このページは、掃除機に関する用語や基礎知識、ウンチクをまとめるページです。
掃除機の種類や形式など、レビュー記事から参照するためのページです。
掃除機の分類する項目
- 形
- 駆動・電源
- フィルターの形
- ブラシヘッドの形
1)掃除機の形
- キャニスター(掃除機とホースと吸い口の普通のやつ)
- ハンディー(掃除機本体を手に持つやつ)
- 自走型(ロボット)
- 集塵機(粉塵がでる仕事場で使う据え置きのデカいやつ)
- その他(粘着コロコロみたいなの)
キャニスター型
昔からある基本型です。
- 本体
- ホース
- ハンドルと延長管
- 床ブラシヘッド
- 電源コード
の主なパーツでできています。
キャニスター型掃除機の利点・メリット
- 掃除機といえば、このカタチ!
- 一般的な形で、高い物から安い物まで、いろいろ種類があって選び放題
キャニスター型掃除機の欠点・デメリット
- 電源コードがついているので、電源コンセントから電源コードの届く範囲でしか使えない。
- 収納に困るものがある
- 本体をひこずるので、本体が壁や柱や戸の角にぶつかって、徐々に削っていく。(canister)
ハンディー型、コードレススティック型
掃除機本体を手に持つ小型の掃除機です。
バッテリーでうごく電源コードなし(コードレス)な掃除機で、今、一番人気です。
コードレス型にも、長い延長パイプを使ってキャニスターのように床面を立って掃除できるものを「コードレススティック型」と呼ぶようになりました。
ハンディー型掃除機の利点・メリット
- 電源コードがないので、自由自在に持って掃除できる。
- 小さいので収納に困らない
ハンディー型掃除機の欠点・デメリット
- バッテリー内蔵なので、使える時間が限られる
- バッテリーとモータのある本体を手で持つので、重くて取り回しが悪い
- 本体が手許にあるので、排気を吸ってしまう
- 音がうるさい
コードレススティック型(ハンディ型にもなる)の掃除機は、ダイソンのV10でも、手元の暖かい排気と臭気が気になります。
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(handy)
自走型掃除機(ロボット)
アメリカのロボット会社、iRobotが自走式の掃除機を出しました。当時の日本では、冷ややかな目でみられていましたが、日本に上陸すると、これまたブログで自慢したいアフィカスのステマと口コミで世に広まります。
「掃除ロボット「ルンバ」を実際に買った人の多くが老人だった」ことが分かってから、日本の家電メーカーもあわてて追従しました。
うちの実家の父親にも、自走式の掃除機を買わせています。一番最初は、iRobot社のルンバでした。すぐに故障したため買い換え、また壊れたので、今はパナソニックのおにぎりみたいな形の掃除機「ルーロ」を使っています。
正直、高いオモチャです。掃除機としての性能は、ハンディ掃除機の安物レベルです。
集塵機
工場などで使う掃除機です。主に据え置き型のことを言います。
用途に応じて、いろんなものがあります。据え置き型以外にも、キャスターが付いたキャニスター型、手にハンディ型もあります。
粉塵爆発するような可燃物も安全に吸い込めるタイプもあります。水や油なども一緒に吸い込んで分離してくれたり、有毒ガスを吸っても安全に排気してくれたりと、働く環境を守る大切な掃除機です。
その他・粘着型
粘着型の掃除機もあります。コロコロなどの商品名で売られている、粘着テープでゴミを吸着してとります。静電気式もあります。
2)駆動・電源形式
- ACケーブル、電源ケーブル
- バッテリー内蔵
- 圧搾空気式(エアホース付き)
ACコード・電源ケーブル
コンセントにつなぐ、電源コードをつないで使う掃除機です。キャニスター型の掃除機のほとんどが電源コードがついています。
コード式掃除機の利点・メリット
- 100Vの交流が使えることからモーターのパワーを100%出せる
- 吸引力もパワーがあるので、強い
- モーターが焼けない限り、時間制限なく使える
コード式掃除機の欠点・デメリット
- 壁のコンセントから、電源コードの伸ばせる範囲内でしか使えない。
- 掃除する場所によっては、電源コードの引き回しが面倒なことになる
- 使い終わったら、電源コードを巻き戻しておく手間がかかる
バッテリー内蔵
バッテリー内蔵で、カートリッジ式の交換できるものも増えてきました。(battery)
バッテリー内蔵型掃除機の利点・メリット
- 電源コードを引き回さなくて良いので、手軽に掃除機をかけられる
- コンセントがない場所でも、掃除機がかけられる
- バッテリーがカートリッジ式のものは、充電されたバッテリーに取っ替えながら掃除が続けられる
バッテリー内蔵型掃除機の欠点・デメリット
- バッテリーとモーターのある本体を持つので重い
- バッテリーがカートリッジ式で交換できないものは、掃除機の使える時間が短い。
- バッテリーは繰り返し使うことで劣化していくので、交換できないタイプは弱ったバッテリーになると使える時間が短くなってしまう。
エアホース・圧搾空気式
電気でモータを回すかわりに、圧搾空気を勢いよく流す時にできる陰圧を利用して吸引する仕組みです。
エア駆動掃除機の利点・メリット
- 電気的なものがないので、引火性の高い環境下で使える
- モーターの構造がないので過熱しない
- 完全に機械的構造で使えるので、海水や薬液などの化学物質の影響をうけないし、漏電の心配がない
エア駆動掃除機の欠点・デメリット
- 圧搾空気をつくるコンプレッサーが必要
- 圧縮した空気を送る高圧パイプを配管する必要がある
- 圧搾空気用のパイプが硬いので取り回しが面倒
- そもそも、特殊すぎて一般的に売られていない。
- 圧搾空気で吹き飛ばした方が早い。
3)フィルター形式
- フィルター式(外して、埃を取り除いて使い回す)
- 紙パック式(ゴミを紙パックに貯めてすてる)
- サイクロン式(遠心分離式)
- サイクロン式とフィルター式の複合式
- 水フィルター式
昔ながらの フィルター式
昔の掃除機のフィルターは、ゴムのワクがついた布袋でした。
「破れるから」の理由で洗わずに、ゴミとホコリだけとりながら大切に使っていました。
実家にまだ現物がありました。記憶だけで書いたイラストの再現性もまずまずといったところでしょう。
紙パック式
使い捨ての紙パック式が今は主流です。
安価なものが多くて、イニシャルランニングコスト(初期投資費用)がかからないのも、魅力な掃除機です。
紙パック式掃除機の利点・メリット
- 掃除機の構造が簡単にできるので小型化できる
- 掃除機の構造が簡単にできるので部品数が少なくて安価にできる
- 吸込仕事率が高く、ゴミやホコリをよく吸う
- 互換紙パックの安い物があれば、ランニングコストも安くできる
- ゴミは、袋ごと捨てることができるので始末が簡単
- 掃除機に貯まったゴミを捨てるときに、ホコリがまわりに散りにくい。
紙パック式掃除機の欠点・デメリット
- 紙パック代がかかる
- マイナーな機種だと互換紙パックがない
- 紙パックへ埃がたまってくると吸引力が落ちてくる
- 互換の紙パックが質の悪いものだと、埃が通過してしまう
ここ十年は、国内大手家電メーカーの紙パック式の掃除機を買えば、互換の安くても高品質の紙パックがあるので、ランニングコスト(維持費)も低く抑えることができます。
サイクロン式(遠心分離型)
遠心分離器をつかってゴミやホコリと空気をわける構造です。
昔から、比重の違う空気や水(油)の混じったものを吸い込んだ時に、分離するために使われていたものです。切削粉塵(せっさくふんじん:削りカス)の出る工場には、遠心分離器付きの集塵機があります。
フィルターがない遠心分離式(フィルターレス・サイクロン方式:ダイソン)
フィルターの洗浄や掃除がいらない(フィルターはモーターの手前に付いている)タイプです。
漏斗(ろうと)状の遠心分離器が非常によくできていて、埃の一部を分離できる構造をしています。
フィルターレスと言いますが、まったくの嘘です。ダイソンの掃除機にもちゃんとフィルターが付いています。
V10のフィルタです。
サイクロンだけでは、完全にゴミが取り切れません。1ヶ月に1回は水洗いが必要です。
十年前、英国のダイソンが家庭用掃除機に、この遠心分離器を応用したことで広く知れ渡りました。
ダイソン社が、数段の複数の遠心分離器を重ねることで集塵効果を大きくする特許を持っているので、他のメーカーは、多段式の遠心分離器の掃除機を作ることができません。
昔からある、遠心分離構造を「サイクロン式」という先進的で優れたメカのようなイメージで紹介記事を書いている人はアフィカス認定です。
サイクロン式掃除機の利点・メリット
- ネットでのステルスマーケティングを積極的に行ったおかげでブランドイメージがアップし、ダイソンの掃除機を持っていること、使っていることが自慢できた
- ゴミやホコリが貯まってきても、吸引力(吸う風の量)が、紙パックほど急激に落ちない
- 紙パック代がかからない。
サイクロン式掃除機の欠点・デメリット
- サイクロンの構造自体が空気の通る抵抗が大きいので、モーターは相当パワーがないと満足に吸えない
- 遠心分離が有効なのは、ゴミが混じった空気がらせん状に渦巻きになるくらいの空気の流れが必要で、大きなゴミが入ると遠心分離が効かなくなって、詰まってしまう
- 湿ったゴミが苦手で、湿ったゴミを吸い込んだら、埃が漏斗状の中にこびりついて、洗わなければ詰まってしまう
- 「フィルターが必要ない」はずなのに、現実はモーターとタービンを保護するためにフィルターが付いている
- 発売当初は音がうるさいだけで、「ネコのトイレの砂ですら吸えない」と、まったく吸わないことで評判が悪かった
- サイクロンの構造状、空気の抵抗が大きいので、紙パックに比べて最初から余り吸わない
- 吸うのに力が必要なのでタービンを回すモーターはパワーがとにかく必要。自社開発したインバーター式強力モーターにしたが、とにかく値段が高い。
- ゴミを捨てるときに、ホコリが周りに飛びちる。
サイクロンとフィルターの複合式
昔からある、水や砂や泥を吸える掃除機に採用されていました。
私も 工作室では、業務用掃除機を使っています。木工する人なら1台は持っていますよね。
これ、サイクロン式です。
吸い込んだゴミや水を遠心分離で取り除き、フィルターで細かいチリやホコリを取り除く構造をしています。
「なんちゃってサイクロン式」と呼ばれるものです。ダイソンが、「サイクロン」なんて、カッコイイ名前を付けるから、こんな呼び方をされるようになりました。(cyclfilter)
私が使う掃除機は、このサイクロンとフィルターの複合型、つまり従来型の掃除機です。
ダイソンの掃除機が十年ほど前に流行しはじめた時、ネットのアフィカス連中の露骨なステマにムカついていました。
フィルターと遠心分離の複合型 掃除機の利点・メリット
- 業務用掃除機として昔から使われている信頼性の高い掃除機の形式
- 湿式、乾式両用、濡れた物や泥や砂を吸えるものがある
- すでに特許がきれている技術なので、安価に作れる
- 吸気抵抗(通気抵抗)が、ダイソンの多段式遠心分離構造よりも小さいので、吸込仕事率が大きくなる
- 吸気抵抗(通気抵抗)が、ダイソンの多段式遠心分離構造よりも小さいので、モーターのパワーを上げ続ける必要がない
- 構造が簡単で、故障しにくく、メインテナンスがしやすい。
フィルターと遠心分離の複合型 掃除機の欠点・デメリット
- フィルターの掃除が必要
- ナンチャッテ サイクロンと呼ばれる
とくに、致命的な欠点がないので、今後も、この形式は湿式乾式両用の掃除機として続きます。
家庭用の紙フィルター式の掃除機と共に続きます。
水フィルター式
「フィルターを水にできないか?」の試みは、昔からあります。
水フィルター式の掃除機の欠点
- フィルター用の水を毎回交換しないと腐ってしまう
- モーターにフィルターの水が入ると故障してしまう
- ホコリのすべてが親水性ではないため、水のフィルターで全部が取り除けない
- 界面活性剤を混ぜると泡がでて、モーター側に水が入って故障する
利点があまりなくて、欠点が多すぎて、これからもメジャーにはなれないでしょう。
数ある致命的な欠点をすべて解決できる「ブレイクスルー」な技術ができれば、大化けするかもしれません。
4)吸い口(ヘッド)の形
ブラシが動く「動的」なものか、ブラシがついでいるだけの動かない「静的」なものに分けられます。(suikuti)
- ブラシがついているだけで動かない普通の吸い口(静的)
- ブラシが電動モータで動く吸い口(動的)
- ブラシが吸引する風で動く(エア駆動)吸い口(動的)
普通の掃除機のヘッド(吸い口)
単純にブラシがついているだけです。主に「床、畳用のブラシ」と呼ばれるタイプです。
利点・メリット
- 構造が単純なので、安く作れる
- 故障する部品がないので、破損以外で壊れない
欠点・デメリット
- 強力に吸うと、吸い口が床や畳に吸い付いてしまい、動かすのに力が必要
- 大きめのゴミは吸えるが、ホコリは静電気的にくっついているので、ブラシでなでるだけでは、取れない
欧米のように、土足の床を掃除するのであれば、とくに床ブラシヘッドも、こだわる必要はないです。
電動モーターでブラシが動く動的なヘッド(吸い口)
ローラーのブラシをモーターで回します。「パワーヘッド」などと呼ばれます。ブラシのローラーを回して、吸い付いて重くなるヘッドを前に動かすのを補助します。 (ah)
利点・メリット
- モーターでブラシを回転させて、前に動かすように回して、ヘッドが床に吸い付いても軽く前に押せるようにできる
- 回転はモーターなので、吸う空気の力の減衰がない。
- ブラシが回転するので、こびりついたホコリも 掃きだして吸える
- 畳や絨毯なども、ブラシの毛で、ホコリをはたきだすので、吸える
欠点・デメリット
- モーターをヘッド部に内蔵するので、ヘッドが重い
- モーターをヘッドで動かすためにホースや延長管に電源ケーブルが入っているため、他のパイプが使えない
- モーターの音がうるさい
- モーターなどの可動部品があるので、故障しやすい。
- 複雑な機構なので、交換部品が高い。本体価格も高い。
特殊な環境の日本では、畳、絨毯、布団、フローリングの床、タイルなど いろんな場所を掃除することから、電動モーター式の動的な床ブラシヘッドは必要です。
エアタービンでブラシが動く動的なヘッド(吸い口)
電動モータではなくて、掃除機の吸う時にできる空気の流れを使ってタービンを回して、ブラシのローラーを回す構造をしたものです。
利点・メリット
- ヘッドに電動モーターが必要ないので、軽くなる
- ホースや延長管にモーターの電源用ケーブルを仕込む必要がないことから、部品数を減らせるのでコスト面で安くできる
欠点・デメリット
- ヘッドのブラシを回すために、吸気の空気を使うので、肝心の吸込能力が落ちる
- 電動モーターほどの力がなくて中途半端
ダイソンも、一時期、タービン式のブラシヘッドをつけていた頃があります。畳や布団、絨毯を掃除機で吸う家庭用の掃除機では、電動モーター式のブラシヘッドに勝る物はありません。
床ブラシの床との距離と陰圧による風について
車高短の車のように低い隙間の床ブラシは、小豆程度の大きさのゴミを吸えません。その代わりに、細かい泥埃のようなものは、隙間が小さいため弱い吸引力でも局所的に風速がでるので、ホコリを巻き上げて吸えることになります。
とくに欧州の家電メーカーの掃除機の床ブラシが地面に這うようなピッタリとしたものが多いです。
日本は、畳や絨毯など多彩な床を掃除するので、段差や大きなゴミも吸えるように、車でいうところのハイサス? 高めの隙間になっています。吸込仕事率の高いガンガン吸うモーターで吸っても、隙間が大きいので、ブラシの周りも吸い込みます。
5)ホースの形態や形状
- 普通のホース
- 固定配管型のホース
普通のホース
ホースは消耗品です。破れたら修繕して使いますが、ちぎれたら買い換えましょう。
留意点
- ホースが長くなると吸気抵抗が大きくなるので、吸引力は落ちる
- グニャグニャと曲げると吸気抵抗が大きくなるので吸引力が落ちる
- 短くまっすぐなほど、吸引力が落ちない
- 床ブラシヘッドに電動モータがついているタイプは、電源供給用のケーブルがはいっているので、専用のパイプや延長管が必要
固定配管
粉塵がでる作業をする机に、バキュームシステムを組み込むときに使います。集塵機とセットで使います。
模型工作、木彫などのカービングを趣味で楽しむ人の作業机にもあると便利です。
吸引力は、大きいほど良い
- サイクロン式は、吸気抵抗が元々大きい。ゴミが貯まれば吸気抵抗はさらに増える。
- フィルター式は、吸気抵抗が最初は小さいが、フィルターが詰まるにつれて吸気抵抗が大きくなる。
吸気抵抗
内燃機関(エンジン)の空気を吸うときに、通りが悪くなる、妨げる「抵抗」するもの。
たとえば、小さなフィルターや汚れたフィルターは、空気の通りがわるいので吸気抵抗が大きくなる。
エンジンを高回転で回そうとすると、吸気抵抗と排気抵抗を小さくすれば良い。
ダイソンのサイクロン式は、サイクロンの構造自体が巨大なフィルターなんですよ。単なる目詰まりがしにくい巨大フィルターなんです。
きめの細かいフィルターって、空気の通りが悪いですよね。ザルとコーヒーのペーパーフィルターの違いをイメージしてください。
サイクロン(遠心分離器)自体は工業界では珍しいものではなく弱点も多い。
なのに、ダイソンのサイクロンが、なにかスゴい技術のように勘違いしている人が多すぎます。
吸込仕事率(すいこみ しごとりつ)
「吸引仕事率」と書いている人もいますが、工業規格(JIS)的には、「吸い込み仕事率」です。(swr)
吸込仕事率の単位は、W(ワット)です。でも、消費電力のW(ワット)とは違います。混同しないようにしましょう。
吸込仕事率は、
- 紙パック式の掃除機で、500W以上
- 「吸引力が落ちない」ダイソンの掃除機は、200W弱
です。吸込仕事率の数値が大きければ大きいほど、ゴミを吸う力は強くなります。しかし、ヘッドが床に吸い付く力も強くなるので、動かしにくくなります。
計算式は、
吸込仕事率=真空度[Pa]× 風量[m3 /分]×0.01666(定数)
です。
家庭用の掃除機の風量は、1〜3 m3 /分(立方メートル・毎分)、真空度は、〜3万Pa(パスカル)です。
風量測定器と真空度の測定器の間にバルブを付けて、バルブ全開の抵抗なしでの風量を計り、徐々にバルブを閉めて真空度をあげていきます。最後にバルブが完全に閉まると、風量はゼロになり、真空度(パスカル)が最大値(2〜3万Pa)を出します。
真空度と風量を変えていって、吸込仕事率の数字が一番大きくなるところを、吸込仕事率の測定値にします。
真空度
単位は、パスカル:Pa(N / m2)です。大気圧は、1気圧=101325Pa=101.3 kPaです。ちなみに、完全な真空状態「絶対真空」は、0です。
掃除機のようにファンをモーターで回すタイプでは、「絶対真空」が作れません。せいぜい、2〜3万Pa(パスカル)くらいしか真空にはなりません。つまり、0.8気圧くらいの減圧状態にしかできないんですよ。
二つの特性は、
- 風量:大きいほどゴミやホコリをたくさん運べる
- 真空度:大きいほど、大気圧との差が大きくなるので吸込み口での力が増える
ダストピックアップ率
掃除機の能力を表現するJIS規格の「吸込仕事率」とは別の規格で、「ダストピックアップ率」という数値を使うメーカーがあります。
海外の家電メーカーの掃除機は、ダストピックアップ率で表記しているものが多いです。海外メーカーの掃除機を買う時にはチェックが必要です。
日本の吸込仕事率の数値があれば、それで比較しましょう。
粉塵爆発物(ふんじんばくはつぶつ)の吸引に注意!
粉塵(ふんじん)爆発については、中学や高校の理科(化学)で習います。
しかし、現場で働く日本人の若い人をみていて、中学、高校で、まともな勉強してこなかった人が多いので、ここにも書いておきます。
今は アジアの就労学生の方が日本人よりも教育水準が高い。
油脂をふくむ細かい粉(粉塵)は、空気と混じると爆発します。
油脂を含む粉塵で代表的なのは、小麦粉、トナーの粉です。
他に化学反応を起こしやすい粉末(火薬)、化学物質は、マグネシウム、アルミなどの切削粉などです。
これら火薬を掃除機で吸うことは、とても危険です。
取扱説明書にも書かれていますよ。
火花が散る、ライターなどの火を付けるなどをすると、ドカーン!と大爆発からの火災になるので気を付けましょう。
最近の高い掃除機、モーターの火花がちらないタイプ(ブラシレスモーター)は、爆発は起きません。
掃除機の性能テストのために小麦粉をまいて吸い込む「掃除機大好き少年」がTVにでていました。
爆発して大ケガでもしてくれたら良い教材になるのにと思います。
目的別掃除機の選び方
- ブログで自慢したい → ダイソン、ミーレなど、欧州メーカ製
- 机周りを掃除したい → ハンディ掃除機 中華の安いヤツ
- 手軽に掃除したい → 工具用バッテリーが使えるマキタのハンディ掃除機
- 布団のダニを減らしたい → 布団用の電動ヘッドで吸う
- DIYのゴミを掃除 → 乾湿両用の掃除機
- 一人暮らし、面倒くさがり屋の家の掃除 → 予算と好みで、紙パック式がおすすめ
- メンテが好きな人の家の掃除 → サイクロンとフィルター複合型のタイプで、フィルターをもう一つ買って交互に使う
まとめ
仕事の関係で、掃除機、バキュームシステムを毎日使っています。
掃除機のウンチクをページにまとめました。
特に、サイクロン式、つまり遠心分離式については、私もまとめたかった内容です。
順次、解説の絵をいれて充実していきます。