「HDMI オーディオ スプリッター」は、HDMIケーブルから音声信号を取り出す分離器のことだ。
HDMI音声分離器の方がわかりやすい。中国製パチモンの独擅場だ。
中の基板のHDMIコントローラICは、どれも同じ。ガワが違うだけ。
詳しいことは、
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PS5・PS4 にオーディオ光デジタル接続をするための4K/60Hz HDMI 音声分離 スプリッター 選び方 まとめ
PS5は、光デジタル出力端子がなくなった。 PS5に光デジタル端子をつける方法は、HDMIから音声を分けて取り出す「HDMI音声(分離)スプリッター」を使うこと。 HDMI音声分離機能は、HDMIセレ ...
で解説している。
その中のいくつかを買って試している。
- 購入品:BLUPOW HDMI TO HDMI−AUDIO Splitter 4K 60Hz HDR
- 購入時期:2021年1月
- 購入価格:3,300円
- 購入店:BLUPOW(Amazon マーケットプレース)
私は、この製品を自分で選んで、自腹で買って試している。
製品やサービスをタダでもらって、宣伝・提灯記事や動画をネットにばらまく”アフィカス”のステマ犯罪にうんざりしている。
私のブログには 広告案件記事はない。外国スポンサーの影響を受けないので 本当の事が書け、情報工作(プロパガンダ)もない。
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HDMI音声スプリッターBLUPOW VA98の使用レポート・つなぎ方
BLUPOW って何?
ブルーパワーは中国のガジェットメーカーで、日本のAmazonでも名が知られるようになった。
HDMI機器やケーブルに強い。似た中国ブランドで、ELEVIEW、UGREENなどがある。
いずれは、Ankerのようなブランドに成長したいのだろう。
AUKEY、RAVPowerなどは、2021年にステマ問題でAmazonから取り扱い停止になった。
HDMI音声スプリッター VA98 を写真で紹介
パッケージ内容は、
- BLUPOW VA98、HDMI オーディオスプリッター 本体
- USB→ DCプラグ 電源ケーブル 0.9m
- 3.5mmステレオミニプラグ → RCA メス 変換アダプタ
- 取扱説明書 日本語
- 保証期間:12ヶ月
取扱説明書は、まともな日本語で書かれていて安心できる。
BLUPOW(ブルーパワ)は中国製パチモンのブランドとバカにしていたが、あなどれない。
4K/60Hz HDR対応のプレミアムハイスピードHDMIケーブルや光デジタルケーブルは付いていない。
BLUPOW HDMIオーディオスプリッター VA98 の主なスペック
- 入力: HDMI タイプA(19PIN)メス× 1
- 出力: HDMI タイプA(19PIN)メス× 1
- 音声出力: 光デジタル(SPDIF/Toslink)×1、3.5mmステレオ出力×1
- 対応HDMI解像度: (パススルー)
- 2160p/60Hz 、30Hz (YUV444-8bit、YUV422-12bit)
- 1080P/50Hz/60Hz
- HDMI2.0(HDCP2.2)
- 光デジタル出力対応音源: DTS 2ch/5.1ch,Dolby-AC3 2ch/5.1ch,LPCM 2ch
- 3.5mmステレオ対応音源: LPCM 2chのみ
- 入出力ケーブル長さ: 入力 3m以下、出力 3m以下
- 伝送帯域・速度: Max 600MHz(18Gbps)
- 機器間制御(CEC)、ARC: 非対応
- 動作電流: 400mA/5V(DV 5V/1A)
スペックを表記するときに、光デジタルの出力対応を正しく表記しているのは、BLUPOWだけだ。
他の中国業者は、HDMIのパススルーの規格を表記して、光デジタルで出力できる音声規格を誤認させるように書いている。
BLUPOW VA98の外観、ポート類
出力側には、
- HDMI出力
- HDMI出力ランプ
- SPDIF OUT(光デジタル出力 角形)
- 3.5mm ステレオミニジャック
が付いている。
大きさは、5.8 × 5.3 × 2.2cm、重さは、65gで、小さくて軽い。
HDMIケーブルのよじれの影響をもろにうける。
光デジタルケーブルは、角形のコネクタだ。光デジタルケーブルはついていない。
3.5mm径 ミニステレオジャックは、イヤホン端子として使える。
RCAメスに変換するアダプタもオマケでついているので、アンプなどへRCAケーブルを使って接続できる。
入力側には、
- 音声モード切替 スライドスイッチ
- HDMI入力
- 電源ランプ
- DCジャック:5V、外形5.5mm、内径2.1mm
がある。
音声モード切替スイッチは、
- 5.1ch:Dolby、DTS
- 2ch:Linear PCM
- パススルー:一緒ごちゃごちゃ ARC信号から音声が抽出できる??→できない
の3種類が選べる。
音がでないトラブルをふせぐために、ゲーム機で使う場合は、2chにしておきましょう。
電源は、USB-A→DCプラグ(5.5mm、2.1mm径)の変換ケーブルがついていて、USBアダプターは付属していない。
HDMI オーディオ スプリッター BLUPOW VA98 をつないで使ってみる
HDMIオーディオスプリッターの基本的な配線図だ。
HDMIオーディオスプリッタは、光デジタル出力端子をもたないゲーミングモニターを机の上に置いて使っているユーザが使うものだ。
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光デジタル(OPTICAL)ケーブル・オーディオ用のつなぎ方。
光デジタルケーブルの話。 オーディオで使う 光デジタルは、30年前、CDプレーヤのデジタル出力として使われていた。 この30年間、光デジタルは、テレビの音声出力についているくらいで 身近なものではない ...
テレビにゲーム機をつなぐ場合、テレビから光デジタル出力をとればいい。
こんなかんじで、ミックスアンプにつないで使う。
HDMI オーディオスプリッター PS5につなぐ時の設定
BLUPOW VA98は、4K 60Hz HDR(2160p/60Hz HDR)の信号を通すことが確認できている。
PS5の FHD 120Hz (1080p/120Hz)を出そうにも、選択できないのでサポートしない。
PS5側の設定で、サウンドの音声出力は、HDMI機器の種類を「テレビ」にしておく。
HDMI機器の種類を「AVアンプ」「サウンドバー」にすると、5.1chサラウンドになった時に音がでないことになるからだ。
設定→サウンド→音声出力→全般→音声フォーマット→ Linear PCM 2ch
にする。
HDMI オーディオスプリッター をPS4につなぐ時の設定
PS4の 設定→ サウンドとスクリーン → 音声出力設定 で、「主に使用する出力端子」を「HDMI出力」にする。
音声フォーマットは、「Linear PCM」か「Dolby」の2chステレオが選べる。
設定 → 周辺機器 → オーディオ機器で、「出力機器」が、「テレビまたはAVアンプ」にする。
HDMI オーディオスプリッター をNintendo Switchにつなぐ時の設定
Nintendo Switchには、チャット機能がない。
PS4やPS5のチャット機能を使わず、スマホやパソコンでチャットアプリを使うつなぎ方と同じになる。
設定 で、「テレビ出力」から、「テレビのサウンド」を選び、「ステレオ」にする。
サラウンドにしても、音が正しくでない。
HDMI オーディオスプリッターを使っていて起きる問題点
ARCには対応していない
ARC端子は、テレビなどで音声をHDMI(デジタル信号)で出力する機能のこと。
ARC端子に、このアダプターをつけても、光デジタル端子から音はでない。
HDMI-CEC(HDMI機器連動機能)には対応してない
ビエラリンク、ブラビアリンクなど、HDMIケーブルでつないだ機器のどれかに電源をいれると、全部の機器に電源が入って、接続先まで自動で切り替えてくれる便利機能だ。
このHDMI スプリッターを間にいれると、そこから先のCEC機能は遮断されるので使えない。
元々、この連動機能は、HDMI機器の音がでない、映像がでない問題の一番の原因なので、すべてのHDMI機器で、オフにすることをおすすめしたい。
手間だが、一つ一つの機器を順番通りに電源をいれていき、HDMIのセレクターで接続先を選ぶようにしよう。
5.1ch サラウンドが出せない
光デジタルの伝送 1.5Mbpsでは、Dolby 5.1ch サラウンドが出せるはずだが…
Nintendo Switchは、リニアPCMの5.1chサラウンドしか対応していないので、出力できない。
PS4、PS5でも Dolbyサラウンドが出せない。 2chの音声を抽出したい人だけだと思うので 問題にならないか…。
PS5、PS4 Proで 2160p/60Hz HDRにならない
- モニターやテレビが、4K/60Hz HDRではない
- ケーブルが、プレミアムハイスピードHDMIケーブルではない
- ケーブルが3m以上で長すぎる
- HDMIセレクターが不良
PS5で 2160p/120Hz HDR、1080p/120Hz HDR にならない
今のところ、4K 120Hz、8K 60Hz、FHD 120Hzに対応している HDMIオーディオスプリッターはない。
徐々に、増えていくと思われるが、半導体不足で、値段も高く、新製品もすくなくなってきている。
熱くなる
HDMIスプリッターは、基板の発熱が大きく熱くなる。
アルミのボディなのは、熱を外に伝えて放熱するため。小型のヒートシンクを熱伝導粘着テープで貼っておくと良い。
寒暖の差、サーマルサイクルで基板が痛むのを防ぎ、熱暴走で動作不良になることも防げる。
まとめ
マニアックな製品で、安価なのは中国製パチモン、OEMで日本のブランド物は値段が2倍くらい高い。
どれを選んで良いのかわからない人も多いだろう。
選ぶポイントを復習すると
- 「4K/60Hz HDR」「2160p/60Hz HDR」に対応していること。
- 光デジタル端子は、DTS、Dolbyの5.1chサラウンドと、Linear PCMは、2chまでしか出力できないので、それ以上のフォーマットは出力できないので嘘になる。
- サポートが必要な超初心者は、サンワサプライやラトックシステム、エレコム、玄人志向などの日本のOEM品を選ぶ
中国製パチモンなら、3〜4千円。HDMIケーブルや光デジタルケーブルの付属の有無などをチェックしよう。
AliExpressなど中国のECサイトから買えば、さらに安いが…、故障しているものもあるので、Amazonで買った方がクレームのやり取りが楽だ。