これは、SONY(ソニー)の災害時に役立つラジオ【ICF-B300】だ。
「乾電池がなくてもラジオが聞ける」ように 手回し発電機と太陽電池が付いている。
手回しで内蔵バッテリーに充電して、iPhoneに充電、LEDライトもつく。
ただし、スマホを充電中はラジオを聞くことはできない。
2015年12月に買った ICF-B99の後継モデル ICF-B300が発売されたので買った。
結論から先に言うと…
ICF-B300は、ICF-B99を調達しやすい部品に変更して価格が7割も高くなった
こんな方におすすめ
- 防災ラジオの良いものを探している
- 手回し発電でスマホに充電したい
- 太陽電池で充電できるラジオが欲しい
- 購入品:SONY ICF-B300 ポータブルラジオ
- 購入時期:2022年8月27日
- 購入価格:14,200円(定価 16,500円 会員割引)
- 購入店:SONYストア
災害対策 ポータブルラジオ SONY ICF-B300 の長期使用レポート
ICF-B300って何が違うの?
SONYは、コンセントにつなぐ すえ置き真空管ラジオしかなかった時代に 乾電池の携帯トランジスタラジオをアメリカに輸出して大もうけしたのが始まり。
当時、大ヒットした短波ラジオが、SONYのICF-5000系 スカイセンサーやパナ(松下)のクーガー RF-800系です。
私も、ラジカセバージョンのCF-5950をオヤジに月賦で買ってもらいました。
NHK基礎英語の録音にかかせないものでした。
SONYの災害用ラジオは、「乾電池がなくてもラジオが聞ける」手回し発電機のついたICF-B200が1997年に発売された。
私もICF-B200を1997年に買って災害避難袋にしまうことなく、ふだん使いのラジオとして長く愛用していた。
その後、手回し発電機のついたSONYのラジオはいろんな種類がでている。
2015年11月に、手回し発電機にソーラー発電がついて、ラジオ、LEDライト、スマホが充電できる3つの機能「1台3役のラジオ ICF-B99」が発売。Amazonで 8,300円で買った。
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SONY ソーラー&手回しハンドル付きの充電ラジオ ICF-B99を買ったのでレビューする。【防災ラジオ】 : Sunday Gamerのブログ
2015年11月にSONYの非常用ラジオの最新モデルとしてICF-B99が発売された。さっそくICF-B99を9千円で買ったので、レビューする。(2022年9月6日 修正と更新) いままで、SON ...
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あれから 7年経過し、ICF-B99の後継機 ICF-B300は、どう進化したのか? 26年間、SONYの防災ラジオを愛用している私としては興味津々。
災害の時に便利なラジオについては、こちら↓で解説しているので興味のある人はどうぞ。
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防災ラジオのおすすめ を紹介。台風、地震、長い停電でも使える携帯ラジオの紹介。
ラジオ 持っていますか? 今は、スマホでラジオをきくこともできるので、ラジオを持っていない人が多くなりました。 日本全国各地で、台風や地震による災害が起きています。災害や事故が原因で、何日も続く大規模 ...
SONY ICF-B300の良い点と悪い点
値段が高い以外、不満はない。
ラジオの音は、シャカシャカ系。3.6cm径のスピーカなので こんなもんだ。
ICF-B300のメリット Pros
- 乾電池がなくても、手回し発電と太陽光発電で内蔵バッテリーを充電して使える
- ラジオ、LEDライト、スマホの充電ができる
- ラジオの選局めもりが、等間隔になって合わせやすくなった
ICF-B300のデメリット Cons
- 値段が高い!定価 16,500円
さすがに定価では売れないので、値引き率が高くなっているw
SONY ICF-B300と 旧モデル ICF-B99のスペックの違い
ICF-B99とICF-B99との違いを、表に簡単にまとめた。
機種 | ICF-B300 | ICF-B99 | |
発売日 | 2022年8月 | 2015年11月 | |
価格(2022年8月) | 16500円 | 9900円 | |
ラジオ性能 | |||
受信バンド | FMワイド | ○ | |
AM | ○ | ||
受信周波数 | FM | 76MHz〜108MHz | |
AM | 530〜1710kHz | ||
チューニング | 電子式 PLL? | バリコン式 | |
電池持続時間 アルカリ電池 | LEDライト点灯 | 50時間 | 50時間 |
FM受信時 スピーカー | 77時間 | 80時間 | |
AM受信 スピーカー | 90時間 | 100時間 | |
スピーカー出力 | スピーカー径 | 3.6cm | |
スピーカー出力 | 60mW 内蔵電池、90mW アルカリ電池 | ||
入出力端子 | イヤホン端子 音声 | ミニ 3.5mm径 | |
USB-A 充電出力 | ○ | ||
内蔵充電池への充電端子 | microB USB | microB USB | |
基本仕様 | 大きさ | 13.2×8.0×5.8cm | 13.2×7.9×5.8cm |
重さ(電池なし) | 395g(350g) | 385g(349g) | |
電源 | 内蔵充電池 / アルカリ乾電池 単3×2本 | ||
付属品 | キャリングポーチ | ○ | |
充電ケーブル | USB-C、microB | microB USB | |
携帯電話プラグアダプタ | なし | あり | |
非常用笛 | ○ | ||
ハンドストラップ | ○ |
どちらも中国製造。
防塵防水仕様は IPX4相当とICF-B99と同じだ。なので、水に浸かれば 水没故障する。
表からわかることは、以下の3点
- 定価が7割高くなった
- 番組の選択ダイヤル(チューニング)が、アナログのバリコンから、電子式になった
- 電池の持ちが少し悪くなった
入手が困難になってきた バリコン(電波を合わせる同調回路に不可欠な部品)の代わりに、デジタルチューニングに回路変更がされた。
ICF-B99のバリコン式は、放送局の周波数が高くなるほど めもりの幅がせまくなって、ダイヤルで合わせるのが難しい。
ICF-B300は、チューニングが電子式になって 周波数のめもりが等間隔になったので、ダイヤルで合わせるのが楽になった。
この違いは大きい。
高い周波数の地元民放AM局の周波数に合わせるのが簡単だ。同調のランプが点灯する位置にスッと合わせられる。
NHKや大阪、東京のキー局は、低い周波数の電波を使っていて合わせやすく、地元の民放ラジオ局は 高い周波数で合わせにくかった。
同調回路のデジタル化は、消費電力が増える欠点がある。
結果、ICF-B300でも同じ電池での使用可能時間が、すこし減っている。
ICF-B300 を写真で紹介
SONY ICF-B300の同梱物は、
- ICF-B300 本体
- microB USBケーブル:0.6m
- USB-C USBケーブル:0.6m
- ハンドストラップ
- 非常用の笛(約 2.3kHz)
- キャリングポーチ(収納きんちゃく)
- 取扱説明書/仕様書・保証書
- 内蔵電池の注意事項/防災カード
ICF-B300 正面観
デザインは、ICF-B99と同じ。同調めもりの数字が等間隔になっているのが違うだけ。
塗装の色合いが薄めになって、台部の黒い部分とツートンカラーがはっきりした程度の差。
ICF-B300の大きさは、13.2 × 8 × 5.8cmで、重さは 電池なしで346g、電池込みだと370g弱になる。
ポケットにいれるのには、大きく重い。
小さすぎると、手回し発電が難しくなってくる。
選局つまみ
つまみ(ダイヤル)のまわしやすさは、さすがSONYだけあって、良い。
暗闇の手探りでも、ダイヤル操作を間違えない配置。
FM/AM/切 の電源スイッチ
スイッチは、周波数バンドの切替と兼用である。
音質が良くて AM局のFM補完放送があるので、FMの方をよく聞くようになった。
スマホへの充電は、あらかじめUSBケーブルでスマホにつないでから、AMかFMのラジオの電源ONからOFF(携帯充電)にすると、スマホの充電が始まる。
音量つまみ
音量つまみは、選局つまみ(ダイヤル)と、手探りでもわかるように、すこし半分くらいの大きさになっている。
手回し発電ハンドル
手回し充電ハンドルも、B99と同じ。
ハンドルを長くすれば 軽く回しやすくなるが、ラジオの筐体が大きくなる。
折りたためて、回しやすさを考慮したら、この形がベストなんだろう。
手回し 充電ランプ
ハンドルを毎秒2回転以上で回すと、手回し充電ランプが、オレンジ色に点灯する。
このランプが点灯している時は、内蔵バッテリーに充電ができている。
ランプが消えない回転速度で、手回しをする。
同調ランプ
放送局の周波数を選んで、電波が1番強くなるところで赤く点灯する。
放送局の周波数をデジタル表示するのではなく、アナログめもりでは、この同調ランプがあると助かる。
ICF-B300 背面観
LEDライト と LEDライト スイッチ
ライトの下にレバーがスイッチになっている。手探りでもライトがつけられるようにできている。
LEDライトはつくが、ラジオの選局めもりのバックライトはない。
LEDライトの光を反射させて、めもりを読めということだろう。
白色LEDの小さいのが1つだけなので、明るく周りを照らすことはできない。
横からライトを照らして、ラジオの避難情報をメモに書き留めることはできる。
イヤホン端子、USB給電、充電端子 カバー付き
シリコンカバーをはがすと…
端子は、3つ。
- イヤホン端子
- スマホ充電用USB-A端子
- 内蔵バッテリー充電用 microB 端子
B99とまったく同じ。変更はない。
電源切替スイッチ(内蔵充電池/単三形電池)
内蔵と単3形電池2本 のどちらを使うか?の切替スイッチ。
ICF-B99の内蔵充電池は、2.4V ニッケル水素(Ni-MH)充電池(コードレス電話機用、単4形の1.2V電池を2本パックにした 700mAhのやつ)だった。ICF-B300も同じだろう。
ICF-B300を捨てる時には、説明書にかかれているように分解して、中のバッテリーパックを外して分けて捨てる。→ 内蔵バッテリーが劣化したら交換可能だ。
単3形電池 収納 ふた、ロック機構
電池は、単3形電池が2本入る。
ふたのフチには、シリコンゴムがついている防水仕様だ。
ふたも勝手に開かないように、ロック機構が付いている。
電池は、同じ種類を2本いれるのなら、何でも良い。
- アルカリ電池:コスパは良いが 液漏れする
- マンガン電池:電気量はすくないが液漏れがない
- 1.2Vのニッケル水素充電池:充電器で充電して繰り返し使える
- 1.8Vのニッケル水素電池:10年の長期保存性と軽さ、氷点下でも使える
ICF-B300の単3形電池で注意する点
- 単3形充電池2本をいれても、ソーラーや手回し発電、microBからの充電はできない
- 単3形乾電池2本 から 内蔵充電池(2.4Vのバッテリーパック)への充電はできない
- 内蔵充電池、単3形電池2本のどちらからもスマホへの充電はできる
ロッドアンテナ
ロッドアンテナ(伸び縮みするアンテナ)は、普段は短くして 本体に収めておく。
長さは、6節、12〜28cmの範囲に調整できる。
FM放送を受信するときに、ロッドアンテナを使う。
AM(中波)放送は、内蔵のフェライトコアバーアンテナを使うので、このロッドアンテナはしまっておく。
アンテナには指向性(感度の良し悪しの向き)があるので、ラジオの向きやアンテナの傾きを調整して、よく聞こえる位置にしよう。
太陽光発電、ソーラーパネル
ICF-B300の上部は、太陽電池がついていて、直射日光を当てると発電して内蔵充電池に充電することができる。
太陽電池での充電の注意すべき点は、
- 紫外線(UV)カットのガラス(高級車のフロントガラス)やフィルムを貼ったガラスごしの太陽光では充電できない
- 太陽光に対して垂直に(投影面積が最大に)なるように置く
- 太陽電池パネルの一部に影がさすと発電できない
- 高温になる車内に置かない、真夏の直射日光に当てない
- 室内のLEDや蛍光灯では充電できない
- 発電量はごくわずかなので、スマホを充電するほどの電力は発電できない
- 被災地では、太陽光発電中に盗まれるので、手元に置いておこう
ICF-B300の太陽光発電は、どれくらい持つ?
仕様書には、1時間の太陽光発電で、FMは30分、AMは50分弱、LEDライトは10分の発電量と書かれている。
実際に試したところ、(条件の悪い)冬の晴天 1時間の太陽光充電で、FMラジオが15分聞ける。
曇りでは ほとんど充電できない。
ICF-B300 底面
底面は、突起があるだけで ゴムの滑り止めではない。
固い平らなところに置くと滑るので、注意されたし。
ストラップの取り付け部がある。
USBケーブル microBとUSB-C
内蔵充電池用のmicroB USBケーブル 0.6m とは別に、USB-Cケーブル 0.6mが付いた。
どちらも、データ線がある USB2.0のケーブルなので、他のUSBケーブルと混じっても大丈夫だ。
ケーブルタグが付いているのも ありがたい。付属のポーチのポケットにいれておこう。
ガラ携用充電アダプタの代わりだ。
ハンドストラップ
ストラップを忘れないように取りつけよう。
避難袋に入れるのであれば、緊急用笛もつけておこう。
手回し発電をする時、すっぽぬけて ラジオを投げて壊さないように、ストラップを手首にかける。
緊急用の笛
最初の災害ポータブルラジオ ICF-B200には、ピヨピヨ ブザーがついていた。
その後、ラジオにはブザーがなくなった。代わりに笛がつくようになった。
ド派手なオレンジ色で目に付きやすくなっている。
軽く吹くだけで、2.3kHz前後の高い音が鳴る。
救助する人が来たとき、声を出す力がなくても、このピーっと甲高い笛の音なら出せる。
キャリングポーチ(きんちゃく)
SONYのロゴの入ったキャリングポーチがついてくる。黒い起毛の柔らかい生地だ。防水ではない。
ポーチの中には、ケーブルやイヤホンなど小物をいれるポケットが付いている。
ポケットの口には、ベルクロ(面ファスナー)がついていて、中身がポーチ内にぶちまけられない。
これは、ICF-B99の時から変わっていない。
ICF-B300 でスマホを充電する 方法
ICF-B300は、ICF-B99と同様に
- 内蔵充電池か、単3形電池2本のどちらかから、スマホへ充電できる。
- 手回し発電機は、スマホを充電するためのものではない。非常時の緊急措置である。
スマホを充電するためのUSB-A端子にケーブルをつないで、スマホに接続しただけでは、スマホに充電できない。
USB-A端子にスマホをケーブルでつないでから、ラジオのスイッチをAM/FMから切(携帯充電)にすることで、充電のスイッチが入る。
USBテスターで、電流の状態を観察している。スマホへの充電は、4.8V/0.5A(2.5W弱)と少ないので、期待してはいけない。
内蔵充電池での充電(フル充電)で、どれくらいの電力をスマホに供給できるのか?
5V/0.4A以下でしか充電できず、電流が止まるのは、たったの1Wh。
iPhone SEだと、バッテリー残量 5%→ 15%の回復率に相当する。
ICF-B300の内蔵充電池をUSBから充電する
充電池は、完全に放電してしまうと使えなくなってしまう。使わない時でも、時々充電してやらなければならない。
付属の黄色い防災カードの裏側に、「内蔵充電池の劣化を防ぐために年に1度は手回し充電をしてください」と記載がある。満充電まで手回し充電をする必要はなく、microBをつないで充電してやれば良い。
内蔵充電池への充電電流も、5V/0.4Wの2Wなので、時間もかかる。
内蔵バッテリーへの充電(積算電力)は、3Wh弱。
DC/DCコンバーターは決して効率の良いものがはいっているわけではない。(ラジオなのでノイズの問題もあるし)
充電しながらでも内蔵バッテリーに充電できる。
現実は厳しい。
ICF-B200が、25年経ってもまだ現役で使えるのがね… Made in Japanだから。
まとめ
まだ、ICF-B99が買えるので、1万円以下で買える旧モデルでも かまわない。
アフィカスが「B99を売っていること自体が珍しい」と買いあおっているが、SONYストアには、常に在庫がある。
ICF-B99は、一時期 3万円で転売されていたこともあった。ICF-B300の登場で高く転売されることもなくなる。
ワイドFM(AM補完放送)は、7年前のICF-B99も既に対応している。
1.6万円もするラジオだ。避難袋に入れておくのはもったいない。普段から、地元のNHKラジオやFMラジオを聴くのに活用することをおすすめしたい。
まだ、FM補完放送がない田舎で、地元の民放AM局を聞くのに、高い周波数は合わせにくい。
ICF-B300なら、局の周波数に楽に合わせられる。
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