ヘッドホンやイヤホンは、耳に直接音を送り込む音響機器です。このページでは、
どんなヘッドホンが良いのか?と悩んでいる人への選び方についてまとめ
ました。
ヘッドホンをヘッドフォンと表記することもありますが、このページではヘッドホンで統一します。
ヘッドホンの種類
ヘッドホンの種類や形式は、4つの要素で決まります。
- ヘッドホンの音を出すスピーカー → ドライバーユニット
- 耳を覆うヘッドホンの形 → ハウジング
- 装着方式(耳に取り付ける形式)
- ケーブルでつなぐのか? 無線(ワイヤレス)でつなぐのか?
- マイクがついていれば、ヘッドセットと呼ぶ。
この4つを組み合わせることで、多種多様なヘッドホンが世の中に売られています。
1)ヘッドホンの音を出す部品:ドライバーユニット
ヘッドホンのドライバーユニット(駆動装置)とは、スピーカーのことです。
ドライバーユニット(スピーカー)の種類
ドライバーユニットは、大きく分けて 2種類あります。
- ダイナミック型 … コイルと永久磁石で膜を振動させる方式
- コンデンサー型 … 電圧をかけた薄い膜を振動させる方式
ダイナミック型
世の中に出回っているヘッドホンのほとんどが、「ダイナミック型」のドライバーユニット(スピーカー)を使っています。
理由は 3つ。
- コンデンサー型と比べて、構造が簡単で作りやすい
- 丈夫、安く作れる
- 大きな音も出せる
圧倒的なメリットがあります。
コンデンサー型
コンデンサー型は、
- 高い電圧を発生させるために、ヘッドホンとケーブルでつなぐための専用の制御用の箱(アンプ)が付く
- 振動板に重いボイスコイルがつかないので、振動板は軽くうすくできて 高い音が出せる
- 大きな音が出せない
- 衝撃に弱い
- 価格が高い
コンデンサー型は、人間には聞こえない高い周波数の音が出せるメリットくらいしかありません。逆にデメリットの方が大きいです。
ドライバーの口径(スピーカーの大きさ)
ドライバーユニットの振動板(スピーカー)の大きさで音が変わります。
ヘッドホンでは、ドライバーユニットの振動板、スピーカーのコーン(紙など)に当たる部品を、ダイアフラムなんてカッコイイ用語を使います。
スピーカーの紙の部品コーンと同じですよ。
口径が大きくなると低い音がよく鳴り、小さいと高い音がよく鳴ります。
直径が30〜55mmくらいの円形のスピーカーがヘッドホンで使われます。
口径は、φ(ファイ)で表記します。
「φ45mmのドライバー」なら、直径4.5cmのスピーカーが付いています。φ 45mmは、低音から高音までバランスよく鳴るので人気があります。
高級なヘッドホンになると、この振動板を高音用と低音用の2個に分けたもの(ダブルドライバー)、前、後 横の3個でリアル・サラウンド(立体音響)再生ができるものがあります。
2)耳をおおう形:ハウジング、イヤーパッド
ヘッドホンには、耳を覆(おお)うカタチで、2つの種類があります。
- 密閉型(クローズドタイプ):耳を完全に覆う
- 開放型(オープンエアタイプ):耳の一部を覆うだけ
- 骨伝導型:内耳のある側頭骨へ直接音声の振動を伝える方式
耳の中にいれるものが、イヤホンです。イヤホンの解説とまとめ記事は、こちら。
Ⅰ)密閉型 クローズドタイプ
ヘッドホンの耳当て部分(イヤーパッド / イヤーパット)が耳を完全におおうのが、密閉型です。
左右の耳当てを頭に固定するために頭のてっぺん(頭頂部)にアーム(腕)が通ります。
耳を完全に覆うのを「アラウンド イヤー」と呼ぶメーカーもあります。
ヘッドホン 密閉型の利点は、
- 周りの音をさえぎるので、小さな音で聞けるし、低い音から高い音まで、綺麗に聞こえやすい
- 開放型のヘッドホンにくらべて、いろんな意味で音が良く聞こえる
- 周辺の雑音をデジタル処理で打ち消す「ノイズキャンセル機能」が付いたものがある
ヘッドホン 密閉型の欠点は、
- コップを耳にかぶせると聞こえる「ゴー」音がする
- 周りの音が聞こえにくい。
- 耳や頭を締め付ける、キツいものが多い
- 夏場は耳が蒸れてふやける
- 耳当て(イヤーパッド)が汗で腐ったり、朽ちるので交換をする手間とコストがかかる
- 部品が大きいので重く、値段も高い
密閉(クローズド)型のヘッドホンは、周りの音が聞こえづらいので、ヘッドホンをつけたままで、外に出て街を歩いたり、自転車に乗ってはいけません。車の運転もです。
もし、密閉型のヘッドホンを外で使うとしたら、バス、電車や飛行機の座席に座っている時でしょう。ノイズキャンセル機能付きのものがおすすめです。
Ⅱ)開放型 オープンエアタイプ
開放型のヘッドホンは、耳を大きく覆わないカタチをしています。ですから、まわりの音が良く聞こえます。
耳を覆っていても、ハウジングがメッシュ構造(網やザルのようなやつ)で、密閉していないものもあります。
開放(オープンエア)型のヘッドホンの利点は
- 構造が簡単で、軽く、安価なものが多い
- コップを耳にかぶせて聞こえる「ゴー」音がない
- 装着感が軽く、耳が蒸れないので、長時間ヘッドホンをつけたままでも疲れない。
- 周りの音が良く聞こえるので、外につけたままで街にでることができる
- 防水仕様なら、ウオーキングやジョギングで使える
ヘッドホンの開放型の欠点は、
- 周りの音がよく聞こえるので、ヘッドホンで再生する音も大きくしてしまいがちになり、難聴になるほどの大音量にしてしまう。
- 密閉型にくらべると、再生する音が悪く聞こえる
- 聞いている音がダダ漏れするので、周りの人がシャカシャカ音で迷惑
開放型のヘッドホンは、千円ほどのヘッドセット(ヘッドホンにマイクがついたもの)でも採用されています。
雑音の少ない屋内や静かなところで、携帯音楽プレーヤーを聞いたり、携帯ゲーム機で遊ぶ等、開放型のヘッドホンが使えます。
耳が蒸れず、装着感が良い利点(メリット)は大きい。
Ⅲ)骨伝導方式
耳を塞がず、頭蓋骨に直接音の振動を伝える方式です。
耳の後ろあたりの側頭骨に皮膚の上から振動を与えるものが一般的です。
上顎の歯に振動を与えるタイプもあります。
皮膚を介して骨に振動を与えることから、高い音や低い音が伝えられません。
伝えにくい高音を大きくするのでシャカシャカと派手に音漏れがします。
ですから、元々音楽を聴くのには適していません。耳を塞がないので、周りの音はそのまま聞けます。
スピーカーの紙の部分がなくて音の振動をつくるボイスコイルだけの構造のため、シリコンゴムですべてを密閉できます。つまり、完全防水仕様にできます。
汗だくになるジョギングや農作業でのシーンで使います。
3)装着形態(耳への固定方法)
- ヘッドバンド、オーバーヘッド
- ネックバンド、アラウンドネック
- 耳かけ
- インナーイヤー、耳栓型、イヤホン
ヘッドホンのほとんどが、ヘッドバンド(オーバーヘッド)式です。
ヘッドバンド(オーバーヘッド)式とは、ヘッドホンのハウジングをアーム(腕)でつないで、頭の上に回して、頭頂部(頭の天骨)でヘッドホンの重さを支えるものです。
首の後ろや前を通して固定するアラウンドネックもあります。メーカーによって呼び方が違うのですが、後頭部に通すタイプが多いです。
ジョギングなどで使うものに良く見られます。耳介にひっかける耳かけと併用なので、「耳かけ」に分類されることもあります。
インナーイヤーは、イヤホンの範疇に入るので、別の記事を仕立てました。
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4)有線か無線か?(ワイヤードかワイヤレスか?)
昔は、ヘッドホンには音声ケーブルがつきものでした。つまり、有線接続です。
有線のヘッドホン
音声ケーブルでつなぐヘッドホンには2つの結線方式があります。
- 右左のステレオ音声とアース(マイナス側)を左右で兼用する3本の銅線でつなぐ従来方式
- 左右ステレオ音声、それぞれに2本(3本)の独立した銅線でつなぐバランス方式
従来方式は、3.5mm径のミニステレオプラグ、標準のプラグで3極タイプのものです。ヘッドセットのマイクの配線もあるものは、4極端子になります。
バランス型は、左右の独立した銅線をつなぐためにのコネクタ(プラグ)が違います。
ケーブルからコネクタ、ヘッドホンアンプを自作する人が好んで採用する方式です。
左右 それぞれに 3本の線を使うケーブルは、逆位相でケーブルへのノイズ混入を防ぐ仕組みに対応した高い製品です。
無線(ワイヤレス)のヘッドホン
音楽(アナログ音声)をデジタル信号に変換し無線で伝送する技術が、ここ10年で 大きく進歩しました。
ブラインドテストで、アナログのケーブルの音声なのか? デジタル伝送のワイヤレスの音声なのか?区別が付かないくらいになっています。
さらに、ワイヤレスのヘッドホンが重くなる元凶だったバッテリーが小さく軽くなったので、軽く装着感が良くなっています。
ヘッドホンの無線伝送方式
大きく分けて4種類あります。
- Bluetooth:A2DP、コーデックはSBC
- Bluetooth:コーデックがaptX
- aptX HD
- aptX Low Latency(aptX LL)
- Bluetooth:コーデックが、AAC
- Bluetooth:コーデックが、LDAC
- その他、メーカー独自の無線規格と伝送コーデック
ワイヤレスヘッドホン(イヤホン)は、Bluetooth(2.4GHz 周波数無線規格)が使われます。
Bluetoothのプロフィールについて
コーデック
Bluetoothの標準音楽伝送規格である、A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)を使う時に、音楽のデータを圧縮して復元する規格(Codec、コーデック)が使われます。
そのコーデックには、SBC(SubBand Codec)、aptX、AACの3つが主に使われています。
SBC
SBC(SubBand Codec)のデータ転送量は、16bit/48KHz、最大328Kbpsです。遅延は、220ms ± 50ms、(0.17〜0.27秒)もあって、遅めです。
データ転送量が少ない利点がありますが、音が大きく劣化する欠点の方が大きい。それでも、未だに一番使われているコーデックです。
Bluetoothのチップも進化して、SBCの転送も最大の328Kbpsを維持して転送できるようになったので音の悪さをかんじない人も増えています。むしろ、AACの128Kbpsよりも良いくらいです。
「ワイヤレスのヘッドホンの音は、デジタルっぽい音なので元々悪いものだ」とあきらめていれば、さほど気にならないでしょう。
「16bit / 48KHz 」は、圧縮されて転送される音の「荒さ」を表す。数字が大きいほど、荒くない元の音に近くなる。その分 データも大きくなる。
- 16bitは、量子化ビット(分解能 / 解像度) → 音を圧縮するときに細切れにする間隔の幅とデータの量
- 48KHzは、サンプリング レート → 圧縮する音の周波数の範囲
ちなみに、CDの音は、16bit / 44.1KHz。
328Kbps は、一秒あたりの転送できるデータ量で、328Kbit / 秒のこと。
これも数字が大きくなるほど音は良くなるが、Bluetoothの転送能力には限界があるので、あまり大きくできない。
たとえば、LDACは、 24bit / 96KHz 。ハイレゾと呼ばれる高音質の原音に近いデータ。
だから、人には聞こえない音まで含まれる”省かれていない”音を再生する。転送データも大きくて990KbpsのBluetoothの限界転送速度になる。
aptX
aptXは、Android系スマホに採用されていることの多い、音楽転送用のコーデックです。取り扱いは、Qualcommです。
データ転送量は、SBCと同じ 16bit/48KHz、328kbpsです。遅延は、70ms(0.07秒)程度と少なくて、音の劣化が少ないのが特長です。理由は、エンコードとデコード(圧縮と伸張)のアルゴリズムが良いからです。
apt-Xは、SBCより転送データ量が多い分、再生される音は誰が聞いても自然に感じます。ブラインドテスト(目隠しテスト)をしても、有線ケーブルと無線のapt-X方式の音の差の違いを正確に聴き分けられる人は、少ないと思います。
元々、apt-Xは、遅延が最大で140ms(0.14秒)以内と転送も速い方です。
apt-Xにも、改良ヴァージョンがいろいろあります。今使われてるのは、
- ハイレゾ音源に対応した aptX HD
- 遅延を40ms(0.04秒)以下にする aptX Low Latency(LL)
aptX HD
24bit / 48KHz 、576Kbps。ハイレゾと呼ばれる高音質のデータを転送できるように aptXを拡張したもの。
圧縮のアルゴリズム(エンコーダー)は、音の周波数帯域を4分割して圧縮します。
aptX LL(Low Latency、低レイテンシ)
デジタルデータの圧縮(エンコード)と伸張(デコード)の処理を速くして、遅延を減らす工夫をした規格。
送信側、とくに受信側のヘッドホンやイヤホン側が対応していないと、速くなりません。
ゲーム機で使う ワイヤレスのヘッドホンやイヤホンは、この「aptX LL」に対応しているものを選びましょう。
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aptX Adaptive
2020年から対応製品がでている。転送レートが可変するVBR式で、279〜420kbps。遅延は、50〜80msなので、aptX LLに匹敵するもの。
3)Bluetooth コーデックがAAC
AACは、AppleのiTunesで使われるコーデックで、音質の良さは、皆の知るところだと思います。
AACは、理論上、16bit / 48KHzの音のデータをBluetoothで、そのまま送って、レシーバ側でデコードする方式なのでデータ転送量が大きいのが欠点です。
AAC 128Kbps で、120ms(0.12秒)、AAC VBR 256Kbpsだと800ms(0.8秒)程度の遅延があります。
しかし、現実には、回路を構成するICチップの都合で、AACをそのまま送るのではなくて、1度デコードした音を再びAACに圧縮しなおして転送するものも多いようです。
そのため、AACコーデックはaptXに比べて音の遅れが大きくて、音質も劣化していることになります。
iPhone が世界中でこれだけ普及しているのにもかかわらず、AACのデコード機能を持つICチップの種類が少なく値段が高くなるので、AACのコーデックに対応するワイヤレスヘッドホンの種類は増えません。
4)Bluetooth コーデックが、LDAC
SONYが提唱するハイレゾ用のコーデックです。
ハイレゾ
High Resolution(ハイレゾリューション)の略。高解像度のこと。
音楽などの音を細かくデジタル化して音を原音に近い状態で表現する規格。
「ハイレゾ仕様」と書けば値段を高くしても売れるので宣伝文句になっている。
もはや耳で聞いても差の分からない領域で、マイクの性能を遙かにこえる周波数帯域までの再生を可能にしている。
転送速度は990Kbps。Bluetoothの転送能力の限界(1Mbps)に近い量のデータを送る、ハイレゾ規格の音を聞くための方式です。
分解能とサンプリングレートも24bit / 96KHzで、人間の耳では聞こえない周波数帯の音データまで扱います。
LDACには、990Kbps、660Kbps、330Kbpsの3つの転送モードがあり、660Kbpsが標準です。
圧縮のアルゴリズム(エンコーダ)は、音の状態によって圧縮の状態を変える動的な処理をするものです。
LDACのコーデックを使えるICチップが限られているため、対応しているヘッドホンやイヤホンの数が少ないのが欠点です;
5)その他のメーカー独自の、無線伝送規格と音声圧縮復元規格(コーデック)
サウンドカードのメーカーブランドで知られるCreativeの、ヘッドセットは、独自コーデックのFastStreamで低遅延の伝送をしています。
ワイヤレス ヘッドホンの大きな欠点は2つ
- アナログの有線ケーブルと違ってデジタル化するため音が劣化する
- デジタル化処理に時間がかかるので、ゲームやビデオ等で映像画面と音がズレる「音ズレ」現象が起きる
ノイズキャンセル機能を使うと周りの騒音を打ち消すための(逆位相の)音を作成するデジタル処理の時間がかかるので、さらに遅延します。この致命的な問題を分かった上での、ワイヤレスであるメリットがあるヘッドホンです。
音の遅れの少ない ワイヤレスのイヤホンやヘッドホンについては、
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で解説、おすすめ品を紹介しています。
5)マイク付きのヘッドホンを ヘッドセットと呼ぶ
最近のヘッドホンは、スマホとつないで使うことを前提に作られているので、電話ができるようにモノラルのマイクが内蔵されているものが多いです。正確にはヘッドセットと呼ぶべきモノですが、ヘッドホン(マイクもついてるよ)みたいな扱いです。
テレビゲーム機につないで使う「ゲーミングヘッドセット」と呼ばれるジャンルのヘッドホンは、マイクが付いています。オンラインゲームで、仲間と会話をしながら遊ぶので、マイクがなければなりません。
ノイズキャンセル機能
ノイズキャンセル機能には2種類あります。
- エコーノイズキャンセル機能:ヘッドセットで通話をするときに起きる、山びこのような反響になるエコーノイズを防止する
- アクティブ ノイズキャンセル機能:周辺の騒音や雑音をデジタル処理で打ち消して、静けさを人工的に作る
2千円以下の中華安物ヘッドホンのノイズキャンセル機能は、エコーノイズキャンセル機能です。
通常のアクティブ ノイズキャンセル機能と勘違いさせる広告文句にして販売している業者とアフィカスがいます。だまされないようにしましょう。
以上を踏まえて、
ヘッドホンの選び方を用途やシーン別で解説
インドア(室内)で使うヘッドホンは?
- 密閉(クローズド)型で高音質を追求
- 開放(オープンエア)型でカジュアルに
- 有線ケーブルでアナログ音声信号の高音質を満喫
- ワイヤレスで気軽に
- 夏場、冷房を効かせて汗をかかないから、高級材質(皮など)のイヤーパッドも使える
気合いを入れて音楽などを聴く、音楽を自作するDTM等、部屋の中で音を聴くことに専念できるので、自分のやりたいことに特化したものを選ぶと良いでしょう。
耳当て(イヤーパッド)も、肌触りの良いレザーなどの高級材質のものを使っても、夏場は冷房を効かせるので汗だくになって腐ることもないでしょう。
まったりと、音楽を聴きながら過ごしたいのなら、ワイヤレスの開放型の軽いヘッドホンがおすすめです。
テレビゲームでオンライン対戦を、仲間と協力プレイするのは、密閉型でマイクがついたゲーミングヘッドセットを使いましょう。
入院している人やその付き添い人にとっては、ノイズキャンセル機能付きのヘッドセットが役に立つことも多いので、適宜検討してください。
アウトドア(屋外)で使うヘッドホンは?
- 周りの音が聞こえる開放(オープンエアー)型が第一選択!
- 歩く時には、密閉型の着用は絶対にダメです。開放型のヘッドホンでも十分注意せよ!
- 自転車やバイクなどの運転中は、開放型でもヘッドホンの着用は厳禁!
- 密閉型のヘッドホンを使う場合は、バスや電車、新幹線、飛行機などの公共交通機関で乗客として座席に座っている時に限定
- 密閉型のノイズキャンセル機能が付いたものなら、音量を上げなくて済むので耳を痛めにくい
周りの音を遮る密閉型のヘッドホンの着用は、事故を起こしたり、巻き込まれたりする原因になりますから使ってはいけません。
メーカーによっては、「アウトドア用のヘッドホン=スマホにつないで使うヘッドセット」の扱いです。
アウトドア用は、”ヘッドホンをつけて音楽を聴きながら、人混みの中を歩いたり自転車に乗れたりする”ものではありません。はき違えている人が多いので気を付けてください。
開放型のヘッドホンは、雑踏の音にかき消されて、ついつい音楽の音を大きくしがちになります。結果的に、耳を痛めて難聴になる人が未だに多いので、十分気を付けてください。まだ二十代なのに、老人なみの聴力になっている人もいます。
ライブのPA(拡声スピーカー)の大音響にさらされている歌手で、難聴になってしまう人が後を絶ちません。
音楽大学、その予備校などでは、遮音ヘッドホン(スピーカーの付いてないもの)以外の使用を禁止している所もあります。
ヘッドホンのカタログのスペック表を読むための用語解説
ヘッドホン部、マイク部
メーカーによっては、インドア用は、ヘッドホンのみ。アウトドア用は、マイク付きのヘッドセットの扱いになっていますので、ヘッドホンとマイクのスペック表記を分けています。
形式
密閉、開放、ダイナミクス、コンデンサーと先に述べた、ハウジング形式とスピーカー形式の区別です。
マイクに関しても、構造は同じなので、コイル式のダイナミクス、膜の電界を使うコンデーサーと2種類があります。マイクは、コンデンサーマイクが主流です。
ドライバー(スピーカー)
これも先に述べた通りです。
入力インピーダンス
交流抵抗のことです。抵抗ですから単位はΩ(オーム)です。ヘッドホンのドライバーユニット(スピーカー)には、コイル(ボイスコイル)があるので、音声信号のような交流に対して電気抵抗があります。
周波数によって抵抗が変化しますが、だいたい、1KHz(1000Hz)の正弦波で、電気抵抗値を測ります。4〜500Ωと幅広いインピーダンスのヘッドホンがあります。
4〜32Ωは、よく鳴るヘッドホンだと思ってください。60〜500Ωは、鳴りにくいヘッドホンです。
300Ωのヘッドホンを、スマホなどのイヤホンジャックに、3.5mm径のステレオミニプラグでつないだとします。スマホのボリュームを最大にしても、音が小さくしか聞こえません。そこで、ヘッドホンアンプを間に入れて音声信号を増幅して、鳴りにくいヘッドホンを鳴らせる電力にします。
「鳴りにくい」ヘッドホンやイヤホンは、とにかく音が鳴りません。
なので、高い音や低い音のノイズを再生しにくくくなります。性能的に悪いことだけど、聴く側からにすれば都合の良いメリットになります。
カタログに書かれたスペックだけで語りたがる、実際の音はよく分かっていない、難聴レベルの自称マニア(道楽ジジイ)が高価なヘッドホンの市場を支えています。
最近は、ヘッドホンアンプを使わず、スマホのイヤホン端子だけで使えるように、インピーダンスが4〜16Ωと低めのよく鳴るヘッドホンが増えています。
出力音圧レベル、出力音声レベル、S.P.L(Sound Pressure Level)
ヘッドホンがどれくらいの音量で鳴るのか?を表す数値です。1mW、1KHzの正弦波を入力したときに、ヘッドホンのドライバユニット(スピーカー)から出る音の大きさを表します。単位は、「dB / mW(デシベルパーミリワット)」です。
100 dB/mWとかが良く見られる数字です。
入力インピーダンスが大きい、つまり、鳴りにくい高級?なヘッドホンは、この数値が小さいです。入力インピーダンスが大きい高級?ヘッドホンは、「同時に」能率が小さい物が多いです。
最近は、スマホのイヤホン端子にそのまま挿して、聴けるように、この出力音声レベルは数字が大きいモノが好まれます。
最大入力
最大の音量です。「1500mW」なかんじで表記されます。スピーカーのボイスコイルが壊れる限界値です。
耳を痛めないように、スマホには出力をかなり抑えた設定(700mW以下とか)になっているものが増えています。
入力端子 入力ポート
φ(直径)3.5mm ステレオミニジャックがよく使われます。
大きなプラグ「標準プラグ」を差し込むものは、ヘッドホンを大きく重くしてしまうので、使われません。
ヘッドホン本体から、ケーブルがそのままでているものは、安物のヘッドホンです。まともなヘッドホンは、ケーブルを好みで交換できるように、ステレオミニジャックになっています。
ちなみに、「ジャック」とは、メス穴のことで、差し込み口です。「ポート」と言う人もいます。「プラグ」は、オスで、差し込む方です。
マイクを内蔵したものは、マイク用の接点があるので、4極ミニプラグになります。
再生周波数範囲、再生周波数帯域
ヘッドホンなどのスピーカーが再生できる音の周波数のことです。周波数とその周波数の音の大きさをグラフにしたものが添付されていることがあります。
カタログに「30〜22000Hz」と表記されています。
ヘッドホンを初めて買う人は情報弱者が多く、ネットのいい加減な情報から、この再生周波数帯域が広いものを選ぶので、かなり盛った数値になっています。5〜45000Hzとかですね(笑)
人間の可聴音域(人が聞こえる周波数の範囲)は、40歳以上で、100〜13000Hzです。子供なら、〜17000Hzくらいまで聞こえる子もいます。
生体での脳の活動を測る機器の発達で脳の状態がリアルタイムで観察できるようになりました。その結果、聞こえ無いはずの周波数を聴いても脳の一部が反応しているとの報告もありますが、それが何を意味するのか分かっていません。
そもそも、音楽などの収録用のマイク(一本数十万円)の周波数特性は、50〜22000Hz程度しかありませんので、それ以外の周波数の音はノイズに過ぎない。
特に、レコードの音について語るとき、録音当時のマイクの性能を考えたら、100Hz以下、14000Hz以上は全部ノイズだと考えて良いでしょう。
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エージング
aging、老化? ですが、オーディオ関連では、エージングは「ならし」を意味します。スピーカーやヘッドホンといった振動するような物理的な動きがあるものについては、多少の慣らしは必要かも知れません。結論から先に言えば、「オカルト」です。
耳につけないで、そのまま転がしておいて、「大きめの音で半日鳴らし続ける」ことをすすめる人がいます。エージング用のCDとか売られています。大音量で長時間鳴らし続けるとか、さすがに壊れますよ。
スピーカーにしろ、ヘッドホンにしろ、「慣らし」で聴き分けられるほどの音の変化はないです。単に、聞く人の主観的要素「慣れ」の話です。
「エージングが〜」っていう人は、耳科や精神科を受診するべき病人が多いのも事実です。
アフィカスが、だましてヘッドセットを売ろうとする手口
ヘッドホンのサラウンドは、ニセモノのサラウンド
私は、AVアンプに7個の小型スピカーと1個の低音再生のウーハースピーカをつないだ、リアル(本物の)サラウンドで、ドッカンドッカンと大音響でゲームをして遊んでいます。
横と後ろにもスピーカーがあるので、たとえば、
- カーレースで追い抜かれる時、後ろからインをつかれて左側から前に車のエンジンの音が映像通りに
- 前方で戦車の主砲の発射音がして、後ろで着弾の爆発音がする
- 手榴弾が後ろから前に転がる音がする
など、リアルサラウンドならではの迫力が楽しめます。
ヘッドホンには、7.1ch サラウンド機能がついているものがあります。ヘッドホンの仕様には、ドライバーユニット(スピーカ)は、左右に一個ずつしか入っていません。
なのにサラウンド?! 実は、ヘッドホンの7.1chサラウンドとは、疑似的(ニセモノ)なものなのです。残響音を作り出して、音が広がるかんじを人間に視覚で錯覚させているだけなので、音源の移動を表現できません。目をつむった瞬間に音の位置が分からなくなります。
アフィカスのデタラメ記事が散見されます。
突っ込みどころが多すぎて、唖然とする内容です。ワイヤレスサラウンドヘッドセットの紹介記事です。自分の貼った宣伝広告(アフィリリンク)からヘッドホンを買ってもらうために、必死で買い煽りの文句を並べています。
ゲーム機を買う人達の多くが、情報弱者や学校で勉強をしてこなかった低学歴の親子なので、こういう表現の嘘にだまされて買ってしまいます。
ノイズキャンセル機能がつけば、音の遅延ゼロではない
ノイズキャンセルがデジタル処理の場合は遅延します。
ノイズキャンセル自体が、マイクからの環境音と音楽入力ソースのアナログ→デジタルのA/D変換の後に、マイクから拾った音を逆位相に変換して、入力ソースの音楽にミキシングします。だから、まったく遅延がないわけではありません。計算処理する時間だけ遅れます。
それがm秒の世界だから気にならないだけです。
昔のように逆位相の音をつくるのに100%アナログ回路でやっていたことを、今の技術で作ろうとしてもイヤホンの小さな筐体に収まらないし、そもそも1万円じゃ作れませんよ。
アクティブノイズキャンセルはデジタルサンプリングと演算回路を専用のICチップ(SoC)で処理します。
2018年頃から、中華が安く作るようになりました。中華のヘッドホンにアクティブノイズキャンセル機能がついたものが1万円以下で買えるようになりました。
2020年以降は、イヤホンの筐体に収まるSoCチップが中華メーカーでコピーされ、1万円以下で買えるようになるでしょう。
それに音の善し悪しを計測器を使わずに、自分の主観だけでいうのであれば、「音質にはうるさい」なんて言える資格はないのですが…
「まったくの静寂、ノイズが全くない」と書いている時点で、そいつは嘘を書いています!!
最近、こういったデタラメや誤認する内容の記事を平然と書き紹介料を荒稼ぎするアフィカス連中が、SEO技術(検索エンジンに上位に表示されるようにする工夫)を使って、検索の上位にでてくるようになって困ってます。
イヤホン難聴、ヘッドホン難聴を予防する60:60セオリー(アメリカで若年者の難聴を予防するキャンペーン)
2017年12月6日放映の番組 ガッテン!「認知症を防ぐカギ! あなたの”聴力”聴力総チェック!」で、
- 難聴は、脳の思考をつかさどる領域を萎縮させてしまう
- 痴呆(認知症)の原因になる
- 若年性の難聴が増えている問題
について触れていました。
アメリカでは、キャンペーン「60:60セオリー」があって、
- ヘッドホンやイヤホンで60分以上聞かない
- ボリュームは最大の60%より大きくしない
のルールで、若い人の耳を守ろうとしています。
実際に、
- Nintendo Switchや3DSなどのイヤホン端子は、大きな音がでないように
- PS4のヘッドセットも、長く装着できないようにキツ目の側圧になっている
などの工夫がされています。
耳科の友人の話によると、ウオークマン世代の我々ジジイの難聴(音響性聴器障害)もあるけど、最近の十代、二十代の難聴は減ってないそうです。
気を付けましょう。
ブログなどで、イヤホンやヘッドホンの紹介記事を書いている連中が増えています。警告文「難聴になる」の1文をいれていないヤツは、アフィカス認定です!
(theory60)
ヘッドホンは顎関節症の悪化の原因になりません!
アフィカスによるデマです。
ちなみに、私は顎関節症を治療できる立場の専門家wですし研究もしていたので、顎関節症の原因は知り尽くしてます。治療もしてきました。顎関節症の原因は、ヘッドホンと関係ありません。イヤホンとも関係ありません。
イヤホンは、難聴の直接の原因の一つなので音量が大きくならないように注意して使ってください。
ヘッドホンまとめ
ヘッドホンのレビュー記事を書く上で、用語などの解説、補足のためのページのたたき台です。図表、写真などを順次、補充、リライトしていきます。
各ジャンルの用途まとめ記事の一つになります。
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イヤホンの選び方 / イヤホンの基礎知識 まとめ
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