月刊 トランジスタ技術 2018年9月号の特集は、
- 電波超解像! スペクトラムプロセッサSDR誕生
- 付属DVD-ROMは、ソフトウエア無線機製作用C&HDLプログラム・サンプル
です。トラ技で、こういう記事が書ける人は、加藤さんです。
加東さんのサイトは、
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http://radiun.net
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SDRは、software defined Radio 、ソフトウエアで定義する受信機という意味です。
記事の内容は、チンプンカンプンなので、省略しますw。
記事になっているSDR受信用の基板やそれを応用したキットは、別売されています。価格は、FPGAのチップだけでも万円単位なので、そこそこの値段がします。
10K〜30MHzまでの広域受信機になる、64MSPS A-D/D-A搭載SDR開発ボード(SDR-Block HF-TG1)で、54000円です。
他の記事で目を引いたのは、
SDRトランシーバーの話、132ページの世界のSDRキットについて とか、アマチュア無線をやる人は知っていることだけど、我々のように4アマの免許だけ学生の頃にとって開局せずの人にとっては、面白い記事でした
133ページからの、「Analog Discoveryで作る私のR&Dセンタ」という新連載が面白そう。
140ページの1ns(1GHz)の間隔で1kWの出力ができるパルスジェネレータは、超高速LEDストロボのエンジン部分の作成です。超高速で動くものを観察するのに必要な道具ですから、必要な人は、基板と部品情報をどうぞ。
SDR技術の応用
SDRの技術は、
- μVという微細な電圧の変化(アナログ信号)をアンプで増幅して
- FPGAというプログラミングできるICチップ回路にいれてデジタル信号に変換
- ノイズの中に埋もれている必要な信号をプログラムで解析して割り出して
- 必要なデジタル処理と計算をして
- 表示装置に表示したり、データを保存したり…
という、科学技術の中でも重要なものの一つです。
FPGA(プログラムできる高速処理集積回路チップ)
FPGAとその処理性能の向上は、各種産業、医療、分析科学、軍事的にもブレイクスルーとして革新技術をもたらしました。
私が身を置く医療分野でも、この技術のおかげで、ポータブルの心電計が作れて、装着型のAED(自動除細動除去装置)も安価に小さく作れるようになりました。
ポータブル筋電計のおかげで、私たちが研究していた分野でも、非常に面白い現象と仮説だったことが次々と証明されるという… すばらしい活躍をしてくれています。
こういう、AD変換からのフルデジタル処理プログラムをFPGA(プログラムできる集積回路ICチップ)にHDL(ハードウエア記述言語)を書き込んで作れるという人は、数多くの工学部出身者がいるなかで、一握りしかいません。
メーカーの開発部門では、FPGA絡みの回路の設計とプログラムができる人材が慢性的に不足しています。大企業や中国企業が厚遇でかっさらっていくので、地方の中小企業には来てくれないという厳しい現実があります。
とくに、軍事的にも、分析機や通信機、兵器の制御系に絶対不可欠な技術の一つなので、日本にこの技術をもつ人材が育たない、流出することは、国防上、非常にゆゆしき問題になっています。
アメリカのトランプ大統領が中国の留学生に厳しい規制すると発言していますが、平和ぼけした日本のお花畑の中に生きている国民には、その危機感がゼロなのが笑えます。
将来性のある分野
中高生の諸君、ぜひ、工学部に進学して、こういう技術の発展に貢献して欲しいです。幸いなことに、日本でも学べるし、勉強に必要な道具、情報、ほとんどのものが手に入ります。