日頃使っている HDMIスプリッターが安定しなくなったので、買い替えた。
今回は、PS5の 4K 120Hz HDRに対応した ハイスペックモデルを買ってみた。
値段も 4K60Hz HDR対応タイプと比べて 2倍高い。
HDMI機器は 中国製パチモンの独擅場であり、偽物や当たりハズレ、寿命が短いなど 問題だらけの 玉石混交である。
結論から言うと、
PS5の4K 120Hz HDR出力を2つに分配できるのでヨシ!
- 購入品:8K HDMI分配器 1入力2出力、DHD-DSP12-8K
- 購入時期:2024年 3月
- 購入価格:7,984円
- 購入店:ダイアド イシンショップ(Amazon マーケットプレイス)
こんな方におすすめ
- PS5の4K 120Hz HDRに対応したHDMIスプリッターが欲しい
- 4K/60Hzのゲーム画面を 1080p 60Hz でキャプチャーしたい
- 4K/120Hz HDRのゲーミングモニターは持っている
私は、この製品を自分で選んで、自腹で買って試している。
製品やサービスをタダでもらって、宣伝・提灯記事や動画をネットにばらまく”アフィカス”のステマ犯罪にうんざりしている。
私のブログには 広告案件記事はない。外国スポンサーの影響を受けないので 本当の事が書け、情報工作(プロパガンダ)もない。
アフィリエイト広告のリンクではないので 安心してクリックしてください。
8K 60Hz 1in2out HDMI分配器 の 使用レポートとつなぎ方の解説
HDMI分配器 って何?
HDMI分配器は、HDMIスプリッターと英語で呼ぶことが多い。
1つのHDMI信号(映像と音声)を2つ以上に分ける装置である。
切替器(スイッチャー)と違うのは、2つ(4つ)同時に映像と音声を出せること。
詳しいことは、別の記事で解説している。
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PS5用 4K/60Hz HDMI切替器、分配器(セレクター、スプリッター)の選び方 まとめ おすすめも…
HDMIの機器をテレビやモニターにつなぐ時に切り替えたり分配する4K/60Hz HDR対応「HDMIセレクター」「HDMIスプリッター」の選び方とおすすめを紹介 この記事はこんな人向け 4K/60Hz ...
8K HDMI 1x2 スプリッター の良い点、悪い点
8K HDMI分配器 1×2 のメリット Pros
- PS5の 4K 120Hz HDR VRR 出力(32Gbps)に対応している
- 4Kでパススルー出力しつつ、1080pにダウンスケール変換出力できる
- HDRも、SDRに変換できるようだ
- EDIDスイッチで、強制的に切り替えることができる
EDID(Extended Display Indentification Data):HDMI機器同士がやりとりする 映像や音声の規格情報
8K HDMI分配器 1×2 のデメリット Cons
- リフレッシュレートは同じになる
- 3か月保証で 耐久性は未知数
- 価格が 4K 60Hz HDRタイプの2倍以上
- EDIDの設定が複雑で 設定が難しい
発熱がひどいので、空冷に配慮しながら(ヒートシンクを付けて)使っても1年程度で壊れる可能性が高い。割切って使おう。
8K 48Gbps 1×2 HDMI スプリッターを写真で紹介
48Gpbs 1x2 HDMIスプリッターの同梱物は、
- 48Gbps HDMI 1×2 HDMIスプリッター 本体
- ACアダプター 5V/2A、DCケーブル 1m 、5.5mm外径2.1mm内径プラグ
- 取扱説明書 日本語
- 保証期間:3か月
プレミアムハイスピードHDMIケーブル、は 同梱されていない。
今回も、イシンショップ(DAIAD)で購入した。
イシンショップは、昔からAmazonや楽天で中華パチモンのHDMI機器を輸入販売している。
中国メーカーのOEM品なので、同じ製品を違うブランド名(BUNGPUNG)で売られている。
AliExpressから直接買えば、もう少し安く買える。ただし、初期不良時の交渉【Open Dispute】を英語か中国語で できる人向け。
イシンショップのものは、オリジナルの日本語説明書が付いている。
48Gbps 1x2 HDMI スプリッター の主な性能/仕様
HDMIスプリッターの主な仕様をまとめると、
- 品番:DHD-DSP12-8K
- HDMI
- 入力:x1
- 出力:x2
- HDMI規格:HDMI2.1
- HDCP規格:HDMI2.3 下位互換
- 帯域幅:48Gbps
- ビデオ解像度:
- 8K@60Hz 4:2:0 12bit、7680×4320pixel
- 8K@30Hz 4:4:4 12bit、3840×4320pixel
- 4K@120Hz 4:4:4 12bit
- 色深度:8bit / 10bit / 12bit
- 色空間:RGB, YCbCr 4:4:4 / 4:2:2. YUV 4:2:0
- オーディオ
- 対応音声フォーマット:LPCM, Dolby Digital/Plus/EX, Dolby True HD, DTS, DTS-EX, DTS-96/24, DTS High Res, DTS-HD Master Audio, DSD Dolby Atmos
- 大きさ:95×68×18mm
- 重さ:177g
- 電源:DC 5V/2A 、ACアダプタ
- 保証:3か月
- 製造国:中国
イシンショップの日本語説明書を熟読すること。
日本語取扱説明書に間違いがあるので注意されたし。
例えば、各部位の名称で 8番はDC入力ポートなのに、オプティカルになっているなど
大きさ、サイズ
入出力端子が少ないので、小さい。
- 大きさ:9.5×6.8×1.8 cm
- 重さ:177g
筐体は、金属製。横にスリットもあり放熱性を高めている。
HDMIスプリッターは、基板から出る熱で 表面が熱くなる。→ サーマルサイクルによるハンダクラックで故障しやすい。
放熱のため アルミのヒートシンクを熱伝導ゲルシートでくっつけておこう。
8K 48Gbps 1×2 HDMI Splitter 正面観
8K 1×2 HDMI Splitterの正面には、ランプがある。
左から、
- 電源ランプ(赤)
- HDMI入力(緑)
- HDMI出力 1(緑)
- HDMI出力 2(緑)
- EDID設定 のDIPスイッチ
- USB-C端子:ファームウエアアップデート用(使わない)
ランプの明るさは ほどほどで、目に突き刺さるような まぶしさはない。
EDID変更のDIPスイッチ
EDIDを強制的に固定することができる。内訳は、7通り。
- 111:出力1のEDIDに指定(初期状態)
- 110:1080p/60Hz 、2ch PCM
- 101:4K/60Hz 4:4:4 HDR、2ch PCM
- 100:4K/60Hz 4:4:4 HDR、5.1ch PCM/DTS/Dolby
- 011:4K/60Hz 4:4:4 HDR、7.1ch PCM/DTS/Dolby/HD
- 001:8K/60Hz 4:2:0 HDR、8K/30Hz 4:4:4 HDR、4K/120Hz 4:4:4 HDR、5.1ch PCM/DTS/Dolby
- 000:8K/60Hz 4:2:0 HDR、8K/30Hz 4:4:4 HDR、4K/120Hz 4:4:4 HDR、7.1ch PCM/DTS/Dolby/HD
すべての条件を確認できないので、各自、自己責任でテストしてほしい。
8K 48Gbps 1×2 HDMI Splitter 背面観 出力端子
8K 1×2 HDMI Splitterの背面には、入出力端子がある。
左から、
- HDMI入力:1個
- HDMI出力:2個
- 電源ポート:DCジャック 5.5mm径 2.1mm径
DCジャックは、5V入力。一般的な 外径5.5mm 内径2.1mmのDCジャックなので、USB-DCプラグのケーブルが使える。
ACアダプター DC 5V DCプラグ
ACアダプターは、出力 5V/2Aの ありふれたDCプラグ(外径5.5mm 内径2.1mm)がついている。
DCケーブル分は、1m。
ACアダプタ本体には、アメリカ/日本用のACプラグが付属する。
このACアダプターはオマケ程度のものなので、安定して使いたい場合は別に用意することをおすすめする。
8K 1×2 HDMI Splitter の配線 や 使って分かった問題点
書斎のゲーム用AVシステムに組み込んで、使っている。
- 4K(Ultra HD)60Hz HDRのモニターは、LG UK650、DELL G3223Q、
- WQHDゲーミングモニタは、LG 32GP83B-B
- AVアンプは、RX-A1080、RX-A4A
- コンソールゲーム機は、Nintendo Switch、PS5
- HDMIキャプチャは、Elgato HD60 Xなど
8K 1×2 HDMI Splitter の配線 つなぎ方
基本的な接続図を以下に示す。
1つHDMI入力から、2つのHDMI出力は同時に同じ映像と音声がでる。
HDMI分岐である。切替器とは違う。
PS5の 設定 → スクリーンとビデオ で、「現在出力している映像信号」と「接続されているHDMI機器の情報」で、ちゃんと 4K 60Hz HDRが使えるように認識されているか?を確認しよう。
HDCPエラー対策で、システム→HDMI→HDCPを有効にする をオフにしておく。
ちゃんと、2160p(4K) VRRが、48-120Hz、HDR対応になっているのを確認。
たぶん、120Hzまで出ていると思われる。
PS5 1440p/120Hz HDR表示もできるのを確認
ゲーミングモニター UltraGear 32GP83B-B(31.5インチ WQHD)につないでテストした。
PS5と32GP83-Bの間に、HDMIスプリッターを入れて、PS5の表示テストをする。
1440pの60Hz、SDR、HDR、120Hz HDRを確認する。
すべての解像度とダイナミックレンジで表示できたので、ヨシ!
8K 1×2 HDMI Splitter を使って ゲームの画面を録画する
HDMIスプリッターの主な用途の一つが、ゲーム画面を録画するHDMIキャプチャーだ。
最近のHDMIキャプチャーデバイスは、HDMIスプリッター(HDMIパススルー機能)を内蔵し、HDMIスプリッターを別に用意することはなくなっている。
模式図にすると、
HDMIキャプチャーデバイスとモニターは、同じ解像度と同じリフレッシュレートに分岐するのが好ましい。
4K 60Hz HDRの映像をそのままHDMIキャプチャーするには、録画データが大きくなる問題がある。
録画する映像を、4Kから1080pにダウンスケールすることで、録画データが小さくて済むのだが、HDMIキャプチャーデバイス側の機能としてない場合には、このHDMIスプリッターは役に立つ。
PS5の4K 60Hz HDRの映像信号は、1080p60Hz SDRで録画できているので、HDRをごまかして 録画してくれているようだ。
色合いの破綻はないので、うまく変換してくれているようだ。
ダウンスケールコンバート機能は、ブラックアウトや点滅の原因の1つでもあるので、諸刃の剣である。
ダウンスケールコンバート機能を利用して 古いAVアンプをつなぐ
4K(Ultra HD)、144Hz HDR対応のゲーミングモニターを買った人で、古いAVアンプを使いたい人もいるだろう。
他にも、4K/60Hz HDR対応のモニターやTVがあっても、ARC出力端子がない場合、古いAVアンプにつなげられないことがある。
そんな人には、この 8K HDMI 1x2 スプリッターが役に立つかもしれない。
ダウンスケールコンバート機能や、それぞれのEDIDがうまく 適合すれば、使えるようになる。
私のPCデスクのDELL G3223Qをモニターとして使う時、AVアンプ RX-A1080が、2chステレオのPCMでしか使えないのを解決する方法として、このHDMIスプリッターのDIPスイッチを100にすることで、DolbyDigitalが有効になって サラウンドが使えるようになる。
HDCPエラーが出て 安定しないこともある
8K 1×2 HDMI Splitterの映像がでない、音がでない などトラブルシューティング
ウルトラハイスピードHDMIケーブルの良いものを買って 合計2m以内になるようにつないでみよう。
HDMI2.1は、ケーブルやコネクタへの要求がシビア(厳しい)だ。
他に考えられるのが
- EDIDが つないでいるHDMI機器に行き渡っていない
- EDIDのDIPスイッチとつないでいる機器の解像度やリフレッシュレートが合っていない
- HDMI機器の切替や認識に失敗している
- HDCPエラーで 映像や音声がでない状態になっている
このHDMIスプリッターは、使用中に勝手にブラックアウトしたり、映像や音声が安定しない問題はあるの?
HDMI機器で、まったく問題がない機器は存在しない。このHDMIスプリッターも同じ問題を抱えている。
購入してから、100時間ほどは、なんら問題は起きていなった。
起動時の応答性が良くて、分岐映像や音声の遅延がほとんどない。
ゲームの録画や中継用途で HDMI分岐機能は 優秀である。
このHDMIスプリッターで分岐した映像と音声を録画したもの(スプラトゥーン3)は、こちらで公開している。
3時間くらいの中継でも、なんの問題も起きていなかった。
起動時に 毎回起こる 音声や映像がでない問題も、このHDMIスプリッターにしてからは、AVアンプ側のセレクターを1度切り替えるだけで認識されるので助かっていたのだが…。
2024年5月から、HDCPエラー? EDIDの情報が接続した機器すべてに行き渡らない?時に起こる、映像がでない、映像と音声が点滅して出ないトラブルが発生した。
数日後、再びつなぎ直すと何事もなかったように映像&音声が分岐できたので、検証した結果…。
- 分岐のどちらかに Elgato HD60 X、4K60 S+ → 4Kモニター に電源が入っている状態でつなげば問題なし
- AVerMedia EzRecorder 330(ER330)→ 4Kモニターの単系統では HDCPエラーによるブラックアウトが起きる
以上の問題回避をすることで、
2024年9月時点で、300時間以上 安定して使えている。
まとめ
HDMIスプリッターも、4K 120Hz HDR に対応したタイプが 1万円以下で買えるようになってきた。
ゲーミングモニターを買って、手持ちの古めのAVアンプでゲームの音を出したい時には、このHDMIスプリッターが 一つの解決策になるだろう。
といっても、7万円もだせば、4K 120Hz HDR対応のAVアンプが買えるので、自分の都合で選ぼう。
AVアンプの選び方は、こちらのページで解説している。