電子工作をする人なら、オシロスコープ 持っているよね?。私も持っている。
10年前に買った RIGOL DS1102Zが古くなったので、後継の新しい2019年モデル DS1102Z-Eを買った。値段も5.5万円→ 3.2万円と安くなってボタン(使える機能)も増えた。
RIGOL オシロスコープ DS DS1102Z-E 100MHz 2chを買って使っての中長期レポート
- 購入品:RIGOL オシロスコープ DS1102Z-E 100MHz 2ch
- 購入時期:2021年2月
- 購入価格:31800円
- 購入店:RIGOL Japan(Amazon マーケットプレイス)
PS5もキャンセル分の繰り越し抽選でやっと当たる… くじ運が悪い。
私は、この製品を自分で選んで、自腹で買って試している。
測定器をタダでもらったアフィカス YouTuberによる提灯・広告動画に不満を持ち、自腹で買った人のホンネとコスパの正直な感想を知りたい人向けに、本当の事を書いている。
メーカー依頼のステマ記事ではないので、値引きクーポンコードはない。
中国製品なので、尖閣諸島やウイグル族問題で取引が停止する可能性あり。
リゴル って何?
RIGOL(リゴル)は、
- 中国の電子測定器メーカー「普源精電科技股份有限公司」
- 創立は、1998年の新しい会社
- 安価なオシロスコープ”トイ オシロ”のメーカーとしてスタート
- 日本や欧米の有名測定器メーカーのエントリーモデルのOEM元で名が知られる
- eBayやAliExpressで輸入した人も多かった
- 日本でも、リーダー電子が代理店で販売されるようになり
- 今は、日本法人 リゴルジャパンに
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RIGOL:電子計測器・測定器 オシロスコープ、スペクトラムアナライザ、ファンクションジェネレータ、RFシグナルジェネレータ、プログラマブル直流電源、プログラマブル直流電子負荷、デジタルマルチメータ-RIGOL Technologies, Co. Ltd.
RIGOL:電子計測器・測定器 オシロスコープ、スペクトラムアナライザ、ファンクションジェネレータ、RFシグナルジェネレータ、プログラマブル直流電源、プログラマブル直流電子負荷、デジタルマルチメータ| ...
jp.rigol.com
オシロスコープって何?
- 電圧の変化を時間軸でグラフにして表示する測定器
- 電流は、電流の変化を電圧に変換する「電流プローブ」をつける
- 周波数の高い”GHz”が測れるものは、値段が高い
- 波形発生装置「ファンクションジェネレータ」とペアで使う
基本的な使い方と仕組みについては、入門書を何冊か買って読もう。
- ディジタル・オシロスコープ 実践活用術、天野 典著、CQ出版
- ディジタル・オシロスコープ 活用ノート、トランジスタ技術SPECIAL for フレッシャーズ、CQ出版
- オシロスコープ超入門、 測定器学習研究委員会
危ないので やってはいけないことが書かれています。
デジタルオシロは、ここを見て買え!
- アナログ入力BNC端子の数/チャンネル:2個+トリガー ×1
- アナログ測定範囲、周波数帯域/バンド幅:50〜200MHz
- サンプルレート:1GSa/s (GS/s)以上
- レコード長/メモリー長:8M以上
- A/D 分解能(縦軸 電圧):8bit以上
良い物は、値段が高くなる。
DS1000Z シリーズ って何が違う?
- DS1202Z(51800円)
- アナログ周波数帯域:200MHz
- アナログチャンネル数:2個
- リアルタイム・サンプル・レート:1GSa/s
- メモリー長:24Mpts(2400万ポイント)
- 波形取りこみレート:3万wfms/s
- DS1102Z(33800円)
- アナログ周波数帯域:100MHz
- 以下同じ
リゴルのオシロは、検品ではじかれた”高い周波数で安定しないもの”をソフト的に制限をして、同じハードウエアでも性能を落とした下位モデルにして販売するスタイルのようだ。
トイ オシロ(ホビー用オシロ)の競合ブランドでは、
- OWON:Liliput社(アメリカ、小型ディスプレイメーカー)傘下の中国メーカー
- Hantek(青岛汉泰电子有限公司):中国メーカー
- SIGLENT:中国深セン
リゴルのDS1000Zシリーズは、競合他社のエントリーモデルの対抗商品。
競合他社とリゴルの違いは、
- ディスプレイ画面の描画機能が優れていて、アナログオシロに似せている
- 後発のHanteckやSiglentと比べて日本への進出が遅く、サポートがイマイチだった
DS1102Z-Eの主な仕様・スペック
- 品番・型番: DS1102Z-E
- サイズ:313.1 × 160.8 × 160.8 mm
- 重さ:2.9Kg 実測
- AC入力:100〜220V
DS1102Z-E の主な特長
- 7インチWVGA(800x480)TFT LCD
- マルチレベル輝度階調、可変残光時間をサポート
- 1Gサンプル/秒のリアルタイム・サンプリング・レート
- 最大24Mポイントのメモリ長
- 最高30,000波形/秒の波形取り込みレート
- 6万フレームで記録、再生
- 豊富な波形分析
- FFT、チャンネル間演算
- 37個の波形パラメータ分析
- トリガー:15種類
- Windows、Nth Edge、Delay、Timeout、Runt、RS232/UART、I2C、SPI
- RS232/UART、I2C、SPI シリアル・バスのデコード付き
- パス/フェイル機能
- 電圧A/D分解能:1 mV/div〜10 V/div
- インターフェイス
- USB→パソコン
- LANのリモートコントロール
など、実売価格3万円の初心者向けですら、使いこなせない機能だらけだ。
Rigol オシロ DS1102Z-E を写真で紹介
同梱物は、
- DS1102Z-E 本体
- パッシブプローブ 2本 150MHz
- プローブの先につける識別用リングやキャップなど
- 校正証書
- ACケーブル
紙のマニュアルは付いていない。
リゴルジャパン公式サイトのサポートから、「DS1000Z-E_UserGuide_Japanese.pdf」をダウンロードする。
200MHzのDS1202Z向けに書かれたもの。アナログ周波数帯域が、100MHzであること以外は同じなので兼用。英語マニュアルの日本語訳で、少し変。
Fire HD タブレットにマニュアルのPDFファイルを送って、いつでも見られるようにしておこう!
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Send to Kindle Eメールアドレスの使用方法
www.amazon.co.jp
DS1102Z-Eの正面観
ボタンの数がいっぱい増えた。
9年前に買った旧モデルと比べて、画面が大きくなってボタンが増えたのが分かる。
基本的なスペックは、10年前とあまり変わっていない。基本的な操作もボタンの配置が少し変わっただけで、ほぼ同じだ。
オシロの高級機は、画面がタッチパネルで操作できる。
DS1102Z-Eは、画面の左右にメニューがでて、そのメニューに相当するボタンを押す操作になる。
この操作(インターフェイス様式)は、NC工作機械の操作パネルで見かけるものだ。
「戻る」のアイコンが変だし、画面のデザインの好みがわかれる。
マルチファンクション ノブ(つまみ)を回して、つまみをクリックする操作も健在である。
画面でメニューが開いて その中から選ぶ時、マルチファンクションノブ(つまみ)のランプが点灯、つまみを回して選んで、「決定」は つまみをクリックする。
USBメモリー用のポート
正面下縁の一番左には、電源ボタンがある。その右横に、USBメモリーをさすUSB-Aポートがある。
マニュアルによると、
- USBメモリーの容量は、8GB以下
- フォーマット:FAT32(MS-DOS)
- 方式:マスター・ブート・レコード
の条件になっている。実際、64GBや32GB、GUIDパーティションは、認識する前に オシロがfreezeしてしまう。電源ボタン落として再起動しかない。
抜き差しにも弱く、2回目をさすとfreezeして操作できなくなる。
8GB以下のUSBメモリーの入手が困難になりつつある。100均や家電量販店の在庫処分コーナで見つけたら確保しておこう。
画面の保存のフォーマットはいくつか選べる。
試しに、jpegにしたらUSBメモリーに書き込む時間が長くなって、その間、次の操作ができないことにイラついた。はやり、デフォルトの書き込み時間が短い「PNG」にしておくのが無難だ。
DS1102Z-Eの背面観
背面には、
- AC電源ポート、ヒューズ
- LANポート
- USB-Bポート
- トリガ出力用BNC端子
- 盗難防止ケーブル用穴
がある。
トリガー用の出力BNC端子は、2台のオシロを使ってトリガーを同期させて電圧を測る時に使う。
チャンネル数の多い高価なオシロに、これまた高価な電流プローブをつけるより、シャント抵抗の電圧を測って演算させる安いオシロをつないで同期させた方が安くつく… と考えるホビーユーザも多いはず。
DS1102Z-Eの上面観
上面には、ハンドル(取っ手)がついている。昔に比べると、部品数も減って奥行きが小さくなってきている。
DS1102Z-Eの底面観
底面には、足をだせるようになっていてチルト(上向きに傾斜)できるのは、他のオシロと同じだ。
改造できないように、封印のシールが貼ってある。
付属のACケーブルは、アース付きの3Pプラグ。
工作室、書斎は、低圧(200V)も使えるように3本線で引いてあるので、特に問題なし。
付属のパッシブ プローブは、
先をフックとピンに変更するキャップ、色リングが付いている。調整用の樹脂製のマイナスドライバーが付いている。
プローブの調整用のトリマは、プローブのホルダー部についてる。
プローブ調整は、オシロの最初にやることの1つ。
プローブの倍率が「×10」になっていた。このままでは、波形の電圧が10倍に表示されるので、「×1」に戻しておこう。
調整するほど狂ってないので、そのまま使う。
ファンクションジェネレータをまだ買っていない初心者は、これで波形を見ましょう。3V / 1kHzの矩形波です。
DS1102Z-Eを実際に使ってみた感想
- ファンの音が小さく、耳障りでないのでつけっぱなしにできる
- 操作ボタンも押しやすく配置されている
- 起動時間も21秒と速い
DS1102Z-Eの設定
このオシロには内蔵時計がない。一番最初に起動した時、時計を合わせるメニューも何もでなかった。マニュアルを読んでも時計の設定項目がない。
各種測定のクリア
測定メニューは、左のボタンで行う。
最大で5つまで表示できる。測定値表示をなくすには、「Measure」を押して、右のメニューで「Clear」をボタンで選択する。
DS1102Z-Eのトリガー
シングルモード
デジタルオシロで最もよく使うシーン。
ファンクションジェネレータ(以下、FGと略す)の出力をオフにしてからのオンで、トリガーを引っかけて、信号の頭部分を表示してみる。
RUN/STOP、SINGLEのボタンを押して両方、緑のランプの状態で待機。FGの出力ボタンをオンにすると、トリガーがきいて、信号の出始めを記録して表示して停止。
特に、問題なくできている。USBメモリーへのスクリーンショット保存もOK。
このシングル トリガーは、電源のオンオフで発生する電圧の変化を観察することができて、モータやリレー、ソレノイドにつないだ配線での挙動を観察するときに昔からよく使う。
トリガーはたくさんあるので、何が何やら… 試せたものから追加していく予定
シリアルバスのデコードを試す。
順次、追加していく。
DS1102Z-Eをパソコンにつなぐ
パソコンにつないで波形を取りこむには、ソフト「Ultra Sigma」が必要だ。サイトからダウンロードしてインストールする。
波形を表示する機能はなく、LAN接続と同様に、クリックで画面の画像ファイルを取りこむだけのソフトである。
まとめ
お父さんのこづかい1,2ヶ月分で買える3万円の玩具 オシロ。電子工作机に1つは買って置ける時代になった。
ガジェット系ブロガーの看板を掲げてブログを書く以上は「メカにも強いイメージ」を強調しなければならない。オシロスコープは、”箔をつける”アイテムとして重要な役割を果たす。
ジャッジメントの初春の机にあるやつw
測定機器は、軍事的にも自国で開発製造できなければならない重要な工業製品である。
ここ20年で台頭してきた電子測定器メーカーは、中国。コスパの良さで世界を圧倒している。
測定器1つでも実感できる日本の技術力 製造能力の低下に危機感を持たない国民の多いこと!
嘆くだけでは何も始まらない。座して死を待つより、コロナでクソ忙しい中、手を動かす!
ここ5年、仕事が忙しすぎて、仕事で使う道具の修理(基板など)をほったらかしている。
スマホやタブレット、IoT機器も含めて複雑な操作が必要な機器が増えすぎて操作が覚えられない。
特に、頻繁に使わない オシロなど測定機器の使い方もすぐに忘れてしまう。
自分用のメモをブログ記事風に仕立て直して公開する。
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