今月のトランジスタ技術 2018年10月号は、
- 高速プロセッシング 新オーディオ電子工作
- 別冊 マンガでわかる 16ビット・マイコンで初体験! 組み込みOS入門
と、あたらしいデバイスの紹介です。
特集:高速プロセッシング って?
SONYのマイコンボード スプレッセンス(SPRESENCE)の紹介記事が巻頭カラーの記事
ワンボードマイコンをSONYが作ったのは、ニュースで見ましたけど、どんなものか?について、ちょうど知る良い記事で助かりました。
部品的に
- CXD5602 6コア、
- CXD5247 電源とアンプ
が搭載されていることから、スマートスピーカー(記事では、AIスピーカ)や、ネットワークオーディオプレーヤが作れるものになっています。
GNSS、GPSもつないでドライバーがあれば使えるとか、機能てんこ盛りですね。
第一章は、FPGA でD-Aコンバータを作ろう
D-Aコンバータってのは、
- オーバーサンプリング
- ギザギザを滑らかにするデジタルフィルタ
という処理をしています。
このデジタルフィルターが、エコー雑音っていう副産物を作るというのが、二十年以上前から、指摘されている問題なんです。
そのエコー雑音を、もっと良い補完アルゴリズムで処理しようという話です。そのためには、FPGA(プログラムできる超高速カスタムIC)を使ってやるしかない という内容ですね。この補完アルゴリズムについてはは、物理学/数学の処理になってくるので、私にはサッパリ…
D-Aコンバータ技術も、まだまだ進化しているし、それが作れるよ ということです。
YAMAHAやSONYとか、オーディオ機器メーカーも独自に作っていますけどね。
いや、それ製品化して安く売ってくれというのが、一般の人の要望でしょう。
第三章 電流正帰還回路の重低音ブースト アンプの設計と製作
小型の卓上スピーカーに弱点である、小さい径のスピーカの低音を強調できるオーディオアンプです。
とくに、バスレフという低音用共鳴筒の周波数域を強調して出力できるように、帯域を制限するフィルタを付けているのが、新しいということですね。
アンプ回路を駆動する電源も、スイッチング電源ではなくて、電源トランスをつかったリニア電源です。シミュレーションで設計して、作るための情報は、PDFでダウンロードしてってことですね。
第7章 フルディジタル・ラジオの製作
- KT092 というICチップは、マイコン内蔵のFM/AMラジオ
- KT0915 は、LW、SW、AM、FMというワイドレンジ・ラジオ
- RDA5807は、FMラジオ
- FMトランスミッタのIC QN8027
というかんじで、ICチップの紹介記事です。
116〜119ページも、アンプの回路図がでていますから、自作系オーディオマニアの人は、今月号は買いですね。
別冊 16ビットマイコンで組み込みOS入門体験
昔は、ITRONという組み込み系のOSがありまして、我々世代より上のエンジニアの人は、車、家電からなんから、制御が必要なところで使っていました。
その後、T-kernel という標準化リアルタイムOSがでてきて、今は、μT-Kernel 2.0 になって来ているよ と言う話が書かれています。
この辺の技術は、世界中が競っていて、中国に全部やられた感がありますけど、それでも、工業の要の一つなんで、若い人は、これらをサクッと使えるようにしてもらいたいということです。