Razer のゲーミングヘッドセットの新しいのが出たので、ポチった。
で、おなじみの緑と黒の箱から出してみると、4極ミニプラグではなくて、USB-Aプラグだった。
「あっちゃー やっちまった」と思ったものの…
かぶってみると「おっ 軽い! ”ゲーミング”なのに ゆるめの側圧と耳を覆うパッドが耳になじんで、思いのほか良かった」ので紹介したい。
Kraken V3 X
- USB-Aプラグの有線ケーブル、本体直付け
- 重さ:285gと軽い
- イヤーパッドが、レザーと布で柔らこい
- 4cm径のRazer特製ドライバー
- マイクもRazer特製
- テレワークにもいいかも?!
私は、Razerのヘッドセットを自分で選んで、自腹で買っている。
ゲーミングヘッドセットをタダでもらうアフィカスによる提灯・広告記事に不満を持ち、自腹で買った人のホンネとコスパの正直な感想を知りたい人向けに、本当の事を書いている。
代理店依頼のステマ記事ではないので値引きクーポンコードもない。
- 購入品:ゲーミングヘッドセット Razer Kraken V3 X
- 購入時期:2021年5月
- 購入価格:8980円
- 購入店:Amazon Japan G.K.
USB 有線ケーブル ヘッドセットRazer Kraken V3 Xの使用レポート
Razerって何?
Razer(レイザー)は、パソコンゲーム界で1番有名なシンガポールのブランド。
基本カラーは黄緑色と黒で、パッケージデザインが統一されている。
最初は、ゲーミングマウスやキーボードを中心としたパソコン周辺機器で有名なRazerブランドだったが、ゲーミングパソコンまでも販売するようになった。
現在は、スイスのロジクールGとゲーム用周辺機器市場で2強の関係にある。
ゲーミングヘッドセットって何?
オンライン対戦をするときに使う ヘッドホンとマイクが一体になったもの。
音楽鑑賞用と比べて、ゲーム対戦で使うのに便利な機能がついていて値段が高い。
パソコンにつないで使うため、ドライバーソフトで疑似的なサラウンドを再現したり、音質を変えるイコライザ機能があったりと多機能化している。
Razerのヘッドセットの種類
Razerは、2019年以降 ヘッドセットに海洋生物の名前をつける傾向がある
- Kraken(クラーケン…イカの化け物)
- BlackShark(ブラックシャーク…コイの親分)
- Barracuda(バラクーダ…でかい魚)
- Hammerhead(ハンマーヘッド…シュモクザメ):イヤホン
- 2019年以前は、Opus、Nari、Kairaなどがあった
クラーケンは、初心者向けの安価なモデルで、レイザーのゲーミングヘッドセットの人気モデルだ。
種類は、
- KRAKEN X:標準モデル
- kRAKEN V3 X:USB有線
- KRAKEN:旧モデル
- KRAKEN ULTIMETE:USBサラウンド、ANCマイク高機能モデル
がある。
Razer Kraken V3 X を写真で紹介
Kraken V3 Xのパッケージ内容
- Kraken V3 X 本体
- 取扱説明書 マルチリンガル
- ステッカー
の3つが入っていた。
詳しい日本語マニュアルは、Razerのサイトのサポートからダウンロードする。
https://dl.razerzone.com/master-guides/RazerSynapse3/KRAKENV3X-00001335-ja.pdf
Kraken V3 Xの主なスペック
- 製品番号:RZ04-0375(0100-R3M1)
- ヘッドホン形式:密閉型/クローズドタイプ
- ドライバー:Razer TriForce 40mmドライバー
- 再生可能周波数:12Hz〜28KHz → 盛りすぎw
- ドライバー インピーダンス:32Ω(1kHz?)→ ちょっと鳴りにくい
- 音圧:103 dBSPL / mW,1 kHz → 普通
- マイク:アーム・折り曲げ
- エレクトレット コンデンサーマイク
- マイク集音:単一指向性
- マイク周波数特性: 100 Hz ~ 10 kHz
- マイクS/N比:≧60dB
- マイク感度 (@1kHz): -42 ± 3 dB → 50円のマイクの性能
- ケーブル:本体直付け、2m、USB-Aプラグ
- 重さ:285g(1.8m ケーブル込み)
- カラーバリエーション:黒
- 保証期間:2年(Razer IDに要登録)
ドライバーについては、レイザー独自の「Razer™ TriForce 40mm Drivers」。
マイクも、「Razer™ HyperClear Cardioid Mic」。
イヤーパッドは、「Hybrid fabric and memory foam ear cushions」。
重さは、ケーブル込みでも284g(実測)と軽いヘッドセットだ。(300g以下は、軽いヘッドホンと定義)
Kraken V3 X 正面
Kraken X と同じ。凝った装飾もなくシンプルな形が良い。
Kraken V3 X 背面
左側にケーブル、基板があり、マイク、ミュートボタン、音量調整ダイヤルなどがある。
Kraken V3 X イヤーカップ、ハウジング部
Razerのロゴがある ハウジングの外側は、六角穴のメッシュに見えるが穴は開いていない。
Razerのロゴは、USBからの給電で虹色に変化しながら点灯する。ゲーミングヘッドセットらしいギミックだ。
Kraken V3 X ヘッドバンド部
頭頂部の当たるところは、柔らかいスポンジをレザー風の布でおおってある。
髪の毛がほとんどない頭皮への当たり心地も良い。
RAZERのロゴがついてるのも同じ。
ヘッドバンド、アーム部の長さの調整、角度調整
バンドの長さの調整は、左右に付いている。
カチカチとクリック感が持たせてあって、メモリも9まで振ってある。
最大で、3.5cm。左右で、合計7cmの長さが調整できるので、顔の幅の大きな人でも対応できる。
ハウジングとヘッドバンド部の関節部は蝶番で、30度の回転域だけ。
アーム軸での回転(スイベル)の動きはできない。
イヤーパッド部、ドライーバ開口部
Kraken V3 X のイヤーパッドは、BlackShark V2 Xとほぼ同じだ。
サイズは、V3 Xの方が4cmのドライバーのためハウジングが小さい分、少し小さい。
- 大きさ:内径 6×4cmの楕円形
- 深さ(パッドの厚さ):2cm
- 幅:2cm
で、大半の人の耳を完全に覆う大きさだ。
イヤーパッドの素材は、”ハイブリッド”だけあって
- 肌に触れる部分は、吸水性のある柔らかい布地
- イヤーパッドの形を保つために固さが必要な側面部分は、レザー風生地(合皮)
の2種類の生地を使った凝った造りになっている。
伸びが異なる生地を縫い合わせるには熟練した技が必要で、手間(コスト)がかかる。
レザー風の生地だけのイヤーパッドは、夏場は汗でイパーパッドが濡れる。
布地なので肌触りがいい。はずした後で、パッドのスポンジの汗(水分)が乾きやすい。
「メモリーフォームイヤーパッドクッション」なので、低反発のスポンジなのかと期待したが、普通のスポンジだ。
私はメガネ(遠近でつけかえ)の常用者で、このイヤーパッドは痛くならない点が気に入った。
Kraken V3 X のイヤーパッドをはずして洗う?
通気性はないので、夏場はエアコンが効いた涼しい部屋で使おう。
汗で腐ったら、はずして洗って乾かす。破れたり、レザー布地がボロついてきたら交換だ。
まだ、BlackShark V2、Kraken V3用の互換イヤーパッドがAmazonで見当たらないが、1年もすればでてくるだろう。
マイク
マイクは、
- 長さが12.5cm
- 着脱できない
- フレキシブル(自在に曲げられる)で、マイクの位置は止められる
- 跳ね上げ式ではない
指向性は強く周辺の音を拾いにくい。鼻の息がかからない、ポップノイズを拾いにくい位置にマイクを固定するようにしよう。
マイクの穴「マイクダイヤフラム」を口側に、スリットの通気口を外側に向ける。
マイクは普通の物で、秋月電子で数十円で売られているコンデンサーマイクと同等である。
ケーブル
腰のあるゴムっぽい被覆のケーブル 1.8m。
プラグは、USB-Aで、シリコンキャップ付き
ヘッドホンの中に、USBサウンドカード(USBオーディオインターフェイス)が内蔵されているので、アナログ端子での入力ができない。
Kraken V3 Xの操作、ボタン、ダイヤル
基板は、左側のハウジング内にある。
USBケーブルのため、着脱できない。
マイクのON/OFFは、左手でハウジングの後に手をやって操作できる。
マイクがONなのは、ボタンの緑のフチが見えている時。押し込むとマイクはOFF、ミュートになる。
音量調整ダイヤルはロータリーエンコーダーなので、音量が最大、最小(ミュート)になっても止まらずにクルクルと回り続ける。
ダイヤルの回転には、わずかにクリック感がつけてあるので、回している感がする。
16ステップ(クリック感)で音量の増減ができる。
Kraken V3 Xをパソコンにつないで使う
Razerに製品を登録する
razer kraken v3 x アクティベーションコード どこ にありますか?
Razerの会員になってRazerの製品を登録することで、サポートが受けられる。
https://razerid.razer.com/
- Razer ID(任意)、メールアドレス、パスワードを入力して登録
- Razerの製品を登録する
- シリアル番号
- 製品番号
- 購入年月日
- 領収書画像ファイル(添付しない)
- 名前、住所
- 登録した製品に応じて、アクチベーションコードなど特典が届く
Kraken V3 Xの製品番号は、「RZ04-0375(0100-R3M1)」。
シリアル番号は、左のハウジングの上縁に
シールで貼ってあるので、「S/N:」以下の数字と番号を入れる。
シリアル番号と製品番号を正しく入れれば、製品登録が完了したことがメールで届く。
次に、ソフト「THX Spatial Audio」へのアップグレード半額割引きアクチベーションコードが届く。
Windows
Windows パソコンにつないぐと、サウンドデバイスとして認識される。Razerのアプリケ-ションを入れなくても、普通に使える。
不自由がないのであれば、以下のソフトは入れなくて良い。
- Razer SYNAPSE(無料):RazerのPC周辺機器の統合ソフト
- Raser THX Surround Sound(2588円):音響ソフト
「Razer SYNAPSE 3」は、RazerのマウスなどPCゲーム用周辺機器の統合ソフト。
USBサウンドカード付きのBlackShark V2 などで音色を変更(イコライザ設定)ができる。
Kraken V3 Xでは、光るロゴのChroma RGBのコントロールと、Alexaにアクセスすることくらいしか使えない。
扱い方は、ダウンロードする日本語マニュアルに記載があるので省略。
THX Spatial Audio - Surround Sound Application
1万円以上の高級モデルには、タダで使えるアクチベーションコードがついてくる。
https://www2.razer.com/jp-jp/thx-spatial-audio
- ヘッドホンのEQ(イコライザ)のゲーム別プリセットデータ
- EQ(イコライザ)を自分で調整できる
- ミキサー機能
仮想サラウンドソフト、サウンド エフェクタのソフトでもある。
アナログステレオミニプラグ、Bluetooth、USBでつないだヘッドホンやイヤホンで使える。
お試し版がダウンロードできるので、試してみよう。
しょせん、仮想サラウンドなので残響をいじるだけ。リアルサラウンドで日頃遊んでいる私にとっては、偽物にすぎない。
為替レートで値段が変わるが、だいたい2600円弱。アクチベーションコードをいれると、半額の1300円弱で購入できる。
Mac
専用のドライバーはなく、MacはUSBのオーディオインターフェイス「Razer Kraken V3 X」として認識する。
入力のマイクも使えるので、ボイスメモで、自分の声を録音して聞いてみている。
マイク感度も調整できて、ポップノイズを避けつつも、自分の声だけを拾える位置を試行錯誤で決められる。
Macでは、サラウンドやイコライザは使えないが、ヘッドセットとしての性能は十二分に発揮できているので、使えるヘッドセットだ。
ただし、HD音質の再生はできない。Audio MIDI設定で、ビットレートを最大にしようとしても…
48KHzより上が選べない。これでは、DVD音質のままで、HD音質の音楽を聞くことができない。
V3 XのUSBサウンドカードは汎用タイプの安物が付いていることになる。
PS4、PS5につないで使う
Nintendo Switch(TVモード・ドックのUSBポートにつなぐ)は、USBサウンドカード(USBオーディオインターフェイス)として認識できないので使えない。
PS5につなぐ
- マイクが正常に動作しない。PS5のドライバーのバグ?
- V3 X側の音量ダイヤルが使えない
なので、PS5では、ヘッドホンとしてなら使える。
PS4につなぐ
- マイクも、音声出力ともに正常に動作する
- V3 X側の音量ダイヤルが使えない
- マイクの音量調節も、PS4側でしかできない
PS4、PS5ともに、PlayStation™側でしか音量の調整ができない。
マイクミュートボタンは、PlayStation™側で認識できない。
など、互換性は乏しい。
Kraken V3 X の装着感、使って分かる感想
Kraken V3 Xの装着感は、「密閉型」のヘッドセットとしては、かなり良い方だ。
軽いのがとにかく良い。
ヘッドセットの重さはケーブル込みで285g、実際にはケーブルの重さの半分くらいはないので、275g前後になる。
頭頂部への接触もほとんどなく、耳だけでヘッドホンが支えられるので頭頂禿げにとっては、擦れハゲの心配がないのがうれしい。
イヤーパッドも汗ばむ夏場でも使える。ただし、イヤーパッドが外れないので、汗で腐った時にはどうするのか?わからない。
ケーブルの取り回しも、コシのあるケーブルなので絡まるかんじも少ない。
側圧
側圧は、285g前後と小さい。
-
ヘッドホンの側圧(ヘッドホンの頭を左右からしめつける力)を調べる方法
ヘッドフォン(以下、ヘッドホンに統一)を選ぶ時、「付け心地」「装着感」が重要なポイントになります。 どんなに良い音が再生できるヘッドホンでも、キツすぎて数分しか かぶることができなければ使えません。 ...
側圧は、250gを下回ると緩すぎて、耳からずり落ちそうになる。
Kraken V3 Xの音響
Macにつないで、テスト用信号を再生する。
20Hz〜20KHzのピンクノイズを再生して、バイノーラルマイクで拾った音を、オクターブバンド表示で観察する。
500Hz〜2KHzまでの中音域を強調したゲーミング用の音響特性になっている。
「足音など周辺の音を聞き分けやすい」イコライザ設定に合わせてある。
低音と高音は、控え目にしてある。この特性は、音楽を聞くと「ボーカルが映える」と表現できるだろう。
次にサイン波で、25Hz、20KHzを再生すると、再生されていることがわかる。
400Hz、1kHzの正弦波をオシロスコープモードでみても、波形は崩れていないことから、まともなヘッドホンであることが分かった。
画像を追加する。
ノイズキャンセル機能は?
電子制御のアクティブ(能動的)ノイズキャンセル機能は付いていない。
- イヤーパッドで音を少しだけ遮断
- マイクの位置関係で、ポップノイズ(鼻、口の息の音)を避ける
- イヤーパッドで相手の会話の声漏れを防いでマイクで拾わないようにして、エコーノイズを軽減
など、パッシブ(受動的)ノイズキャンセルしかできない。
エアコンや換気扇の「ゴー」音は防げない。
人の声は聞こえるので、家族の呼びかけを無視して後から頭を殴られる心配はない。
最大音量にしても、音はさほど大きくならず、聴力障害を起こしようがない。
Kraken V3 Xの電流と電圧
USB電流計で調べると、最大音量にしても 0.1A/5V 以下。0.4W程度しか電力は食わない。
ほとんど無視できるレベルだ。
左右のロゴのLEDランプが虹色に光る電力をいれても、0.5Wにも満たない。
まとめ
USB接続のヘッドセットとしては、よくできている。
Windows パソコンでは、アプリケーション「THX Spatial Audio」でエフェクト(疑似サラウンド)やイコライザが細かく設定できる。別になくても、困らない。
Macでも、普通のヘッドセットとして使える。
ゲーム用だが、テレワークのビデオ会議で使うのに都合の良いヘッドセットだ。
ただし、USBプラグのV3 Xなのか、3.5mm径4極ミニプラグのBLACKSHARK V2 Xなのか? まちがえて買わないようにしよう。
Amazonで Razer Kraken V3 X を見る 楽天で Razer Kraken V3 X を見る
イヤホンやヘッドホンの長時間(1時間以上)の使用は、聴力低下の直接の原因です。
装着感が良いため長く付けっぱなしにすることを想定して、音量を最大にしても大きな音になりません。