このページは、自作パソコンで使うパーツのなかで、電源についてまとめたページです。
PC(パソコン)電源ユニット って何?
パソコンの各種パーツに電気を供給する部品です。これがないと、パソコンは動きません。
パソコンケースとATX電源はセットで考えます。
パソコン電源の、何をみて、どう選ぶのか?
ざっくりとまとめると
- もっとも種類が多くて選べるATX電源にする
- パソコン全体の消費電力から決める
- 電源の変換効率と価格を考えて妥協する
- 静音、○○㏈(デシベル)以下と表記のあるもの
- 使わない配線をまとめなくていい、プラグイン式もの
です。
電源の箱をみてみましょう。こんなかんじで、買う人に、電源の性能をアピールするアイコンが表示されています。この意味がわかりますか? 分からない人へ以下解説します。
PC電源の種類
- ATX
- EPS(ATXの強化版)
- SFX(Micor ATX)
- FlexATX(細長いATX)
- TFX(特殊形状)
などがあります。基本型は、ATXで、自分のパソコンケースの形に合わせて買います。
もっとも種類が多くてコスパの良い物がそろっているATX電源の入るケースを選びます。
PC電源容量(○○○W)
パソコンで使う消費電力をまかなえる電源容量のものを選びます。単位はWです。(電力ですからVA)
パソコンの性能を上げようとして、高性能なCPU、複数台のHDDやグラフィックカードを何枚も内蔵させようとすると、電源容量がその分必要になります。
ただし、大きな容量になるほど、値段も高くなります。
電源容量によって
- 400W以下
- 450〜700W
- 750W以上
の3つのクラスに分けます。
- 自分の使うパソコンの性能をどこまであげるのか?
- 電源容量は、むだに大きすぎないもの
- 費用対効果(コスパ)が良いもの
を選ぶようにします。
ぞれぞれのPCパーツの使用電力の目安
- CPU:30〜100W
- グラフィックカード:50〜250W / 枚
- HDD:5〜10W/台
- マザーボードとメモリ:10〜30W?
- 光学式ドライブ:〜15W
必要最低限のスペック、基本構成(デュアルコアのCPUで内蔵グラフィック、HDD1台、光学式ドライブ)で200W程度なので、300WのATX電源でも足ります。
コアが4つ以上あって、4GHz以上で動作するCPU(Intel Core i7など)と、4万円以上する高いグラフィックカードを一枚入れただけで、400Wくらいが必要になるので、電源は、余裕を持たせて600Wが欲しいです。
とくに高性能なパソコンを作らない時は、500W前後のものを買います。450〜550Wの範囲は、もっとも種類も価格も安いものが多いので、コスパ的に良い物があります。
750W以上になってくると、高性能なグラフィックカードを何枚も内蔵するようなパソコンで必要になります。
今は、仮想通貨の採掘(マイニング)のために、高価な高性能なグラフィックカードを何枚もつないで使う人が増えているので、1000W(1KW)以上のものを買う人も増えてきました。
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PC電源の変換効率(性能)
PC・ATX電源は、コンセントからの100Vの交流を、パソコンで必要な12V、5Vの直流に変換する効率が良く(DC/DCコンバータが良く)なければなりません。
その基準が、「80PLUS(80+)」です。
80PLUSを満たしていない電源は、直流に変換する効率が悪いため、その変換できなかった消費電力は、そのまま熱になります。高熱は、ファンの音が大きくなったり、部品の劣化を加速する悪い原因です。
80PLUS (電源効率が80%以上)の認定マーク
100Vの交流を80%の効率で、直流に変換できる電源に付けられている認証マークが付いているものを選びます。
さらに高性能なものもあって、チタン、白金、金、銀、青銅、標準の6種類のグレードがあります。
電源にかける負荷 | |||
グレード | 20% | 50% | 100% |
Titanium(チタン) | 92% | 94% | 90% |
Platinum(白金) | 90% | 92% | 89% |
Gold(金) | 87% | 90% | 87% |
Silver(銀) | 85% | 88% | 85% |
Bronze(青銅) | 82% | 85% | 82% |
Standard(標準) | 80% | 80% | 80% |
「負荷」とは、その電源が供給できる直流の出力です。
基準値で、そのグレードが決まります。
この↑の表で見て分かるのは、「電源は、負荷が半分の時が一番効率がよくなる」ことです。
元々は、変換効率の良いスイッチング電源で80%を超える優秀な電源を作りましょう!で始まりました。
次々と「金」を上回る高性能な電源がでてきて、最初に決めた金銀銅の上にプラチナ、チタンと追加されました。
スイッチングレギュレータ電源IC(電源の最重要部品)に、窒化ガリウム(GaN)を使ったものが採用されると電源の大きさが半分になります。
販売価格も、ゴールドより上のものは5割高とかになりますので、チタンの電源一個で、無印(スタンダード)の80PLUS電源が二個買えますよ。
プラグイン式 / モジュラー式
昔のPC電源には、パソコンの各種パーツに電源をつなぐためのDCケーブルが、たくさんついているものが普通でした。使わないDCケーブルをまとめてケースの隅においておくようにしていました。
今は、プラグイン式(モジュラー式)といって、必要なDCケーブルだけをつないで使えるようになっているものが増えてきました。「プラグイン」も「モジュラー」も同じ意味で、メーカーによって呼び方が違うだけです。
プラグイン式(モジュラー式)は、値段も高めです。しかし、使わないDCケーブルを束ねて、ケースの端に固定する手間がかかりません。束ねたDCケーブルが空冷の風の妨げになる障害物になっていたのが無くなるので、空冷のファンの回転数を落とす事ができるなどメリットが大きいです。
セミ モジュラー式(セミ プラグイン式)
セミモジュラー式といって、メインのATX電源ケーブルが直にATX電源からでていて取り外せないものがあります。他のDCケーブルはソケット式で着脱できますので、ある意味、これが一番便利だと思います。
私は、プラグイン式(モジュラー式)を買うようにしています。
DCケーブルの種類
ATX電源から、PCパーツへ電気を供給するDCケーブルは、取扱説明書や箱に記載があります。
どのメーカーのものを買っても、特殊な用途のパソコンでないかぎり、このケーブルとコネクターが足りるようになっています。
- ATX 24(20+4)ピンケーブル:マザーボード全体用
- ATX 12V 4 + 4 ピン ケーブル:CPUの電源
- PCI-E 6+2ピンケーブル:グラフィックカードの電源
- SATA 15ピン、ペリフェラル、FDDケーブル
大きく分けて、以上の4つのケーブルがあります。
PC電源ユニットのメーカー
- ANTEC(アンテック):アメリカのPC電源の老舗
- Corsair(コルセア):アメリカのPC周辺機器メーカーブランド
- 玄人志向(くろうとしこう):名古屋 CFD 日本の自作PCパーツ取り扱いのブランド
- SYTHE(サイズ):日本の自作PCアクセサリ ブランドで、剛とか私も好んで買う
- Owltech(オウルテック):静音PCケースで知られる アクセサリーブランド
- FSP:台湾のATX電源メーカー 各PCブランドにOEM
- Seasonic(シーソニック):台湾の電源メーカー 各PCブランドにOEM
他にも、Thermaltake、SILVERSTONE、CoolerMaster、KEIAN など、自作PCのアクセサリやPCケースブランドで、いろいろでています。
ほとんどが、一部のメーカーのOEMだったりするので、中身は同じです。
PC電源の売り文句について
静音ファン、静音設計
パソコンが発生する騒音の原因の一つが、電源のファンの音です。ファンの風切り音を小さくするには、大きなファンでゆっくり回します。120mmの静音ファン とか書いてあるでしょ?
12年ほど前、うるさかったパソコンの音をなくす「自作パソコンの静音化」が流行しました。
それ以来、電源ユニットのファンの音がほとんどしないものだけになりました。「ファンの音がうるさい!」なんてネットの評判になれば、その電源ユニットはまったく売れませんからね。淘汰されたのです。
販売するブランド側も、PC電源ユニットの宣伝文句に、10デシベル以下などと音圧をアピールしているものもあります。
日本製コンデンサー 105 ℃
パソコンの電源には、効率の良い「スイッチング電源」が使われています。
ノイズの少ない安定した直流をつくるために、高性能で大容量のキャパシタ(電解コンデンサー)がたくさん使われています。
この電解コンデンサーは、質が悪いと膨らんで破裂してしまい、電源の一番の故障原因になっています。そもそも、電源ユニットは熱が発生して熱くなるパーツなので、熱に弱い電解コンデンサーの寿命は短くなりがちです。
ハスウェル(Haswell)対応
インテルの第四世代のCPUとマザーボードのHasewllから、CPUなどを使わない時に速度を落として消費電力を抑えるような仕組みができて、それに対応した電源です。
今売られているATX電源は対応しています。
ActivePFC回路
PFC(Power Factor Correction)回路は、交流(AC)を直流(DC)に変換(ダイオードブリッジによる整流回路とコンデンサによる平滑回路)するとき、整流後の電流と電圧のズレを修正して 電力の効率を改善します。
200V、100Vのどちらでも使えるように 〜280Vの高電圧になるので注意!
ゴールド、プラチナ、チタンの電源には、より高度な電流と電圧を制御をする ActivePFC回路が使われている。
安いATX電源には、高価なPFC回路が省かれている。
以上を踏まえて、
おすすめのATX電源を紹介
玄人志向 KRPW-L5-500W/80+、KRPW-N500W/85+、KRPW-N600W/85+
玄人志向(名古屋のCFD)は、アマゾンで在庫があれば翌日に届くので便利です。モノは良い。
プラグイン式じゃない、従来の使わないDCケーブルは束ねて、電源の横にまとめておいておくタイプです。
PCケースに固定するネジは、付属していません。
スタンダードのKRPW-L5-500W/80+は、PC録画機の電源に使っています。
2023年、円安のため税込み、送料込みの価格が、500Wで6千円、600Wも7千円と、100Wあたり千円以上になってしまいました。
プラグイン式で8千円台と値上がり傾向です。
Corsair RMシリーズ
コルセアといえば、メモリーやSSDのブランドで知られている、PCケースや電源など、パソコンの周辺機器メーカーです。
RMxシリーズは、人気のモデルで、10年保証です。
私も、欲しいなと思いつつも、1万円以上して高いので、タイムセールで安い時しか買えません。
- RM650
- RM750
- RM850
の3種類があります。80+はゴールドで、プラグイン式です。
RM650は、Amazonでセールかクーポンで 1万円になっていたら買いです。
安い、CXMシリーズもあります。450〜850Wの5種類で、モジュラー式です。80+はブロンズです。5年保証です。
しかし、Amazonの評価は、今ひとつなので、品質に難ありなのかもしれません。
FSP / Owltech(オウルテック)
ATXの世界的メーカーは台湾製が主流で、
- FSP
- Sea Sonic
が有名です。
日本では、パソコン周辺機器商社のオウルテックが扱っています。
オウルテックは、静音ケースや静音ファンなどで有名になった自作PCのアクセサリー メーカーブランドです。
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オウルテック Owltech FSP HG Hydro G 650W (ATX電源)を買ったのでレビュー
【オウルテック 80PLUS GOLD ATX電源ユニット FSP Hydro G シリーズ 650W】を、Amazonから、12480円(税込送料込)で購入しました。 1万円超えのATX ...
まとめ
自作パソコンのATX電源に関する、用語などをまとめるページです。
アンカーリンクやブログカードで参照するためのものです。
順次、おすすめの電源を更新します。