食塩水を電気分解して、次亜塩素酸水・塩素水・次亜塩素酸ナトリウム水溶液「電解酸性水」を作る方法。電解アルカリ水は水酸化ナトリウム水溶液です！

仕事上、いろいろな消毒液を使います。特に安価に大量に作れる「次亜塩素酸水」は重宝しています。次亜塩素酸水は、食中毒の菌、一般的なウイルスに対する殺菌力が強いので、Amazonでも大量に売られています。

このページでは、

• 次亜塩素酸水の作り方、生成器
• 使い方
• 次亜塩素酸水を高く売る水商売（悪徳商法）の例
• 副産物でできる「電解アルカリ水」は掃除に使える

について紹介します。

次亜塩素酸水 って何？

塩素水のことです。25年程前、「食塩水を電気分解して作る 超酸性水と超アルカリ水」が医療の現場で話題になりました。

食塩水を電気分解して塩素ガスと水素を発生するときに、陽極側に塩素が水に溶けた次亜塩素酸水（塩素水）ができます。この塩素水が強力な殺菌効果を持つことから、安価に大量の消毒液が作れるということで脚光を浴びたのです。

フットペダルを踏むと、蛇口から連続的に次亜塩素酸水がでる機械は、手術前の手洗いが素早くできることから注目を浴びます。

しかし、浄水器の化け物みたいな大きめの機械で高価でしたし、発生する塩素ガスのため、換気が必要で、金属部品の腐食、樹脂の劣化が激しく、機器の寿命が極端に短いもので使い物になりませんでした。ステンレスの流しも錆びるほどです。

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム希釈液の違いついて

これについては、厚労省の「次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性 に関する資料」から、抜粋して解説します。

ここに書かれていることは、

• 次亜塩素酸ナトリウム希釈液（ピューラックス）と食塩を電気分解して生成する次亜塩素酸水（塩素水）は紫外線スペクトルをとって調べたら同じものだった
• 次亜塩素酸ナトリウム希釈液は、強いアルカリ性だけど、次亜塩素酸水は、中性〜酸性で、強い殺菌力を持つ
• （塩素ガスを水に溶いたものだから）濃度が濃くできないし、有機物（唾液、血液、体液、排泄物など）があると効果がなくなる
• 殺菌するものに、新鮮な次亜塩素酸水をかけ続けなければならない

ということです。

この資料からも分かるとおり、次亜塩素酸ナトリウム希釈液（ピューラックス、キッチンハイターなど塩素系漂白剤）の細菌やウイルスに対する殺菌力は素晴らしいものがあります。

しかも、強アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム希釈液で手を洗うと皮膚の角質層（タンパク質）が溶かされて手が荒れるのに対して、次亜塩素酸水は、中性〜酸性なので手荒れがすくないというメリットがあります。

次亜塩素酸水（塩素水）生成器の例

かれこれ20年以上前、ブームになって、いろんな製品がでてきました。電気分解タンクを持つタイプは、安価なのでいろんな種類がありました。

これは、当時、十万円で買ったはずです。ボッタクリ商品でした。

忙しかった頃は、毎日作っていました。塩素というハロゲン系のガスは金属を腐食し、樹脂を脆くします。機材の寿命を縮めることから、他の消毒液を使うようになりなりました。

だんだん患者も減ってきて、別の消毒液の登場で、頻度が減っていきます。今は、週一で作ります。

食塩水は、0.2％程度と言われています。それ以上の濃度にすると、電気抵抗が小さくなるため大量の電流が流れ、食塩水が温かくなるどころか、お湯になることがあります。

水温が高くなると、塩素が水に溶けなくなるので塩素水の威力が落ちます。水温が上がらないように気を付けなければなりません。

タンクは、真中で区切るようになっています。浸透膜が貼られていて、電気は通るようになっています。逆浸透膜の純水をつくる時につかう、イオンを通さないフィルターと同じものと聞いたことがありますが、謎です。

電極に電流を流す基板とタイマーがついていましたが、早々に基板が腐食してショートして煙りがでました。

今は、電極に直接、実験用直流電源をつないで使っています。

元々の基板は、40Vくらいを発生していたみたいです。断続的に矩形波で出していたのかもしれません。基板が燃えてしまったので、波形をみることができません。

電極は、炭素棒です。電極が、銅だと銅イオンが水に溶け出して青くなってしまって、鉱毒性のために人に使えません。

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金や白金が安い頃は、この電極が金や白金の板のものがありました。当時、アレを買っておけば…　一財産になっていたのに…。

直流電源で、高い電圧を出せるものは高いので30Vまで出せるものを使っています。元々は、自分の趣味の電子工作のために買った実験用安定化電源です。

電圧を一定に保ち、電流も制限できますから、これほど安全なものはありません。

30Vで、0.4〜0.8Aの電流を流して、90分で、超酸性水（次亜塩素酸水）ができます。

＋ 陽極側

陽極 プラス側には、塩素ガスが発生します。

食塩（塩化ナトリウム）は、水に溶けて、

NaCl → Na⁺ + Cl^-

のイオンになります。陽極側には、電子（e）が奪われて

2Cl^- → Cl₂ + 2e

と塩素ガスになります。塩素ガスは、水の溶けやすいので、水に溶けた状態で

Cl₂ + H₂O → HCl + HClO

になるものもあります。HClは塩化水素（塩酸）です。HClＯが次亜塩素酸です。濃度があがってくると、pH（ペーハー）は、2〜3の酸性になります。

ー 陰極側

陰極 マイナス側は、水素ガスが発生します。

陰極側は、電極から電子が供給されて

2H⁺ +  2e^- → H₂

水素が発生します。水素は水にほとんど溶けない性質なので、細かい気泡が電極の上に向かって移動し水面から放出されます。水素は、非常に軽い気体なので隙間からそのまま出ていきます。

食塩水なので、ナトリウムイオンが残ります。

Na⁺ + OH^- → NaOH

ナトリウムは、水に溶けた状態でしか存在できませんので、陰極側は、水酸化ナトリウム水溶液になっていきます。

現実には、塩素ガスと混じってしまうので、

Cl₂ + 2NaOH → 2NaClO + H₂

という化学反応も一部で起きているので、次亜塩素酸ナトリウム水溶液になります。

こういった、化学反応式は、中学、高校の理科の化学分野で習います。学校で勉強をしてこなかった人には、わからないでしょう。

そういうバカな人にとっては、この「次亜塩素酸水」がものすごく優れた殺菌力のある水のように見えてしまうのです。

次亜塩素酸水の適用例

手指、腕の洗浄に最も使います。血や唾液が飛び散った顔を洗うときにも使います。

抜歯窩の洗浄に使います。昔は、リバノールをつかっていました。あれ、患者の服に垂らしてしまうと、黄色い色が落ちません。

他にも、治療前に「ポビドンヨード（イソジンや明治うがい薬）でうがいをするように」と厚労省のガイドラインに書かれていますが、イソジンを嫌う患者のうがい水にも使えます。

ただし、酸性が強いので、Hys（知覚過敏）の患者での適用は慎重にしましょう。Hys症状が悪化することがあります。

似非（えせ）科学と悪徳商法

この次亜塩素酸水は、昔から、悪徳水商売の商材として販売されています。

• 次亜塩素酸水の製造コストは、１リットル数円程度のただの水
• 塩素が揮発して、すぐにただの水になる
• 塩素ガスを水に溶けば、誰でも簡単に作れる
• 一週間程度で使えなくなるため、作り置きができない

というものなのに、非常に高いボッタクリ価格で売られていることがあります。アルカリ飲料水並の値段なら、悪徳商法とは呼べないでしょう。

しかし、現実は、まさに「水商売」のひどいことになっています。

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もう二十年以上前から、食塩水を電気分解して作られる、電解イオン水、つまり、次亜塩素酸水や次亜塩素酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液を、法外な値段で売る商売が存在します。

「電解水が新型コロナウイルス（COVID-19）に有効」の買いあおり広告に注意！

2019年12月、中国の武漢市でウイルス性の新型風邪（2019-nCOV、武漢肺炎ウイルス）が報告され、ユルい防疫をしていた日本はパンデミック（感染症の世界的流行）の危機にさらされています。

2020年9月、北里大学でのレポートで、次亜塩素酸水は、アルコール製剤にくらべて、武漢肺炎ウイルスに対して完全な消毒にはならないとの報告がでました。

https://www.kitasato.ac.jp/jp/albums/abm.php?f=abm00033248.pdf&n=20200901_プレスリリース_新型コロナウイルスに対する消毒薬の効果を検証.pdf

電解水が野菜用洗剤として、3千円で売られる問題

そもそも、我々が台所で使っている一般的な食器用洗剤は、野菜も洗えます。

2018年11月にも、電気分解して作られた電解水を野菜用洗剤として売る悪徳商法と、それを買いあおるアフィカスが注目を集めていました。

まさに、フェイク広告（ブログ記事）です。

• トマトを家庭菜園で作っていれば、農薬（殺虫剤）の可否は実感できる
• トマトに49回も農薬をすることなんてあり得ない　→ 参考資料の意味が理解できていない
• 「農薬が悪い」という論法が通用してだませるのは、中卒レベルの低学歴の情報弱者くらい
• 次亜塩素酸ナトリウムは塩基性（アルカリ性）なので、トマトを洗えば表層の細胞壁がとけて、黄色い成分として水に溶け出す

当たり前のことなのに、あたかも黄色い水が農薬だと勘違いさせるような発言やアフィ記事を書いていたのが問題になっています。

薬機法的に違反をしているものを…　扱ってはいけません。そもそも、こういう素人が医療を語ってはいけません。

この人は、私が定義するアフィカスのお手本のような人です。

• アフィリエイトの中でも、怪しいヘルスケア・健康商材で大もうけできていた
• ブログやサイトは、フェイク広告記事だらけ
• 勤めていた会社も、健康商材という超ヤバい商材を扱っていることに恐れおののいて解雇
• 主力のヘルスケア、健康関連商材のサイトが、Googleのアップデートで飛んで収入が激減
• Twitterで有名になろうとがんばって
• アフィカス連中が援助
• ブログで稼ぐ　コンサル業もはじめて、月収100万円になったことを自慢しつつ
• 学歴コンプレックスを、収入が多いことを自慢して…　見返してやる　という承認欲求を満たして…

20192018年11月当時は、Twitterで、みんなのオモチャになっていました。しかし、アカウントを削除せず嵐が過ぎ去るの待ち続け、現在、ブログ、Twitterともに復活しています。

この人と親密にTwitterでやり取りをしてた、アフィカスやブログサロン首謀者は、まるで他人事のように自らのTwitterやブログ、サイトで、この問題を取り上げませんでした。

電解アルカリ水は、水酸化ナトリウム水溶液

陰極側にできる「電解アルカリ水」は、水酸化ナトリウム水溶液なので、油汚れを溶かすのに使います。

我々のような国家資格を持っていれば、劇薬「水酸化ナトリウム」を買って来て水に溶かしてつくることができます。

タダ同然のアルカリ水です。なぜか市販されています。だまされないようにしましょう。

まとめ

中学高校と勉強をしないでも、ネットで自分やそれ以下の人達をだますことで、商売が成り立つことに気がついた人達が、アフィカスになっています。

デタラメの情報が、Googleの検索の上位に表示され、検索しても正しい情報にたどり着けない状態が続いています。

電解水の金属腐食について

塩素は、ハロゲン系の気体で水によく溶けます。酸化皮膜に浸透し、触媒として作用するため、酸化還元反応のイオンとの反応を促進します。

金銀パラジウム合金にたいしては、銀イオンによる黒色の皮膜ができます。

ステンレス鋼に対しては、酸化皮膜を破壊して酸化鉄（錆）を作るなど腐食の起きるメカニズムは、数々の文献があります。

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