2017年7月に発売になったパナソニックの電動歯ブラシ「ドルツ EW-DP51」を買ったのでレビューと使い方などを紹介します。
結論から言うと、
EW-DP51は、振動が大きくなってソニッケアーに追いついてきた
と思います。
パナソニックのEW-DP51は、音波系電動歯ブラシ(解説はこちらのページ)です。
ドルツ EW-DP51は何が違うのか?
ざっくりと個条書きにすると
- ヨコ振動は、約520Hz(3.1万ストローク/分)はそのままで
- タタキ振動、約200Hz(1.2万ストローク/分)を追加
- ヨコとタタキ振動の「W音波振動」で、歯ブラシの動きが大きくなり、歯みがき効率がアップ
- ソニッケアーやオーラルBと比べて、動作音が小さい
- 口を開けて磨いても、ソニッケアーより、ツバが飛び散らない
- バッテリーの電圧が下がると歯ブラシの動きが悪くなる問題を改善
- 歯ブラシの押さえる力がかかっても、動きが遅くなる問題も改善
- 押さえすぎの状態では、逆に動きを弱める安全機構も装備
- 充電器が新しくなった。
- 急速充電1時間、2分間で一回分のクイックチャージ
- 歯ブラシの動きのモードが、一つ増えて5つになった
- 6種類のお試し歯ブラシが付いている
- 取扱説明書には記載がないが、IPX7(防浸形:1mの水深で30分耐える)という噂も?!
- 電動歯ブラシの中では、純正の替えブラシが一番安くてお得!
があります。
改良が進んでいて、ソニッケアーに遠く及ばなかった歯ブラシの振動が大きく改良されて、パワフルになった事は評価できます。
とくに、歯ブラシにあてて、少し押さえて磨こうとする力がかかっても、その振動が弱らないので確実に磨けるようになりました。
ドルツ EW-DP51 を写真で紹介
黒のモデルなので、EW-DP51-K と「Kuro」が付きます。
コンパクトな箱に入っていたものは、
- EW-DP51-K 本体
- ACアダプター:RC1-80
- 充電スタンド:RC8-3
- ブラシスタンド 2つ
- 携帯ケース
- お試し歯ブラシ 6本
- ステインクリーンペースト 専用剤:専用歯みがき剤
- 取扱説明書
EW-DP51-K 本体
「ブラシ取り付け軸」をのぞいた、本体のサイズは、25〜34 × 21〜28 × 152 mmです。重さは、98gです。
EW-DP51とEW-DE43との比較
いままで愛用していた、EW-DE43との本体比較です。
パッと見た目で、
- 長く重くなった
- ボタンが一つになった
- 歯みがきモードが5つになって、種類が変わった
- 背中に突起がある
長く重くなった
サイズが、3cm弱伸びて、重さは20gほど増えています。持ちやすくするため、というより、急速充電のためのコイル部分が必要だったからサイズが大きくなったように思います。
ボタンが1つになった
ボタンが2つだったのが、一つにまとめられました。モード切替のボタンは、電源ボタンと兼用です。
コップにためた水にブラシを浸けて洗う時に、5秒以上してから電源ボタンをおさないと、モードの切りかえになってしまうのが不便です。
ソニッケアーも、ドルツも二個のボタンに分けています。パナソニックは、一つにしてみたということですね。
歯みがきモードが、4種類から5種類になった
EW-DE43のダメだった点
EW-DE43は、ノーマル → ソフト → センシティブ → ハグキケアという、振動を弱めるだけのモード切り替えしかないという謎な仕様でした。
同じ音波系のソニッケアーに比べて、まったくパワーがなくて、歯垢もろくに取れない、単にフオーンと音のする歯ブラシでした。さらに、Dolz IONというオカルトな機能まで付いていて、オモチャでした。
EW-DP51のモードについては後述します。
背中に突起がある
転がり防止用の突起にしては、意味がないなとおもったら、スタンドに差してひっかかるための突起でした。スタンドにたてた状態については、後述します。
ACアダプターと充電スタンド
ACアダプター(RC1-80)と充電スタンド(RC8-3)をつなぐDCプラグが特殊形状をしています。流用できません。
DCケーブルは、1.8mもありますので、コンセントから多少遠いところまでもってこれます。
ACアダプターの定格は、5.4V / 1.2Aです。
EW-DP51をスタンドに立てるのに 高さが31cmも必要
スタンドに差して充電しています。高さは、27cmになります。取り外しのための上の余裕を考えると、31cmを必要とします。
設置寸法は、取扱説明書の32ページに記載があります。
ブラシをつけたままで、スタンドに出し入れするには、上の高さが31cm以上でなければなりません。洗面台の棚の場合は、設置場所に困ることになります。
スタンド自体は、40度くらいまで傾けてもささるので、DIYで棚を作って、手前に45度くらい倒した状態でスタンドが固定できれば、もうしこし高さが低くてもよくなります。
EW-DP51のモード切り替え
EW-DP51からは、歯みがきモードが5種類になりました。
前回使ったモードを記憶していますので、次回使用時には、スイッチをいれてから、モードを確認します。
電源ボタンとモード切り替えボタンが一つにまとめられたので、電源ボタンを押してスイッチをいれてから、5秒以内にもう一回おすとモードが切り換わります。順繰りです。
モード | 使うシーン |
W-CLEAN(ダブル クリーン) | ヨコ振動とタタキ振動でブラシを大きく動かす。フオォブォォォ |
NORMAL(ノーマル) | ドルツらしい、フオーン |
SOFT(ソフト) | 初めての人、振動が大きいと感じる人。キィーン |
GUMCARE(ガムケア) | 歯肉(歯ぐき)のマッサージ。 ワオワオワオ |
STAINOFF(ステインオフ) | 専用のシリコンブラシにペーストをつけて フォォーン |
振動をみることができないので、音の違いを、動画にしておきました。今まで使っていた、EW-DE43も動かしてみています。
2018年9月1日から発売になったEW-DP52は、「Wガムケアモード」が追加されました。歯ぐきのマッサージ効果は、歯ブラシよりも歯間ブラシの方が効果的なので、あまり意味がない機能追加です。
お試しの歯ブラシは、6本ついてくる
注目は、毛がシリコンでできたものや、歯ブラシの形状が違うものが6種類も用意されていることです。
歯ブラシ | 推奨モード | 目的 |
マルチフィットブラシ | W-CLEAN | 歯垢除去 ツルツルにしあげる |
密集極細毛ブラシ | NORMAL | 歯周病ポケットケア 歯と歯ぐきの間や歯周ポケットを磨く |
ポイント磨きブラシ | W-CLEAN | 歯間やブリッジの隙間、根分岐部の凹みなどを磨く |
シリコンブラシ | GUMCARE | 歯ぐきのマッサージ |
ステインオフブラシ背面 | SOFT | 舌、舌苔をとる |
ステインオフブラシ | W-CLEAN | ステイン除去 |
ステインオフアタッチメント+ステインクリーンペースト | STAINOFF | ステインを消しゴム感覚でとる |
マルチフィットブラシ EW0915-K(黒)EW0915-W(白)900円(2本入り)
ソニッケアーの標準ブラシよりは、小さめで日本人の口の中に合うようにできています。この辺は、よく考えて作ってあります。
毛が開いたら、交換しましょう。
純正の替えブラシはAmazonで購入できます。2本入り(識別バンド4個付き)税、送料込みで646円という電動歯ブラシとしては安いです。
後継は、EW0820-K 1100円です。白は、-W。
密集極細毛ブラシ EW0914-K(黒)EW0914-W(白)900円(2本入り)
毛を細くして軟かいブラシになっています。歯肉(歯ぐき)に強く押し込んでもケガをするほどの威力はありません。逆に言えば、歯垢除去は期待できないです。
EW0800 1100円 が後継です。
ポイント磨きブラシ EW0940-W 400円(2本入り)
歯ブラシの形態としては「ワンタフト」と言われるものです。毛束が一つだけです。
- 大きく開いた歯間(コル部)
- 生えかけの永久歯や親知らず(萌出中の永久歯、大臼歯の咬合面)
- 近心傾斜して萌出が停止した半埋伏智歯と第二大臼歯遠心の間
- 大臼歯の根分岐部の露出部分
- ブリッジのポンティック基底部や連結部
など、磨くのに便利です。インプラントの歯頚部を磨く時は気を付けてください。
EW0860 770円 が後継です。
シリコンブラシ EW0932-W 1000円(2本)
軟かいシリコンブラシは、歯肉(歯ぐき)をマッサージするのに使うそうです。
そもそも、歯肉(歯ぐき)は、そんなに意識してマッサージするものではないので、これを使うことはないでしょう。
ステインオフブラシ EW0928−P 900円(2本)
ピンクの毛束が、茶渋などのステインを磨いて落とすということです。おもったほどコシがない毛なので、これで取れるのか?は謎です。
ステインオフブラシの背面には、細かい凸のシリコンゴムがあって、これで舌を磨くのに使うそうです。舌は、基本的に磨かなくていいものなので、これは必要ないです。
ステインオフアタッチメント EW0944-W 1200円(2本)
このブラシとステインクリーンペースト(EW0956P)600円を使うことで、茶渋などの歯の汚れを消しゴムで消すようにして取ります。ペーストは低研磨剤の入った普通の歯みがき剤でも代用できます。
なかなか良いアイデアですね。鏡で見ながら、汚れのひどいところをこすってとります。歯の表面を削って磨いているのですから、ステインが付いているところ以外を無駄に削らないようにしましょう。
とくに、歯根が露出しているところは、多少のデブリやステインが付いていても、汚れを取ろうとおもわず放置してください。露出した歯根や歯頚部を歯みがき剤をつけてこするというのは、知覚過敏やWSD(楔状欠損)の直接の原因になります。
EW-DP51の急速充電 1時間で満充電は素晴らしい!
- 一時間で満充電になる急速充電機能
- 電源が入らないほどのバッテリーが空でも、2分間の充電で1回歯みがきできるだけの充電ができる、クイックチャージ機能
- バッテリーが空になる直前まで、パワーが落ちない
- バッテリーが空になる直前で、ビープ音が2回なって教えてくれる
電動歯ブラシの充電時間が丸一日かかることを不満に思っている人も多かったと思います。いままでのドルツも満充電までに半日以上充電台に置く必要がありました。
ドルツは、軽く小さいのでバッテリー容量も小さくて、すぐにバッテリーが切れて動きが悪くなるんです。ソニッケアーなら、朝晩磨いて2週間は持ちます。ドルツは一週間持たないんですよね。
いままでの電動歯ブラシは、防滴、防水機能のために、充電のための端子を露出させることができず、誘導コイルをつかった間接的な電流の供給方式しか選択肢がなかったため、バッテリーを速く充電することができませんでした。
IPX7という噂のEW-DP51は、高い防水性能をもちつつも、誘導コイル部分を確実に台に密着させて、安定した電流を送れる仕組みにしました。誘導コイルの入ったリングの中に本体を挿して確実に電流を伝える構造は、理にかなっています。
ただし、設置場所に、32センチの高さが必要になります。その欠点は、1時間の急速充電と、空のバッテリーでも、2分間で一回分の歯みがきができるクイックチャージが相殺してくれます。
ドルツ EW-DP51の使い方
ドルツ EW-DP51の持ち方
電動歯ブラシは、歯に正しく当てるだけで磨けます。力をいれて押さえつける必要はありません。だからこそ、正確に歯ブラシの先をコントロールできるように、鉛筆持ちか毛筆持ちをしましょう。
ドルツ EW-DP51は、前のEW-DE43と比べて重く長くなったものの、鉛筆持ち、毛筆持ちでもっても、バランスが良いです。ソニッケアーは、毛筆持ちがぎりぎりくらいの重さと太さがありますし、オーラルBも長いので鉛筆持ちにするとバランスが悪いです。
掃除の仕方
コップに水をためて、歯ブラシを差し込んでからスイッチをいれると、コップの水の中で5秒以上振動させて汚れをとります。
ボディも流水で流して水気を切ったあと、電動歯ブラシスタンド(百均のリモコンスタンド)に置いておきます。
5秒以内に電源ボタンを押すとモードの切り替えになって、面倒なことになるので5秒以上コップの水に完全に沈めて振動させます。
取扱説明書の24と25ページに、掃除の仕方がイラスト入りで載っていますから、熟読しておきましょう。
歯ブラシの交換時期について
替えブラシは、マルチフィットブラシだけでいいでしょう。ステインアタッチメントなどの特殊歯ブラシは、日頃から2〜3ヶ月に1度歯医者にいって、歯面清掃でステインなどをとってもらっている人は、必要ありません。(「歯清」が算定されています。)
マルチフィットブラシも、純正で1本あたりの価格が500円以下ですから、ソニッケアーやオーラルBの純正の歯ブラシと比べても安いので、維持費がかかりません。
歯ブラシの寿命は、2ヶ月程度です。
口を開けて歯を磨くと、ソニッケアー並にツバが飛ぶ
パワーがアップした分だけ、口を開けてだ液がたまったところに歯ブラシがいくと、派手にだ液が飛び散ります。
ソニッケアー並のパワーがあれば、同じように飛び散ります。
こればかりは、電動歯ブラシの宿命なので、どうしようもありません。
歯磨き後に、洗面台を洗って拭いておきましょう。
まとめ
患者にすすめる一番の電動歯ブラシとして、パナソニックのEW-DP51にしました。
私が電動歯ブラシを自腹で買って、実際に日々使って、あれこれテストをした結果、「歯ぐきを傷めずに、歯を綺麗に磨く」のに一番適した電動歯ブラシは、ソニッケアーでした。
ドルツは、歯ブラシのストロークが小さい(振動幅が小さい)ため、ソニッケアーに比べて、歯みがきの効率が極端に悪いものでした。
EW-DP51 は、その欠点を改善し、大きく振動するようになって、ソニッケアーに負けない歯みがき効率を実現できています。ソニッケアーよりも、音が静かな点が女性のユーザにとってはメリットだと思います。
女子トイレの洗面台や給湯室でオーラルBを使ったら、廊下まで音が響きます。
さらに、一時間で満充電になるという、ソニッケアーやオーラルBにはない、高速充電は高く評価します。
電動歯ブラシの傾向的な問題として、充電せずに使うとバッテリーの電圧が下がってきてパワーがなくなるという欠点がありました。これも、ドルツ EW-DP51は、制御回路の改善でパワーが持続するようになっています。
ドルツ EW-DP51の問題点
- 価格が高い
- バッテリーの持ちが悪い?
バッテリーの持ちは、朝晩2回、毎日使う分には10日は持ちます。歯ブラシの毛が柔らかめで振動も心地よいので、ソニッケアーやオーラルBよりも長く磨いてしまうので、バッテリーの持ちを悪く感じる人も多いと思います。
急速充電できるので、バッテリーの持ちが良くないことは、どうでも良かったりします。
とにかく、価格が高いのが欠点です。
- 充電スタンドと本体とマルチファンクションブラシの基本セット
- 本体とブラシだけの家族の追加セット
の二通りで、歯科医院専売(直販で!)にしてもらえると売りますよ。多少のインセンティブがあれば、さらに良し。
稼働する7万軒の歯医者には、一軒あたり300世帯〜の潜在的顧客がいます。そのうちの、0.1%に売れたとして… 何本売れますか?
ドルツ EW-DP51の色違い型番
- EW-DP51-S シルバー
- EW-DP51-P ピンク
- EW-DP51-K 黒
すきな色を選んでください。
バッテリーの寿命は約3年と取扱説明書に書かれています。昔は、2年持ちませんでしたが、今は3年も持つということなので、電動歯ブラシ本体の寿命は、長くなりましたね。
2018年9月1日から、マイナーチェンジした EW-DP52が発売されました。
- 「Wガムケアモード」という謎機能
- 新ステインオフブラシ
の違いで、また3万円弱という強気すぎる販売価格です。旧モデルになって1万円安くなった DP51で十分です。
2019年9月に、EW-DP53のマイナーチェンジが出ます。
EW-DP51を2年使ってきたので、そろそろ買い換えの時期が来ました。