オムロン 無停電電源装置 BW55Tを買った。
停電で壊れてはいけない機器を守るために無停電電源装置(以下、UPSで)を使う。
オムロンの無停電電源装置 UPSは、旧モデルのBY50Sを代々使ってきた。
現在、APCのUPSが2台、BY50S が3台 計 5台のUPSが稼働している。
今回 オンライン資格確認システム(マイナ保険証)の機器につなぐUPSを買い足した。
10年前(2012年11月)に我が家の引き込み電柱に落雷があって、業務用エアコンの基板が燃えたり、ゲーム機やテレビ、ゲーム機が壊れた時、UPSにつないでいた機器の電源は壊れませんでした。(LANポートが壊れた)
- 購入品:オムロン 無停電電源装置 UPS BW55T
- 購入時期:2022年10月
- 購入価格:21,405円
- 購入店:OCNオンラインショップ(旧 NTT-X Store)
オムロン 無停電電源装置 UPS BW55Tの長期使用レポート
UPS(無停電電源装置)って何が違うの?
無停電電源装置は、停電してもバッテリーでACコンセントの電気「100Vの交流」をだせる機械だ。
個人で買える無停電電源装置は、停電から3分ほどしか電気が出せないので、3分の間にパソコンの電源を落とす。
パソコンとUSBでつないで自動でシャットダウンする仕組みもある。
停電すると電源が切れたままで設定のし直しや電源の入れ直しになる機器(ホームテレホン、寒天コンディショナ、デスクトップパソコン、NAS)のコンセントとして使っている。
電線が増設される20年前まで、落雷や真冬の朝、真夏の夕方など消費電力の増える時間帯に数秒〜数分の停電がよく起きて困っていた。なので、いままでで 二十数台買っている。
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内蔵の鉛バッテリーに寿命があるため、3〜4年でバッテリー交換か本体ごと買い換えになる。
UPSの詳しい解説、おすすめの機種は、まとめ記事にしている興味のある人はどうぞ。
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常時商用給電方式って何?
常時商法給電方式は、個人で買える無停電電源装置 UPSでよく使われている方式である。
普段は、壁からのコンセントの交流100Vを出力側のコンセントに直結して100Vを出している。
内蔵バッテリーに少しだけ電気を分けて充電をし続けている。
停電時には、切換スイッチで、鉛バッテリーから交流100Vを作り出して出力コンセントに出す。
昔の常時商用方式は、切換スイッチの速度が遅くて、パソコンの電源が落ちてしまうことがあった。
ここ10年のUPSは切換時間が0.01秒以下なので、よほどの安物のATX電源でないかぎりパソコンの電源が落ちることはない。
オムロン 無停電電源装置 UPS BW55Tのメリットとデメリット
オムロン 無停電電源装置 UPS BW55T の良いところ Pros
- 日本の電源メーカーブランド
- 常時商用給電方式で正弦波出力
- 実売価格も2万円ちょいで手頃
- 冷暗所に設置すれば、5年くらいはバッテリーが持つ
オムロン 無停電電源装置 UPS BW55T の悪いところ Cons
- 自動シャットダウンソフトの Mac版が最新バージョンをサポートしてない
- 中国製造
- 互換鉛バッテリーが使えない
- 互換バッテリーの値段が1万円以上する
オムロン BW55Tの主なスペック
主な仕様をリストにした。
- 形式:BW55T
- 運転方式:常時商用給電方式
- 定価:36740円
- 交流入力:AC 100V 50Hz / 60Hz
- 交流出力
- コンセント 4個
- 出力容量:550VA/340W
- 定格電流:5.5A
- バックアップ切換時間:10ms以内
- 出力波形:商用運転、バックアップ運転ともに 正弦波
- 正弦波、歪み率:25%以内
- バッテリー
- 種類:シール鉛蓄電池
- バッテリー容量:DC12V / 8.5Wh 1個
- ユーザが交換可能
- 充電時間 12時間
- バックアップ時間:3.6分 340W
- 電源ノイズ/サージ保護機能:あり
- パソコンと通信:RJ-45→USBケーブル
- 大きさ:9 × 29.1 × 16.5 cm
- 重さ:4.5kg
- 保証期間:3年
以上のスペックから読み解くと、
- 300Wまでのパソコンとモニターをつなげられる
- 停電が起きた時に、4分以内にシャットダウンすれば良い
- 停電の時にパソコンを自動で終了させるには、付属のUSBケーブルと専用のアプリが必要
オムロン 無停電電源装置 BW55Tの紹介
本体以外の同梱物は、
- 使用上の注意事項、保証書、取扱説明書
- バッテリー交換ラベルシール、動作状態のシール、操作パネルの英文シール
- 専用USB→RJ-45ケーブル 2m
- 3P→2P変換プラグ
- 横置き用ゴム足
シールが充実している。
取扱説明書はマルチリンガルで字が小さい。老眼のジジイには厳しい。
日本語マニュアルをPDFでダウンロードしよう。
BW55Tの正面観
正面パネルには、
- ディスプレイ
- ブザー停止 / 決定 ボタン
- 選択ボタン
- 電源ボタン(カバー付き)
- QRコード(サポートページのURL)
がある。
旧モデルBY50Sは、7セグメントのLED表示だけだった。BW55Tでは、表示情報が増えたのでわかりやすくなった。
4年ほど使うと鉛バッテリーが劣化してきて、警告音が鳴るようになる。
あわてず、ブザー停止ボタンを押そう。
ブザー停止ボタンと選択ボタンで、設定値を変更することができる。
設定については、サポートページからダウンロードできる 日本語マニュアルのPDFファイルをよく読もう。
電源ボタンは、長押しでON/OFF
BW55T の背面観
背面パネルには、
- ACコード
- AC入力過電流保護スイッチ(ヒューズ解除ボタン)
- USB/接点ポート
- 電源出力コンセント 4個
出力コンセント 4個
4個合計で、340Wを超える電力が必要な場合、警告のブザーがなる。
消費電力の大きなグラフィックカードをフル稼働させるゲーミングPCは、400Wを超えることがあるので、つなげられない。
USB/接点ポート
付属のUSB-RJ-45プラグのケーブルをつなぐ。
パソコンとつないで、停電時にパソコンのシャットダウン(システム終了)をするために使う。
あらかじめ、停電時のシャットダウン(システム終了)のアプリケーションをインストールしておかなければならない。
サポートのページから、シャットダウンのアプリケーションをダウンロードして使う。
停電で電源が勝手に落ちても、起動ディスクのデータが飛ぶことはなくなりました。
Mac版は最新OSに対応するのが遅い。← シャットダウンする必要はないので対応すらしなくなった?
Windows 版は、コンフリクト(ソフトの相互干渉)が起きたのか? 不安定になることがあったので、私は使っていない。
過電流保護スイッチは、落雷で電源に大きな電流が流れ込んだときに保護するヒューズである。解除するときにボタンを押す。
10年前に落雷で エアコンやネット通信機器が壊れ、100万円ほどの損害が出たが、家財保険でまかなえた。
落雷時に稼働中のパソコン(当時は、全部HDD)は、UPSにつないでいたので 助かった。
オムロン 無停電電源装置 BW55Tを実際に使ってみた感想 問題点 不満点
不便さはない。「UPSはお守り」なので、心の友、安心を買うだけのアイテムである。
ある程度の大きさがあるし、重いし、暑いところに置くと鉛バッテリーの寿命が極端に短くなるので置き場所を選ぶことくらいが不満かな。
操作やディスプレイ表示とブザーの意味は、シールで貼ってあるので参考にすると良いだろう。
買ってきて、コンセントにつないで、電源ボタンのカバーを上にあげて、ボタンを長押しで起動する。
日本語マニュアルのPDFファイルをダウンロードして、一通りよく読んでおこう。
ブザーは、OFFにもできる。
UPSは設置して そのまま4,5年放置するもので、その存在を忘れ去られている。
ブザーをOFFにしていると、異常に気づかないままになるので、警告音をOFFにしてはいけない。
BW55Tの出力波形について
安物のUPSの出力波形は、矩形(くけい)波(方形波)である。
正弦波と矩形波の違いをしらない人向けに、オシログラフをしめす。
楽器のチューニングに使うA(ラの音)の例だが、正弦波と矩形波の違いが分かるだろう。
BW55Tの出力側コンセントに、ラインセパレータLS11をいれて、電圧測定端子にオシロのプローブをつける。
ラインセパレータLS11には自作PCをつなぎ、開放電圧ではなく通電している時の電圧を測る。
コンセントに直接プローブを差し込むと、オシロのアースがショート(短絡)して燃えるので注意!
古いトイ オシロは電圧のレンジが50Vまでしかないので、100X(1/100、耐圧2000V)の高圧プローブを使う。
壁のACコンセントにBW55Tをつないで通電している「商用給電中」状態で、出力コンセントの電圧を測る。
交流は、パススルー(スイッチで直結)状態だ。
電圧は、1/100になるので、ピーク電圧は、± 1.5V。実際は、その100倍の±150V弱になる。
西日本のACコンセントの周波数は60Hzだ。東日本は、50Hz。
交流や直流の違いの話は、こちらの記事にまとめている。
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壁のコンセントから、BW55TのACプラグをひっこぬいて、バッテリーでのバックアップ出力電圧を観察する。
停電中の状態である。
バッテリーの直流12Vを交流100Vの正弦波に戻すため、DC-ACコンバータが動作している。
ハムノイズの”ブーン音”が少しだけする。
電気製品の臭いがしはじめる。焦げるニオイではない。
電圧の波形は少し いびつ だが、正弦波になっているのでヨシ!
オムロン BW55Tの消費電力はどれくらい?
半日で鉛バッテリーが充電されると 10W前後に落ち着く。
鉛バッテリーを充電中は、17Wを消費している。
鉛バッテリーを充電中にワットチェッカーで測ってみた。
昔のUPSは、通常でも15Wくらい使っているものがあるので、古いUPSは新しいものに交換していくようにしよう。
まとめ
今回のUPSは、マイナ保険証確認システムに付けるものだ。2022年の夏から準備していた。
トラブルが少なく 代替機貸し出しサービスのあるパナの顔認証端末に予約が殺到していて 2023年2月に届いた。
オン資の設定業者の都合で、遅れに遅れて、2023年5月から稼働している。
患者登録、番号記号、有効期限の更新が自動でできたり、本人とその資格確認が顔認証で一瞬にできたり、患者のデータを参照できたり…と、うまく稼働すれば便利なものなのだが…。
先行して導入したセンセから「そもそも、システム自体が未完成…、機器の初期不良やネットワークトラブルで…」って話を聞くと、「ハードもソフトも枯れてから導入したい」と 誰しも思っていたわけで。
いきなり 義務化ってのはね w。行き当たりばったりの政策で、そんなに急いで大丈夫なのか? と不安しかない。
ボヤキはこれくらいにして…w
昇降机やら、わん曲したモニターやら、キーボードを自作しては、”デスク ツアー”のブログ記事や動画で自慢しているリモートワークの諸君の中には、停電がちょくちょく起きる地域に住んでいる人も いるだろう。(我が家もそうだったし)
勝手に電源が落ちてはいけない電子機器(NASやRAIDシステム)には、無停電電源装置 UPSをつないで使うことを おすすめしたい。