電動ドライバー を持っていますか?
カラーボックスや棚、机や椅子などをホームセンターで安く買っても、自分で組み立てないと使えません。
電動ドライバーが1本あれば、組み立て作業がはかどります。
ボッシュの手用ドライバー型電動ドライバー PushDrive(プッシュドライブ)とBosch GO(ボッシュ ゴー)を両方買って使っての長期レポート
私は、ピストル(拳銃、ガングリップ)型の電動ドライバー IXO7を愛用しています。
2019年夏、ストレート(手用ドライバー)タイプのホビー用電動ドライバー PushDriveが発売されたので買って試していたら、Bosch GOが出ました。
同じ形でAmazonでの売値も千円ほどしか差がないし、何が違うのか?どっちが使いやすいのか?疑問に思ったので両方買って使って試しています。
VESSELの電動ボールグリップドライバーの大ヒットをみて、BOSCHがあわてて作った感があります。
各自、実際に試して見きわめてください
- 購入品:PushDrive(3 603 JC6 050)
- 購入時期:2019年10月
- 購入価格:7184円(タイムセール)
- 購入店:Amazon Japan G.K.
- 購入品:Bosch GO 3 601 JH2 150
- 購入時期:2020年2月29日
- 購入価格:6244円(タイムセール)
- 購入店:Amazon Japan G.K.
結論から言うと、ドライバービットを持っている人なら、Bosch GO を買った方が満足できるでしょう。
ボッシュ プッシュドライブ(PushDrive)/ ボッシュゴー(BOSCH GO)って何?
- 電動ドライバー
- ピストル型のIXO5とは違う、手動ドライバー型(ハンドツール型)
- ホビー向け(緑)は、「PushDrive」
- プロ用(青)モデルは、「Bosch GO」
などの特長があります。
ボッシュの工具は、色で分けられています。
- 青:プロ仕様で、値段が高い
- 緑:日曜大工・DIYの一般ユーザ向けで、値段が安い
選ぶ時に分かりやすいです。
BOSCHとは?
ドイツの機械総合メーカー(メガ サプライヤー)です。日本では、自動車の部品、工具のメーカーブランドとして知られています。
Amazonのタイムセールで、ホームセンターより安く買えるので、私はBOSCHブランドの工具を好んで買います。
PushDrive と IXO5 の違い
IXO5(IXO6,IXO7)とPushDrive、Bosch Goの違いをリストにすると…
- ストレート型が、PushDrive、ガングリップなのがIXO5
- 最大トルクが、4.5Nm(IXO5)→ 5Nm(PushDrive)とパワーアップ!
- 回転数が、215回/分(IXO5)→ 360回(PushDrive)と高回転に!
- IXO5にはトルク制限ストップ機能がないため、ネジが固いとねじ溝(ネジ山)がつぶれて回る
- PushDriveにはトルク制限ストップ機能がある。ないとネジが固いと負けて手首をひねってケガをする
- 回転を安全ロックに固定すれば、どちらも手動ドライバーとして使える。軸に1/18回転の遊びのあるのが残念。
PushDrive と Bosch GO の違い
2019年夏に PushDrive が発売されて、秋頃にプロ仕様のBosch GOが発売されました。
どちらも、ドライバーの先をネジ頭に押しつけるとスイッチが入ってモータが回るという仕組み「プッシュ&ゴー機能」付きです。
ざっくりと表に違いをまとめました。
Bosch GO | PushDrive | |
価格(Amazon) | 7600円 | 6200円 |
トルククラッチ | 機械クラッチ 5段+1段直結 | 6段階、電子制御 |
電子ブレーキ | あり | なし |
プッシュ&ゴー | あり | あり |
メインスイッチ | あり | なし |
最大締め付けトルク | 5Nm | 5Nm |
重さ(実測) | 310g(308g) | 280g(284g) |
バッテリー | 3.6V、1.5Ah、6Wh | |
付属品 | microBケーブル、ビット2本付き | USB充電器、microBケーブル、13種類32本のビット付き |
違いを かじょうがきにすると…
- Bosch GOのトルククラッチは機械式5段の本当のトルク制御
- PushDriveのトルククラッチは、電子制御の負荷がかかったら止まるナンチャッテ クラッチ
- Bosch GOには、電子ブレーキがついているのでねじ溝(ネジ山)を傷めにくい
- どちらも、モーターの回転は一定で可変する機能はない
- どちらも、LEDライトがついていない
- バッテリーやモーターは同じ
- 付属品、ケースは、PushDriveの方が良い
- 価格は、Bosch GOの方が高い
PushDrive を写真で紹介
PushDrive の同梱物は、
- PushDrive 本体(型番 3 603 JC6 050)
- USB充電器
- microB USB充電ケーブル
- ドライバービット
- 取扱説明書
以上のものが、ハードケースに入っています。
ケースは立派で無駄に大きいので、取りだして、他の入れ物に使いましょう。
取扱説明書は、黒いトレーを外せばでてきます。
PushDrive本体
PushDrive の 主なスペックは、
- 定格電圧:DC 3.6V
- 内蔵充電式 1.5Ah・5.4Wh リチウムイオンバッテリー
- 回転数:360回転 / 分
- 最大締め付けトルク:5Nm
- ネジ締め:5mm
- プッシュ&ゴー機能
- トルク調整機能(電気式、6段階)
- 質量:280g (283g)
重さは、283gとずっしりときます。
太さは、手前の一番太い部分で、3.8cmあります。小学生の手だと太すぎるかな?
成人男性の手でちょうどいいくらいの太さです。これくらい太くないと、ネジをしめるときに回転に負けてしまいます。
ツールホルダーにドライバービットをさして使います。
このツールホルダーを押さえつけると、モーターがONになってドライバーが回転します。→ プッシュ&ゴー機能
PushDriveには、電源スイッチはありません。
回転方向を決めるスライドスイッチがあります。
- 前にスライドさせると、正回転でネジがしまる
- 手前にスライドさせると逆回転でネジがゆるむ
充電用USBポートは、カバーが付いてます。
LEDランプ
バッテリーの状態を表示します。
三段階で残量がわかります。
LEDランプの意味は、以下のリストの通り
- バッテリー切れ近いときは、動作中に点滅
- 充電中点滅
USB充電器とmicroBケーブル
USB充電器が付いてます。定格は、5V、1Aです。microBケーブルは、0.9mです。
モバイルバッテリーから、PushDriveへの充電をしてみました。USBテスターでみていても、5V/1Aで充電できています。
充電容量は、実測で約6Whでした。
ツールホルダー部
ドライバービットを差し込む穴です。
ビット
工具の先につける、交換可能なパーツ(部品)のこと。
ドリルならドリルビット、ドライバーならドライバービット、ソケットレンチならソケットビットと言う。
一般的な六角の穴(対角6.35mm)です。磁石式で、ロック機構はついていません。
磁石は強めなので、何もせずにドライバービットが外れて落ちることはないです。
ネジを押さえつけないとスイッチが入らない仕組(PUSH&GO)なので、浅くはまって外れることもないです。
ただし、ソケットビット、HEXドライバービットを使う時は、外れることがあります。
付属のドライバービット
PushDriveには充実した? ドライバービットセットが付いています。
- 六角(ヘクス)ドライバー
- HEX3:3本
- HEX4:3本
- HEX5:3本
- トルクスドライバー
- T10:3本
- T15:3本
- T20:3本
- ポジドライバー
- PZ1:2本
- PZ2:2本
- プラスドライバー
- PH0:2本
- PH1:2本
- PH2:2本
- マイナスドライバー
- マイナス3x2
- マイナス4x2
- 延長ビットホルダー
合計32本です。家具の組み立てには、HEX5が使われます。
PushDriveのトルク調整機能(電子式トルククラッチ)
赤いダイヤルを回して調整します。ダイヤルにクリックはありませんが無段階ではありません。
6ステップです。回しにくいです。
モーターにかかる負荷を電気的に監視しています。つまり、電流と回転数から、負荷を計算して止めるようにしているようです。
この電子制御の調整のさじ加減は難しいと思います。コスト的に限られた部品でやるわけですから。
実際に使ってみると、ちょっと??なこともあります。クセを覚えれば、ネジ溝を潰すことは減ります。
PushDriveには、自動ブレーキは付いていません。
「高級な」回転する工具には、作業をやめると回転軸がそのまま惰性で回ることを止めるブレーキ機能が付いています。
高回転で回して、カツーンとネジをしめるような作業はないので、自動ブレーキの有無での使い勝手の差が分かりにくいです。
Bosch GO を写真で紹介
Bosch GOの同梱物は…
- Bosch GO 本体
- ドライバービット プラスドライバー 2本
- microB 充電用ケーブル 0.9m
- 取扱説明書
これらが、立派な青いケースに入っていました。
Bosch GO本体
Bosch GOの主なスペックは、
- 定格電圧 DC3.6V
- 内蔵充電式1.5Ah(6Wh)リチウムイオンバッテリー
- 充電時間:約90分(空→フル)
- 回転数: 360回転/分
- 最大締め付けトルク: 5Nm
- 最大ネジ径: 5mm
- プッシュ&ゴー機能
- 電子ブレーキ機能
- トルク調整機能(5段階+ハイパワーモード)
- 質量: 310g(308g)
- 使用可能ビット: HEX6.35mm
- 本体サイズ: 182x40x40mm
です。
重さは、308gと重いです。PushDriveよりも重いです。
トルク調整が、メカニカル(機械クラッチ式)のトルクスプリッターになっているので、重く太くなっています。
先端を照らすライト照明は付いていません。
ドライバービットをさすツールホルダー部はカバーに覆われていて、PushDriveよりやや短いです。
サイズは、一般的な 対角6.35mmの六角穴です。深さは、PushDriveと同じです。
プッシュ&ゴー機能は同じです。押さえつけるとスイッチがはいって回転します。
Bosch GOには、メインスイッチがついています。ドライバーをネジに押さえつけなくても、メインスイッチを押せば回ります。
スライドスイッチは、正逆と中立で安全ロックになります。安全ロックの位置にあれば、重たい、先がカタカタ遊びのある手用ドライバーになります。
- 前にスライドさせると、正回転
- 手前にスライドさせると逆回転
なのは、PushDriveやIXOシリーズと同じです。
LEDランプは、1つのランプです。バッテリ残量が表示できません。
- バッテリー切れ間近で、速く点滅
- 充電中で点滅、充電完了で点灯
microB 充電ポートにカバーが付いていません。むき出しですので、注意しましょう。
ストラップの穴がついています。(PushDriveにはストラップ用の穴はついていません。)
付属のドライバービット
ドライバービットは、プラスドライバーのPH1、PH2が、1本ずつついています。
長さが少し長いものです。
Bosch GOの充電
PushDriveと同じで、5V / 1Aで充電します。1時間半弱です。積算電力量は実測で6.5Wh程度です。
Bosch GOのトルククラッチ
機械式のトルククラッチが付いています。設定された以上のトルク(回す力)がかかると滑る機能です。
5ステップと直結の6ステップでできています。
IXO5につけるトルクアダプターは、10段階、1万円以上するプロ用電動ドライバーが12段階以上と細かくトルク設定ができるのに比べて、「荒い」です。
Bosch GOには、電子ブレーキがついている
これは、実感できません。
長いボルトをナットビットでしめるようなシーンで意味があるような気がします。
PushDrive と Bosch GO を実際に使いくらべての感想
PushDriveとBosch GOのモーターのトルクは、5Nmです。IXOシリーズで定評のあるモータ(4.5Nm)より強いです。
どちらも、モータの回転は一定で、最初から最後まで毎分360回転で回ります。(IXO6は、0〜215回/分)
IXO6でやっと、無段階変速ができるようになりました。
ストレート型のドライバーのため、ネジ側がロックしてしまうと、モータの回転が手首に反動になってモロに返ってきます。
思わず手を離してしまうほどの”ねじれる力”になります。
トルク調整を弱いトルクで止まる設定なっているか?使う前に必ず確認してください。
持ち方に注意
かならず、棒を握る順手か逆手(grip)で持つようにします。
ネジのしめる向き(ドライバーの向き)から、体と手の位置関係をうまく保ってください。
無理な手首の曲げ方でネジを回すと、回転の反動をモロにうけた時に手首をいためます。
このタイプの電動ドライバーは、ペンのように持って(pinch、write型)は使えません。ネジがロックすると反動で、ドライバー本体がはじき飛ばされてしまいます。
安全ロックをうまく使いこなす
スライドスイッチを中立にするとで、軸をロックできます。電動でうごかなくなり、ただの重たい、軸が1/18回転の”アソビ”がある手用ドライバーになります。
手締めのシーンが多くある組み立てや分解作業では、ガングリップ型よりも、ストレート型の電動ドライバーが良いはずです。
しかし、Bosch GOでは、メインスイッチが付いていて、プッシュ&ゴー両方で使えるものの、不用意にメインスイッチに触れて、勝手に回ることがありました。
スライドスイッチは固いので、安全ロック位置に戻す手間がかかるのが欠点です。(電動ドライバーの宿命です)
PushDriveは、メインスイッチがないので、ドライバーをネジで押さえないで軽く回したい時に使えません。一長一短で、慣れるのに時間がかかりますね。
PushDrive と Bosch GO どっちを買えば良いのか?
プッシュドライブとボッシュゴーのどちらを買えば良いのか? 微妙です。
- ドライバービット(ドライバーの先っちょ)を持っているのなら、Bosch GO
- USB充電器、ドライバービットも持っていない人は、PushDriveか、中華のパチモン
新製品ながら、値引き率も高いです。
2020年3月時点で、Amazonで
- PushDrive:6000円(クーポン、ポイント引き換算)
- Bosch GO:7600円
どちらも、手動ドライバーとしては重いです。
安全ロックで軸を固定しても、1/18回転分ほどの遊びがあります。最後にネジを手じめする時、この遊びが気になる人もいるでしょう。
重さや軸の遊びは、慣れることで気にならなくなります。
タオルハンガーを木ネジで止めるまえに、ドリルビットを使ってガイドホール(下穴)をあけます。
ドリルビットがホルダーから外れてしまいます。指で抜きます。磁石でくっつくだけのチャックを持つ電動ドライバーは、皆、こんなかんじで使います。
いきなり電動でゴリゴリと回して、ねじ溝をつぶさないように、手で回して確かめます。
ストレート型電ドラなら、普通のドライバーに持ちかえる手間が省けます。
まとめ
PushDriveを買ってレビュー記事を下書きのまま放置していたら、プロ用のBosch GOが発売されてしまいました。
タイムセールで半額近い値段で売られるので買って両方試しています。
Bosch GOの方が、トルククラッチが機械式で、IXO5のトルクアダプターと同じ構造になります。しかし、IXO5のトルクアダプターは、10段階のトルク調整ができるのに対して、Bosch GOは5段階なので使いづらいです。
PushDriveの電子制御によるトルク制限機能は、電源コントロールのマイコンのプログラムが今ひとつです。トルク調整のダイヤルにクリック感がないので、切りかえられたのか?分かりにくいです。
モータの保護機能と言いかえた方がわかりやすいか。
事務器の組み立てや分解は、六角(HEX5番)やボルトとナットですから、十字穴(ネジ溝、ネジ山)を潰すこともないし、手でしっかりと握れてパワーもあるので、IXO6+トルクアダプターよりは使い勝手が良いです。