アルコールストーブを持っていますか? 「男子」なら持っていると思います。もちろん、私も男子のなれの果ての爺ですから、何個か持っています。
アルコールストーブとは、燃料用アルコール(メタノール)に火を付けて煮炊きをするコンロのことです。
略して「アルスト」と呼ぶ人が増えました。
日本のAmazonでも、500〜3000円で、いろんな種類のアルコールストーブが買えます。
アルコールストーブ って何? どう違うの?
- 燃料用アルコール(メタノール)を燃やす焜炉(コンロ)
- 芯を使わない、シンプルな構造なのに大きな火をつけることができる
- 軽量、コンパクトで携帯性に優れ、一人登山やハイキングやキャンプ(ソロキャン)をする人が興味を持つ
- 炭火や灰が残らないので、火が消えたら、すぐに収納できる
というメリットがあります。
欠点としては、
- 風があるところでは、単独で使えない
- 通常、風よけ(風防、ウインド シールド)とセットで使う
- 日の当たるところでは、炎が見えないので危険
- 消火や火力の調整ができない
- 燃料の補給が途中でできない
- 1回20mlで、400ml(どん兵衛一杯分)の沸騰水が5分で作れる(ガスバーナーより かなり劣る)
- 燃料用アルコールの持ち運び専用ボトルが別に必要
- アルコールは炎天下の車内に置けず、取り扱いが面倒
といったかんじで、メリットよりもデメリットが大きいため実用性に乏しいものです。
アルコールランプ/ストーブ/トーチのうんちく話
アルコールにひたした芯に火を付けて燃やすランプを、アルコールランプといいます。小中学校の理科の実験でよく使われてきました。
アルコールが少なくなると爆発する可能性があり、ガラスの破片から目を守るために防護メガネの着用が義務づけられていました。小中学校の安全管理の面からも問題がありました。今は、着火と火力の調整が簡単な「ガスバーナー」や「カセットコンロ」になっています。
日本には、パイトーチクッカーというアルコールストーブがありました。消耗する芯を使わず、ループ状の銅のパイプに穴が開いていて気化したアルコールに火が付くというバーナーのようなアルコールランプでした。
芯が要らず、火力もアルコールランプにしては強めだったので、サイホン式のコーヒーメーカーのアルコールランプに使っていた人も多かったと記憶しています。
我々の業界でも、蝋堤のワックスを炙って軟化させるためにパイトーチを使っている人がいました。
ちなみに、我々の業界では、【バッファロー のアルコールトーチ】があって、エバンス刀と同じく、学生の時に買わされます。我々業界人なら、誰もが持っているアルコールランプです。
ブログカード:バッファロー アルコールトーチ レビュー
アルコールストーブの選び方
サイズやデザイン
サイズは、どれも同じです。
完成度の高いオリジナルのものがあったようです。現在では、オリジナルなアルコールストーブを中国の名も無いメーカーがコピーしまくっているため、同じ形、サイズのバッタモン(パチモン、偽物コピー品)しか手に入りません。
粗悪なものは、アルコールが漏れたり、アルコールの燃焼が不安定だったりします。
材質
- 真鍮
- アルミ合金
- ステンレス
- チタン
などがあります。火をつけて熱くなる道具なので塗装ができません。そのため鉄以外の錆びにくい金属が使われます。
ここ10年は、チタンが安くなったので、チタン製がおすすめです。
チタンは、
- 融点が高いため高温に耐える
- 比重の軽い金属なので、軽い
- 錆びない
- 酸化皮膜の多彩な色が綺麗
- 水に溶けにくいため鉱毒の心配がない
- 熱伝導率が悪く、煮炊きをするフライパンや鍋には向かない
- 硬く脆い上に溶接が難しいなど、加工しにくくコスト高になる
という特長があり、携帯できるストーブのたぐいには、最も優れた金属です。
付属品の有無
簡易ごとくが付いているもの、別売のものがあります。
消火用のフタがついているものもあります。みんな、アルミ缶を適当に切って被せるキャップを自作します。
以上を踏まえて、実際に買って使っているものを紹介しましょう。
アルコールストーブ って どんなの?
AliExpressで、20ドル弱で買いました。材質はチタンで、簡易ごとく(Rack)付きです。
こんなかんじで、巾着にいれてバックパックなどに入れて運びます。
内容物は、
- アルコールストーブ本体(ブランド名:TOMSHOO)
- 二枚を組み合わせる 簡易ごとく
- ワイヤーストラップ
- 巾着
です。これだけ入って、20ドル弱です。日本のAmazonでは、ごとく は別売で売られるものが多いですね。
アルコールストーブ本体のサイズは、
- 大きさ:55mm径 × 高さ 40 mm
- 重さ:46.5g
付属していた五徳(ごとく、Rack)は、
- 長辺95mm 、短辺 78mm × 幅30mm 厚さ0.3mm
- 重さ:15g
です。
付属の五徳(Rack)を付けてみました。
耐荷重は書かれていません。しかし、水込みで1kgぐらいの鍋やヤカンを置いても耐えています。
アルコールストーブを実際に使ってみる
20〜60mlの範囲で入れます。アルコールが入りすぎると、赤い炎だけでうまく燃えません。
アルコールは、メタノールが主成分の燃料用アルコールです。メタノールの揮発ガスは神経毒(肝臓で分解されてホルムアルデヒドになる)なので、あまり吸わないようにしましょう。
風のある屋外だと、60ml いっぱいに入れても、1リットルの水をグラグラに沸騰させることができません。風よけのウインドウシールドで囲むか、風よけのついたトゴクの中にいれて使います。
昔はマッチでしたけど、今は先の長いライターが便利です。
真中のたまったアルコールの表面に青い火が付きます。気温が高いと揮発するアルコール量が多いので、すぐに火が付きます。
真中の火がアルコールストーブを温めると、アルコールが気化したガスがでてくるので横の穴から青い火がついていきます。気温が高いとすぐに火が回りますが、氷点下だったり風が強いと火がつきにくいです。
全体に火が回って、安定するまでに、一時期、オレンジ色の火柱が立つことがあります。粗悪なアルコールストーブだと、メラメラとオレンジの火だけがでて、ひどい時はススがでることがあります。
十秒程度で、安定した火になります。
付属のゴトクだけでも、アルミのテフロン加工のラーメン鍋がかけられます。
撮影用に防風フードをつけていませんが、屋外では、かならず防風フード/シールドは付けてください。風防付きのゴトクの中にアルコールストーブを入れるのが普通でしょう。
アルコールストーブの表面温度は、100度以上になります。下の部分はアルコールの気化によって温度が低めですが、アルコールがなくなる直前だと、120度くらいまで上がります。
設置場所は、この熱を考えてください。キャンプだと、折りたたみのアルミのテーブルの上で使ってください。
木の机の上で敷きものなしで使うと熱で焼けて跡が残ります。
アルコールストーブのアルコールがなくなったときに、ボンッと音がする問題
燃料用アルコールをすべて使い切った時に、アルコールストーブがボンッと大きな音をたてることがあります。爆発というほどでもないですが、知らない人はびっくりするかもしれません。
これは、ガラスでできたアルコールランプだと、割れてガラスが飛び散る爆発になることがあります。
アルコールストーブによっては、音がしないものもあります。私のこのアルコールストーブは、音がしないことが多いです。
むしろ、ボンと音がしてくれた方が、アルコールがなくなったことが音で分かるので助かります。
カップ麺一杯に必要なお湯の量
カップ麺の標準的なものの例で、
- カップヌードル:約300ml
- 焼そばU.F.O. :約600ml
- どん兵衛きつねうどん:約400ml
袋いりの鍋で作るラーメンは、500ml なことが多いです。
冬期の屋外では、風防をつけたアルコールストーブを使って、満タンの60mlのアルコールをいれて沸騰させられる水の量は、800ml程度が限界です。つまり、どん兵衛きつねうどんが二杯作れるお湯の量です。
飯盒炊飯(はんごうすいはん)
飯盒(はんごう)を使って、ご飯を炊く場合、このアルコールストーブではできません。工夫すれば、できないことはないんですが、美味しく炊けません。
ガスバーナーやウッドストーブでなら、なんとかできます。
まとめ
アルコールストーブは、実用面やコスパを考えると、ダメなキャンプ・アイテムの一つです。用途も限られます。
妻に見つかって、「また役に立たないガラクタを買っている!」と叱られました。
それでも、パイトーチ アルコールストーブが入手できない今となっては、こういうアルコールストーブしか選択肢がありません。
アルコールストーブには、自作する楽しみがあります。今から、20年ほど前に、アルコールストーブやウッドストーブの自作が、ブログネタの一つになっていました。
アルコールストーブを自作しているoink!さんの記事をみて、ダンボール箱に放り込んでいるジャンクの山の中から探してきました。
-
ミニ・アルコールストーブ1号機完成!(ダイソーの五徳で使えます) | 自作☆改造☆修理の館(新館)
とうとうアルコールストーブの世界に足を踏み入れてしまいました。コレを作り始めると抜け出せなくなりそうです。奥が深いです。 1号機はミニサイズのアルコールストーブ。ダイソーの五徳で使えるものを作りました ...
続きを見る
私のブログのメインテーマは、「月額1万円以下で遊べる趣味を探求する」です。
この記事は、別の記事からの参照するための布石になるものです。