窒化ガリウム(GaN)電源ICを使う急速充電器 Anker PowerPort Atomシリーズを買って使っています。
今回は、
国内の出張先に持っていくのに便利なUSB-AとUSB-Cの充電ポートが1つずつあるUSB充電器PowerPort Atom III Two Portsの使用感や使い勝手の長期使用レポート
を記事にしました。
”Atom”の名が付くGaN(窒化ガリウム)を使った電源IC(パワーIC)を使っているのに、思ったほど小さくなくてガッカリしています。
このPowerPort Atom III Two Ports の記事は、
- Ankerの製品レビューは、商品をタダでもらったアフィカスによる提灯・広告記事しかないので参考にならない
- 自腹で買った人のホンネとコスパの正直な感想を知りたい
など疑問や不満を持っている人向けに書いています。
- 購入品:Anker PowerPort Atom III (Two Ports)
- 購入時期:2018年8年
- 購入価格:3439円(タイムセール)
- 購入店:Anker Direct(Amazonマーケットプレイス)
壁のコンセントにさして使うUSB充電器です。英語では、Wall Charger と言います。
結論から言うと、
- USB-AとUSB-Cぞれぞれ1つで、出張先に持っていくUSB充電器
- GaNのパワーIC採用なのに、思ったほど小さくないし
- 通常価格の4300円で買うのは高い
です。
Anker PowerPort Atom III (Two Ports) を写真で紹介
同梱物は、本体と保証カードだけです。おなじみの青い箱にはっています。
正面観
単なるUSB充電器ですので、
- USB-Aのポート
- USB-Cのポート
- 電源ランプ
があります。
- 大きさ:7cm角の厚さ3cm弱
- 重さ:144g
です。
充電器としてのスペック/性能は、
- 入力:100 - 240V ~ 1.8A 50 - 60Hz
- USB-C出力 (最大45W)
- 5V / 2.4A
- 9V / 3A
- 15V / 3A
- 20V / 2.25A
となっています。
USB-C ポートのPDO情報
USB-CのPower Deliveryの情報(PDO:Power Data Object)を超多機能USB-CテスターCT-2で見てみます。
カタログスペックと一致しています。
USB-Aポート
- USB-A出力(最大15W)
- 5V / 2.4A
- 9V / 1.66A
- 12V / 1.25A
となっています。
PowerIQ 3.0
Ankerの独自の充電規格です。
- QualcommのQC
- USBのPower Delivery
など5Vを超える充電規格と互換性を持たせて、高い電圧と電流を流せる仕組みにしました。
そもそも、USBの規格では、USB-Aポートに5V以上の電圧を流せないルールです。
スマホやタブレットの主要部品を作る Qualcomm(クアルコム)が、USB-Aポートで電圧を上げて充電する規格「Quick Charge」をスマホに搭載しました。5Vを超える9Vや12Vの電圧で急速充電できます。
Android OSを供給するGoogleは、USB規格から外れる規格を認めていません。
AppleのiPhoneも独自規格で、Quick Charge(QC)には対応していません。
USB-CとAppleのThunderbolt 3規格は、USB 4として統一されたため、USBでの規格で統一されます。
だから、この独自充電規格が優れているわけではありません。
「Ankerバンザイ、PowerIQ 3.0 スゲー! おすすめです!」と買いあおる記事を書くアフィカスブロガー連中にだまされないようにしましょう。
窒化ガリウム(GaN)の電源ICを採用
交流を直流に変換するスイッチング電源は、トランジスターを使ったIC(集積回路)が使われます。電源に使うので「パワー トランジスター、パワーIC」と呼びます。
パワーICは、今までトランジスタと同じシリコン(半導体)で作っていました。
青色LEDに使う半導体「GaN(窒化ガリウム)」をトランジスタに使うと特性が良くなります。製品がでそろい始めたのが、ここ10年の新しい部品です。
- 効率が良いので発熱がない
- 熱を逃がす構造、仕組みを省ける
ため、小型化できます。でも、高いのが欠点です。
ACプラグは、折りたたみ式です。カバンにいれて持ち運ぶのに必要な機能です。
スペックや各種認証のマークの記載もあります。PSEマークなど、先進各国の認可はとってあります。
プラグは、アメリカや日本で使えるタイプです。外国に持っていく際にはACプラグの形状を確認して必要に応じて変換プラグを用意しましょう。
PowerPort Atom 3 2Ports のACプラグの位置関係は、
- 46mm、16mmです。
- 厚さが、29mm
- 左右は、7mm
コンセントのスイッチや左右のプラグとの干渉はギリギリになるようにできています。
この辺の寸法設計は、日本市場に合わせているようです。
60Wクラスで、コンセント直挿しでおさまるようになった点は評価できます。
安全対策
- サージ保護機能 → 雷などの突発電流からの保護
- 電子回路のショート(短絡)時停止機能
- 温度ヒューズあり→高温になると停止
など、電源として最低限の保護機能はついていると書かれています。
USB-Aポートで、5V/3.4A以上で停止するのを確認しています。
実際に使ってみる
iPhoneなど
9V/1.1A(10〜11W)の充電ができています。Fire HD 10は、5V/1.5A(7〜8W)充電です。
QC対応のモバイルバッテリー
micro B USBケーブルを使って、モバイルバッテリーの充電する場合、通常は5V/2Aの10Wまでしかありません。
Androidスマホは、QC対応のものが増えています。
RAVPowerなどの中華のモバイルバッテリーも、QC対応で5Vを超えた電圧で充電できるものがあります。
RAVPower RP-PB159は、充電専用のmicroBポートで、8.9V / 1.9A 17Wの充電ができています。バッテリー容量は、74Wh(20100mAh/3.7V)の容量なので、計算上は4時間半で充電できます。
Nintendo SwitchのACアダプターの代わり
Nintendo Switch本体を15V/1Aで充電できます。Proコントローラーは、5V/0.5Aで充電できます。
さらに、ドックにさしたNintendo SwitchをTVモード(HDMIでテレビに映像をうつす)で使う時、任天堂純正のACアダプターの代わりに使えます。
USB2.0の信号線、バスパワー、コンフィギュレーションチャンネルがあるUSB-C電源ケーブルとセットで使ってください。
以下、順次、追加していきます。
まとめ
4300円定価ですが、セールだと3500円で買えます。2ポートで3500円のUSB充電器は高い部類に入ります。
最大60Wの充電ができて、MacBook Proをスリープ状態で充電できるので、すこし割高だけど、まぁ、良いかなと思うコスパです。