講演会、会議で使うプロジェクターの映し出されたスクリーンで、レーザーポインターを使います。
このページでは、レーザーポインタを選ぶ時のポイントをまとめました。
レーザーポインターとは?
光学式指示棒のことです。レーザーで光の点を表示するので、棒は付いていません。
今は、パソコンの操作もできる仕組み「パソコン リモコン機能」がついています。ジャイロ型マウスですね。
- PowerPoint(Keynote)などのプレゼンソフトを操作して、次ページを開いたり、
- 液晶プロジェクターで投写しているスクリーンの映像に指示の点を照射したり
できます。
レーザーポインターの主なメーカー
(マウスなど)パソコン周辺機器メーカー以外に、文具・事務器メーカーが扱っています。
- エレコム(パソコン周辺機器)
- キヤノン(光学機器、事務器)
- コクヨ(事務器)
- サンワサプライ(パソコン周辺機器)
- サクラクレパス(文具)
- プラス(事務器)
- ロジクール(パソコン周辺機器)
- 中華のメーカー(数え切れないほどの数)
中華の怪しいメーカーのものは、2千円前後で買えるものがあるので、使い捨て感覚で使えます。
レーザーの色
レーザーの色は、赤、緑、青とあります。
- 赤(レッド)
- 緑(グリーン)
- 青 (ブルー)
赤色レーザー ポインター
赤色レーザーポインターは、30年以上前から使われています。
赤色レーザーポインターがでるまでは、
- 赤や蛍光色の先をした指示棒
- 矢印が投影できる電球式のペンライト
を使っていました。
大学での講義の多くがカラースライドによるものでしたから、赤いレーザーポインタが明るくはっきりと点で見えるので注目を浴びます。医局(講座教室)が競って買いました。
しかし、安価なものでも4万円もするので個人で手軽に買えませんでした。
赤いレーザーポインターの時代は長く続きました。
ここ二十年くらいで、カラースライドからプロジェクターにかわっていきます。
赤いレーザーの弱点
カラースライドや昔のプロジェクターは、部屋を暗くして投写していました。
ここ十年で、プロジェクターの性能が良くなって明るい映像が出せるようになりました。部屋全体を暗くしなくても、スクリーンのある場所だけ照明を消すだけで映像はクッキリと綺麗に映ります。
ところが、明るい部屋での明るい投写映像では、赤いレーザーの輝点が見えにくくなったのです。
我々の医療業界では、症例報告会や検討会のプレゼンで術野(血に染まって赤い)の写真が多く、全体的に赤い写真に、赤のレーザーポインターで指し示しても、ハッキリ見えなくて困っていました。
そこで、血の赤の反対色(補色)である手術着(補色残像対策白衣)と同じ緑色のレーザーを使い始めたのです。
緑色レーザーポインター
緑といっても、黄緑色をしています。
みんなと違うものをドヤ顔で使う、自慢したいヤツがやたら多い医療業界のプレゼンで、グリーンレーザーポインターが流行しました。
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青色レーザーポインター
緑のレーザーを使うヤツが多くなったので、まだ珍しい青色レーザーを使いたがる人がいます。しかし、青は、どんな色彩の画像でも見えにくいです。
青色レーザーは高価なので個人で買った人も見かけないし、学会や発表会でも使っている人がいません。
レーザーポインターの出力は、1mWに制限
日本で正規に売られているレーザーポインターの出力は、1mW(クラス2)に制限されています。そのため、到達距離は、最大で200m程度に限られます。
実用面からいっても、スクリーンから20m以内での照射になるので、出力不足ではありません。
中国製の出力が1mWを超える違法のレーザーポインターが、Amazonなどの通販で買えることがあります。もし、テンパってうっかり観客に向けて照射して観客が失明した場合、過失致傷罪となります。
連続式かパルス式か?
レーザーの発光方法の違いです。パルス式でも、発振周波数が低いものは、(スクリーンに投写している)輝点を動かすと点々と点になって見えます。
最近のパルス式は、人間の視覚効果を利用した周波数で点滅しているので、輝点が点に見えません。
パルス式は、電池の持ちを良くし、明るく光ることができます。
連続式は、レーザー発振管の発熱の問題から連続して照射する時間が限られている上に、電池の持ちが悪くなります。
ポイント
照射ポイントの径
スクリーンに投写したときの、ポインターの●の径が記載されているものが安心できます。
15mの距離で、15〜20mmの円になると見やすいです。
レーザーを使わないポインター
レーザーを使わないポインターを
- ロジクールは、デジタルポインター
- コクヨは、エアビーム
- キヤノンは、カーソル表示
- エア ポインター
- ソフト ポインター
と呼びます。
レーザーは、誤って目に照射されると網膜が損傷します。会場の人々にレーザーの光を向けることがあれば目を傷害する事故になりかねません。
親子連れを対象に予防教育をするためのプレゼン(講話)では、子供の目にレーザーが当たることを恐れてレーザーポインターを使わず、昔ながらの指示棒を使ってきました。
ワイヤレスマウスを使うことで、パソコン画面のマウスポインターをレーザーポインターの代わりに使う方法も、昔からありました。
マウスを台の上で動かすのではなく、ジャイロセンサーで空中を動かすことでもポインターを動かすことができるようになりました。
今は、レーザレスの専用のワイヤレス ポインター(ジャイロ型)が販売されるようになり、主流になっています。私も愛用しています。
利点として
- レーザーポインターをあててもハッキリ見えない 液晶ディスプレイへ、パソコンでの表示ができる
- パソコン画面内の表示になるので、ソフトウエア的に、ポインターの大きさや色を自由に設定できる
- 同じ画面を複数のディスプレイに表示している講義室などで、全画面同じように指し示せる
- マウスのポインタなので、ハイパーリンク(URL指定)テキストをクリックすることができて、パソコンのブラウザの操作と同じ感覚で使える
欠点としては、プレゼンソフトの入ったパソコンに専用のドライバーソフトをインストールしなければならないことくらいです。
パソコンとの連携機能
今のレーザーポインターは、パソコンの操作をする機能が付いています。「レーザーポインター」と言うのは我々の爺婆世代くらいで、今の若い人達は「プレゼンのリモコン」と言います。
- PowerPoint対応
- マウス機能
PowerPoint(パワーポイント、PPT)対応 リモコン
プレゼンテーションのソフトといえば、MicrosoftのPowerPoint(略してPPT)です。
Macには、Keynote(キーノート)が無料で付いています。
今販売されているプレゼンター(プレゼン用のリモコン)は、PowerPointには必ず対応しています。
ページを送る、戻るなどの機能、アクションを一つ進めるなどの機能がボタンに割り当てられています。
マウス機能
ポインター自体がマウスとして使えるものが、増えました。
パソコンのデスクトップ画面をプロジェクターで表示して、そのマウス操作がポインターでできます。
ワイヤレス機能
有線式のポインターやリモコンは、今は使いません。コードなし、つまりワイヤレスのものには、
- Bluetooth
- 独自のワイヤレス規格
の2つがあります。
Bluetoothは、プレゼンをするパソコンとBluetoothで接続して使います。
独自のワイヤレス規格は、専用のUSBドングル(USBに差し込む小さいアダプタ)のレシーバー(受信機)をつけて使います。
その他の機能
電池式か充電式か
レーザーポインター/プレゼンリモコンは、電池式だと、単三電池か、単4電池を数本使います。
バッテリー式だと、USBから充電して使います。
電池式の良い面、悪い面
- 電池は新品と交換することで、長時間使い続けられる
- 単三電池2本以上使う物は重くなるので、使いづらい
- 新品の電池でも3時間くらいしか使えないものもある
バッテリー式の良い面、悪い面
- 電池を内蔵する場所が必要ないので、ポインター自体が小さく軽いものが多い
- レーザーポインターを多用するとバッテリーが2時間持たない
- USBケーブルを忘れてしまうと充電ができない
USB充電は、microBのケーブルで充電するものなので、充電ケーブルをわすれないようにしましょう。
タイマーなどの機能
プレゼンターとして、タイマーなどの時計機能がついたものがあります。
時間超過する演者に、ブチ切れる人も多いと思います。
私は、時間超過にならないようにタイマー付きのポインターを使っています。
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バイブレーター機能
時間がきたことを本体を震わせて教えてくれる機能です。
こういった便利な機能がつくと、価格も1万円以上します。
以上を踏まえて、
おすすめの レーザーポインター
学会での発表、セッション、症例報告会、勉強会で、よく見かけるレーザーポインター・リモコンを紹介します。
グリーンレーザー
キヤノン PR11-GC 1.3万円
キヤノンは、日本の光学機器・事務器メーカーの最大手企業です。
- 515nmのグリーンレーザー、1mW パルス式
- ビーム径 17mm (15mの距離で)
- 単4電池2本 / 35時間
- USBレシーバ(2.4GHz 独自無線)
- リモコン範囲:30m以下
- 本体サイズ:136 × 33 × 26mm
- 本体重さ 65g (単4乾電池2本込み)
- 対応OS Windows 、Mac
- タイマー、バイブレーター機能付き
私は、5千円の電卓付きのX Mark Presenter(緑レーザー)をAmazonで買って使っています。
経費で買うのなら、PR11-GCがおすすめです。
PR1-HYは、グリーンレーザーと画面上のカーソルを使うポインター機能の二刀流タイプです。
Kensington K72426JP 7千円
Kensington(ケンジントン)は、パソコン周辺機器メーカで、トラックボールやマウスなどで有名です。
- 522〜542nmのグリーンレーザー、1mW未満 パルス式
- ビーム径 ?mm
- 単4電池2本 / 4時間
- USBレシーバ(2.4GHz帯 独自無線)
- リモコン範囲:30m以下
- 本体サイズ:115 × 45 × 30mm
- 本体重さ 75g (単4乾電池2本込み)
- 対応OS Windows 、Mac
- タイマーなし
価格も、7千円前後と安くAmazonで買えるので、人気がありました。欠点としては、電池が半日持たないことです。
「プレゼンリモコンの電池を忘れた!」とあわてる演者のために、単4電池と単3電池は何本も用意しています。
私も、キヤノンのX Markが壊れたらコレを買おうとお気に入りに入れていましたが廃番になったようです。
その他のグリーンレーザーポインター 1〜2万円
どれも日本のパソコン周辺機器を扱う会社や、文具メーカの製品です。
無線には技適、レーザーはPSC認証品の正規品であることが重要なので、こういったメーカーのものを紹介しておきます。
レッドレーザー
赤色のレーザーポインターは、Amazonでいろんな種類が売られています。
PSCや技適の認可がない中華のパチモンなら、千円ほどで売られています。
ただし、学会や講演会など公の場で使うプレゼンター、レーザーポインターは、PSC認証品(消費生活用製品安全法に基づく製品である証)なものを使いましょう。
コクヨのもので、8千円くらいします。
レーザーを使わないプレゼンター
ここ数年で、レーザーを使わないで、画面上にマウスポインターを表示して、ポインターのかわりにする「デジタルポインター」が主流になってきています。
一般市民を対象にした予防講座などで話をするとき、子供が多い場合には、レーザーの照射機能がないプレゼンターを手に持つことにしています。
Logicool R1000SL 9千円
当然、これは持っていますよ。
コクヨ PCプレゼンポインター ELA-P1
かつては、レーザポインターとパソコンのマウスカーソルポインターの両方が使える ELA-TP1がありました。
今は、レーザポインターはなく、マウスカーソルのポインター式が事故がないのでおすすめです。
プラス 指示棒 e-bow EB-10
昔ながらの伸縮式の指示棒に、パソコンを操作するリモコン機能がついたものです。
まとめ
誰もが、プレゼンをする時代です。プレゼンに不可欠なポインター(プレゼンリモコン)のレビュー記事を書くにあたって、ポインターってなんぞや?という記事は別にしたかったので、この記事にまとめました。
プレゼンターのレビュー記事からのアンカーリンクする記事として公開します。
まとめ記事のついでに、おすすめのポインターを紹介しておきました。