耳にあてて音を聞く道具には、イヤホンとヘッドホンがあります。
このページは、数あるイヤホンを調べて選んで買う時間がない 忙しい人のために、ガジェット通のジジイが、
イヤホンの 種類や選び方 を まとめて選び方を解説
します。
earphoneは、イヤホン、イヤフォンと日本語では標記します。私のブログでは、イヤホンで統一します。
イヤホンの種類
- ドライバー:音を出す超小型スピーカー
- ハウジング/耳にあてがう形:カナル型(耳栓型)とインナーイヤー型
- ケーブルでつなぐのか、無線(ワイヤレス)でつなぐのか?
- ハウジングのケーブルのピンの形
- 完全にワイヤレスか
- マイクが付いているとヘッドセットと言う
の4つの要素が組み合わさって、いろんな種類のイヤホンが世にでています。
1)イヤホンのドライバー … 駆動方式
イヤホンのドライバーとは、電気信号を(空気の振動である)音にかえる「スピーカー」です。
ただし、耳の中に収まるように、小さくできています。
- ダイナミック型
- コンデンサー型
- バランスド・アーマチュア型
- ハイブリッド型(ダイナミック型+バランスド・アーマチュア型)
アーマチュア
アーマチュア(armature)は「電機子」のことで、モーターの中で回転するコイルを巻いた部品。イヤホンでは、音の振動を水平運動にするU字型の音叉のようなもので回転はしない。
ダイナミック型
昔からあるスピーカーの基本構造です。振動板(ダイヤフラム)にボイスコイルがついています。
コイルに音声の電気信号が流れると、それに合わせて磁力が変化します。永久磁石と反発したり引き合ったりして、コイルが音の信号を振動にかえます。
イヤホンには、耳におさまるように小さくしたものが使われます。
- 構造が簡単なので、安価に作れる
- 振動板(ダイヤフラム)が大きいので低音を出せる
- 大きな音が出せる
- ボイスコイルが振動板についている構造のため、高音を出すのが苦手
の特徴があります。
コンデンサー型
コンデンサー(キャパシタ)と同じ構造をしたものです。
薄い膜の間に静電気をためて、その膜の電位差を音の信号で変化させることで振動させる仕組みです。
- 振動板に重いコイルがなく、振動板そのものを振動させることができるので高音が出せる
- 振動膜を駆動するための専用の高い電圧を出すアンプが必要
- そのアンプの特性によっては、良い音にも悪い音にもなるし、構造が複雑
- 衝撃に弱い
- 値段が高い
- イヤホンの小さい構造に作りにくい
など、デメリットが多いです。
ヘッドホンの一部には採用されますが、イヤホンではほとんど見かけません。
バランスド・アーマチュア型
Balanced Armature を略して「BA」と呼びます。
ダイナミック型が小型化できない欠点を解決する方式です。補聴器で主に使われる形式でした。
耳の穴の中に収まる大きさにするために、モーターの電機子(でんきし)のように振動子(振動子)の振動を共鳴板に伝えて、収めている筐体ごと共鳴させて音を出す構造をしています。
- 耳の穴におさまる形まで小型化できた
- 音の再生できる周波数帯が狭いので、全音域を1つで再生できない
- 高音の再生が得意
- 高音、低音の二つのドライバー(デュアルドライバー)を採用するモノが多い
の特徴があります。
オカルトオーディオで使われます。
ハイブリッド型(ダイナミック型+バランスド・アーマチュア型)
- バランスド・アーマチュア型ドライバーに、得意な高音を
- ダイナミック型ドライバーで中低音を
再生させます。良いとこ取りの2つのドライバーです。
調整が悪いとドンシャリ傾向になります。
2)イヤホンの形、形式(ハウジング)… 装着形式
音を出すドライバー/スピーカーをおおう部分をハウジングと言います。イヤホンの「側(ガワ)」、「殻(カラ)」と言う人も多いです。
- イヤホン型(インナーイヤー型)
- カナル型(耳栓型)
- 耳かけ型(イヤーフック)
- 骨伝導型
の4種類があります。
イヤホン型(インナーイヤー タイプ)
イヤホンといえば、この形です。昔からある、耳にはめこむ形です。
日本のSONYが、ウオークマンのヘッドホンを小型化。行き着いた先が この形「ステレオイヤホン」になりました。
価格は、ピンキリで100円ショップで売られているものもあります。
コードの重さで外れることがあるので、耳介の上を通す「シュアがけ」をします。
シュア掛け
アメリカの音響メーカーブランド SHURE がイヤホンのケーブルを前から耳介の上を通して引き回すことをアピールした。
イヤホン/インナーイヤー の良い点
- 耳にはめ込むので、お手軽
- ゆるめに はめれば、外の音も聞こえる
- iPhoneについてくるイヤホンも、この形
イヤホン/インナーイヤー の欠点
- 耳に きちんと はまらないことが多い
- はまらないから、外れやすい
- 人気がないので、種類が少ない
- ケーブル(コード)がこすられて、タッチノイズがうるさい
- ワイヤレスタイプ(Air Pods)は、落として紛失する
注意ポイント
カナル型、耳せん型
耳の穴(外耳道、ear canal)に差し込む「耳せん」型です。これも昔からありました。
鉱石ラジオに付けるクリスタルイヤホンです。
耳せんなので、遮音性(他の音をさえぎる)が高いのが特長です。
そのため、室内で移動しない時に使用します。
カナル型イヤホンの良い点
- 高い遮音性(雑音をさえぎる)
- 耳の穴にはまるので、外れにくい
- 音漏れがしない
- 低音から高音まで、確実に耳の穴に伝えるので、音が良い
カナル型イヤホンの悪い点
- 強く押し込むと拍動性(ドキドキする心臓の音)の雑音が入る
- ケーブルのタッチノイズ(ガサガサ音)が、イヤホン型より大きく伝わる
- 骨伝導系の音(歩く音、体を動かすときの体のあちこちの音、咬む音など)が聞こえる
- 周りの音が聞こえないので、使う場所が限られる
- 難聴になる危険性が高い
注意ポイント
バスや電車、タクシーなどの乗客として座席に座っている時だけの着用します。
耳かけ型、イヤーフック型
耳にかけて安定させるタイプのイヤホンです。イヤホンより、ヘッドホン(開放型)タイプが多いです。
耳かけ型 ヤイヤレス イヤホンの良い点
- 外れにくい
- 耳の穴を完全にふさがないので、周りの音が聞こえやすい
- イヤホンより、開放型のヘッドホンが多い
耳かけ型 ヤイヤレス イヤホンの悪い点
- 耳にひっかける部分が、耳に合わないことがある
- ずらして聞く時は、音漏れする
- イヤホンだと種類が少ない
ランニングマシンでランニングする時には、このイヤーフック型を選びましょう。
耳の穴にいれないように、ずらして付けるのであれば、周りの音が聞こえるので、ウオーキングやランニングを屋外でするときに装着しても大丈夫です。
耳の穴を外して使う場合、音漏れや音が悪くなります。
骨伝導型イヤホン
耳にいれないので、開放型ヘッドホンになりますが、一応、イヤホンの範疇(はんちゅう)に入れます。
音を感じる内耳に、頭がい骨に音の振動を直接伝えます。軍事用技術です。
楽器を調律するとき、A(440Hz)の音叉を前歯でくわえて音を聴きますよね?。骨伝導で音叉の音を効いています。
音を感じる内耳は、頭がい骨(側頭骨)の中にあります。
耳の前後に皮膚の薄い場所があるので、そこに ボイスコイルに相当する振動子を押し当てることで音を伝えます。
骨伝導パッドと側頭骨の間にある皮膚がぶ厚いと 音が減衰(げんすい、減ること)するので、音が小さく、悪くなります。
本物の骨伝導イヤホンは、骨伝導パッド部が音がでていないようでも、歯に直接当てると音が聞こえます。
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耳をふさがない 骨伝導イヤホンが話題だ。 音もれは少ないのに、通話だけでなく音楽も聞けるほど音質が良くなったからだ。 私も、Shokzの骨伝導イヤホン「Aeropex(OpenRun 無印)」を気に入 ...
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3)イヤホンのコード(ケーブル)は、無線か有線か? … 接続方式
音楽プレーヤ(スマホやタブレットなど)とイヤホンの間を、
- コードでつなぐケーブルイヤホン
- 無線でつなぐワイヤレスイヤホン
に分けられます。
コード(ケーブル)でつなぐ従来のイヤホン
昔からあるコード(ケーブル)で、音声信号を伝えるタイプのイヤホンです。
ケーブル利点としては、
- 音声信号を確実に伝えるため音が良い
- 値段が安い
欠点は、
- ケーブルに服などがあたると糸電話の原理で、擦れる音「ケーブル タッチノイズ」がする
- コードが邪魔になる
- ケーブルの収納とクセがつく
- コードが切れる
があります。
2017年頃から、ケーブルを付け替えることができる「リケーブル型イヤホン」が増えています。
ワイヤレス イヤホン(無線 イヤホン)
iPhoneなどのスマホや音楽プレーヤーとケーブルでつながないで、無線で音を飛ばして使うイヤホンです。
Bluetooth ・2.4GHz帯の高い周波数の電波を使います。
ワイヤレス イヤホンの形では、
- 普通のワイヤレスイヤホン
- ネックバンド型
- 左右分離型、完全ワイヤレスイヤホン
があります。
ワイヤレス イヤホン
単純に左右のイヤホン(ハウジング本体)をケーブルでつないでいるものです。操作パネル部が付いているものがあります。
2010年代中盤では、ワイヤレス イヤホンの代表的な形でした。
- 中国製パチモンの独擅場でしのぎを削っていたので、安価で種類も多かった
- 防水といいながら、防水加工がだめで、汗で水没故障しやすかった
- Bluetoothのコーデックが、SBCしか対応していないものが多くて音が悪かった
- バッテリーが小さいため長持ちしない
- バッテリーと基板が、片方にはいっていて左右で重さが違っていた。
- ケーブルのタッチノイズが大きいのでスポーツに向かない
などの特徴がありました。
これらの問題を解決するため、現在(2019年〜)では、
ネックバンド型- 完全(左右分離、TWS)型
が主流になっています。
ネックバンド型 ワイヤレス イヤホン
ワイヤレス イヤホンに必要な
- バッテリー
- 制御基板
- 操作パネル
を首に回す部分にあつめた形のイヤホンです。
ネックバンド型 ワイヤレス イヤホンの良い点
- プレーヤー(スマホやタブレット)からは、ケーブルがつながっていないので取り回しが良い
- イヤホン端子(アナログステレオミニジャック)のない iPhone とつないで使える
- バッテリーが大きくできるので、動作時間が長い
- 耳に付けるイヤホン部は小さくて軽い
- イヤホン部はケーブルでつながっているので、落として紛失しない
ネックバンド型 ヤイヤレス イヤホンの欠点
- バッテリーに充電しないと使えない
- バッテリー切れがある
- Bluetooth接続なので、音が遅れたり、音が悪い
- 首に回す部分とイヤホンはケーブルでつながっているので、タッチノイズはある
ネックバンド ワイヤレスイヤホンは、どんな使い方が良い?
- バス、電車 などの公共交通機関に、乗客として乗っている時
- フィットネスクラブのエアロバイクやランニングマシンの暇つぶし
- スタバなど喫茶店で、ノートPCを開いて作業をしている時
- 家族など周りに迷惑をかけないように、音楽を聴きながら作業している時
- 皿洗い、掃除、洗濯物の取りこみなど、家事一般の作業
注意ポイント
車の運転では、カーステレオを使いましょう。イヤホンは耳を無駄に痛めます。
完全ワイヤレス イヤホン(TWSイヤホン、完全分離型イヤホン)
左右のイヤホンがケーブルでつながれずに、ワイヤレス(無線)で使うイヤホンです。(tws)
英語では、
- true wireless earbuds:完全にコードレスな小型イヤホン
- true wireless stereo:TWS(完全ワイヤレスステレオ)
と言われています。海外の通販だと、「TWS」で検索します。
耳の中にすっぽりとはまり込むものなので、補聴器のように見えるのが特徴です。
代表的なのが、iPhoneの AirPods です。耳から”白いうどんの切れ端”がたれているようにみえるアレです。
2010年代中頃は、価格が2万円前後するものが多く、高くて買えないものでした
今は、中国製メーカがよく似た補聴器タイプのTWSイヤホンを大量に出しているので、5千円以下(20〜40ドル)で買えるようになって手に入りやすくなっています。
完全ワイヤレスイヤホン(左右分離 イヤホン) の良い点
- ケーブルがないので、ケーブルのタッチノイズがない
- ケーブルがないので、ケーブルの収納の手間やクセに影響されない
- 高い”補聴器型”イヤホンをしている自分ってカッケーと自己陶酔に浸れる
- アフィリ記事を書いて、中高生をだまして稼げる
左右分離型 イヤホン の悪い点
- 有名ブランドメーカーだと、1万円以上で高い
- 中国パチモンメーカーの独擅場でハズレも多かった
- 有名ブランドも、中国製パチモンも実は中身が同じ?
- ネット上には、ステマ記事しかないので、誰を何を信じたらいいのか分からない
- 色がベージュだったら、モロに「補聴器」
- 落としてなくす
- 落とし物担当の駅員泣かせの、TWSイヤホンは駅構内装着禁止にするべき
- 落として踏んづけて壊す経験も…
- カバンの中の収納ケースが見つからず、入れる前になくす
- とにかくバッテリーが持たない
- イヤホン自体は小さいが、充電器兼用の専用ケースバッテリーが大きく重い
- イヤホン内のバッテリーは、100回程度の充放電サイクルで弱るので寿命は半年
- カナル型のため、移動する時には装着できず、案外使えるシーンがない
「リテラシー(理解&使いこなし能力)」のあるユーザーからすれば、デメリットの方が大きく敬遠するカテゴリのイヤホンです。
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リケーブル型イヤホン(ケーブル交換型)
イヤホンのハウジング部とケーブル(コード)をコネクターでつなぐタイプです。(re-cable)
ケーブルを自分の好みで変更することができます。
左右の音の大きさをそれぞれ調整できる「バランス型ヘッドホンアンプ」につなぐマニア(難聴の人)が好んで使っていました。
- ケーブルを交換できる
- 耳の型をを採って、自分の耳にぴったりのハウジング(シェル)を作る「カスタムイヤホン」で採用
我々のような”本物の”ガジェット通は、電子工作もやりますので、こういったコネクタ式のものも扱えます。
特に、カスタムイヤホンのシェルを自作する人にとっては、コネクタ式は外せないポイントになります。
MMCXと2ピン
コードが取り外せるタイプのイヤホンがあります。
- MMCX:同軸ケーブルコネクターの規格
- 2ピン:中国のイヤホンに多く使われている
着脱できるコネクタになるので、防水防滴はできません。カタログには、「IPX6」と書かれていても、信じない方がいいです。
電解液である「汗」がしたたるような、大汗をかく、作業やスポーツでの着用は、ケーブルとイヤホンの接合部はコネクタ式ではなく、防水加工で密封してあるタイプを買いましょう。
MMCX
MMCXは、同軸ケーブルのコネクター規格です。コストのかかるコネクターです。(mmcx)
イヤホンのコードに使うことで、イヤホンのハウジング/ドライバー部分を換装することができます。
密閉性が高いので、防水防滴に有利です。
ケーブルを換えることもできるので、マニア向けで使われていました。
Bluetoothのワイヤレスレシーバに、このMMCXのケーブルのタイプがあるので、それと、自分が日頃使っているMMCXタイプのイヤホンと組み合わせて使います。
ブログカード
2ピン
MMCXの同軸コネクターは、価格も高い上に加工に手間がかかるので、高くなります。(pin2)
中国製メーカーが、独自に2ピンタイプのコネクタを使ったケーブルを付け替えるイヤホンを発売しています。
2017年頃から、この2ピンタイプのイヤホンが流行しているようで、中国のAmazon的な通販サイト「AliExpress」でも、いろんな種類のイヤホンとケーブルが売られるようになりました。
イヤホン本体(ハウジング部)が、贅沢な(バランスド・アーマチュアとダイナミックドライバーの)ハイブリッド型なのに、2千円台と価格も安いものが多いです。
ケーブルも凝ったものが売られているなど、コスパや使い勝手も良いので今後の主流になるでしょう。
ハイレゾ対応 って何?
「ハイレゾ」は、ハイレゾリューション(高解像)のこと。本来は、画像や動画表示で きめの細かい映像であることの表現で使います。
オーディオでも、ハイレゾといえば、良い音の意味で使われます。
「High Resolution」を略して「Hi-Res」なんて標記やロゴが付いています。
「ハイレゾ対応」 → 高性能 → 値段を高くできる
わけですw。
ハイレゾ → オーディオ・オカルト
「道ばたにおちている石ころを、宝石だと偽って 10万円で売る」ような商売をするのが、オーディオです。
ハイレゾは、気にしなくて良いです。
ちなみに、iPhone は、ハイレゾ対応ではありません。
ハイレゾ対応の音楽プレーヤや、SONYなどの音響メーカーが出しています。音楽も、ハイレゾ用の音声データになりますから、諸々が高くなります。
普通の人間では、識別できない音の波形の違いや聞こえないはずの周波数帯が聞こえる「幻聴の」人にとっては、このハイレゾの音源(曲)とプレーヤー、再生できるヘッドホンやイヤホンが必要です。
Bluetooth(ブルートゥース)
ブルーツース(青い歯)は「無線規格」です。
スマホやタブレット、パソコンなどのデジタル機器を無線(ワイヤレス)でつなぎます。
Bluetooth の バージョン は何が良いの?
Bluetooth の Ver(ブルートゥースのバージョン)は、現在、Ver 5.2 です。(btver)
- 最新バージョンが良い → Ver 5.1
- 送信側、受信側のバージョンは、そろった方が安定する
- バージョンが新しいほど、通信速度が速い → 音質がよいコーデックが使える
- バージョンが新しいほど 通信が安定するので音切れしにくい
- 最低でも、Ver 4.2以上を選ぶように
Bluetooth の Class(クラス)って何?
電波のとどく距離「電界強度」です。
- Class3:1m(1mW)
- Class2:10m(2.5mW)
- Class1:100m(100mW)
Bluetoothのイヤホンやヘッドホンなど音響機器は、Class2の10mです。
電波の届く範囲は、見渡せる直線距離で、5m程度でしょう。
間に人や物があると電波は届かなくなります。Bluetoothの周波数は、2.4GHz帯の高い周波数なので直線的に飛びます。
Bluetooth のプロファイル って何?
「データ通信で何をするのか? 」の取り決め(データ通信のルール)のことです。(profile)
たくさんある種類の中から、ワイヤレス イヤホンに必要なプロファイルは、
- A2DP (Advanced Audio Distribution Profile):オーディオ機器の音声通信
- AVRCP (Audio/Video Remote Control Profile):再生、停止などのリモコン操作の通信
- HSP (Headset Profile):マイクとイヤホンのヘッドセットで使う通信
- HFP (Hands-Free Profile):ヘッドセットのハンズフリー通話用通信
があります。
ワイヤレス イヤホンのスペック表には、
- Bluetoothプロトコル:HFP V1.7;HSP V1.2;A2DP V1.3;AVRCP V1.6
と記載されています。
V1.7 の数字は、バージョンです。
ペアリング って何?
Bluetoothの機器同士をつなぐことを言います。
「ペアリングしないと使えないよ」と言われても、?? な人も多いのですが、恐れることはありません。
ワイヤレス イヤホンの説明書にも、ペアリングのやり方は、必ず書いてあります。
マルチペアリング って何?
複数の機器との接続を覚えていて、つないでくれる機能です。(multi)
ワイヤレス イヤホンで「マルチペアリング」とは、
iPhoneとiPadでペアリングをしておくと、iPhoneか、iPad の二つのうち、起動している方とつながります。
iPhoneにつないでいるはずが、iPad につながっていることに気がつかずに「iPhoneの音がイヤホンからでない!」とあわてた経験あるでしょ?。
マルチポイント って何?
複数、同時につながることです。(multi-p)
本来、イヤホンとスマホは、1対1でつながるものです。
新しいバージョンのBluetooth Ver 4.2以降では、2台のイヤホンやヘッドホンに同時につながることができるようになりました。
二人で、それぞれワイヤレス イヤホンやヘッドホンをして、1台のスマホから、同時に音声を両方に送ることができます。
マルチポイントは、送信側が対応してないと使えません。プレーヤー(スマホ)側が対応してないことが多いので、Bluetoothトランスミッターを使います。
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Bluetooth 5.0 オーディオ トランスミッター レシーバー BTI-039 を買ったのでレビューします
Bluetooth 5.0、Qualcomm社のCSR8675を使った オーディオ トランスミッター&レシーバーは、中華のいろいろなメーカーから売られています。 今回は、 VIFLYKOOというメーカ ...
コーデック(Bluetooth Codec)
音は、元々アナログ信号です。ワイヤレス イヤホンは、アナログ信号の音をデジタル信号に変換して計算で圧縮してデータを小さくして送ります。その圧縮のルールをコーデック(Codec)と言います。(codec)
コーデックには、
- SBC:音が悪いので、今は使わない
- AAC:iPhone、iPad、iPod touch が使う
- aptX;これが今は標準
- aptX-LL:低遅延でゲーム用
- aptX-HD:ワイヤレスでは最高の音質
- aptX adaptive:レート可変型、50〜80msとaptX LLに匹敵
の6つがあります。
iPhoneは、
- SBC
- AAC
の2つに対応しています。音が良いのは、AACです。SBCは音が悪いので普段は使いません。
AndroidスマホやBluetoothトランスミッターは、
- SBC
- aptX
が使えるはずです。
SBCしか対応していないワイヤレス イヤホンやヘッドホンは、ゴミです。
ノイズキャンセル機能
ヘッドホンやイヤホンのノイズキャンセル機能には、2つあります。(nc)
- エコーノイズキャンセル:マイクを使った通話で山びこのようなエコーノイズを防止する
- ノイズキャンセル:周辺の騒音を打ち消して静かにする(アクティブノイズキャンセル)
イヤホンについているノイズキャンセル機能は、「エコーノイズキャンセル機能」です。
- CVC6.0ノイズキャンセリング マイク付き
これは、マイクがイヤホン側の音を拾ってループになることで、山びこのように響くエコーノイズを防止する機能です。
2020年〜、周辺の音を消去して通話の声だけを相手に送れるアクティブノイズキャンセル機能がついたものが増えました。
アクティブ ノイズキャンセル、アクティブ ノイズリダクション
「ノイキャン」って、最近は略されています。
- 周りの雑音をマイクで集音して
- その雑音の波形と逆位相の音をDSP(デジタルサウンドプロセッサ)でつくり
- イヤホンから一緒に再生する
ことで、周囲の雑音を消す、アクティブ ノイズキャンセル機能が、イヤホンやヘッドホンのデジタル回路(ICチップ)の進化で小型化できるようになりました。
値段も安くなって、1万円〜になってきています。
アクティブ ノイズキャンセルの最大の欠点は、周囲の音をDSPで逆位相に変換する時間がかかるので、すこし音が遅れることです。
ゲームでも、音ゲーやアクション系など音の遅れがダメなものは遊べません。
イヤホンのカナル型(耳せん型)は、周りの騒音を打ち消さなくても、耳せんで周りの音を遮るので、イヤホンでノイズキャンセル機能を持ったものは数が少ないです。
防水 防滴機能
昔から、ワイヤレスのイヤホンが汗で水没故障することに、頭を悩ませていた人も多かったと思います。
ここ2年くらい(2017年〜)で、防水機能が向上した中国の製品が安価になってきて、実用的になってきています。
「水にどれだけ耐えられるか?」がわかる工業規格があります。
イヤホンの構造上、IPX6 程度が精一杯でしょう。
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防塵・防水規格 IP表記 まとめ
このページは、工業製品の防水・防塵規格についてまとめている。レビュー記事から、参照するためのもの。 保護規格のIP○○ 保護規格は、IP○○と表記される。 IP○○は、国際規格 第一記号と第2記号と分 ...
カタログに、IPX7と書かれていても、完全防水とはいえませんので、風呂に入ってお湯に浸けるようなことはしてはいけません。プールで使えるのは、IPX8 です。
イヤホンのノイズ を下げる アッテネーター
スマホで音楽を聞くことが多くなった有線のイヤホンは、低インピーダンス(交流抵抗、4〜10Ω)のものが増えています。
低インピーダンス化は、少ない音量でも、音が大きく鳴らせる反面、ノイズが目立つようになってきました。
音源がデジタル化し、デジタルアンプ特有のノイズ(サー、ジー)が無音状態で出るのは仕様です。
値段だけ高い、ボッタクリのイヤホンは、抵抗をいれてインピーダンスを高くして、ノイズ(ジー、サー)を目立たなくする工夫をしています。
ヘッドホンとイヤホンはどう使い分けるの?
音が良い、悪いは、ヘッドホン、イヤホンともにマチマチなので、決めつけることができません。
結論から言うと、「ヘッドホン、イヤホン で ”値段が高ければ音が良い”わけじゃありません!。」
- 装着感が良くて心地良いから
- 音が自分の好みだから
- 低遅延なのでゲームの音を聴くのに適しているから
など、自分の都合の良いものを選びましょう。
イヤホン、ヘッドホン共に一長一短があります。
- イヤホンの方が小さく軽いので、持ち歩くのはイヤホンの方が有利
- イヤホンの方が装着感が良いと感じる人が多い
- ヘッドホンの方が音が良いと感じる人も多い
- 難聴になりやすいのは、どちらも同じ
カタログのスペックだけではわからないので、何個か買って試行錯誤するしかありません。
イヤホンを使う場所
- 座って作業する図書館のような静かなところ → なんでも良いが、音量は下げて!
- 電車やバスに乗って移動 → 1人なら遮音性の良いもの
- ホームや行列を待っているとき →1人なら遮音性のよいもの
- 屋外での自転車やランニング → ヘッドホン、イヤホンともに着用禁止、骨伝導タイプのみ着用可
- 屋内のランニングマシンやエアロバイク → 防水型のワイヤレス イヤホン
- スタバなどカフェ → うるさいところは、ノイズキャンセル付きの高いヘッドホン
- 飛行機や電車などに座っている → 1人なら遮音性が高く、ノイズキャンセルがある高いヘッドホン
- ショッピングモールでゲームをしながら家族を待つ → 遮音性の高いヘッドホンやイヤホン
- 災害時にラジオを聞く → 片耳にいれるモノラルイヤホン
道路でイヤホンを装着して自転車に乗っていた場合、警察官が、わざと小さい声で声をかけます。
警察官の声かけが聞こえなくて振り向かない場合は、「公安員会遵守事項違反」で5万円以下の罰金(都道府県で違う)です。片耳、両耳に関係ありません。
難聴にならないように、音量は小さく!。
周囲の音が大きい、飛行機や新幹線など鉄道、雑踏の中では、遮音性の高いイヤホンやヘッドホン、アクティブノイズキャンセル(ANC)タイプが良いです。
人や車が通る道で、自転車やジョギング、ランニングをする時、イヤホンやヘッドホンは着用禁止です。“寝落ちイヤホン”
イヤホンのドライバーを柔らかいシリコンで覆っただけの寝るときに付けるイヤホンがあります。
眠りに落ちたあと、スマホの誤操作が起きて大音量になることがあります。その場合、一晩で内耳が破壊され、耳が聞こえなくなるのでイヤホンをしたままで眠ることは禁止です。
イヤホンは、どうやって選ぶの? どこで買うの?
イヤホンを選ぶ基準は、
- 音質などスペック
- 価格
- メーカー
- 口コミ
などがあります。
買うのは、Amazonが便利です。
中国ブランドがほとんどなので、当たりはずれがあります。Amazonは、ダメなら即返品ができる点が良いです。
メーカー
オーディオは、良い悪いを人間の主観(その人の都合)で決められる曖昧(あいまい)なものです。
先入観”ブランド”の物差しで良い悪いを判断する人の多いことといったら(笑)。
日本だと
- SONY(音楽用イヤホンの元祖)
- オーディオテクニカ
- パナソニック
- JVC
- パイオニア
などの音響メーカーが知られています。パソコンの周辺機器メーカーも、いろいろ出しています。
海外だと
- BOSE
- ゼンハイザー
- AKG
- シュア
など、数が多すぎて”枚挙(まいきょ)に暇(いとま)がない”状態です。
有名オーディオ ブランドの製品は、中国のメーカーが製造しているので、今は、中国メーカーのものが、価格が安く、製品の質が良い「コスパが良い」ことが多くなりました。
音質やスペック
再生周波数、ダイナミックレンジ、音圧、など、いろいろな用語と数字がでていますが、初心者や電気的知識がない人は、気にしなくて良いです。
それらに書かれている数字は、ほとんどアテになりませんから。
音が良い悪いの評価は、聞く人間側が決めることです。「官能検査」といって、個人差が大きすぎて比較できません。
年をとってくると、耳が良く聞こえなくなります。特に高い音が聞こえないので、機械に頼るようになります。
昔は、信号発生器とオーディオアナライザーは、何十万円もして高価でした。今は、スマホのアプリでできるようになりました。
これで、自分の聞いた音の感想と、実際に測って、オクターブバンドグラフで表示した時で、音がどんなものなのかが語れます。
価格
価格は、高い安いがあります。高ければ音が良いわけじゃないです。人間は感情に支配されるので、「高いから音が良い」と思ってしまえば、「音が良い」と自分を納得させるように肯定して(ほめて)しまいます。
最近のイヤホンは、5千円も出せば、品質、音質ともに、満足できるものがそろっています。
2万円、3万円とか、アフィカスが儲けるためにステマ記事を書きまくっているのでだまされないようにしましょう。
口コミ
ネット上のイヤホンやヘッドホンの口コミ情報は、信頼できる本物の記事が ありません。
- Amazonの口コミは、中国業者の中傷合戦とステマのために、参考にならない
- ブログなどでの紹介は、商品をタダでもらって売る気満々で書かれた提灯記事しかない
自分で買って試すしかないのは、昔も今も変わりないのです。
ヘッドホンは顎関節症の悪化の原因になるから イヤホンが良いの?
それ、アフィカスによる完全なデマです。
私は、顎関節症を治療できる立場の専門家wですし、研究もしていたので、その原因は知り尽くしてます。顎関節症の原因は、ヘッドホンと関係ありません。イヤホンとも関係ありません。
骨伝導イヤホンも顎関節症と関係ありませんが、炎症など急性症状のある時は、顎関節や側頭筋の圧痛を助長することがあります。
イヤホン難聴(音響性聴器障害)に注意して!
ヘッドホンと同じで、大きな音を聴き続けると、内耳の有毛細胞が破壊されて二度と再生しないので耳が聞こえなくなります。
聴器障害をさけるために、以下の4点に注意しましょう。
- 1時間で10分の無音状態で耳を休ませる
- 60〜70㏈(会話の声が聞こえる音量)で聞く
- うるさい場所で音楽を聞かない(耳せんで内耳を守る)
- アクティブノイズキャンセル(ANC)機能で無音にして耳を休ませる
まとめ
イヤホン、ヘッドホンは、中国メーカーの独擅場になりました。
イヤホンに関しては、激化した競争のおかげで、安価なものがAmazonで買えます。当たりハズレが大きいので、多少の試行錯誤が必要です。
口コミは、ステマだらけで全く信頼できません。自分で選んで見極める力(リテラシー)が求められます。
ガジェット系ブロガーを名のる都合上、「イヤホンやヘッドホンに関して、どう選ぶのか?」の記事が必要です。
個々のレビュー記事から、用語の参照のために使います。