
ケーブルがなくて、左右の耳にいれる補聴器のような 左右独立ワイヤレスイヤホンが大流行です。
イヤホンは、中華メーカーの独擅場で、Amazonでよく似た商品が大量に売られています。どれを選べば良いのか? 悩む人も多いでしょう。
私も分かりません。おそらく、どれを買っても同じです。
今回は、Cosomi X6 という
5千円で買える 左右独立イヤホンを買ってみたのでレポート
します。
中華の左右独立 完全 ワイヤレスイヤホン って どんなの?
2019年 前半時点での、左右独立/完全イヤホンの主なスペックと現状をか個条書きにします。
- Bluetooth 5.0+EDR:(2018〜2019年の)最新バージョンと拡張データ通信
- 専用充電ケース:(スマホも充電できる)バッテリー内蔵
- IPX5以上:耳の穴にしっかりとはまっていれば完全防水、水泳や湯船の潜水はダメ
- Bluetoothは、オートペアリング
- 両耳、片耳どちらもで使える
- タッチセンサー(物理ボタン)による操作
- 左右のイヤホンにそれぞれ、マイク内蔵
- Bluetoothのコーデックは、SBCとAAC
- エコーノイズキャンセル機能:CVC 8.0のチップセットに内蔵
- 音声の遅延は、0.5秒程度あるので、動画を見ると音ズレする
- 保証は、半年〜1年。メーカーによって違う
- 価格は、3500〜5500円
ケースの形が違う、ブランド名が違うだけで、ほぼ、どれも同じ性能と使い勝手になっています。
値段の高い安いは、
- メーカー独自の製品かどうか
- ライセンス料がかかるチップセットのバージョンが古いか新しいか
- 中身が同じで、外側(ロゴ)が違うだけ
- マニュアルが日本語か、
- 保証期間が長い、短い
の差になってきます。
2019年後半には、2〜4千円台と価格も下がっていくでしょう。
左右完全ワイヤレスイヤホンでの「格安」は、税込送料込みで5千円以下のことを言います。左右 完全 ワイヤレスイヤホン(Cosomi X6)のレビュー
Cosomi も中華の輸入業者のブランドでしょう。中国のAliExpressでみても、このブランド名は見当たりません。よく似た完全ワイヤレスイヤホンは大量にあります。

このCosomi X6(Hi-TWS)の同梱物は、
- バッテリー内蔵ケースに入ったイヤホン
- イヤーピース
- microB USBケーブル
- 日本語取扱説明書
です。
カナル型のイヤホンなので、シリコンゴムのイヤーチップ(イヤーピース)の交換品がついているのですが、このブランドには付いていませんでした。→ 箱の中にはいっていました。
日本語の取扱説明書は、機械翻訳ではなくて、手作りっぽい感があるものの、ちゃんとした日本語マニュアルです。

充電ケース

スマホも充電できるモバイル バッテリー内蔵のイヤホンケースです。
- 大きさ:32 × 52 × 85 mm
- 重さ(イヤホン込み):99g
とずっしりと重いです。
イヤホンを収納することで、イヤホンへの内蔵バッテリーに充電します。
ケースの充電池の容量は、4000mAh(3.7V)ということになっています。← 嘘でした。

ケースの充電ポートは、他のガジェットと同じでmicroBです。フタがないので、防水防滴仕様ではないですね。
手持ちのUSB充電アダプターやモバイルバッテリーなどから充電します。

ケースに内蔵されたバッテリーの残量は、青のLEDランプで表示されます。
ケースのLED
- 1個のLEDが点滅:0-25%
- 2個目のLEDが点滅:25-50%
- 3個目のLEDが点滅:50-75%
- 4個目のLEDが点滅:75-100%
満充電で4個のLEDが点灯し、ケーブルを抜くとLEDは消灯する。
イヤホンをいれた状態で、ケースを充電すると、イヤホンのブリージングライト(呼吸するように点滅するリング状ライト)が点滅し、満充電で点灯する。
ケースはモバブになる → OTG出力対応

ケースの充電容量が大きめの4000mAh なので、スマホなどの充電ができるモバブ(モバイルバッテリー)としての機能を持っています。
といっても、現実は、 1000mAh(3.7V換算)程度という詐欺的なものなので、「できるよ」くらいのものです。

アフィカスのデタラメの例をあげておきます。たとえ、積算電流量と積算電力量の違いを知らなくても、実際に充電すれば、iPhone 1台満足に充電できないことに気がついて、間違いに気がつくはずなのですが…
詳しくは、こちらで解説。

USB放電器で、5V / 1A に設定して、DMMでUSBの電流と電圧を実際に測ります。
4.8V × 1.0A × 0.66時間 ≒ 3.2 Wh です。4000mAh /3.7Vなら、14.8Whで、iPhone XR1が1回充電できなければなりません。
もしかしたら、2000mAh / 1.2Vのニッケル水素充電池2本なのかも知れません。それで4.8Wh。DC/DCコンバータのロス分をいれると…、66%だから非効率なコンバータだと、なんとなく辻褄があう。

そのおかげで、3時間弱しかバッテリーが持たないイヤホンへの充電は、ケースに収める度に行われ、2回でバッテリー残量のLEDが1個しか付きません。減りが早い理由は、容量詐欺だからです。
最初の数回の充放電でバッテリーの能力が100%になるが、30回くらいから徐々に劣化していく。

提灯記事を書くアフィカスも実際に試さずに、メーカー/ブローカーの言いなりの数字で書いているから、まったく信用できないことが実感できます。
イヤホンの外観
イヤホンは、
- サイズ:18 × 14 × 22 mm
- 重さ:4.2g
と、やや大きめです。

イヤホンの形状は、どれもほぼ同じです。
「シリコンイヤージェル」というのが、「イヤーウイング」などと呼ばれる耳に固定するための突起にあたります。
私の耳には、すこし大きいです。女性の耳だと、きちんとハマらないでしょう。(妻の耳にで試したら「浮き上がって窮屈だ」とのこと)
マイクの穴は、左右どちらにも付いています。つまり、片耳で使えるということです。
左右の識別は、RとLの刻印があるので、老眼には厳しいですが、目をこらして見ればわかります。
充電端子は、金メッキですね。
ボタンは、マルチファンクションボタン(MF)で、静電気タッチ式のボタンです。
この静電気式のタッチボタンは、誤動作が最大の欠点です。
耳の上を覆うほど髪が長い人は、汗で濡れた髪の毛の束が当たれば、指をタッチしたのと同じことになって、思わぬ操作にとまどうことになります。

カナル型のイヤホンで、走ると走る音がドンドンと耳に聞こえて、すごく気持ち悪くなります。
カナル型のイヤホンをして走れる人は、すごいですね。
イヤホンの主なスペック
- Bluetoothバージョン:5.0
- 対応コーデック:SBC、AAC
- プロファイル:A2DP V1.3、AVRCP V1.6、HFP 1.7、HSP V1.2
- 待ち受け時間:120時間
- 再生持続時間:4時間(実際は、3時間弱)
- 通話時間:4時間
- 通信距離:約10m(実測 5m)
というかんじで、特筆すべき点はありません。
中華のブランドメーカーの製品には、コーデックがSBCしか対応していないのに、7千円するとかボッタくっているのに比べればマシです。保証期間が半年と短いのが残念ですが。
そこら辺のワイヤレスイヤホンと変わりないです。
ボタン操作
このCosomi X6 TWSイヤホンは、左側のイヤホンが主(メイン)になります。
MFボタンは左右どちらも基本的には同じです。
電源
電源ボタンはありません。専用ケースから取り出すと電源が入ります。
電源オフは、
- イヤホンのMFボタンを5秒長押し
- イヤホンを充電ケースに収める
- スマホとBluetoothの接続が切れて、6分後に自動オフ
です。
電話
- 電話にでる:MFボタンを1回短押し
- 電話を切る:MFボタンを1回短押し
- 電話に出ない:MFボタンを3秒長押し
曲の操作
- 一時停止(pause):曲の再生中にMFボタンを1回短押し
- 再生(Play):MFボタンを1回タップ
- 曲送り:右(R)のMFボタンを2回短押し
- 曲戻り:左(L)のMFボタンを2回短押し
- 音量大+:右(R)のMFボタンを押し続ける
- 音量小ー:左(L)のMFボタンを押し続ける
音声アシスタントの起動
iPhoneなど、iOSのSiriにしか対応していません。MFボタンを3回タップ。
誤動作が多くて、あまり役に立ちません。
スマホとつないで使う
iPhone、iPod touch 6につないでみます。
ペアリング
ペアリングに関しては、どのBluetoothイヤホンも、取扱説明書に詳しく書かれています。
このX6に関しては、日本語翻訳がまともなので、読んで分からない人はいないでしょう。
このX6は、
- 両耳でステレオ ヘッドセット
- 片耳ではモノラル ヘッドセット
- 片耳は、左がメイン、右がサブ、左右、片耳のモノラルヘッドセットで使える
- 左だけで使っていても、右を起動すると左右のステレオ ヘッドセットになる
ということです。
両耳のステレオ
左右のイヤホン同士をペアリングしてつないだ後、左側のイヤホンを代表してスマホにつなぎます。
- 充電ケースから、左右のイヤホンを同時に取り出す
- イヤホンは「パワーオン」で自動で電源が入る
- 左右のイヤホンがペアリングを開始
- L(左)のイヤホンのリング状ランプの点滅が、R(右の)のリング状ランプの点滅よりも速く点滅する。「ペアリング コネクティド」で、左右のイヤホンが接続完了
- スマホのBluetoothの設定画面を開いて、「Hi-TWS L」のデバイス名を選択(つまり、左のイヤホンに接続する)
- 「ペアリング サクセスフル」で、完了
左のイヤホンがメインなので、基本的に「Hi-TWS L」につなぎます。
片耳のモノラル
片耳でのモノラルヘッドセットとして使う場合は、スマホのBluetooth設定画面で、左右のステレオで登録している「Hi-TWS L」の接続先を削除します。
左(L)のイヤホン
- 左のイヤホンをケースから出す
- 右のイヤホンを探してペアリングしようとするが、見つからないので片耳モードで起動
- スマホのBluetooth設定画面から、接続しようとしている「Hi-TWS L」を選択
- 「ペアリング サクセスフル」で接続完了
右のイヤホンをケースから取り出すと、自動で右とペアリングして、両耳ステレオ モードになります。
右(R)のイヤホン
- 右のイヤホンをケースから取り出す
- 左のイヤホンとペアリングしようとするが見つからないので、片耳モードで起動
- スマホのBluetooth設定画面から、接続しようとしている「Hi-TWS R」を選択
- 「ペアリング サクセスフル」で接続完了
左のイヤホンをケースから出しても、左右のステレオモードにはなりません。
スマホのBluetooth画面で、「Hi-TWS R」や「Hi-TWS L」のデバイス名を削除して、両耳のステレオでつなぐ方法を最初からやり直しをします。
Anker など大手のガジェットメーカーは、ワイヤレスイヤホンの自動ペアリングを「push and go」という機能として名前を付けています。
音質の評価
BluetoothトランスミッターのBTI-039にペアリングして音響測定をします。

”簡易”音響測定をしてみると、他のBluetoothのイヤホンと同じ特性をもっているのが分かります。
中音域から高音域(800〜8000Hz)まで徐々に強調しているため、
- キレの良い
- ヴォーカル(歌声)がよく聞こえる
音に聞こえます。
「安物の完全ワイヤレスイヤホンの宿命である12000Hz以上は省いて再生しない」という点も他のものと同じです。

この計り方だと低音側がとらえにくい傾向にあります。特に低音が弱いこともなく、素直に再生していることが分かります。
実際に聞いても、とくに音が良いとか、悪いとか、は感じません。
ごく普通のBluetoothのイヤホンです。つまり、ハズレじゃないです。
しかし、この程度の音響特性で、「素晴らしい音です!」なんて書いて、「おすすめです!」というゴリゴリに商材をすすめる記事を書いているヤツは、100%アフィカスですので、だまされないようにしましょう。
音ズレ
アクションゲームや、テレビゲームは、音の遅れが気になるでしょう。
ゲーム機のイヤホンとしては使えません。
動画を見るのであれば、若干遅れているように感じる時もありますが、気にしない人には気にならないと思います。
防水防滴は眉唾物(まつゆばもの)
IPX7 とメーカーの宣伝には書いてあります。

しかし、イヤホンの構造上、IPX7のレベルにするには、カナル側の水の浸入を防ぐためにフタをせざるを得なくなります。そうすると音が悪くなります。
イヤホンを耳の穴にしっかりと入れて、ずれない状態で、せいぜい、IPX5程度だと思った方が良いです。
中華のイヤホンにありがちな、”盛り盛り”の性能アピールです。
Anker、RAVPower(Taotronics)など、徐々に名の知られるようになったブランドは、盛った表現を控えているので、IPX5 と控えめな表現にしています。
TaoTronics(RAVPower)は、Amazonでのステマ行為のため取り扱い中止になり中国の関連グループが消滅しました。
Cosmos X6の問題点
- 耳せん効果で、音がない状態では「心臓のドキドキ音」や「体の関節、歩く時の振動がよく聞こえて気持ち悪い」
- タッチセンサーの誤動作が、汗にぬれると起きやすい
- ペアリングについても、??な時がある
- イヤホンを両耳から外しても、再生し続ける(逆に、測定などで都合が良い)
まとめ
この記事は、イヤホンのレビュー記事のテンプレート(たたき台)に肉付けして書いたものです。ブログでレビューを書く場合、それぞれのガジェット別のレビューテンプレートがあると便利です。
だから、別にCosomiとかいうわけのわからないブランドとか、中華のTWSイヤホンなんて、何でも良かったんです。
TWSイヤホンは、アフィカスを象徴するガジェット
左右独立/完全イヤホンは、アフィカスが好んで扱う商材です。
ターゲットが、イヤホン端子のないiPhoneを買ってもらって喜んでいる中高生や二十代前半の情報弱者の若者ですから。
2018年以降で、ケーブルがない左右独立イヤホンは、中華メーカーの過当競争に陥っています。おかげで、Amazonの口コミは、中華の業者の工作員によるステマと中傷合戦でまったく使い物になりません。
購入した人に対しても、Amazonの口コミにレビューを書いたら、Amazonポイントを提供するなど、中華の業者もあの手この手で情報工作をしています。
積極的にアフィカス ブロガーに対して無償でイヤホンを提供し、そのステマ記事を書かせています。その結果、「左右 完全 ヤイヤレス イヤホン」を検索してもステマ、提灯記事しかヒットしないという、ひどい状況です。
そんな状況を嘆いても仕方がないので、時々、自分で実際に買ってみて、どんな状態なのか?を調べています。
今回も、適当に目に付いたものを買ってみました。

過去にも何個か買ってみたものは、
- バッテリーの持ちが1.5時間という実用レベル以下
- 耳の穴にまったく合わない
- SBCの音が悪すぎた
- ペアリングが安定しない
- 充電ができない
- 左右の音の大きさが違う
ので返品して返金を繰り返すという…、まだまだ発展途上のガジェットです。
2018年のBluetooth 5.0対応のイヤホンから、まともに動作するイヤホンが増えたような気がします。
Amazonで 完全ワイヤレスイヤホン を選ぶ 楽天で 完全ワイヤレスイヤホン を選ぶ
イヤホンやヘッドホンの長時間(1時間以上)の使用は、聴力低下の直接の原因です。
アメリカで提唱される 60:60 セオリーを参考に、イヤホンやヘッドホンの使用には注意しましょう。