USB ヘッドホン・イヤホン

低遅延 aptX-LL対応のワイヤレスUSBトランスミッター【REIYIN WT-04】を買ったのでレビュー

2019年2月7日

BT-W2とWT-04

Bluetoothで音を飛ばすUSBトランスミッターの中でも、珍しい aptX-LL対応の REIYIN WT-04 を買って試していました。

結論から言うと、おすすめできません。WT-04を買う人は注意してください。WT-04は、一見、ハイスペックなわりに安価なのですが、Bluetoothのバージョンが古いと接続が不安定すぎて使えないからです。

以下、なぜダメなのか? について書いていきます。

REIYEN WT-04 を写真で紹介

WT-04同梱物
WT-04同梱物

小さい白い箱にはっていたのは、

  • Bluetoothトランスミッター(WT-04)本体
  • Type-C to Type-A 直角変換プラグ
  • 取扱説明書(日本語)

の3点です。

WT-04とUSB-C変換L字プラグ
WT-04とUSB-C変換L字プラグ

WT-04本体は、USB-Aのプラグです。これをUSB-Cのプラグに変換するアダプターが付いています。これを何に使うかというと、

Nintendo SwitchとWT-04
Nintendo SwitchとWT-04

Nintendo SwitchのUSB-Cコネクタに取り付けて、ワイヤレス化するために使います。他に用途が見つからないので、L字の変換プラグは、Nintendo Switch専用ということでしょう。

ヘッドホン TD-BH01(Bluetooth 4.2 aptX-LL対応)とWT-04は、aptXでしかつながりません。aptX-LLではつながりません。

PS4は、前面のUSB端子に、そのままさします。

WT-04の主な仕様

  • 大きさ:17.5 × 41.5 × 8 mm
  • 重さ:4.8g
  • 対応コーデック:aptX-Low Latency(aptX-LL)、aptX、SBC
  • Bluetoothプロトコル:A2DP、AVRCP
  • 周波数:2.402〜2.480GHz
  • チャンネル:2
  • Bluetooth バージョン:Bluetooth Ver 5.0
  • 送信距離:10m以内
  • マイク:Bluetoothのマイクあり

仕様としては、高性能です。

AACをサポートしていない

AACだけをサポートしたレシーバ(イヤホンやヘッドホン)はないので、不便ではないですね。

チャンネル数が2つ

同時につなぐことができるヘッドホンやイヤホンが2つというのは、便利です。

いままでの、Bluetoothトランスミッターは、イヤホンやヘッドホンを2つ同時につなぐ時、コーデックは品質の悪いSBCでの接続しかできませんでした。

このWT-04は、aptX、aptX-LLを二つのチャンネル同時に接続することができます。

ただし、マイクは、排他的になり、どちらか一方しか使えないと取扱説明書に書かれています。

Bluetooth 5.0

チップは、Qualcomm(クアルコム)の CSR8670 という Bluetooth オーディオ用のSoCを使っていると取扱説明書にかかれています。

CSR8670は、aptX-LLをサポートしています。2018年以降のBluetooth接続のヘッドホンやイヤホンの多くが、クアルコムのCSR8670を採用しています。

SoC

エスオーシー と読む。System on a Chip の略。

超小型電子機器にかかせない超小型コンピューター「マイコン」で、チップという小さな部品のこと。

WT-04の操作

このREIYENのWT-04は、中国の製品にありがちな、取扱説明書が英語と中国語という不親切なものではなくて、日本語の取扱説明書が入っています。機械翻訳の変な日本語ではありません。

以下、後々再設定する自分のためのメモとして、取扱説明書からの抜粋でまとめておきます。

初期化リセット

  1. USBをさして電源が入った状態で、
  2. TXの青ランプの点滅をみながら
  3. ボタンを10秒長押し
  4. TXの青ランプの点滅がなくなってから、高速に点滅

で、ボタンを押すのをやめると、リセットがかかった状態になります。

指を放すと、高速点滅が3秒程度続いて、そこからはチカチカと普通の点滅になります。

ペアリングの手順

  1. ヘッドホンやイヤホンをBluetoothのペアリング待ちにする
  2. WT-04をUSBにさして電源をいれ、ボタンを3秒長押しで 青のTXランプが高速点滅

あとは、ヘッドホンやイヤホンとWT-04が自動で接続してくれます。ヘッドホン/イヤホン側がしゃべる場合は、「Connected」って言います。

2台目のペアリング

1台目のペアリングと同じ手順でできます。

1台目、2台目をペアリングしておけば、ペアリングしたヘッドホン/イヤホンの電源をいれると、その二台に自動でつながります。

LEDの表示(接続のコーデック表示)

一台だけの接続時
  • SBC:TX 青、SBC 緑
  • aptX:TX 青、APTX 緑
  • aptX-LL:TX 青、LL 緑
2台目も接続
  • SBC+SBC:TX 青、SBC 緑
  • SBC+aptX:TX 青、SBC 緑
  • SBC+aptX-LL:TX 青、SBC 緑
  • aptX+aptX:TX 青、APTX 緑
  • aptX+aptX-LL:TX 青、APTX 緑
  • aptX-LL+aptX-LL:TX 青、LL 緑

1台目の接続しているコーデックが優先されて表示されるのが基本。

二つ同時につながっている場合は、品質の悪いコーデックの方が優先されて表示されます。

WT-04をパソコンにつないで使う

Windows 10 

WT-04をWindows 10のパソコンにつなぐ
ビジネスPCにつなぐ

ビジネスパソコンのオーディオがない場合は、こういうBluetoothオーディオUSBドングルを挿して、ヘッドセットで使います。

REIYIN Bluetooth オーディオデバイス
REIYIN Bluetooth Audio WT04

マイク、ヘッドホン 共に使えます。ただし、Bluetooth 5.0のaptX-LL対応の SoundPeats Engine以外は、aptX -LLでつながりません。aptXでならつながります。

aptXでも、SBCの”こもった音”とは別物の”派手な音”で鳴ります。

Mac Pro(OS X El Capitan)

Bluetooth 5.0フルサポートのBTI-039 Transmitter&Receiverとは相性が良い
送信側をWT-04、受信側をBTI-039でつなぐ
BTI-039とWT-04は相性通い

WT-04をMac Pro(OS X El Capitan)につないで、受信機としてBluetoothオーディオレシーバ(BTI-039)をペアリングさせます。aptX LLで接続しました。

BTI-039のアナログ端子にヘッドホンをつけて聴いてみます。

音は抜群に良いです。Mac側で、Amazon Musicを起動して聴いてみました。曲を先送りにしても、TRONDのヘッドホンとつないだ時のようにSBC接続のこもった音にはなりません。

aptX LLでつながる、お気に入りのヘッドホンがワイヤレスにできます。ただし、BTI-039本体が大きいし、重さがあるので軽快なヘッドホンにはなりません。

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WT-04を実際に使ってみての問題点

Bluetooth 5.0より前のバージョンのヘッドホンやイヤホンとは相性が悪いです。

  • aptX-Low Latencyにつながらない
  • aptXにつながっているのに、音が悪くなる
  • Bluetooth 5.0をサポートしていない古いOSのパソコンでは、マイクが使えない、コーデックがおかしくなるなどまともに動作しない
  • マイクを使う場合、ヘッドセットになるので、SBC接続で音が悪い

Bluetoothのバージョンが古いと aptX LL でつながらない問題

私の手持ちのヘッドホンで、aptX-LLに対応しているヘッドホンは、TROND TD-BH01 です。

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aptX LLが使えるCreativeのBT-W2をペアで、Nintendo Switchのワイヤレスヘッドホンとして使っています。

BT-W2の代わりになるかな?と期待したのですが、残念ながら、aptX LLでつながりません。

表示は、APTXに緑のランプがつきます。ヘッドホンのTD-BH01側も、aptX接続である紫のLEDランプが点灯しています。

パソコンにつないでも、同じ結果で、APTX LLでつながりません。

Bluetooth 5.0のイヤホンとでは、aptX LL でつながる

Bluetooth 5.0でaptX-LLのコーデックに対応したイヤホン(SoundPeats Engine)を購入してテストを開始しました。

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WT-04とSoundPeats Engine

aptX LLのインディケータLEDが点灯しているので、aptX LLでつながっているようです。

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aptX LLは、Bluetooth 5.0かつaptX-LLコーデックに対応したものとしか つながらないことがわかりました。

aptXで接続していても音が悪くなる問題

これは、Bluetoothのオーディオトランスミッターにありがちな問題の一つです。

OS X El Capitan(10.11.6)などBluetooth 5.0をサポートしていないMacにつなぐと、音楽プレーヤソフト(Amazon Music)が次の曲へ行くときにコーデックが変わって、SBCの最低品質の音になってしまいます。

macOS Mojave(10.14.2)のMac miniであれば、Bluetooth 5.0のため問題ありません。

Nintendo SwitchやPS4のゲーム機につないで、一つのゲームをするような時には、シーン/ステージや曲が変わってもコーデックがSBCになって音が悪くなる現象は起きません。

原因は、検証したパソコン側のOSが、Bluetooth 5.0に対応していないことでした。対応しない古いOSのパソコンに、このWT-04をつなぐと正しく動作しません。

S爺
最新のBluetooth 5.0同士であれば動作が安定します。しかし、古いバージョンのBluetoothとつなぐ時、このWT-04は、安定した動作をしないことが欠点です。

下位互換性はないと考えた方が良いでしょう。

Bluetooth 5.0をサポートしていないOSのパソコンではマイクが使えない

Windows 10やmacOS 10.14などの最新OSのパソコンでは、音声の入出力が使えます。

古いOSのパソコンでは、Bluetooth 5.0をサポートしてないため、マイクが使えない、音量やプレーヤーの操作ができないなど問題が起きます。

この辺も、不安定要素の一つになっていますね。

USB側は、単なるオーディオインターフェイスとして動作し、Bluetooth側はあくまでもヘッドホン/イヤホンとの通信に独立した設計になっていれば、ここまで不安定な挙動をしなかったと思います。

まとめ

AliExpressでも「REIYIN WT-04」という同名で売られています。売価は2700円前後です。日本のAmazonで買っても3300円程度です。返品が簡単な日本のAmazonで買う方が無難でしょう。

なお、取扱説明書に、技適(技術基準適合認定)マーク、認可番号は記載がありません。

検索すると、Bluetooth Audio Transmitter として登録されているようです。

WT-04は、Bluetooth 5.0のバージョン同士でなければならないという、シビアな(厳しい)面があることが分かりました。

Bluetooth のバージョンが古いモノでは、相性が悪く正常に動作しません。

下位互換性がない。つまり、古いBluetoothのVerのヘッドホンやイヤホンと相性が悪すぎます。

S爺
2019年になって、Bluetooth 5.0のチップセットICが安くなり、中華のパチモンメーカーが、USB-Cタイプのオーディオトランスミッターを発売するようになりました。

Amazonで WT-04 を見る

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SG(S爺)

週末にゲームに興じるジジイです。 提灯(ステマ)記事ではない”本物の”口コミ レビュー記事を書いています。

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