Elgato 4K60 S+は、テレビゲームの画面を録画するゲームキャプチャーボードです。
2020年7月に日本で正規に発売されたので買って使い始めました。
4K HDR のPS4 Pro の画面を録画できるElgato 4K60 S+の長期使用レポート。使った感想、不具合などの問題点のまとめ
- 購入品:Elgato Game Capture 4K60 S+
- 購入時期:2020年7月、2021年11月
- 購入価格:56256円、58080円
- 購入店:Amazon Japan G.K.、ヨドバシドットコム
Elgato Game Capture 4K60 S+ って何がちがうの?
主な特長は、
- パソコンなしでも、単独でゲームの録画がSDカードに記録
- UHD(4K)、2160p/60fps、HDR10のキャプチャーができる
- 2160p/30fps、HDR10、1080p/60fpsは余裕
- 2160p/60fps HDR10は厳しい
- パススルー(スプリッター)機能搭載:2160p/60Hz HDR対応。2160p/120Hzは非対応。
Elgato って何?
Elgatoは、ドイツのゲーム機のキャプチャーボードのメーカーとして知られています。
Macユーザの間では、動画をmp4ファイルに圧縮するアクセラレータのUSBアダプタのメーカーとして知られるようになりました。
Elgatoの正規代理店は、パソコンの周辺機器ブランド コルセア(Corsair)でした。
サポート先が変更になっています。
「https://gp.supportweb.jp」から、Elgatoのブランドロゴを選んで メールフォームで送る。
ゲームキャプチャー って何?
ゲームの画面をパソコンに録画する「ゲームプレイ画面 キャプチャー」についての概論はこちらをどうぞ。
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ゲームを録画するキャプチャーボード(キャプボ) やり方と選び方 … テレビゲーム 録画装置の作り方
「テレビゲームのプレイ画面を全部録画したいので何を買ったらいいの? まとめ記事が欲しい」というリクエストがあったので、 テレビゲーム画面を録画するゲーム キャプチャゲーム機録画システムの選び方と作り方 ...
Elgato Game Capture 4K60S+の外観、仕様
同梱物は、
- 4K60S+本体(台湾製造)
- HDMIケーブル、1.9m:1本
- USB-C ケーブル、1.9m:2本
- 取扱説明書(マルチリンガル)
です。
日本語の説明書は付いていません。
関連ソフトは、Elgatoのサイトからダウンロードしてきます。
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Downloads | Elgato
Download the latest softwares for the Elgato products you love.
www.elgato.com
対応しているOSは、Windows 10です。
Macには対応していません。SDカードに録画されたmovファイルを扱うことはできます。
Elgatoのサイトは、必要最小限の情報しか書かれていません。ゲーマーの中でも、録画厨と呼ばれるマニアックな連中が使うものなので、これで十分なのでしょう。
サポートの情報は、https://help.elgato.com/hc/en-us/sections/360006808731-Elgato-Game-Capture-HD60-S-
4K60 S+の前面観
Elgatoのサイズは、
- 大きさ:11.1×14.3×3.2 cm
- 重さ:348g
です。手の平にあまるくらいの大きさです。
350gと軽いので、太めのHDMIケーブルをつなぐと、ケーブルの重さやクセで動きます。
正面には、
- SDカードスロット
- 録画ボタン
- LED表示ランプ
- アナログ音声入力端子
があります。
SDカードスロット
最低要件として、「UHS Class 3 / V30」ですので、4K/HDRの録画をするのなら、ハイスペックのSDカードが必要です。
フォーマットは、FAT32、exFATです。
コーデックは、HEVCで高圧縮です。キャプチャーの最低ビットレートが60Mbpsなので、HEVCが効いても録画ファイルは大きくなりがちです。
- 1080p/60fps で、1分500MB
- 2160p/60fpsで、調べ中
録画ボタン(LED表示ランプ)
静電式(タッチ式)のボタンです。
4K60 S+ の録画ボタンとLEDランプの表示の意味
パソコンにつないで録画するとき
SDカードスロット左横の小さいステータスランプは、
- 青くゆっくり点滅:スタンバイ
- 赤く点滅:起動中
- 速く赤く点滅:エラー
- 信号なし
- HDCP信号のためエラー
録画ボタンは、
- 真中が赤く点灯:録画準備完了
- リングが赤く点滅:録画中
SDカードに単独で録画する時
SDカードスロットの左横の小さいLEDランプは、
- 青で点灯:待機中
- 赤でゆっくり点滅:起動中
- 赤で速く点滅:エラー
- SDカードのエラー
- SDカードに書き込めない
- SDカードがいっぱい
- SDカードの書き込みが遅くて使えない
録画ボタンは、
- 真中が赤く点灯:録画準備完了
- リングが赤く点滅:録画中
- 真中が赤く速く点滅:SDカードの処理中
です。
4K60 S+の背面観
4K60 S+の背面には、コネクタ/ポートが4つあります。
- USB:USB-C(パソコンとつないでデータ通信&電源)
- POWER:USBーC(電源専用)
- IN:HDMI入力
- OUT:HDMIパススルー(INの通過)
です。
4K60 S+の裏面観
裏側は、空冷のためのスリットがあいています。
ハードウエアエンコーダは、FPGA(プログラムして作るプロセッサICチップ)や専用チップで処理するので発熱します。スリットをふさがないように、空冷が効くように風を当てるか、涼しい部屋で使うように心がけましょう。
台湾製造であることが分かります。
ACアダプター
世界仕様なので、ACプラグは取り替えられるようになっています。
5V / 2.4W 12Wの出力タイプです。
他のスマホも充電できるACアダプターです。
スマホを充電するUSB充電器でも、USB-Cケーブルをつないで使えます。
Elgato 4K60 S+の設定と使い方
Windows パソコンにつないで使う
パソコンの要求するスペックは、
- OS:Windows 10/11 64bit
- CPU:第6世代 Intel Core i5(i5-6xxx)か AMD Ryzen 7 以上
- GPU:NVIDIA Geforce GTX 10xx 以上
- RAM:8GB
- USB:3.0 以上
です。
チャット音声は、パソコンのオーディオにつなぎ、4K Capture Utilityの環境設定/マイクで設定をします。
ハードウエアエンコーダ内蔵だけあって、7世代以降であれば、ほぼ使えることになります。
現在、録画用マシンは、i5-9600K (RTX3060)マシンです。
グラフィックカードがGeForce指定のため、Radeon RX580の自作機ではカクカクで使い物になりませんでした。
使うアプリケーションは、Elgatoおなじみの、4K Capture Utility です。
テストにNintendo Switchのスプラトゥーン3のプレイ動画を録画してみました。
1080p/60fpsなら問題なく録画できています。
映像だけでゲーム音声が入らないことがあるので、パススルーのHDMI OUTにモニターにつないで、モニター側から音がでていることを確認しよう。
OBS for Windows などの汎用キャプチャーソフトでも認識できます。
Windows でマシンパワーを必要とするアプリケーションの取り扱い
プロパティ→互換性の設定で、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックがはいっているか?確認してください。
Macにつないで使う
M1 Macに、Mac版の4K Capture Utilityが対応しているとのことだが、2023年5月現在も 認識できないため使えません。
スタンドアローン(単独)
4K60 S+の最大の特長は、これ1台でSDカードにゲームが録画できることです。
1080p/60fpsのNintendo Switchの画面を録画しています。
チャット音声は、本体正面パネルのアナログ端子に挿して使うってことですが… 細かい設定は、できないので… テストします。
SDカードに生成される動画ファイルは、
- 1080p/60fps
- HEVC
- 60Mbps
- PCM16bit、2ch 48KHz
です。2分程度でも、1GBになるので、SDカード食いですね。
4K60 S+におすすめのSDカード
SDカードは、シリコンパワーのUHS-II、Class 3 (U3)の高いヤツ 128GBで8500円のを買って入れました。
exFATなので、4GBの制限がありませんから、そのまま50分弱を録画してみました。
- 解像度:1080p / 60fps
- コーデック:HEVC
- 平均ビットレート:56.7Mbps
- ファイルサイズ:49分、21.2GB
です。
4K60 S+の単独録画は、フルHDで1時間 27GBくらいになります。128GB(124.33GB)のSDカードで、4時間半。
2時間以上の連続録画ファイルも安定して作れますから、1080pのHDMI録画機としては合格です。
YouTube側で再圧縮されるので、アップロードした動画データよりは劣化しています。
YouTubeのアップロード制限は、【アップロードできるファイルの最大サイズは、128 GB または 12 時間のいずれか小さい方】です。128GBのSDカードが都合が良いです。
IPv6接続を実感できる時です。
4K60 S+のSettings.txt の使い方
SDカードには、
- ReadMe.URL
- Settings.txt
- フォルダ「Videos」
が自動的に生成されます。
ファイルフォーマット(録画フォーマット)
EGC_RECORDING_FORMAT_MKV=0
- 0:.movファイル(初期設定)
- 1:.mkv ファイル
mp4(.mov)ファイルは、録画中にトラブルがあってファイルに書き込みができなくなると、その録画していたファイルは修復ができません。
mkvなら、録画途中で電源が落ちても動画ファイルは読み込めます。ただし、データが大きくなります。
エンコーダの選択
EGC_VIDEO_ENCODER=0
- 0:自動、H264 for SDR 、 HEVC/H265 for HDR
- 1:H264(HDRは無効)
- 2:HEVC/H265
HDRの録画は、0か2でできます。1は、H.264固定です。
H265とH264は同じ動画品質で、H265の方が圧縮率が高いので30%ビットレートが小さくなります。
録画 ビットレート
SDカードの書き込み速度を超えないように、最大のビットレートを変更します。
「140000」なら、140Mbps=17.5MB/秒(Byte/秒)です。
安物のSDカードの書き込み速度は、10MB/秒=80Mbps なので、初期設定値は、2160pの4K録画で「80000」になるようにしてあります。
EGC_MAX_KBITRATE_2160=80000
EGC_MAX_KBITRATE_1080=60000
EGC_MAX_KBITRATE_720=40000
音声入力選択
EGC_AUDIO_INPUT=3
- 0 = HDMI
- 1 = line in
- 3 = HDMI+line in
アナログ音声(チャット、実況)を録画ファイルに混ぜるか混ぜないかを選べます。
ライン入力 ボリュームレベル
EGC_AUDIO_VOLUME=176
アナログ音声のゲイン(ボリューム)は、0〜176で選べます。
4K60 S+ の問題、トラブル まとめ
発売されて、1年経つので、そろそろファームウエアアップデートの案内があってもいいんですが、コロナの影響でしょうか? 遅れているようです。
Elgatoってこんないい加減な会社でしたっけ?w
4K60 S+は、2160p(UHD)の信号をパススルーできない?
できます。
UHD(4K)2160p-RGBでテストしてみました。
「HDCPを有効にする」にチェックが入っていると、どの解像度でもパススルーできません。必ず、「HDCPを有効にする」をチェックオフ(HDCPを無効)にしてください。
(今、UHD /HDR対応のディスプレイがケーブルの届く範囲にないので)単純に、2160p-RGBで、PS4 Pro(PSVR経由)で出力してテストしました。
2160p-RGBで録画もできます。録画ファイルをMacのQuickTime Playerで再生してみました。
HEVCでも、80Mbps(10MB/秒)、凄まじいファイルサイズになりますw
4K / 60Hz HDRもOK
2021年5月から、4K60Hz HDRの環境の構築をはじめています。
Ultra HD / 60Hz HDRの映像も、ハイスピードHDMIケーブル、対応HDMIセレクターやスプリッターを使うことで録画もできます。
録画したmovファイルのインスペクタです。80Mbpsの凄まじいデータ量なのがわかります。
Ultra HD、60Hz、HDRは18GbpsのHDMIの限界に近いため不安定さはあるものの、Ultra HD 、HDRでの映像の単独での録画はできることが分かりました。
HDMI の帯域が、12Gbpsくらいの低スペックの模様。4K 60Hz HDR も、YUV420でなければ通らない。
単独で録画するとき、内部時計が狂う
時計の同期は、Windows パソコンにつないで 4K Capture Utilityにつないでいる時に行われますが、USBケーブルをはずしたままにしておくと、2020年2月21日に戻ります。
パソコンで録画した時、ブロックノイズがひどい
エンコーダは4K60 S+本体にあるため、USBでの転送後のパソコン内でのデコードに問題があるようだ。
4K Capture Utility の問題? パソコンのスペックの問題? パソコンの組み直しなどを含めて検証予定。
SDカードに録画する時の細かい設定ができない
仕様のため、変更できません。
HDMI信号と解像度を自動で識別して、録画のビットレートとフレームレートを合わせるようになっています。
SDカードは、UHS-Iは使えない
単独録画で、UHS-IのSDカードをいれても、赤いLEDが点滅するだけで使えるようになりません。
UHS-IIの高いカードを使うしかないようです。
単独モードがうまく動作しない
- 付属のUSB-A → USB-CをPS4 Proの前面のUSBポートに差して電源をいれると
- SDカード横の赤いLEDランプがピカピカと7秒点滅して消灯
- 録画ボタンの真中の赤いランプが点灯
で録画できる状態になります。
いつも単独モードで録画機として使っていますが、青いLEDが付く待機状態になりません。
PS5 / PS4 の映像がパススルーででない
HDCPが有効になっていると、4K60 S+はパススルーの映像がでません。設定→システム→HDCPを有効にする のチェックをオフにしてください。
設定のシステム HDMIで、HDCPを有効にするをオフにしてください。
起動しない。赤色LEDランプの点滅がとまらない
起動に失敗しています。
4K60 S+には、
- 給電とデータ通信のできるUSB-Cポート
- データ通信ができてもUSB給電ができないポート
があります。間違えていませんか?
4K60 S+に必要な 5V / 2.1Aは、USB-Aとしては最大の電力になります。付属のACアダプタ(USB充電器)を使って、付属のUSBケーブルで接続します。PS4 Proの正面のUSB端子でも起動できて使えます。
パソコンにつなぐ場合、データ通信はWindows パソコンのマザーボードにある Thunderbolt 3のポートにThunderbolt 3ケーブルでつないでみましょう。USB-C→ USB-AのUSB3.1ポートでは認識できないことがあります。
SDカード横の赤いLEDランプが点滅して止まらない。 → 起動に失敗しているか、SDカードへフォルダ作成など準備中です。
- HDMIケーブルは、高品質なHDMI2.0 対応のもの(PS5は、HDMI 2.1)
- SDカードは、UHS-IIの高いカード(サンディスクなら64GBで1.1万円)
- 出力解像度が1080p/60fpsのディスプレイでテスト
- 次に、UHD(4K)/HDRのディスプレイやテレビでHDRをOFFにしてテスト
で確認してみてください。
まとめ
ビデオキャプチャーボードは、ポンづけ(単純につないで)で、すぐに安定して使えるものはありません。
ユーザの高い自己解決能力が問われるアイテム/デバイスです。
2018年から計画していた、書斎の録画システムを2021年5月から再構築→2023年4月完成!
- 1080p/120fps → 無理
- 2160p/60fps HDR YUV420まで
- 2160pは、1080pにダウンコンバートで録画するしかない
- 5.1chリアル サラウンドで遊びながら、YouTubeライブで実況も可能
4K60 S+ は、妻があつ森の録画に使っていて、500時間ほどの録画をしていても録画の失敗がない。