テレビのリモコンは長く使っていると、ボタンを押しても反応しなくなります。
原因は、指の先についている脂(あぶら)がシリコンのボタンへ染みこんで、ボタンの接点が脂で汚れて電流が流れなくなるからです。
リモコンのボタンが効かなくなったら分解して掃除すれば直ります。
今回故障した リモコンは、パナソニックのテレビ用で、型番は、「N2QAYB000721」です。
リモコンの症状
- 電源ボタンの電源が何度も押したり、強く押さないと反応しない
- チャンネルボタンの1〜7の反応が悪い時がある
日頃は、Echo StudioとNature Remoでテレビの電源をいれています。そのため、電源ボタンが使えないことに気がつきませんでした。妻が、リモコンでテレビを消そうとして、リモコンの電源ボタンが使えないことに気がついたのです。
想定される原因
「シリコンボタンのリモコンが持つ致命的な欠点である、指の先の脂(あぶら)が、シリコンでできたボタンに徐々に染みこんで、脂がボタンに回り込み、脂で接点が絶縁された状態である」と予想されました。
リモコンのボタンの分解と清掃を行う
分解してみましょう。
リモコンのボタンパネルを外す方法
パナソニックのリモコン(N2QAYBシリーズ)は、6本のネジで固定されていることが多いようです。
単三電池が2本はいっていますので、それを外します。ネジは、6箇所でとめてありますから、プラスネジの小さいヤツで外します。
ボタン側のパネルを外します。これが難儀するんですよ。
こんなかんじで、ボタン側と基板側に分かれます。ガッチリとツメで嵌合(かんごう:かみこんでいる様)しているので、外せません。
仕事で使うエキスカ(エキスカベータ)を差し込んで、こじ開けます。大きめのスキマが空いたら、樹脂のスパチュラ(プラスチックの練和棒)を差し込んで、クサビにして戻らないようにします。あとは、次々とこじ開けていきます。パネルのつなぎ目には、思いっきり傷が付きます。気にしていては外れません。
中の基板を傷つけないように、クサビとして差し込む道具は、私のように樹脂のしなやかで柔らかいものにしましょう。
中央の音量とチャンネル上下ボタンの横あたりに、大きめのマイナスドライバーが差し込める凹みがつけてあります。外してから気がつきました。次に開けるときは、ここを狙ってこじ開けます。
ボタンと基板の状態
リモコンのボタンは、基板側にクシ状のプリントパターンが印刷してあります。それにボタンの裏側にある導電性のシリコン部分が密接することで、クシ状のプリントパターンの静電容量が変化するのを読み取っています。
指に脂が付いた状態で、シリコンボタンを押すと、シリコン部分を脂成分がすり抜けて基板側に染み出てきます。
水ではなく、脂なので蒸発/揮発してなくなることはありません。徐々に貯まって、ボタンの接触を邪魔するようになります。
これが、リモコンボタンが効かなくなる原因なのです。
電源ボタン並によく使うのが、チャンネルボタンですね。1〜7チャンネルに割り当ててあるので、頻度の高いチャンネルが特に脂でギトギトです。
油を拭き取って元に戻す
基板側、シリコンのボタンの裏側についたベトベトの脂を、アルコール入りのぬれティッシュで拭き取ります。洗剤で洗わなくても、拭き取るだけで十分でしょう。
専用のクリーナーがあります。
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揮発性のアルコールで洗浄なら、水気を気にすることはありません。
水洗いした場合、水気があると基板が腐食するので、普通のティッシュで、のこった水気を拭き取ります。
綺麗に拭き取ったら、もとに戻します。
シリコンボタンの弱点は、親油性のために脂が浸透すること
シリコン印象材の中でも、一次印象に使うパテタイプです。
ベースとキャタリストのパテをそれぞれ適量とって混ぜ合わせると反応して固まります。寸法変化は大きいかわりに、硬く脆いものになります。これ、触れば油でギトギトです。容器の中で、すくった凹みに油が貯まるくらいです。
注意ポイント
日頃から、こういう材料の扱いに慣れていれば、リモコンのシリコンボタンで脂が浸透して悪さをしていることが予測つくでしょう。
ラーメン屋のリモコンが数ヶ月でボタンが効かなく理由は、脂なんです。台所のテレビのリモコンがだめになるのは、手に付いた油(マヨネーズや炒め油など)が指についたままでリモコンを操作するからです。
まとめ
テレビのリモコンの分解清掃ネタは、ブログの修理ネタとして鉄板です。テレビのリモコンのボタンが使えなくなる故障は、良くあることです。知っておくと便利なこと「Tips」です。