アメリカ製の57mm径の大玉を使ったトラックボール CST 2545 を買っての長期レポート
です。
5年ほど前(2014年頃)にCSTのトラックボールをAmazonで購入しました。
しかし、Macでの使い勝手が悪いので放り投げていました。「トラックボールを試したい」という知人に貸したきり未だに返してもらっていません。
Expert Mouse Wireless Trackballの無線の不安定さにブチ切れる日々の中、確実に動作するUSB接続の大玉トラックボールを買うべく物色をしていました。
「Expert Mouse Trackballの4台目を買うくらいなら、またCST2545を買ってみるか」と…、魔が差してしまいした。
結論から言えば、「トラボとしては良いけど、今となっては使いづらい」です。
- 購入品:CST2545SAW (拡張ポート×3 付き)
- 購入時期:2019年6月
- 購入価格:13838円
- 購入店:Amazon Japan G.K.
トラックボールについて詳しく知りたい人は、
-
トラックボール どれが良い? トラックボールの選び方・おすすめを トラックボール歴 30年のジジイが熱く語ります。
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CSTって何? どう違うの?
Clearly Superior Technologies, Inc.は、トラックボール愛好家にとって知る人ぞ知るブランドです。アメリカの会社です。→ 2020年1月にサイトがなくなり会社が消滅しました。
日本では、Kensingtonがトラックボールのブランドとして有名です。
このCST社のトラックボールのユーザは、我々トラックボール愛好家の間では一目置かれる存在でした。
- 57.1mm径のビリヤードの球と同じサイズ
- ボールの支持方式は、ベアリング ローラー
な点は、Kensington が早々にあきらめた、昔ながらのトラックボールの鉄板仕様を頑なに守っていました。
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https://www.clearlysuperiortech.com
www.clearlysuperiortech.com
FILCO / ダイヤテック株式会社 って何?
CSTの日本代理店です。「FILCO」なら、みんな知っているでしょう。
キーボードやマウスなどパソコンの入力デバイスを国内外から集めて販売する会社です。2020年2月 取り扱い停止の在庫処分セールをやっていました。
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FILCO Majestouch メカニカルキーボード | ダイヤテック株式会社
FILCOブランドのメカニカルキーボード「Majestouch(マジェスタッチ)」シリーズの開発・製造・販売をしています。その他、ウッドパームレスト/リストレスト、高品質なキーキャップなどキーボードの ...
www.diatec.co.jp
CST のトラックボールについて
CSTのトラックボールの種類は、
- CST2545W:基本タイプ
- CST2454W-GL:バックライト付き
- CST2545-5W:外部スイッチ2個増設可
- CST2545SA:スクロールホイールなし、排他的外部スイッチ3個
- CST2545SAW:排他的外部スイッチ3個
の5つがあります。
買うのであれば、CST2545Wかバックライト付きのGLです。
外部スイッチは、3.5mm径の2極のプラグが使えます。トラックボールのボタンが押せない障害者向けの仕様です。
手の指が使えずクリックできない場合、外部スイッチにして足でクリックできるようにもできます。
各自の障害の具合でスイッチを自作して付けられる自由度があります。
CST2545SAW を写真で紹介
「MADE IN AMERICA」になっていますね。本体の裏側には、Made in the U.S.A.と印刷されています。Amazon Japan GK販売なので、アメリカからの直輸入だと思ったら…
ダイヤテック(FILCO)のシールが貼ってありました。正規代理店品です。
アメリカのAmazonで、CST2454SAWは、130ドル前後で売られています。正規代理店品で、1.3万円台で買えたのはラッキーでした。
パッケージ内容は、
- CST2545SAW 本体
- 取扱説明書が入ったCD-R
- 注意書き
これだけのシンプルすぎる内容です。
USBケーブルは、約1.7mあります。ケーブルは太いタイプです。
取扱説明書は、CD-Rに入っています。一枚一枚焼いてインクジェットプリンターで印刷したんでしょうか。
CD-Rには、必要最小限の取説しか入っていません。英語なので読めないことはないです。
その割に、内容が古い。ドライバーのダウンロード先のURLがリンク切れってどういうこと?。→ 会社が消滅しました。
昔ながらの古式ゆかしいデザインです。「無骨」と表現する人も多いでしょう。
ボールの左右にある巨大なボタンが右と左のボタンです。
クリック感は非常に良くて、カチカチと軽い音で押せます。
スクロールホイール
スクロールは、ボールの向こう側にあるローラーです。非常に滑らかに動きます。縦スクロールしか対応していません。
スクロールホイールとボールの間に、ボタンがあります。
センサーは、レーザー光学式になっているものの、支持機構はローラーです。
CST2545のボールを転がした時の感想
ローラー式は、ローラーを転がす「シャー」という音がします。
昔使っていた Kensington の Turbo Mouseもローラー式でしたから、こういう音がしていました。
使い始めは、ローラーと玉の滑りが悪いので、斜めの動きが悪いです。とくに、玉を指でつまんで垂直軸で回転させようとしても動きません。
指に鼻の脂を付けて回すようにしていくと、徐々にボールに脂がのって良い感じに滑るようになります。
CST2545SAWの主なスペック
- センサーは、レーザー光学式
- USBケーブル 1.8m
- ボールの大きさ:57.1mm(2.25インチ)大玉
- スクロールホイール機能:縦スクロールだけ
- スイッチ延長ポート:3個、3.5mm径イヤホン2極タイプのプラグで対応
- ボール支持機構:ローラー式
- 分解能:400、800、1600cpi(切替可)
- 大きさ:17.1 × 9.5 × 67.5 cm
- 重さ:445g USBケーブルこみ
cpi :counts per inch
L-Track の意味は、 レーザー光学式センサーのこと。
CST2545の分解能の変更方法
分解能とは?
ボールを動かした時の動かす速度です。
- 小さい値だと大きくボールを動かしても、画面のポインターは少ししか動かない
- 大きな値だと、ボールを小さく動かしても、画面のポインターは大きく動く
変更はボタンで切りかえ
中央のクリックボタンと右ボタンの同時押しで、800→1600→400 のループで変更できます。
CSTのボラックボールには、バックライトでボールが光る GLモデルは、色で分かるものがあるみたいです。
このCST2545SAWは、黒いボールで光る部分がありませんので、実際にボールを動かして、画面のポインターの動きで切り換わったかどうかを確認します。
Windows 10のパソコンにつないで使う
ボタンに機能を付けるドライバーソフトが、Windows 版しかないので、Windows パソコンにつないで使います。
アプリケーション「Superior-X Button Control (現時点のバージョンは v2.1)」をダウンロードして使います。
レイヤーを2つ設定できます。
設定できるボタンは、3つしかなく、できることは他のトラックボールに比べて少ないです。
画面内のマウスポインターの動きについての制御の設定が細かく設定できません。
ドライバーソフトを入れなくても、単なるマウスとして認識しますから、ボタンの割り当てを変更して使わない人は、このソフトを入れなくても普通に使えます。
Macにつないで使う
Macでもマウスとして認識するので使えます。
ただし、Kensington の TrackballWorks のように、ボールの動きやスクロールの動きを細かく設定したり、ボタンの割当を細かく指定したりできません。
とくに、画面のポインターの加速や初動の速度を設定できないので、自分好みに調整ができない欠点があります。
マウスとして単純に認識することから、ボールの動きとポインターの動きの関係は、そのまま反映される(リニアな)点に慣れれば、こっちの方が良い人もいるでしょう。
「システム環境設定」→「マウス」→「軌跡の速さ」でポインターの加速(アクセラレーション)を調整できます。
CST2545SAWのメンテナンス
ボールの支持機構がローラー式のトラックボールには、
- 綿ゴミがローラーにからんでしまう
- ローラーが汚れたり、ベアリングが傷むと、ゴロゴロと転がす音が大きくなる
など欠点があります。
ボールが外せない
ボールのリング状のカバーは、反時計回りに回転させるとロックが解除されて外れた記憶があります。しかし、今回のは、なぜか回らないので外せません。
ゴミが光学センサーにひっかるとボールの動きが悪くなるので、その時は本気で外すようにします。
ローラーの掃除や交換
取扱説明書によると、ローラーの掃除は裏ぶたを外してアルコールを付けた綿棒で拭くように書いてあります。
しかし、ネジの一つはシールが貼って封印してあります。
交換用のローラーは、FILCOの販売サイトにスペアパーツとして売られているものもあります。
1年間の保証が効いている間は、外して掃除したり、ローラーを交換するようなことはないと思います。
2022年8月 左クリックのスイッチのチャタリング発生
左のマイクロスイッチの反応が悪くなりました。
分解して、エレクトロニッククリーナーで洗浄すると復活します。
ExpertMouseに切り替えてみたら、ExpertMouseの方が圧倒的に使い勝手が良いので、CSTのトラボは引き出しの肥やしになります。
まとめ
今回はCST2545SAWを使いつぶす長期レポートです。
3年経過で、マイクロスイッチのメンテが必要になりました。ボールのローラー側はまだ使えます。
毎日、仕事用のi7-7700Kマシン(Windows 10)で使っていました。
2020年1月、アメリカのCST社のサイトがなくなり、CSTのトラックボールも生産終了で日本国内での正規取り扱いは無くなりました。
USBケーブルでの接続なのでスリープからの復帰は安定しています。無線のマウスやトラックボール、キーボードは今後も減らしていきます。
アメリカ製のCST2545シリーズは、トラックボールの中でも、
- 華がないのでブログやTwitterで買った自慢ができない → 「映え」しない
- エレコムやKensingtonのトラックボールと比べても、使えるボタンが少なく設定もできない
- 価格が1万5千円前後と高い
- ドライバーが、Windows 用しかない
- スクロールがやりにくい
の問題点がありました。
アメリカのAmazonで、130ドルほどで売られていました。日本でも、Amazonが扱っていました。
大玉のトラックボールの需要を拡大させるように今後もアピールを続けていきたいです。