プレゼンしていますか? 私も、しかたなくやっています。
プレゼンというのは、プレゼンテーション・発表会のことです。
- 自院での安全管理のミーティング
- 児童や一般市民への健康講話
- 学会、地方学会、研究会、スタディグループ
- 所属する任意団体の各種会議
- 町内会の総会
- PTA会議
などの複数の人に、口頭だけでは伝えられない内容を伝えたい時、プロジェクターにパソコンをつないで資料を表示して話をします。
今回は、そんなプレゼンテーションをするやり方をまとめました。
準備 資料作り
発表内容の資料作りで、注意するポイントです。
最初に話す内容の全容を一行にまとめる
プレゼンで話す内容を一言でまとめて、概要としての一文を作成します。
読点「、」でつないだ長い文章は、聞いている人の頭の中に入っていきません。
主語述語の簡潔な文章を並べて、一行で表現します。
ゆっくりと大きな声で読み上げて、5秒以内におさまることを確認してください。
発表の冒頭で 二、三回繰り返して語りかけることで、「これから何を話をするのか?」という導入をします。
分かっていることと、わかっていないことを簡潔にまとめる
- 情報の収集
- 情報の整理と分析
- 文書化、図解
- 以上を繰り返しながらの考察
現時点で明らかになっている情報から、分かること、推測できること、仮説などをまとめます。
資料や分析データから得られた情報から、分からないこと、足りないことなどをまとめます。
仮説も検証できるのであれば、してみます。その結果なども用意します。
分析するようなデータがあれば、統計学的に問題のない手法で分析されたかどうかについても、まとめておきます。
話の信憑性と説得力に直結することなので 疑念をもたれないように、本当の事を正直にまとめます。
真実には、矛盾がありませんから。
まだ誰にも知られたくない 秘密裏にすすめたい今後の展開などがあれば、「今は話せない」として濁すか、「気がついていない」振りをして触れないようにします。
スライド資料の作成
PowerPoint や Keynote を使って資料を作成します。
図説のパターンは、
- 相対 / 比較
- 列挙 / リスト
- 組織・構造図 / ツリー図
- 系列 / フローチャート
- 分布 / グラフ / プロット
- ベン図、ピラミッド
プレゼンソフトに、これらの基本型が入っているので流用します。
しゃべる時間1分あたりで2枚程度の内容になるようにスライドを作成します。
つい 熱く語ってしまう人は、むだな情報をそぎ落として 文章を短くし、解説する図表もシンプルになるように心がけて描きます。
講話の場合
一般市民や患者などへの話は、
- 専門用語をわかりやすい言葉に言い換え
- 漢字が読めないので、ふりがなをふる
などの配慮をして資料を作ります。日頃から、ムンテラ(病状・治療説明)で心がけていることと同じです。
特に、解剖学的表現が、一般人(患者)には、まったく通じません。
言い換え:部位 → 場所 など。
「いらすとや」などからフリーの素材を使ってキャッチーなものに仕上げます。
患者の扱い
一般市民 / 患者は、
- こちらの言うことを聞いていない
- 理解していない
- 都合良く勝手に解釈している
- 都合の悪いことは忘れている
ことが、ほとんどなのです。
今は、臨床倫理学、医療経営学の講義で習うことですが…
「あの先生の話が分かりやすくて、おもしろくて、優しそう」と感じてくれれば、新患で来てくれます。ステマ(嘘)だらけのネット上ではない、リアルの口コミは威力があります。
新患の勧誘 / 自費治療への営業にも直結することなので、その辺は器用にこなしてください。
話の展開
話のパターンは、
- リスト / 列挙
- フロー / 順序、系列
- アカデミック / 総論各論、講義型
- Q&A / 質疑応答
- ストーリー / 起承転結
などがあります。
報道文を書く基本原則「5W1H」のうち、
- WHY(なぜ)
- What(なに)
- How(どうやって)
の3点を意識して話の展開を作ります。
一般市民への講話
一般人が好む話題をそのまま列挙する話のパターンか、テーマを絞って「起承転結」の物語風に仕上げます。
サクラ(司会)とのかけ合い、質疑応答の話の展開を作ることもあるでしょう。
研究発表
目的と背景の説明、仮説、準備、実験手法、実験・検証結果、考察 の順ですね。標準的なフロー型です。
症例発表では、患者の背景と症状、処置や治療経過、予後、考察 の順です。
講義
学生への講義は、総論→各論という教科書や実習書と同じ手順で行います。
グローバルな視点(俯瞰的に)全体を説明しつつ、ローカルな個別の細かいウンチクを語ります。
実習や手術においては、①大まかな手順の解説と、②実際に手を動かして起こる様々な点を細かく解説します。
ライブ動画を実際にみせながら 解説というパターンが増えました。
重複がないかを確認しましょう。重要なこと訴えたいことは、その場で繰り返します。
練習
スライドができたら、プロジェクターを使って壁に映して、レーザーポインターを手に持って話をしてみます。
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プレゼンの予行演習をビデオ(スマホのビデオ機能)で撮影しましょう。
録画した自分のしゃべりを見れば、客観的に何をどう直したらいいのか?一目瞭然です。
スライドの修正をしつつ、「このスライドで何の話をするのか?」一つ一つ決めておきます。
レーザーポインターで指し示してみます。
自分の言いたいことがスライドの図や写真、表できちんと説明できるのか? わかると思います。
ダメなら 修正します。
発表
発表は、事前の練習さえしておけば、緊張しても、さほど問題なくできるでしょう。
心がけることは、小さな声や早口にならない、怒鳴らないようにすることです。
ついつい調子に乗って余計なことを語り始めると、私は止まらなくなるので…。
手にもっているリモコン・プレゼンターは、タイマーや時計が付いているモノがあります。それらを活用しましょう。
バブルの頃、高い腕時計を見せつける連中が多かったため、「(Apple WATCHなど)腕時計をみる」仕草は”品がない”人に見えます。
質疑応答
内容にもよりますが、みんなの興味がない話題は 誰も手を上げて質問してくれません。
座長が、
- 予め用意した質問を仕込みのセンセにさせるように当てる
- 座長自らが質問してくれる
の2点で、儀礼的な質疑応答になることが多いです。
みんなが、身を乗り出して聞くような トピックであれば、座長も困るほどの挙手になります。
質疑応答は 録音しておきましょう。
質問者の発言を紙にメモをとって、整理します。何を質問者がききたいのか? をまとめます。
まとめる項目は、主に3つ
- 発表した内容とは関係のないこと
- 質問者の自慢話
- 発表内容に関連する希望すること
など。
的外れの質問ばかりなのは、以下の2つの問題があります。
- 話の内容が聴衆に伝わっていない
- 発表の内容に感化されて興奮状態になり、なにか熱く語りたかった
質問者のトーク・スキルが低いことも多く、複数の質問を、だらだらとしゃべることも多いので、質問者の言いたいことを箇条書きにしてまとめておきます。
座長より、質問の返答を促されたら、
- 質問者の質問内容を一つ一つ、復唱して確認する
- 質問者が「その通り」と頷いたら、それぞれの質問に答える
- 答えられない場合は、正直に「わからないので、今後の検討課題にさせてもらいます」
と、無難に受け答えします。
予め想定された質問に対するスライドを用意している場合は、「良い質問ですね」というかんじで、どやりながら、そのスライドを表示して解説します。
勉強不足や誤認により、自分の発表すべてを完全否定され論破されることもあります。
素直に負けを認め謝罪と撤回をし、その後の対応策をねるという逃げもしておきましょう。
こういった質疑応答など、他人からの屈託のない意見が錯綜するところは、録画か録音をしておいて 後日テキストに落としておきます。(AI議事録サービスで)
その中に、問題解決の糸口が潜んでいることが多々ありますから。
それが、ブレイクスルー並の大発見につながるとしたら? と考えると、何事もおろそかにできませんよ。
チームで研究開発をしている人なら、この程度のことは習慣化しているはずです。
プレゼンが威力を発揮する例
学校の理不尽な校則を撤廃する
PTA会議にて、出席した校長に向けて意味もない校則について、具体的に問題点を指摘して 撤廃や改良することを提案します。
学校側は、単に校則の変更にともなう諸々の調整が面倒なだけで、「いままで、それでやってきたから」と言い訳をしますが、こちらで段取り、道筋をとおしてやれば 誰も反対しません。
保護者会議用の資料のPPFを提供し、教育委員会や教育長への口利きなど、市議会、県議会議員からの圧力と合わせれば 意味のない公立の校則程度のものは改変できます。
まとめ
複数の相手に対して、交渉ごとを持ち込む、売り込むとき、派手なプレゼンした者勝ちの世の中になってきました。
ノートパソコンで解説資料を作り、プロジェクターをサクッと設置して話を始めましょう。説得の威力が違います。
人間は、単に「知りたい」動物です。何事もこちらに都合の良い情報を知ってもらって、それを信じてもらえば、こちらの思い通りのコントロールが可能になります。
これを「扇動」、「洗脳」、「催眠」、「マインドコントロール」などと呼びますが、出所はどれも同じです。「宗教」が最たるものです。
活用しましょう。
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