音が悪い、音がずれるというBluetoothヘッドホンの常識を覆す、aptX Low Latencyコーデックに対応した
Bluetoothアダプター TROND BT-DUO Sを買ったのでレビュー
します。
Bluetooth トランスミッター&レシーバー って何?
Bluetoothに対応していないテレビやオーディオ機器の音声を無線のBluetoothのヘッドホンやイヤホンとつなぐための、アダプターです。
無線用語解説
- Bluetooth(ブルーツース、青歯):2.4GHzのデジタル通信規格
- トランスミッター(送信機):電波を送信する装置
- レシーバー(受信機):電波を受信する装置(ラジオやテレビとか)
- トランシーバー(送受信機):その名の通り、トランシーバー
このTROND BT-DUO Sは、送信側のトランスミッターと受信側のレシーバーの両方に使えるので、トランシーバーという人もいます。
以下、具体的な例をあげましょう。Bluetooth のなかった時代の古い iPodです。

こんなかんじで使えています。
iPod のイヤホン端子からアナログステレオ音声をBT-DUO Sで送信します。それをワイヤレスヘッドホンのTD-BH01が受信して音楽を再生しています。
BT-DUO Sの何が違うのか?
ざっくりと、スペック表をみながらチェックしましょう。
- 商品名:TROND 2 イン 1 Bluetooth トランスミッター&レシーバー
- モデル番号:BT-DUO S
- Bluetoothバージョン:Bluetooth V4.1、クラスII
- Bluetooth チップセット:CSR8670チップセット
- Bluetooth プロファイル:A2DP / AVRCP
- 送信範囲:10m以内(障害物がない場合)
- 周波数:2.402GHz〜2.480GHz
- サポート:デュアルストリーム(TX、送信モード);マルチポイント(RX、受信モード)
- コーデック:aptX Low Latency、aptX、SBC
- 内蔵バッテリー:200mAh / 3.7V リチウム充電池
- 動作時間:約10時間(TX、送信モード)約9時間(RX、受信モード)
- 充電時間:2時間 / DC5V 充電しながら使用可
- 寸法:55 × 38 × 10.5 mm
- 製品重量:約17.2g
- PINコード:0000、11111、1234、8888
- 18ヶ月保証、30日間返金保証付き
以上、読み解いていきましょう。
- BT-DUO Sは、送信側にも、受信側にもなれる
- aptXとaptX LLを送信、受信でサポート
- 内蔵バッテリーがあるので、給電なしで、約9時間は使える
一言で言えば、「BT-DUO Sは低遅延、高音質の音楽を転送できるバッテリー内蔵の無線アダプター」ということです。
つなぎ方は、マニュアルに図があるので参考にしてください。

配線はシンプルです。ただし、ボタン操作が少し複雑なので、マニュアルなしの操作はできません。
その他、注意点や機能などをチェックします。
- 2台のデバイスと同時にペアリングできて同時にぞれぞれのBluetoothヘッドホンやイヤホンで同じ音をきくことができる。(ただし、SBC接続)
- ペアリングは直近のデバイスを2つ覚えている
- TX、RX 送受信を切り替えるとペアリング情報はクリアされる
BT-DUO S を写真で紹介

BT-DUO-Sの同梱物は、
- TROND BT-DUO S2-イン-1 Bluetooth アダプター本体
- microB-USB充電ケーブル(充電用)
- 3.5mm径 3極ミニプラグ ステレオ オーディオケーブル 50cm
- 3.5mm径 ステレオジャック(メス)-RCAオス ケーブル 15cm
- 取扱説明書 英語
です。日本語の取扱説明書「TROND BT-DUO S 取扱説明書.docx」は、メールで送られてきます。付属の英語の説明書よりも詳しいです。日本語が中学生の翻訳調です。
RCAオス の変換ケーブルが付いてくるあたり、テレビの裏側のRCA音声端子に挿して使うことを想定しています。その場合は、テレビ録画用のHDDをつないでいない場合、USB端子にmicroB-USBケーブルをつないでおけば、付けっぱなしで使えます。

ボタンは、
- VOL+と VOLー
- ON / OFF、多機能ボタン(MFB : Multi Function Button)
があります。
LEDインディケーターは、BT-DUO Sの状態を色と点灯状態で教えてくれます。

microBの充電ポートがあります。
その横に、3.5mm径の三極ミニプラグのジャックがあります。
- BT-DUO SがTXモード(送信機モード):ステレオアナログ音声の入力
- BT-DUO SがRXモード(受信機モード):ステレオアナログ音声の出力
になります。

TX(送信)モードとRX(受信)モードに切り替えるスイッチがあります。
取り扱い説明書によると、切り替えには3秒の間隔が必要だそうです。あまり、パチパチと切り替えるものではないようです。
TXモード「送信機として使う」

詳しい日本語マニュアルによると、音源は、アナログステレオ音声であれば、なんでもBluetooth化できます。
主な使い方として、
- ワイヤレスに対応してないゲーム機につける
- テレビの音声出力をワイヤレス ヘッドホンで聞けるようにする
などが考えられます。aptX LLに対応したヘッドホンを使えば、高音質で音が遅れないで聞けるというメリットが生かせます。
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無音状態でミュートになるので、ブツブツと途切れた音になる問題
Bluetoothのトランスミッターのチップセットの仕様として、無音、無音に近い状態になると音が止まります。自動ミュート機能と呼ばれるもので、無駄を極力抑えて節電する機能です。
これが災いして、クラシックの曲を聴いているときに、ピアニッシモの音が小さくなったら、ブチッと途切れて、そのあと音が大きくなったら、ンプッというかんじで音がでてきます。
回避する方法は、音の強弱がある音楽ソースでは、TXモードで使わないようにするしかないです。
ゼルダの伝説ブレス オブ ザ ワイルドでの音が途切れと途切れになる問題については、こちらで解説しています。
BT-DUO Sを送信機として使うやり方
- 電源のオフ状態で、TX/RXスライドスイッチを「TX」側に切り替える。
- 多機能ボタン(MFB)を3秒長押しで電源オン:LEDは青2回点滅
- 多機能ボタンを3秒長押しで電源オフ:LEDは赤に2回点滅
- 新規のペアリングは、電源オンの状態で、多機能ボタンを2回クリック:LEDは青で高速点滅
- デバイスが接続されないと2分間でスタンバイモードになる:LEDは青に1Hzで点滅
このBT-DUO Sは送信機としても、便利です。
2つのイヤホンやヘッドホンへ送信
順番に2つのヘッドホンやイヤホンをペアリングすると、同時に認識して、両方へ音楽などの音声を流すことができます。
HD4.50BTNCとTT-BH01というatpX対応のヘッドホンとイヤホンを使って、Nexus 7で映像の音が2つ同時に送れているか?をテストしてみました。

タブレットのBluetooth機能でヘッドホンやイヤホンにつながないで、アナログ音声をBT-DUO SからBluetooth送信することで、2つのヘッドホンやイヤホンに同時に同じ音楽を送信できます。
ただし、2つのヘッドホンやイヤホンに同時送信の時のコーデックはSBCですから、動画をみると音が遅れているのを感じます。
私は、この機能を使いたいために、BT-DUO Sを買ったくらいですからね。
TD-BH01はaptX LLでつながろうとして、キキキーと高い音がして音が出ません。2つのイヤホンやヘッドホンは、SBCやaptXでつながるものを用意しましょう。
テレビにつけるヘッドホンのためのトランスミッターとしても最適

テレビの音声をワイヤレスヘッドホンで聞くために、BT-DUO Sとテレビのヘッドホン、イヤホン端子、あるいは、RCAの音声出力端子につなぎます。
長時間使う場合は、microB USBケーブルをテレビの録画用のUSB端子にさして、給電します。
ヘッドホンは、TD-BH01のような、aptX LLに対応したものを使えば、音と映像のズレを感じない、有線でつないだヘッドホンと同じように聞くことができます。
テレビは、イヤホン端子にさすとテレビのスピーカーからは音がでなくなります。テレビによっては、スピーカーからも音が出るように設定できるものがあります。自分の都合に合わせて設定してください。
BT-DUO SをRXモードで使うやり方

BT-DUO SをBluetoothの受信機&ヘッドホンアンプ的に使います。
有線のイヤホンやヘッドホンをaptXの高音質できけるワイヤレス化できます。
お気に入りの有線のヘッドホンをこんな感じで使います。

SONYのヘッドホン標準機 MDR-1Rも、このBT-DUO Sをつければ、ワイヤレスのヘッドホンになります。
ぶら下がるのがアレなので、ヘッドバンドに紐でしばりつけます。
ヘッドバンド部にあたるところに粘着マットを小さく切って間に挟んでからの、紐でしばって固定するとカタつく音が響かずに安定して使えます。
送信側をapt-X LL対応のBT-W2にすれば、高音質&低レイテンシでゲーミング ワイヤレスヘッドホンに早変わりです。
このSONYのMDR-1Rの装着感の良さやクセのない音にファンも多いと思います。
MDRシリーズのBluetooth版は高いし、融通がきかないので、こういった使い方もありです。
MDR-1シリーズは人気なので、イヤーパッドなどの交換互換部品がそろっていて、長く使えますからね。
まとめ
Bluetoothのトラスミッタ&レシーバのBT-DUO Sについて紹介しました。他に、レシーバ専用のTROND BT-RX Sがあります。
- Bluetooth化できるアダプターで、送信側、受信側のどちらにもなれる
- aptX、aptX LLのコーデックに対応していて高音質、低遅延である
- 2つ同時にペアリングしたイヤホンやヘッドホンに送信できる
という特長があります。
これを応用することで、Nintendo Switchなどのワイヤレスに対応していないゲーム機をワイヤレス化することが可能になりました。
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Bluetooth V5.0より以前のバージョンのトランスミッターは、レシーバとして使いましょう。昔から愛用しているアナログのイヤホンやヘッドホンが、aptX-LL対応の低遅延&高音質のワイヤレスになります。
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