすいだ後、口を閉じて唾液をすこし貯めて口の中に回すと、歯のギシギシとしたかんじは無くなるはずです。新鮮な唾液で歯が覆われることで、歯にとって理想的な状態になります。
重曹うがい:子供の虫歯予防
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子供がむし歯になるのは親の責任です。子供のむし歯ゼロのために親(爺婆)がするべきこと。
ここ十年で、乳幼児のむし歯は激減しています。私の住む自治体では、3歳児歯科健診で治療の必要なむし歯のある子は、50人中1人いるかいないかです。 「むし歯のある子とない子の差は?」と良く聞かれるのですが ...
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乳歯、永久歯に生え替わる時期(混合歯列期)の子供(〜16歳)には、虫歯予防のために重層水(500ミリリットルのペットボトルに小さじ1/3の食用重層を溶かした液)で、歯磨き前に、ブクブクうがいさせることを推奨します。
重層水でうがいをすると、歯の表面に炭酸カルシウムなど石灰化した成分が付着するので一時的に”クキクキ”する、舌で触ると少しざらつくように感じます。
重層水でブクブクうがいをしてから、歯みがき剤をつけずに歯ブラシだけで歯を磨き(10歳までは親が仕上げ磨きをして)、最後にフッ素入りの歯みがき剤を歯ブラシで塗りつけて、軽く泡が残る程度のうがいをします。
コンクールF等のようなフッ素入りの含嗽剤を使わなくても、健康な人であれば、唾液の力のみで歯の表面は再石灰化し、フッ素と反応して、フッ化アパタイトというコーティングが歯にできます。
これを実践した子供たちが、今、むし歯ゼロ(充填物無し)で成人しています。
リステリンを飲み込んでも大丈夫なの?
アルコールが含まれているので、酒を飲んだのと同じです。他の薬効成分も微量なので、特に胃腸を壊すことはないでしょう。中学生が、リステリンをソーダで割って酒盛りをしていて補導されたという事件がありました。販売する側も考えて売りましょう。
リステリンをうがい直後の飲酒運転検問に注意
レアなケースだと思いますが、アルコールタイプのリステリンでうがいをした場合、飲酒検問にひっかっかる可能性があります。口に含んだままで運転しないようにしましょう。
まとめ
患者からの「おすすめのデンタルケアグッズ」に関する質問のベスト3は、
- 歯みがき剤
- 歯ブラシ
- 洗口剤(うがい薬)
です。
今回は、口の中がさっぱりする効果しかない洗口剤の中でも、リステリンついてまとめておきました。
このブログは、若い人が見に来てくれているので、こういった健康情報もこちらに載せてきます。大切な家族や友人にシェアして活用してください。ネット上にあふれている洗口剤(リステリン等)の記事の全てが、アフィカス(ブロガー)にとって都合の良い解釈と販売へ誘導する内容に偏った嘘であることがわかるでしょう。

大切なことなので繰り返しますが、洗口剤は、ミントなどのハーブの刺激で、口の中に新鮮な唾液(つば)を分泌させることで、口の中の環境を良くするものです。
塩で歯みがきするのも、唾液(つば)の分泌を促進する意味で同じです。塩自体に抗菌作用があるとはいえ、唾液(つば)に溶けるレベルの濃度ではたいした効果は期待できません。それに、塩分の取り過ぎは体がむくみます。
梅干しは酸性なので実際に口に入れてしまうと歯の表面が溶けるのでダメです。「梅干しのニオイをかいで唾液(つば)を出す」というのは、唾液(つば)が出ない人の治療方法として、実際の臨床で使います。
以上、長々と書いてきましたが、一言でまとめると、一番激しい刺激で甘くない「オリジナル」が、唾液(つば)が出るからベストってことになります。

マンネリ化で、歯みがきのモチベーションが下がるのであれば、少々高く付きますが500mlタイプのボトルを順繰り、味を変えて使う事もおすすめしておきます。
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