車のシガーソケット(アクセサリーソケット)につないで使う USB充電器「カーチャージャー」。
今回は、エレコムの USB-C 端子で45W出力ができる「EC-DC10BK」を買ってみた。
結論から言うと、
USB-C PD対応で 45W出力ができるのに 2千円ちょいなので おすすめ。
- 購入品:エレコム シガーチャージャー 合計最大出力57W EC-DC10BK(MPA-CCPD10BK)
- 購入時期:2023年 11月
- 購入価格:1,999円
- 購入店:Amazon Japan G.K(アマゾンジャパン合同会社)
こんな方におすすめ
- 車の中で、Nintendo Switchをモバイルモニターで遊びたい
- 車の中で、ノートPCを充電したい
- 車の中で、スマホやタブレットを急速充電したい
- オフグリッド電源で、12V直流を使う人
私は、この製品を自分で選んで、自腹で買って試している。
製品やサービスをタダでもらって、宣伝・提灯記事や動画をネットにばらまく”アフィカス”のステマ犯罪にうんざりしている。
私のブログには 広告案件記事はない。外国スポンサーの影響を受けないので 本当の事が書け、情報工作(プロパガンダ)もない。
アフィリエイト広告のリンクではないので 安心してクリックしてください。
車で、ニンテンドースイッチをモバイルモニター画面につないで遊べるエレコム シガーチャージャー EC-DC10BKの使用レポート
カーチャージャー、シガーチャージャーって何?
カーチャージャー、シガーチャージャーは、車の中のシガーソケット(アクセサリーソケット)にさして使う USB充電器だ。
車のシガーソケットは、車のバッテリー 12V(トラックなどは 24V)の直流を取り出せる。
言いかえれば、車用電気機器のための電源コンセントだ。
元々は、「シガー」と呼ばれるだけあって、タバコに火を付ける電熱ヒーターをさしこむソケットだった。
今は、アクセサリーソケットと呼ぶ人が多い。
エレコム って何?
エレコムは、大阪のパソコン周辺機器メーカー。
自社工場を持たず、海外のOEM元メーカー品を販売するファブレスメーカーでもある。
パソコン周辺機器メーカー ブランドとしては 日本最大手なので、知らない人はいないだろう。
もちろん、東証プレミアム上場企業(6750)だ。
傘下の企業に、ロジテック、テレビアンテナのDXアンテナなどがある。
シガーチャージャー EC-DC10BK の良い点と悪い点
中国メーカーのOEMなものの、「エレコム」ブランドなので、中国の無名メーカーのものよりはマシだ。
シガーチャージャー EC-DC10BKのメリット Pros
- USB-Cが PowerDelivery(PD)対応で、最大45W(20V/2.25A)出せるのでノートPCの充電ができる
- USB-Cが、15V / 3A 出せるので、Nintendo Switchのドックにつないで テレビモードが使える
- USB-Aも、5V/2.4A出せて、(昔の)急速充電もできる
- 販売価格も2千円前後と安い
シガーチャージャー EC-DC10BKのデメリット Cons
- 保証も1年で、欠点らしい欠点がない
シガーチャージャー EC-DC10BK を写真で紹介
EC-DC10BKのパッケージ内容
同梱物は、
- EC-DC10BK(MPA-CCPD10BK)本体
- 取扱説明書は、箱に記載
家電量販店など流通経路によっては、別の型番「MPA-CCPD10BK」で売られているが同じものだ。
小さな箱にびっしりと小さい字で、スペックや注意事項が印刷されていて、サポート先のQRコードまで付いている。
タブレットやスマホで、サポート先のURLを参照して 使用上の注意を確認しておこう。
サポート先
https://www.elecom.co.jp/products/EC-DC10BK.html
USB-Cケーブルなど 付属品を省いて 販売価格を抑えている。
EC-DC10BKの主な仕様
- 使用電源:アクセサリーソケット
- 定格入力電圧:DC12V/24V
- 対応ソケットサイズ:直径20.8mm~22.0mm
- コネクタ形状:USB Type-Cポート×1、USB-Aポート×1
- 定格出力電流/電圧:
- USB Type-C:5V/9V/12V/15V/ 3A、20V/2.25A、45W
- USB-A:5V /2.4A、12W
- 定格出力電流/電圧:
- 大きさ:約37mm x 約64mm x 約37mm(突起部含まず)
- 重さ:約38g(実測 38.6g)
- 色:黒、LEDランプは 赤と青
- 保証期間1年
EC-DC10BKのUSB-C ポート の Power Delivery 情報(PDO情報)
USB-Cは、PD対応(Power Delivery)のため、5V以上の出力電圧が出せる。
高機能USBテスター CT-3 を使って PDOを調べてみた。
EC-DC10BKのPD情報は、以下の5種類
- 5V/3A 15W
- 9V/3A 21W
- 12V/3A 36W
- 15V/3A 45W
- 20V/2.25A 45W
箱のカタログスペック通り。
実際に電流負荷をかけて、それぞれの電圧で最大電流を超える出力を要求すると シャットダウン(電流遮断)する。(後述する)
20V/2Aが出せれば、スリープ状態のノートPCを充電できる。
モバイルモニターを使って 車の中で スイッチを大画面で遊べます。
EC-DC10BKのサイズ
大きさも、57W出力のわりに 小さめだ。
頭の部分が 大きい物が多い中、直径3.7cmと4cm以下で、プラグから飛び出る奥行きも3cmと「小さめ」である。
2連以上のシガーソケット分岐アダプタを使う人には、ありがたい仕様である。
プラグ部分は、3.7cmとシガーソケットにピッタリとはまるサイズだ。
端子のバネも良い感じで、ソケットへの収まりも良い。既定のサイズであれば、特に緩むかんじもなく キツくて入らないこともないだろう。
シガーソケットの端子は、さびやすい。時々抜いて、コンタクトスプレーをかけて端子を磨いてから さしなおそう。
EC-DC10BK 2つのUSBポートについて
EC-DC10BKの正面は、
リングランプは、通電(エンジンがかかっている状態)している時は、青く点灯する。
USB-C端子で、9V以上の出力になると 赤く点灯する。
エレコム EC-DC10BKを 実際に使ってみて分かる 問題点など
車載する前に、書斎の電子工作机上にある 直流安定化電源を使って あれこれ 試してみた。
EC-DC10BK の 12V→15Vの昇圧 をテスト
中国製パチモンの 安い USB-C の シガーチャージャーで、15V以上の電圧が出せないものは、昇圧回路がない。
車のバッテリーは直流である。→ 解説記事「直流と交流」
電圧を変えるために DC-DCコンバータ回路が必要
EC-DC10BKは、12V、15V、20Vが出せるので DC-DCコンバータは降圧、昇圧がついている。→ DC-DCコンバータICの良いヤツがついてるw
エンジンがかかっていない時の(弱った)バッテリーの電圧 12.5Vを 直流安定化電源で再現してみよう。
電流のリミッターは、5A、電圧CVは、12.5Vにして、EC-DC10BKに電気抵抗負荷を接続して電流を流す。
USB-Aには、抵抗器をつけて 5V/2.4A 12Wの出力負荷。
USB-Cには、CT-3のPDトリガーと抵抗器を使って 15V/2.5A 37.5W (Nintendo Switchのドックが必要な電流)の出力をさせた。
USB-AとUSB-Cの両方で 39.5W、約 40Wの出力が安定してできることを確認した。
EC-DC10BKなら、車内でNintendo Switchのドックアダプターを付けてモバイルモニターで遊ぶ事ができる。
電源側の電流は、4.5A / 12.5V 56.3W。
EC-DC10BKの DC-DCコンバータの変換効率は 約70%か…。
2連以上のシガーソケット分岐アダプターを使っている人も多いだろう。
シガーソケットにさした機器の合計アンペアが ヒューズのアンペアを越えないようにしよう。
Nintendo SwitchをTVモードで動かす
USB-Cが、PD対応で 15V/3Aが出せることが確認できたので、Nintendo Switchとモバイルモニターをつないでみた。
配線模式図は
カーチャージャーからは、モバイルモニター用の5V電源、Nintendo SwitchのTVモードにするためのUSB-C アダプター を USB-C端子につける。
実際につないでテストしているのは、こんなかんじ。
Nintendo SwitchのTVモードで動作している時、0.5〜1.5A / 15Vなことは分かっている。
スプラトゥーンやゼル伝をやっている時は、グラフィックに電力を食われるので、1Aをこえる。
スプラトゥーンは、車のデータ通信(スマホのテザリング)では オンライン対戦はできないものの、ヒーローモードならOKだ。
EC-DC10BK の 各電圧でのテスト
それぞれの電圧で、電流制限は きちんとできている。
中国製パチモンのシガーチャージャーのいい加減さは、ない。
EC-DC10BK USB-A端子の出力
5V/1Aから、電流をあげていくと…、2.8A/5Vで 保護回路が作動して 電流が遮断される。
USB-A側は、抜き差ししなくても 2.7A / 5V 以下になれば復旧する。
EC-DC10BK USB-C端子の出力
5V、9Vの降圧は、問題なし。
9Vは、USB-C→Lightningケーブルで iPhoneの急速充電に使う。
3A(3.1A)をこえると遮断されるが、USB-Cは、1度抜き差ししないと復旧しない。
12Vも問題なし。
3A(3.1A)をこえると 遮断される。
15Vも問題なし。Nintendo Switchや ノートPCなどで使われる。
15Vからは、45Wの最大出力になる。3Aをこえる(3.1A)と 遮断される。
20Vも問題なし。
20Vは、スリープ状態の MacBook(ノートPC)の充電ができる。
20Vは、2.3AまではOK。2.4Aで遮断。
EC-DC10BKのノイズはどうですか?
DC-DCコンバータのスイッチング周波数の影響で、AM(中波)放送には ノイズが入る。
電気自動車(EV)には、モーター駆動回路からでるノイズで ラジオのAM放送が聞けないので FM放送だけのものもある。
車で AMラジオを聴く人は、シガーチャージャー USB充電器を使わない時は、抜くか シガーソケットアダプタを使う時は、スイッチをOFFにする。
EC-DC10BKの出力電圧に含まれる 交流成分(リプル電流)は?
DC/DCコンバータの評価として、出力に混じる交流成分をオシロでチェックする。
それぞれの電圧でチェックしてみた。問題になるようなリプル、脈流(0.5Vを超える交流成分)は観察されなかった。
20V/1.5A出力時で、メモリ 0.5Vで
1Vを超えるような 交流成分は見られない。
負荷がない 開放状態で、若干 ノイズが多めに観測されるものの、ひどいわけではない。
オフグリッド独立電源系への応用
ここ数年、中国メーカーのポータブル電源のステマ動画や記事を見かけるようになった。
太陽電池パネルとコントローラ、車用の鉛バッテリーで自作する人たち【オフグリッド電源自作派】にとっても、シガーソケットUSB充電器(カーチャージャー)は 鉛バッテリーにため込んだ 12V直流を有効活用できるデバイスである。
実験を一通りして、放置。パネルは倉庫にしまったままだ。
中国製パチモンのポータブル電源のバッテリー破棄の面倒さを考えると、従来の 鉛バッテリーを使う方が良い。
暇になり次第、応用範囲を広げていきたい。
シガーソケットのカーチャージャーの接触不良による発熱問題
50Wを超える カーチャージャーの出現で、異常発熱による故障や火災がおきる危険性が大きくなっている。
電流が5Aも流れれば、シガープラグの接点が汚れていると スパーク(火花)が出て 危ない。
直流は電流が大きくなると 接点が細かく振動してオンオフを繰り返すとスパーク(火花)が発生する → アーク溶接の原理
予防策として、シガーソケットの内部の金属接点とシガーソケットプラグの金属接点を コンタクトグリースのような接点復活剤を塗って 酸化皮膜ができないようにしておくことが有効だ。
コンタクトスプレーを拭きかけても良いが、かけ過ぎないように。
コンタクトグリースやコンタクトスプレーは、シリコンオイルが主成分で 滑りが良くなる。ソケットが緩いと車の振動で すぐに抜けてしまうので、注意されたし。
まとめ
年末年始やゴールデンウイークに 車で移動する時、渋滞の中で 子供が退屈しないように Nintendo Switchで遊ばせているお父さん、お母さん向けに、「Nintendo Switchのテレビモードが使える 便利なシガーチャージャー、しかも1年保証のエレコムの製品です」って記事に仕上げてみた。
参考になれば幸い。