USBを使った充電には、いろんな規格があります。
本当に急速充電ができているのか?と疑問に思う人も多いでしょう。そこで、USBにどれくらいの電流と電圧がでているのか?を調べる便利な機械「USBテスター」があります。
USBテスター、USB負荷 放電器 を買って実際に使っているものを紹介
USBテスター って何?
USBテスターは、
- USB電流電圧テスター
- USB電流電圧チェッカー
- モバイルバッテリーテスター
などと言われています。USBの流れる電流と電圧を測定する機械です。中国で作られて世界中で売られています。
中国では、スマホやタブレットを充電するUSB充電器やモバイルバッテリー(モバブ)の偽物が非常に多い悲しい現実があります。
- 仕様には10000mAh(電池4本)とあるのに、実際は2500mAh(電池1本)しか入っていなかったり、
- QuickCharge3.0って書いてあるけど、対応していなくてスマホやタブレットを急速充電できなかったり → 今は、QuickChargeは禁止方向で
- 電流が流れすぎてスマホを壊したり、
- 膨らんで破裂したり燃えたり
するものだらけです。
中国の人達は、買ったモバイルバッテリーやUSB充電器が正しく電流と電圧を出しているのか?を自分で調べて使います。
AliExpress(Amazonの中国版)で、USBの電流と電圧を計るための測定器(テスター)が数多く売られています。
競争も激しいため、USBテスターは、より多機能に進化をつづけています。
日本のAmazonでも、中国の輸出業者(マーケットプレイス)が販売しています。
USBテスターの種類
USBテスター/チェッカー
USBの電圧や電流を測るテスターには、
- USBドングル型のシンプルなもの
- USB2.0だけ
- USB Type-C(USB-C)対応のもの
- 超多機能のもの
の2種類があります。
2018年頃から、カラーの液晶パネルが付いた多機能型のUSB電流テスターが主流になってきました。価格も15〜20ドルと手頃な価格になってきています。
念のために、校正された手持ちのDMMを使って、測定値が大きくズレていないことを確認しておきましょう。
USBダミーロード / モバイルバッテリー放電器
USB充電器や仮想のスマホやタブレットの代わりに「ダミーロード」と呼ばれる電流を消費するものを使います。
英語では、USB Register、USB DC electronic load と言います。モバイルバッテリーを放電させる事にも使うので、バッテリー放電器(discharge resistance)とも言われます。
USB電流テスターとペアで使います。
USBダミーロードは、電流を自由に調整できるので、バッテリーやUSB充電器の性能をくわしく調べることができます。電流は熱に変換するので、本体は熱くなります。温度があがるとファンが回って空冷します。
ダミーロードには、セラミックの抵抗をつけただけのものもあって、これは、100度を超える温度になりますから火傷しないように気を付けましょう。
USB A とType-Cの電流、電圧も測れるUSB電流テスター
USB-Cって何?
まず、USB-C(USB Type-C)について解説します。
「USB Type-C」が正式名です。簡便な「USB-C」と以下、およびこのブログ内では記載します。
USB-Cをざっくりと説明すると…
- MacBook ProやNintendo Switchに採用されているUSBの差し込みプラグの規格
- Thunderbolt 3とプラグが同じで、超高速の信号転送(最大40Gbps)ができるものもある
- microB-USBとほぼ同じ大きさだけど、差し込みの裏表、差し込み先の順番など向きの制限がない
- 流せる電圧・電流は、5V、12V、20V、電流は5Aまでの最大100W対応(USB PD、Power Delivery)→ さらに200Wまで拡張された
ここで重要なのは、”20V 5A”の大電流を流せる規格であることです。
中華のパチモノの規格外の不良なUSB-Cケーブルを使ってUSB-Cの保護回路が機能しなかったら?
最悪20V / 5Aという巨大な電流と電圧が流れるとケーブルが燃えるでしょう。
今まで使っていたmicroUSBケーブルの5V/3A(15W)程度のケーブルとは別物です。
次に、USB-Cには向きがない点。差し込みオス側(プラグ)の表裏もありません。Lightningケーブルと同じです。
いままでのUSBケーブルは向きがあって、USB-Aプラグ→microBプラグなど、つなぐ方向が決まったケーブルばかりでした。
いままでのUSB-Aのケーブルにつなぐ方向がある理由は、間違えて逆につないで機器を壊さないようにするためです。
USB-Cは、ケーブルの向きがないのでUSB-Cのプラグが両端についています。
USB-C電圧電流チェッカーの数が少ないわけ
USB-Cの電圧電流チェッカーは、最大20V、5Aの電流に耐え、しかもUSB3.1の高速信号を伝えるものでなければならないので、マトモに動作するものが安く作れない事情があります。
ケーブルやUSBアダプターを得意とするブランド「Plugable」には、「Plugable USB 3.1 Type C(USB-C)電流スニファ/アナライザ」というUSBの信号を取り出せるアダプターがありました。転売価格で5万円とかで売られていました。
ルートアールブランドでRT-TC2VASVというType-C 電流電圧チェッカーがでてきました。OEMなので、ブランド違いで、同じモノが大量に売られています。
今は、Amazonで売られているUSB-C電圧電流チェッカーは2千円チョイが主流です。
2018年以降は、有機ELパネルを使った超多機能USBテスターが増えています。値段は高めです。
これは、AliExpress(中国のAmazonみたいなの)で35ドルくらいで買った 多機能USBテスターです。USB-CのPDも、QuickCharge も測れます。
日本のAmazonは少し割高になりますが、壊れたものが届いた時(結構な頻度である)に、返金、返品手続きが簡単です。
USB-C 電流電圧チェッカー でできること
USB-Cの電流と電圧と向きが分わかる
USB-Cのケーブルには向きがありません。
困った例をあげると…
Nintendo SwitchのUSB-Cには問題があります。
USB-CのモバイルバッテリーやMacBook Proにつなぐと、Nintendo SwitchからモバイルバッテリーやMacBook Proへ充電する電流が流れることがあります。
「→」の表示で電流が流れている向きが分かるので、「向きが違っていて、おかしい」と気がつきます。
USB-C PD対応のモバイルバッテリーでNintendo Switchに充電できない時があったので、USB-Cの電流テスターで電流が逆流していることに気が付きました。
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あくまでも「簡易」なので、校正されていない
この手の製品は、正しく電流や電圧が測れているのか?を、校正のとれた信頼の置けるテスターと比べてみる必要があります。
今回も、USB2.0用の電流と電圧測定のためにPC700(sanwa)をつないで、測ってみました。DMMの正確な数字とくらべて、5.107V→5.16V と、小数点以下1位までは一致することから、大きく間違えた計測数値にはなっていないようです。
電流については、Nintendo Switch実機をつないで測っていきます。
Nintendo Switch が充電できているか?を確かめられる
PlugableのUSB電流チェッカーには、積算電流が表示されません。RT-TC2VASVは、積算電流も表示されるので、(正確な数字ではありませんが)参考になります。
USB-Cのケーブルが正しく動作して、Nintendo Switchへ充電するための電流がどれくらい流れているのか?を具体的な数字で知ることができます。
おかげで、Power Delivery対応のものであれば、スプラトゥーン2を遊びながらも充電できるバッテリーやアダプターがあることが分かってきました。
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モバイルバッテリーの本当の容量がわかる
積算電力「Wh(ワットアワー)」の表示ができます。
モバイルバッテリーにつないで、実際にローダーを使って電流を消費させて測ることで、本当のバッテリーの容量が分かります。
カタログに書かれた数値よりも半分以下だと、詐欺のモバイルバッテリーだということになります。
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実際に買って使っているUSB電流テスターの紹介
USB Type-Cの電流や電圧を測る測定器で安価なものが、いくつか販売されています。
- PlugableというメーカーのUSB-C 電圧・電流チェッカー
- ルートアール 簡易 Type-C 電圧・電流チェッカー RT-TC2VASV
- 多機能USBテスター「AVHzY USBテスター CT-2」7777円
- 多機能USB電流テスター「HIDANCE WEB-U2」35ドル
- TC64 7 ドル、TC66 15ドル
- 十字型のUSBテスター いろいろ
などを使っています。
最初に、Plugableを買って、そのあと、ルートアールのRT-TC2VAを買いました。特に、RT-TC2VASVについては、同じ製品が名前違い(ST-TCPM、USECORE 476823、TD-CT01)でアマゾンに多数出品されていました。
2018年頃から、AliExpressなどで見かける高性能型のUSBテスターも 2〜3千円で日本のAmazonで売られるようになってきています。
日本のAmazonでは、日本語のマニュアルと、5ドルで買えるUSBダミーのセットで、9千円というボッタクリ価格で販売されています。
念のために、私も買いました。
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2017年後半から増えている、OLEDのパネルを使ったものは、測定値もDMMに匹敵するほど調整してあるので計測値もかなり信頼性が高くなっています。
Bluetoothの技適の問題さえ気にしなければ、AliExpressで30ドル前後のUSB testerを買ったほうがマシかもしれません。
日本のAmazonでも1200円ほどで買えるTC64(7ドル)や、2500円で買えるTC66(15ドル)は、USB-C専用です。
今後、USB-Cのコネクターが主流になるので、USB-C テスターが増えていくでしょう。
Amazonで TC64 を見る Amazonで TC66 を見る
USB-C専用、Type-C CHECKER、ルートアールブランド RT-TC5VABK。日本語説明書が付く。
USB-Cのプラグをポッキリ折る人向けです。
Whなどの積算値は電源が切れるとリセットされるので電源が切れる前にメモりましょう。
USB-A、USB-Cどちらも測れる 十字型 USB電流テスターも増えてきました。
有機EL表示です。
積算数値のリセットは、
- mAh:カチカチ2回押し
- Wh:カチカチカチ3回押し
- Time:カチカチカチカチ4回押し
多機能USB電流テスターは、Power Deliveryの対応を確認できる
USB-Cの対応電圧と電流が表示できます。Quick Chargeにもバージョンによって対応しているかどうかを調べることができます。
電圧のトリガー機能をもっているので、Power Deliveryの情報(PDO情報)から、対応している電圧と電流を指定して出力させることができます。
電子負荷装置をつないで、USB-C充電器が、本当に65Wの出力ができるのか?を確かめることができます。ノートPCをわざわざ用意してつながなくても、実際にスペック通りに電圧と電流が流れることを確かめられます。
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まとめ
USB電流テスター/USB電流チェッカーは、中華のメーカーでいろいろと作られていて、怪しいモノがたくさんあります。
これは?!と思うものを買って、試してみることにしました。主にAliExpressで買って、追加していく予定です。
ガジェット系のブログって、嘘つきアフィリエイターしかいません。
このページは、USB電流テスターのまとめページで、個別のレビュー記事からのアンカーリンクで参照する形にします。