モバイルバッテリーも年々進化しています。USB-Cポートがついて、MacBook などのノートパソコンやゲーム機 スイッチが充電できるようになりました。
スプラトゥーン2のイカッチャを出先で遊ぶ時、モバイルモニターとドックのACアダプタをその家のコンセントにさしたくても空きがなくて使えないんです。だから、老眼鏡かけてテーブルモードでやっていました。
そこで、任天堂スイッチのACアダプターを使わずバッテリーだけでスイッチのTVモードが遊べる強力なモバイルバッテリーをいくつか買って使っています。
今回は、
チーロ(cheero)のPDで60W出力ができる Power Plus 5 Premium 20000mAh を買ったので、中長期レポート
です。
- 購入品:cheero Power Plus 5 Premium 20000mAh(CHE-109)
- 購入時期:2019年12月
- 購入価格:6280円
- 購入店:cheero mart(Amazonマーケットプレイス)
私は、この製品を自分で選んで、自腹で買って試しています。
モバイルバッテリーをタダでもらったアフィカスの提灯・広告記事に不満を持ち、自腹で買った人のホンネとコスパの正直な感想を知りたい人向けに、本当の事を書いています。
代理店依頼のステマ記事ではないので、値引きクーポンコードはありません。
モバイルバッテリーの選び方については、
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モバイルバッテリーの選び方 まとめ。実際に買って使っている おすすめモバブも紹介
この記事は、モバイルバッテリーに関する豆知識をまとめています。 モバイルバッテリーの選び方と用語の解説 モバイルバッテリーのレビュー記事から、アンカーリンクで参照するようになっています。 モバイルバッ ...
で解説しています。
チーロ cheero って何? どんなバッテリーなの?
チーロ(cheero)は、大阪の商社(TRA)です。製品をブロガーに配布して記事を書かせるステマで、おしゃれなガジェットやモバイルバッテリーのブランドとして知られるようになります。
アニメ「よつばと!」のダンボール箱で作った着ぐるみが由来の「ダンボー」のモバイルバッテリーが代表的なものです。
今は、AnkerやRAVPowerなど、中国メーカーがアフィカス・ブロガーに製品を無料で配布してステマを派手にやっているため、チーロというモバイルバッテリーのブランドを知らない「にわか」な人もいるでしょう。
アフィカスブロガーの急増とともにAnkerは急成長しました。しかし、”ステマ工作で有名になったブランド”のイメージが定着しました。新製品の乱発と一部の製品が発火するなど諸々が燻ってます。
cheeroの”新製品は十分なテストをしてから発売する”日本企業的なやり方を評価する人も多いですが、アフィカスにタダで配るステマ商法は健在ですw。
チーロ パワープラス ファイブ プレミアム 2万ミリアンペアアワー ウイズ パワーデリバリー 60ワットcheero Power Plus 5 Premium 20000mAh with Power Delivery 60W って何が違うの?
USB Type C(USB-C)のPower Delivery(PD)に対応した、強力で大容量のモバイルバッテリーです。
USB-Cについては、こちらで解説しています。
CHE-109 の主な特長は、
- USB-Cポートの1つが、20V / 3Aの60Wの入力、出力に対応
- 充電用のポートは、このUSB-Cポート1つだけ
- USB−Cポートが2つ、USB-Aが一つ 合計 90Wまで電力がだせる
- バッテリー残量を数字で表示
- アルミボディ
- バッテリ容量は、74Wh(20000mAh 3.7V換算)実測は…
- 重さは、420gで、モバイルとは言えず、ポータブルバッテリー
です。
USB-Cポートを持つ、モバイルバッテリー Power Plus 5シリーズは、3種類あります。
- Power Plus 5 Stick 5000mAh(CHE-108):PDは1個、合計18W 2680円
- Power Plus 5 15000mAh (CHE-106):PDは45W、合計57W 4480円
- Power Plus 5 Premium 20000mAh(CHE-109):PDは60W、合計 90W 6280円
1時間以上は遊びたいので、CHE-106よりもバッテリー容量の大きい CHE-109を買ってみました。
cheero Power Plus 5 Premium 20000mAh with Power Delivery 60Wの外観、パッケージ内容
パッケージは、いたってシンプルで、
- CHE-109 バッテリー本体
- USB-Cケーブル:50cm
- 取扱説明書(保証書):保証は1年間
だけです。
cheero Power Plus 5 Premium 20000mAh の各ポート
サイズと各ポートは、
- サイズ:153.2 × 67.3 × 24.7 mm
- 重さ:419g(実測)
- 入力:USB-C (PD) - 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 20V/3A(最大60W)
- 出力:3ポート合計で最大90W
- USB-C 1(PD) : 5V/3A, 9V/2A, 12V/1.5A(最大 18W )
- USB-C 2(PD): 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 20V/3A(最大 60W)
- USB-A : 5V/2.4A (Auto-IC機能搭載)
- 内蔵バッテリー(カタログ値):リチウムイオンバッテリー 20000mAh / 3.63V(72.6Wh)
です。
USB-Cは二つあって、それぞれ対応電圧電流が違います。
バッテリー自身を充電するポートは、USB-C(60W)だけです。
超多機能USB-Cテスター CT-2でPDO(Power Data Object、PDの規格)を調べてみます。
つなぎ先は表記されているので、用途に応じて差して使ってください。
電源ボタンは、
ボディの横についています。色が同じなので分かりにくいです。
USBケーブルをつなぐと自動認識するので、電源ボタンはあまり使わないということなんでしょうね。
底には、いろいろと認可のマークなどが印刷されています。
モバイルバッテリーとして必要な機能
- 接続したデバイスの種類を検知して、最適の電流を制御する → cheeroは、「AUTO-IC機能」
- 自動停止機能
- 内蔵バッテリーの保護 → 過充電、過放電防止
- 短絡(プラスとマイナスを直結したショート)した時の停止
- 異常発熱時の停止
- デバイスの充電完了時の停止
など、必要最小限のものは搭載しています。
付属のUSB-Cケーブル
50cmのUSB-Cケーブルを、USB CABLEC HECKERで調べてみました。
信号線、バスパワーの配線と、コンフィギュレーションチャンネルの充電ケーブルであることが分かります。
cheero Power Plus 5 20000mAhを使った感想
- 実際に充電できる容量は、43Wh前後(iPhoneを3回分充電可)
- バッテリー残量の%表示は、これもデタラメ
- 電圧が低め
- USB-Cの電流の入出力に、切れの良さがない
- Nintendo Switch のTVモードに必要な電源として安定して使える
- つや消し塗装で、すべりにくくしたつもりが、指の先の脂が足りないジジババにとっては滑りやすいのでダメ
- アルミボディで放熱性を高くして電池の寿命を延ばそうとする工夫は、イイネ
- 黒いボディにオレンジの文字やラインは、私好み
CHE-109 自身を充電
バッテリー残量の%は、まったくアテにならないです。
最初に満充電(フル充電)をして100%を合わせても無駄なことが分かりました。
少しずつ使っていて、80%の表示から、2つのガジェットを充電するシーンで、78%の表示から、いきなり表示がきえて空欠になります。
何度テストしても同じです。バッテリー残量表示は、まったく意味をなしません。4、5個のLEDランプの方がマシです。
USB-C Power Deliveryの60WクラスのUSB充電器であれば、急速充電が可能になります。
数少ない手持ちのUSB充電器の中で、RAVPower PD PIONEER 61W WALL CHARGER も持っているので充電してみました。
電流と電圧は、TC64というUSB-Cテスターで測っています。USB充電器との通信がうまくいかないと、20Vの急速充電になりません。
USB-Cケーブル、プラグを差す順番、間にいれるUSBテスターの向きなどがシビアに影響します。
最初の充電には注意してください。封を切った状態で、残量表示は、68%でした。
そこから、満充電になるまで充電をしたのですが…
99%になってからが長いんです。表示が99%になっても、20V/1Aの20Wで充電し続けていました。100%表示でも、20V/0.6A も流れていました。徐々に減ってきて、0.02Aのままで止まります。
68%からのフル充電100%になるまでの積算電力は、約46Whでした。バッテリー自身が供給できるのは、74Wh(3.7V換算)ですから、68%〜100%の32%分が、46Whというのはおかしいです。
バッテリーセルは、3.7Vです。高い電圧から低い電圧に変換するDC/DCコンバータの効率は良くなり5%以下と誤差の範囲になります。
高機能USBテスターで計測すると、CHE-109をフル充電するために必要な積算電力量は、71〜74Whです。バッテリー容量はカタログ通りであることを確認しました。
iPhoneを充電
iPhone XRを充電してみましょう。Apple純正のUSB-C → Lightningケーブルを使います。ポンと音が二回して、5V→ 9V/1.2Aの充電に切り換わります。
9V / 1.0〜1.2Aの11W充電ができていることが確認できました。
iPhone XRのバッテリーを満タンに必要な積算電力量は15Whなので、11W充電ができることから、2時間弱でできます。
電流制限、停止機能のテスト
USBレジスターをつけてテストしています。
USB-Cポートで、5V出力での電流制限のリミッターが5Aまでかかりません。短絡は停止します。
とある基板(準備中)をつないで使いたい人には都合がいいのですが、USB-C → micro B ケーブルを使ってガジェットのあれこれを充電したい人は注意してください。
追加します。
Nintendo Switchの充電とモバイルTVモードのモバイル環境
Switchは、20V対応のUSB-C側につなぎます。USB-A は、モバイルモニターの電源につなぎます。3時間遊べます。
Nintendo SwitchをTVモードにするには、USB-CのPower Deliveryで、15V/2.7A以上の出力がなければできません。実際には、15V/0.8Aが流れます。
遊ばず充電だけなら、12Vの側で、12V / 0.6Aの7.4Wの充電をするので、5V充電と同じです。
MacBook Proの充電
新しいMacBook Proは2020年に購入するので、その時追加します。
旧MacBook ProのMagSafeケーブルへのPD変換基板での自作アダプター関連は別記事にします。
順次追加していきます。
CHE-109を使って気が付いた問題 トラブルまとめ
CHE-109の自己放電とバッテリー残量の%
自己放電はあります。LED表示でだまされないようにしましょう。
特に、E markerのついたUSB-Cケーブルを外した状態では、どんどんバッテリーが消費されます。
数日程度では、表示は1%の変化もありません。
ただし、100%→99%までは、8Wh以上の積算電力量があります。(車のガソリン計の表示に似ている)
- ケーブルなし:3日(78時間)放置で99%→99%
- ケーブルをつないだまま:48時間で99%→97%
自己放電で、3日でゼロになることはありません。表示だけは!。実際には、半分くらいバッテリー残量になっていて、使い始めた途端に「00」で点滅で空欠ということになります。
98 → 100%充電に8.2Whかかります。
バッテリー残量の%表示は、まったくのデタラメなので信じてはいけません。
バッテリー残量を数字で表示するバッテリーを買ったら
- フル充電
- バッテリが落ちる(電源ボタンを押しても00点滅)までバッテリを使いきる
- 再びフル充電
をすることで、表示が安定します。
最初の数回の充放電は、バッテリー本来の性能がでません。
USBに2台、3台つないだ時の電圧降下が大きい
チーロは、Ankerや、RAVPowerのガチの中国系メーカーに比べると電圧が低くでる傾向があります。
二台、三台のガジェットを充電する時、5Vのはずが、4.4〜4.6Vまで下がることを確認しています。
これは、このCHE-109に限ったことではなくて、他のメーカーブランドのUSB充電器でも起きていることです。
DC/DCコンバータに使われるICチップは、コスト面からも、どのメーカも同じものを使っているから、同じ挙動をすることになります。
電圧降下で動作不良になるガジェットに、同時に充電、給電させるようなことは避けましょう。
- モバイルモニター:4.6Vを下回ると画面が消える
CHE-109から充電できるガジェットの積算電力量(実測データ)
モバイルバッテリーのレビューで私が欲しい情報は、1回のフル充電で数々のガジェットを充電する積算電力量の合計です。
実質、40〜45Whです。
このCHE-109のバッテリーから供給できる電力量の理論値は、74Whです。
9V以上の充電なら41Wh(55%)以上の充電ができれば合格。
- 32Wh:iPhoneXR(11.75、11.2Wh)、iPod touch 7(4.1、4.8Wh )…43% 最初の1回目
- 40Wh:Lite 6Wh、iPod touch (4.8、4.6)、HDX(16.8)、XR 12.3 … 54% 微妙
- 43Wh:iPhone 12.3Wh、FireHD 16.8Wh、iPod 4.6Wh、NS 3Wh、iPad 5Wh…56% ギリ合格
- 41Wh:56% LED表示が50%で消えて空欠
- 充電73Wh / 放電 39.7Wh(12回目):5V中心、65%で空欠
- 充電 72.3Wh / 放電 40.8Wh(14回目):5V中心、63%で空欠
- 充電 73.9Wh / 放電 46.6(15回目);5V中心 51%から1Whで空欠
- 71Wh / 45.5Wh(17回目):5Vだけ 56%から8Whで空欠
- …
- 68Wh/38Wh (35回目)
- 58Wh(53回目) 100%のままでバッテリー残量の意味が表示されない
- 挙動不審のため、終わり
60%→55%表示でいきなり 00%表示になります。
3.7V→ 9V、5Vの昇圧で、DC/DCコンバータの効率は、60〜80%です。
15V、20VのPDは、昇圧が大きいため45〜60%程度に落ちます。
カタログ(アフィカス)が言う「○回、◆◆が充電できます」って、PDの充電だと半分くらいの回数しか充電できません。
まとめ
モバイルバッテリー「チーロ」の紹介です。
出力、充電の使い勝手とコスパを考慮すると、まぁまぁのバッテリーだと思います。
96Wの16インチMacBook Proじゃない、持ち歩けるMacBook Proにも使えるので便利です。
モバイルバッテリーの記事は、アフィカスだらけのジャンルです。どいつもこいつも、都合の良いこと、メリットしか書いていないし、私の知りたいことが書かれていません。
バッテリーの容量を、mAhで表記せず、Whで表記していないところは、ダメです!
ぼやくだけでは何もはじまらないので、私が手を動かして書いています。
リチウムイオン充電池を使うモバイルバッテリーは、高品質のバッテリーセルを使っていても、カタログスペックで500回のところ、300回の充放電で7割程度まで性能が落ちます。
3日でバッテリーを使い切って充電するサイクルでも、3年間は使える計算です。
- 電圧が低め
- 電流の遮断が甘い
- USB-C 40Wポートで、5V/5Aが出る
など、??な面もあるけど、アフィカス連中に無償提供してステマをやる老舗の中では、まぁまぁな方だと思います。
充放電を50回超えたところで、ガクンと充電容量がなくなりました。バッテリー残量表示も100%しか表示しないし、バッテリーセルに安物を使っていることがわかりました。
まぁ、50回は使えたのでヨシ!としましょう。
cheeroも、ブロガーにタダで配ってステマをする三流ブランドであることがわかりました。
1番小さいStick型も欲しくなったので、Amazonで買いました。Nintendo Switchの携帯ケースにいれるのに良いですw。
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