月一万円以下で遊べる趣味を探求するブログです。

サンデーゲーマーのブログWP

キーボード・マウス

使いやすいマウス「トラックボール」のうんちくと選び方を熱く語ります。

投稿日:2018年5月5日 更新日:

このページでは、トラックボールの過去三十年分のウンチクをまとめました。

  • マウスの操作で肩がこる
  • 手の付け根が痛くなる

と悩んでいる人は、トラックボールを使えば解決します。

以下、トラックボールへのこだわりをつづります。

トラックボールって何?

パソコンの画面の中にある操作をする矢印(ポインター、カーソル)を動かすための道具(ポインティング デバイス)です。特長は、ボールを転がして、画面の中の矢印(ポインター)を動かすことです。

懐かしのターボマウスと最新のワイヤレストラックボール

「ターボマウス4の写真は、物置にある現物を見つけ次第貼る」

ポインティングデバイスの歴史

トラックボールの原型が1950年代にあって、製品も1966年頃にあったと言われています。

1960年代にダグラス・エンゲルバートという人がマウスを発明しました。ボールを転がしてそのX軸とY軸の動きを読み取るという仕組みで、コンピュータ画面の中にある、矢印など(ポインター)を動かそうというものです。

マウスが一般的になったのは、1983年にApple Computer(iPhoneのメーカー Apple Inc.)が、Lisaというパソコンにマウスをつけて売り出したのがきっかけです。ちなみに、Lisaは、みんなが使っているiMacやMacBook Proの原型です。

マウスは、ボールを机の上で転がす。トラックボールは、ボールを手で転がすの違いがあるだけで原理は同じです。

1996年のMacWorld誌の広告

かれこれ三十年ほど前から販売されている Kensingtonのトラックボールの名前も、Turbo Mouse、Expert Mouseです。

トラックボールとマウスの違い

ざっくりと箇条書きにしましょう。

  • トラックボールは、マウスと違って腕は動かさず、指だけで操作する
  • パソコンに、縦横の方向と移動距離、つまりベクトルを入力するという点で同じ
  • どちらも「相対座標の入力デバイス」
  • トラックボールは、マウスと比べて、ポインターの移動量が大きく制限がない

などがあります。

トラックボールの利点、メリットとは?

ポインターを大きく動かす時に、トラックボールの方が圧倒的に有利という点です。

ボールの持つ慣性(かんせい)

慣性

  • 止まっている物は、いつまでも止まったままでいたい
  • 動いている物は、いつまでも動いていたい

という性質のことを慣性という。中学の理科、高校の物理学で習った。

  • 回転のしやすさを、「慣性モーメントが大きい小さい」
  • 重い物が動かしにくい、止まりにくいという性質を、「慣性(質量)が大きい小さい」

と表現する。日常生活でも使える用語なので覚えておこう。

大きめのボールを動かすことのメリットを具体的に説明します。

仕事用机の一つを片付け中w

私は、三十年近く前のMacintosh SE/30や、ⅡCxの頃から、二つ以上のディスプレイをつないで使うマルチ・ディスプレイ環境でパソコンを使っています。これは、2018年GW中の仕事用の机の掃除中の写真です。

たとえば、Windows 10の自作PCのデスクトップは、

たった二枚でも、横幅が半端ない

こんなかんじで、横長になっています。5K iMacにもUHD(4K)のディスプレイをつないで、デュアルディスプレイにすると、横幅が広くなりすぎて困るので、フルHD(1920×1080)のディスプレイを縦長(ピボット)にして使います。

ポインターを右のUHDディスプレイの右端から、左のフルHDのディスプレイへ持ってきて作業をするとしましょう。

ディスプレイが一枚しかない頃はマウスでも良かった

マウスの場合、左のフルHDの画面までポインタをもってくるのに、「左へずらして持ち上げて、右に持ってきて」の動きを何回くりかえさえなければならないでしょうか?

トラックボールなら、広大なデスクトップの右端から左端へのポインターの移動が一瞬でできます。

ボールを指で勢いづけて回す

ボールを右から左へ指で弾いて転がすだけです。ボールの径もそこそこあって重さもあるので、慣性が働き、ボールは指を放してもしばらく回るため、ポインターは動き続けることになります。

昔からのマックユーザにトラックボール愛好者が多い理由

Macintosh Plusを代表とするApple Computerのコンパクトマック(一体型Mac)は、ディスプレイの大きさが9インチのモノクロブラウン管でした。

今でも起動するぞ

私の愛機、Macintosh SE/30 のデスクトップ画面です。漢字トーク 7.1、右上の日本語のアイコンは、「ATOK8 for Macintosh」です。

JeditにATOK8で書いて、誤変換もそのままw

これくらいのサイズ【512 × 342 ピクセル】であれば、純正の(ワンボタン)マウスでなんの不便もなく(今でも)使えます。

ところが、グラフィックカードの性能が良くなって価格も下がり、ディスプレイも大きくなって、2台、3台とディスプレイをつないで、広いデスクトップで使うようになってくると、マウスでのポインターの移動に時間がかかるようになって困りました。

当時、Kensington の TurboMouse が使い勝手が良いとアメリカで評判なのを知って、私も個人輸入して使い始めました。以来三十年、TurboMouse(Expert Mouse )を愛用しています。

設置面積、必要とする机の広さがせまくて済む

大きく動かす時に、マウスも大きく動かすことになります。机の上がマウスだけのためにあれば、自由自在に動かせます。しかし、広いスペースでマウスを使える人は限られています。

トラックボールなら、トラックボールの大きさだけで済みます

「ボールを転がす」という官能的な操作

「タマいじり」なんて表現を男女ともに使う事をはばかる時代ですが、あえて言及しましょう。

昔から、指先の廃用萎縮を防止する(ぼけ防止)ために、「クルミ回し」という健康方法があります。昔の映画で、ギャングのボスがクルミ二個を手で回してカリカリと音を立てているシーンがありましたね。

トラックボールの利点を語る上で、このクルミ回しと同じような効能があることを主張する愛好家は多いです。

マウスと併用しても混同した操作にならない

これは面白いと思います。マウスに持ち替えても、トラックボールに持ち替えても、操作にとまどうことがありません。頭の中で、すぐに切り換わると考えられます。

ボールを指で回すのと、マウスを手でつかんで手首と腕で動かすのとでは、別の動きになるからでしょう。

タブレットやスマホ、トラックパッドの普及が後押し

ここ十年で、スマホやタブレットの画面のタッチパネル、ノートパソコンのトラックパッドという第三の平面型ポインティングデバイスが爆発的な勢いで普及しています。

その影響のためかどうかわかりませんが、人差し指や中指でボールを操作するトラックボールへの違和感を訴える人が少なくなっています。

トラックボールは、このまま衰退していくポインティングデバイスなのか?と危惧するトラックボール愛好家の私も、ここ数年でユーザー層の広がり(裾野の広がり)に手応えを感じています。

トラックボールの欠点、デメリット、問題点

マウスと比べて細かい操作ができない

25年ほど前のパソコン通信時代、NIFTY-ServeやPC-VANの関連フォーラムで、マウス vs トラックボール の宗教戦争を繰り返していた頃には、すでに「トラックボールはマウスほど直感的な操作ができない」という結論が出ていました。

今でも、パソコンの FPS、TPSといったシューティングゲームで、エイム(照準)をするのは、トラックボールよりもマウスの方が良いです。私も実際にプレイしてみて、シューティングゲームのような素早く正確に操作するのは、マウスの方が優れていると思います。

ところが、トラックパッドしか知らない若い世代で、トラックボールを巧みに操り、シューティングゲームでエイム(照準)をビシバシ決めるヤツが出てきたので、この定説も覆りそうです。

S爺
まぁ、航空管制のレーダーや軍事兵器端末のポインティングデバイスって、トラックボールですもんね。慣れれば、何でも良いってことなんでしょう。
マウス → トラックボール 違和感大

マウスをずっと使ってきて、トラックボールに触ると違和感が大きいはずです。

私はどうだったか?忘れました。そこで、肩こりがひどいと訴える人(客もふくめて)、何十人かにトラックボールをすすめて買わせてきた限りでは、みんな口をそろえて「慣れるまで使いにくかった」と違和感を訴えます。

一度慣れてしまえばあとは、楽勝です。決して、マウスが使えなくなるわけじゃありません。我々のようなトラックボールを日頃から使っているユーザは、マウスに持ち替えても何の違和感も感じません。

S爺
日頃はトラックボールを使っているけど、PCゲームでシューティングゲームをプレイするときは、エイム(照準)がしやすいマウスを使います。
トラックボールでは絵が描けない

これも、宗教戦争で指摘され続けたことですが…、一概に決めつけられないんです。結論が出ていません。

トラックボールは、ポインターを移動させる時の軌跡の制御が難しいんです。これは、トラックボールの最悪の欠点、弱点でもあります。

ポインターが移動する軌跡を確実に制御できるのが、(液晶)ペンタブレットという絵を描く専用のポインティングデバイスです。だから、絵を描くということに特化したペンタブレットに比べれば、マウスもトラックボールも劣ります。

ところが、描くモノによっては、ペンタブレットよりも便利なことがあります。

それは、イラストレーターなどのドロー系のソフトやCAD、3D CADなどのソフトです。

高精細で広大なデスクトップ画面をビュンビュンとポインターを飛ばしながら、左手でキーボードのショートカットを多用しつつ、右手でトラボを操り、描き込んでいくという作業をするのに、トラックボールの方が肩こりしないので良いという人も増えてきました。

精密な動きと大胆な動きができることが大切

こういう、ベジェ曲線というドロー系の線を描く作業で、ハンドルをきちんと持ってドラッグするくらいなら、トラックボールでもできます。

トラックボールのドライバーソフトが良くなってきたので、低速の時は微細な動きができて、大きく動かすところは、加速度を付けて大きく動かす なんてことが自分で調整できるようになりました。

まぁ、この辺になってくると、個人の好みに左右されるので、各自試してみて、好きなようにカスタムして使ってください。

価格が高いものが多い

トラックボールって、ピンキリです。

トラックボールの生命線である、

  • ボールを支えつつ、滑らかに動かすローラーや人工ルビーのビーズ
  • ボタンのマイクロスイッチ
  • ボールの動きを検知する光学センサー
  • ドライバーソフト

などのコストがかかる部分が多いので、「安かろう悪かろう」になってしまいます。中にはコスパの良い物があります。

マウスが高くても数千円で買える時代に、トラックボールは、3千円〜1万円しますから、高いです。

トラックボールの種類

パソコンへの接続方法

  • 独自の無線
  • Bluetooth
  • USBの有線接続

の3種類があります。

ボールをころがす指

トラックボールを使う手のタイプ

トラックボールを使う手のタイプ別

  • 人差し指、中指、薬指で操作するタイプ
  • 親指を使うタイプ

の2種類があります。指が不自由な人は、手の平など手足の自分が動かせる部位を使います。

ホイール(スクロールの制御)

  • ホイールなし
  • リング式
  • 親指でホイール操作
  • マウスと同じホイール

などがあります。

パソコンへのつなぎ方の違い / 接続方式

注意ポイント

  • 無線は、2.4GHz帯という混雑する周波数を使うため混信(通信障害)がおきる
  • 混信(通信障害)で、ポインターの動きやスクロールの動きが悪くなる、ぎこちない動きになる
  • 安定した接続動作と電池の心配をしたくないのなら、USBの有線接続のものを使う
  • 無線は、電池(バッテリー)を使うので残量が気になる
独自の無線接続

それぞれのメーカーで、独自の無線で接続します。パソコンに専用のレシーバー(USBドングル)を差し込んで使います。

Logicoolの共通のUnifyingのレシーバ

ロジクールは、Unifyingというロジクールの対応製品であれば、キーボードなども一緒に登録して使えます。

Bluetooth 無線接続

パソコンやスマホなどと無線でつなぐ共通規格です。

USBケーブル 有線接続

USBのケーブルで直接パソコンとつなぎます。2.4GHzの電波を使う無線式とくらべて、電波の混信がないので安定して使えるというメリットがあります

電源は、パソコンからもらうので、電池やバッテリーの減りの心配はいりません。

ただし、ケーブルがあるので、わずらわしいことが欠点です。

ボールをころがす指

人差し指、中指、薬指

トラックボールといえば、この形です。

Kensingtonのトラックボール

ケンジントン(Kensington)のトラックボールは、シンメトリックデザイン(左右対称)なものが多いです。

そもそも、トラックボールは、手指が不自由でマウスがつかめない人にも使える点も評価されてきました。

右手がだめなら、左手で使えるというメリットもありますので、こういった左右どちらの手でも使えるというデザインになっています。

右手で操作する場合、左のボタンは、親指のつけね(母指のMP、第2関節から母指球)、右ボタンは小指の付け根(小指球)でおすこともあります。手のどの部分で押してもクリックできるようにできています。

おすすめ
エレコム トラックボール DEFT PROを買ったのでレビュー

2018年4月20日に発売になった、エレコムの【DEFT PRO(M-DPT1MRXBK)】を買って、さっそく使い始めたのでレポートします。 こんな方におすすめ 右手でマウスを使っているが、右の肩こり ...

おすすめ
Kensington(ケンジントン)のワイヤレス Expert Mouse K72539JPを買って使っているので紹介します。

私はケンジントン(Kensington)のトラックボールを30年愛用しています。 2016年3月に日本での正規販売になった、Expert Mouse K72359JP ワイヤレストラックボールを買って ...

マニア限定
肩こりしないマウス:トラックボール Kensington(ケンジントン)のSlimBlade Trackball 72327JP について熱く語ります。

私は、Kensington(ケンジントン)のトラックボールを30年近く愛用しています。 リストレストとセットで 今回は、キーボードの右(左利きの人は左)に置く トラックボール【SlimBlade Tr ...

右手 親指(母指)

左右の親指でポインティングデバイスを操作するものといえば、ゲームコントローラです。

親指でスティックを操作する

ゲーム機のコントローラーは、左右の親指を使って操作します。スティックというデバイスの形式で、倒してその方向へ、押さえてオンオフなどの操作ができるようになっています。

スティックも自在に操れるのなら、ボールも親指で回したらいいんじゃね? というのが、マウスの親指のところに小さなボールを取り付けたタイプです。

代表的なのが、スイスのLogicool(Logitech)の、M570、M570tです。2017年秋にM570tの後継である、MX Ergoという右手親指で転がすトラックボールが出ました。

M570を買って、とてもガッカリしたので、すぐに友人に譲りました。今持っているのは、2017年暮れに買った MX Ergo だけです。

右手しか売られていない

右手専用です。左手用は売られていません。日本のエレコムの親指のトラックボールで左手用(M-XT4DRBK)があるくらいです。

親指でボールを回す形式は、トラックボールとしては異端児的存在で、親指を酷使するゲーマー的にもダメです。

ニワカマカーが喜んでブログで自慢しているw

この親指タイプのトラックボールを絶賛して、すすめるヤツがいたとしたら、嘘つきのアフィリカスの可能性があります。

人気記事!
アフィリカスの意味、まとめ【アフィカス ブロガー 認定 NGワード集】

2015年あたりからブログを始めた連中のほとんどが金儲けを目的としています。 その結果、金儲け最優先のブロガーのデタラメやパクリ記事が検索エンジンの上位を占めるようになって、正しい情報元(金もうけでは ...

これのダメなところは、レビュー記事で書きました。そちらを参考にしてください。

物好き向け
ロジクール MX Ergo ワイヤレス トラックボール【MXTB1s】を買って、使ってみて、レビュー

「Logicool」から、2台のパソコンを自由に行きできるMXシリーズに、親指で操作するトラックボールのMX Ergo Wireless Trackball が出たので買って使っています。しかし、親指 ...

親指でボールを転がすトラックボールのおすすめは?

サンワサプライや中華の怪しいブランドで売られている、両手のどちらからでも使える、ハンディタイプのトラックボールならいいでしょう。

テレビやディスプレイのHDMI端子に挿して使うスティック型PCで使うワイヤレスのトラックボールとして、ハンディタイプのトラックボールは便利です。

ブログカード ゴロゴロ寝ながら使えるトラックボール

ごろ寝しながら、PCが使えるとか、そんなキャッチフレーズ売られています。

中には、ゲームコントローラのスティックそのものが付いたタイプもあります。あくまでも、娯楽用のものばかりなので、バリバリとパソコンで仕事をしよう なんて考えている人には、力不足だと思います。

ホイールの位置

Macintoshについていたマウスは、ジョブズのこだわりで、ボタンは一つしか付いていませんでした。

こんなのでも5千円とかしたし

ビルゲイツは、Macintoshを真似て、Windows を開発します。Microsoftのマウスは、ボタンが二つありました。

マウスのホイール

ページを上下にうごかす やつね

しばらくして、スクロールをするためのホイールというものを左右のボタンの間に入れます。

この頃から、Windowsが一気に普及しました。トラックボールも最初は、ホイールに相当するものはありませんでした。

しかし、インターネット全盛期にはいり、ブラウザーでの操作で、スクロールを担当するホイールの存在が不可欠になります。トラックボールにも取り入れられました。

リング式

Kensingtonのホイールに対する答えとして、ボールの周りにリング状のホイールをつけました。

傑作のスクロールリング

これで、ExpertMouse は大ヒットします。ただ、機械的故障も相次ぎ、それを改良したつもりだったのが、

コツがいる

SlimBlade Trackballです。これは、二つの光学センサーをもち、一つをスクロールリングを検知するために割り当てられています。上手に垂直軸での回転をボールに与えないとスクロールしないので使い手を選びます。使いこなせることが自慢できます。

ホイール

M570からのデザインは周到

普通に、マウスと同じように、左右のボタンの間に、チルトホイール(スティックのように上下と左右のスクロールができる)がついているタイプが多いです。

DEFTPROのチルトホイール

DEFTPROのチルトホイール

2018年4月発売のエレコムのDEFT PROです。DEFTは、人差し指や中指でボールを操作しつつ、ホイールは、右手親指で操作します。

トラックボールの構造

昔のマウスは、ボールが中に入っていて、それをローラについたセンサー(エンコーダ)でX軸とY軸のデータを読み取っていました。それを、そのままひっくり返した構造がトラックボールです。

構造で主要な部分は、

  • ボールの支持構造
  • ボールの動きを検知するセンサー
  • ボタンのスイッチ
  • スクロールのホイール

の4つになります。

ボールの支持構造

ビーズ(小球)による3点支持

現在のトラックボールのほとんどが、耐摩耗性にすぐれた材質でできたビーズで支えるようになっています。

エレコム DEFT PROの人工ルビーのビーズと光学センサー部

小さい球体(ビーズ状)をボールがはまる半球状の凹み(カップ)に3点配置して固定してあります。

ボールは、この小さなビーズに点で接触して支持されます。

「三点支持」というのは、三次元立体構造物を安定して固定するのに、もっとも少ない調整でできるという利点があります。我々の業界でも、バランスを調整する方法論として教科書にでてきます。(って、自分らで書いたからw)

点接触と静止摩擦力

接触した二つの物の間には、摩擦力が働いています。静止摩擦力と動摩擦力については、高校の理科/物理学で習いましたよね?。

静止摩擦力は、二つの物が摩擦力で止まっている状態に力をかけて動き出すまでの抵抗する力で、動き始める時が最大の力になります。これを、「最大静止摩擦力」と言います。

動摩擦力は、二つのものが摩擦力が働きつつ動いている状態の時の力で、一定の力がかかるものです。

静止摩擦力が大きく、動摩擦力は小さいことから、動き出す瞬間まで力が必要で、動き始めると力が小さくて済むので、ガクッと動きが変化するという摺動(しゅうどう)特性があります。

支持するビーズとボールは、点という非常に小さな面積で接しています。この接触面積が大きくなればなるほど、この点にかかる力(ボールの重さ)が大きくなればなるほど摩擦が大きくなるという摺動特性で、ボールの動きに悪い影響を与えるようになります。

摺動(しゅうどう)とは、滑らせながら動かすこと。

とくに、最大静止摩擦力はボールの動き始めに大きく影響します。最大静止摩擦力が大きすぎると、指で動かそうとしても滑らかにボールが動きはじめません。そのために、細かくボールを動かして精密な動きをすることが難しくなります。

最大静止摩擦(抵抗)力と動摩擦(抵抗)力の差が、ボールをギクシャクとした動きの元凶なのです。だから、最大静止抵抗が大きくならぬように、点でささえる支持部は摩滅しない素材でなくてはなりません。

低摩擦摺動のカギは、人工ルビーの小球支持

現在売られている1万円前後のトラックボールは、人工ルビーが使われています。酸化アルミニウムの結晶なので、サファイアや単に酸化アルミニウム結晶の白いビーズも同じものです。モース硬度でもダイヤモンドの次に硬い物質です。

対するボールは樹脂ですから、酸化アルミニウムのビーズが摩耗することはないです。(ダイヤモンドペーストという研磨剤をボールに付けない限り)

S爺
今は、安くなってきた人工ルビーが使われるものが増えました。人工ルビーが高いというイメージを持っている人が多いので、値段を高く設定できるというメーカーの都合もあるようです。
ベアリング軸のローラーによる支持

ベアリング軸のローラーで支える

昔は、ベアリング軸のローラーでボールを支えるタイプが人気でした。Kensington の TurboMouse(ターボマウス)が代表的なもので、私も永年愛用してきました。

最近主流になった人工ルビー(サファイア)などのビーズ(小球)によるボールの支持は、ボールが点で接触するため動摩擦(抵抗)力が働くためボールの回転のブレーキが大きいんで(摺動特性をしていま)す。だから、ボールが回り続けるということはありません。

それに対して、ベアリング軸のローラーで支えるトラックボールは、ローラーなので最大静止摩擦抵抗がありませんから、ボールの動かし始めに力がいらないのです。しかも、ボールに勢いよく回るようにはじくとボールがしばらく回転したまま止まりません。

S爺
最新のトラックボールが発売される度に、支持のビーズを外して、代わりにベアリング軸のローラー式に改造するマニアが多い理由は、いつまでも回転し続ける滑らかさを得られるからです。

大きく重いボールでも、その回転の滑らかさが落ちません。当時のターボマウスのボール(57.1mm径)は、ビリヤードの玉そのものでしたから、みんな、好みのビリヤードの玉と交換して使っていました。

ベアリング軸のローラーは問題が多すぎ

ベアリング軸のローラーでボールを支えるトラックボールが廃れた理由は、

  • 100ドル以上で、マウスの2〜3倍の価格
  • とにかく、あちこちが壊れる
  • とりわけ、ボールの動きを検知するロータリーエンコーダーがすぐに壊れる
  • ローラーに刻みを入れた光学式センサー式になってからも、綿ゴミが詰まりやすくて掃除がたいへん
  • ベアリングが劣化するとローラーの転がる音が大きくて耳障り
  • マウスドライバーが、最新OSに追従できない

といったかんじでした。

ターボマウスは、自分で修理したり改造したりできるユーザしか長く使いこなすことができませんでした。

S爺
だからこそ、自らのスキルの高さを誇示できる、修理や改造ネタとして、ホームページで趣味のパソコン弄りを日記にしていた我々の間では鉄板のネタ・アイテムだったのです。

ボールの動き(モーション)を検出するセンサー

ロータリーエンコーダー式

回転運動をデジタル信号に変換するセンサーをロータリーエンコーダーと言います。直線的な動きをデジタル信号に変換するのをリニアエンコーダーと言います。昔からあるセンサーの一つで、いまでも、ロボットなど機械制御には欠かせないセンサーです。

昔のトラックボールは、このロータリーエンコーダを使っていました。

ロータリーエンコーダの基本構造として、回転する円盤にスリット(隙間)が刻まれていて、その円盤を挟む形で、発光素子と受光素子が向き合い、スリットから漏れる光を電気信号におきかえるという仕組みです。

ロタリーエンコーダにボールの回転を伝える仕組みで、

  • シャフト直結
  • ベルトドライブ
  • ベアリングローラー内蔵

などがありました。この問題点と修理については、もう時代遅れなので省きます。黒歴史です。

光学式センサー(エンコーダー)式

ボールを直接、発光素子で照らして、その反射してきた光を受光素子で受け、電気信号に変換するセンサーを付けたものです。

今の光学式マウスの裏側に付いている光学センサーと同じもので、安価でドライバーソフトの開発も簡単ですので、諸々のトラックボールが抱えていた問題を解決しています。

ただし、ボールは、光学センサーで動きを読み取れる模様でなければならないので、勝手に自分で交換することができません。

光学センサーが一つだけ → 盲点ができる

脊椎動物の目には、眼球と視神経の接続している中央に、光受容体(ひかりじゅようたい)がないところがあります。これを発見した人の名前をつけて、マリオット盲点といいます。

ボールの細かい模様を光学センサー一個で読み取るという仕組みには、盲点が存在することになります。つまり、光学センサーが測定している点を軸にした回転をボールがする場合です。

これについても、当時から、あれこれ議論がありましたけど、実用面でほとんど支障がないというか、誰もそんなことを気にして使っている人はいません。

トラックボールの選び方

トラックボールの主なメーカー

  • Kensington(ケンジントン)
  • Logicool(ロジクール)
  • エレコム
  • サンワサプライ

などがあります。特に、Kensington を紹介しないヤツは、選択肢の自由を奪うアフィリカスです。

おすすめのトラックボール

ケンジントンのトラックボールの高いヤツは、Expert Mouse Wireless Trackball、SlimBlade Trackballのどちらでも、いいです。

他に、アメリカのCSTというトラックボールは、未だに57.1mmのボールで、ベアリングローラー式なものがあります。これも購入でき次第レポを書く予定です。

エレコムのDEFTも4千円ほどなので、とくにこだわりがなければいいでしょう。

S爺
ボールを親指で動かすMX ErgoやM570tは、右利きの人で、古いパソコンを使っている人限定です。UHD(4K)のディスプレイなどを複数枚つないで使う人には、まったくもっておすすめできません。

トラックボールのドライバーの混在について

メーカーの違うトラックボールを複数使う場合、それぞれのドライバーソフトをインストールすると正常に動作しなくなります。

同じメーカーのトラックボールでも、2つ以上の使用ができないものもあります。

ドライバーを使わず、ただのUSBのポインティングデバイスとして使う場合は、メーカー違いの複数台が混在しても問題はおきません。ただし、ジェスチャーなどショートカットの割り当てができません。

まとめ

このページでは、トラックボールにかんするウンチクを私の覚え書き的にまとめたものです。

ここ、数年でトラックボールの存在を知り、その有用性を情報弱者にアピールするニワカな連中が、目立つようになってきたのが不愉快なので、私も書きました。

トラックボールやマウス、ポインティングデバイスのレビュー記事から参照するようにして活用します。

改造ネタは、また暇になったら書くかもしれません。









  • この記事を書いた人

S爺

週末にゲームに興じるジジイです。一ヶ月1万円で遊べる趣味を探求しています。

-キーボード・マウス
-, , ,

Copyright© サンデーゲーマーのブログWP , 2018 All Rights Reserved.