「できるだけ安くて、良い音がするPCスピーカを教えてくれ」とよく聞かれます。
私が愛用しているCreative Pebble Desk Top Speakers SP-PBL-WHが、安くていい音がするスピーカなので紹介
します。
Creative Pebble ってどんなスピーカーなの?
ざっくりと特長をまとめると
- 価格は、
2千円以下円安で 2300円で買える - 電源はUSBの5V
- アンプは内蔵するアクティブスピーカー
- アナログ入力だけ
- 約11cm直径の球状スピーカー
といったところでしょう。
Creative って何?
シンガポールに本社のあるパソコン周辺機器の中でも音響関連の製品をつくるメーカーです。特に、パソコンのサウンドカード「Sound Blaster」で有名になりました。日本法人は、「クリエイティブメディア」です。
Creative Pebble を写真で紹介
同梱物は、
- Creative Pebble本体
- 取扱説明書 / 保証書
だけです。
大きさ・設置占有面積は、一個あたり 直径12cm程度の範囲になります。高さも同様です。
Creative Pebble 右スピーカー
右側のスピーカーに
- USB-Aプラグの付いた電源ケーブル:1.2m
- ステレオミニプラグの音声入力ケーブル:1.2m
- 左のスピーカーへつなぐケーブル:1.1m
がついています。
- パソコンやディスプレイからの引き回しは、1.1m以内
- 左右のスピーカの間隔は、1m以内
の範囲で置けます。
右スピーカーに電源とボリュームがついている
右のスピーカにアンプ基板が入っています。電源スイッチとボリュームが兼用になったツマミが付いています。
このスピーカに内蔵するアンプ基板は、一枚数十円で売られている安物で、電源が入るとポップ音「ブツン、バチッ」が入る仕様です。そのポップ音が入る問題を、スイッチ付きボリュームを使うことで解決しています。
Creative Pebbleのパッシブラジエータ
小さいスピーカーの箱(エンクロージャ)で、低音を出そうとする仕組み「パッシブラジエータ」が付いています。
これは、昔からある技術で、ドロンコーンと呼ばれていました。スピーカーのコイルを外したものを共鳴板として使います。
音がでている状態で、このパッシブラジエータに触ると、ビリビリと振動しているのが分かります。
欠点は、2つ。
- ビビリの原因
- 共鳴が一部の周波数に偏っていて音が濁る
BGMとして普段から聞き流すようなスピーカ用途では、これらの欠点は気が付かないでしょう。
Creative Pebbleの音響について
スマホで、オーディオアナライザーアプリを使います。マイクは、i437Lを使います。
-
MicW マイクダブリュー i437L と SignalScope Pro を使って、周波数特性・オーディオ音響測定をする方法
かつてオシロスコープなどの大がかりな測定装置が必要だったオーディオ・音響測定も、今は、スマホだけでできる時代になりました。 モードによって少し変わる このページは、測定用の高性能マイク「 ...
続きを見る
ピンクノイズを発生させて、マイクで音を拾って、Octave Analyzerの棒グラフ表示で観察します。
低音域と高音域を強調した極端な”ドンシャリ”の音であることが分かります。このフタコブラクダのようなカタチだと、音としては悪い部類になります。
スピーカーの径が小さいので、本当の低音は出せません。
このエンクロージャ(スピーカーの箱部分)が出せる1番低い音 150Hz前後の低音を大きく響かせるようになっています。
パッシブラジエータが効いていますね。
この低音域が強すぎると、ブーミー(低音が気持ち悪く響く変)な音になってしまいます。
高音域は、6000〜12000Hzを強調しています。
若い人だと、高音が気持ち悪いくらい響いて聞こえるので、「疲れる音」になります。
その場合は、スピーカーを後向きにすると、低音のパッシブラジエータがこちらを向いて低音が強調され、高音が和らぎます。
ドンシャリの音の味つけは、過半数の人が低音が響いて高音がよく聞こえるので、「キレの良い音」として感じます。
パッシブラジエータは、共鳴板の構造のため、中音〜低音域が強くなる代わりに音が濁ります。
Creative Pebbleのグランドノイズ
アナログ音声入力しかないので、入力ケーブルへのノイズが混じることがあります。
- 低音のノイズ「ブーン」
- 発振回路「ループ回路」が電灯(コンセント)配線でできてしまった
解決策は、異常発振している回路を切ることです。
つないでいるUSBの電源を良質なモバイルバッテリー、音源を充電していないスマホに換えてみましょう。
ノイズ音が止るはずです。
入力用の3極ステレオミニプラグのケーブルが 以下の4つのどれかの条件でノイズが起きます。
- 音源になるパソコンと電源が同じコンセントだったり
- AC電源コードに巻き付いていたり、からまっていたり
- ACアダプターに近かったり
- 電源のUSBケーブルに巻き付いていたり
これらが原因をとりのぞけば、ループノイズ(異常発振、寄生発振)が消えます。
Creative Pebbleの電流と電圧
- iPod touch 6の音量は最大に
- USB充電器からの給電
- PC700二台で電圧と電流を測定しデータロガーで記録
でテストしました。
入力信号は、基本的にボリューム最大にします。これは、アナログケーブルで、ノイズを最小限に抑えるためです。AVアンプなどの「LINE OUT」のオーディオ信号と同じくらいの電流になります。
必要な電流は、大音量でも、0.05A程度の電流が流れるだけです。パソコンの画面をみながら作業をする時のBGMとして使うのであれば、0.02A程度のわずかな電流で動作します。
- パソコンの空いているUSB端子
- テレビなら録画用HDDをつなぐUSB端子
- 出先ではモバイルバッテリー
- スマホ用のUSB充電器
で、使えます。
100均で売っているUSB充電器のような粗悪なものだと、ノイズが大きくなるかもしれません。
まとめ
「Pebble」とは、英語で「小石」です。小型のスピーカを「Pebble」と名付けたものは、他にもJBLの卓上スピーカーにあります。
ちなみに、この球型の小型スピーカの”はしり”は、Apple Pro Speakers です。価格は、7千円だっけか? そこそこ高かったと思います。
アクリルの透明な奇抜な球型エンクロージャ(筐体)と、その小ささから想像できない豊かな音に、我々マカーは驚かれされました。
当時(2000年頃)、MacのiTunesにCDをリッピング(録り込んで)、パソコンをプレーヤーにするオーディオシステム【PCオーディオ】が流行り始めたのです。
iMac G4(大福Mac)についていたApple Pro Speakersです。Harman Kardon(ハーマンカードン)が設計デザインしたスピーカです。これに、サブウーファー「iSub」がセットでした。
このアップルスピーカーとiSubは、改造もふくめて現物を今でも使っています。
-
夏休みの工作:Apple Pro Speakersを現行のIntel MacやiPhone やiPodに繋いで使いたい。 : Sunday Gamerのブログ
夏休みということではないが、いろいろと電子工作的なことをやって遊ぶ計画を立てている。それでも、片道70、80キロとかで街にまで無線パーツ屋に買いに出かけるのは現実的ではない。ガソリン代と往復の時間を考 ...
続きを見る
Creative Pebbleも、「小さいスピーカは低音が鳴らない」という先入観をうまく利用した音響心理学的に”聞き手の驚きを誘う”スピーカです。
Apple Pro Speakersでは克服できなかった「低音が鳴らない」欠点を、少し大きめのエンクロージャと「パッシブラジエータ」で補ったものです。
ただし、”低音と高音を盛った”不自然な音であることには違いないので、音源(ソース)によっては、良い音に聞こえないことがあります。たとえば、交響曲を小さめの音で聴こうとすると厳しいです。
1万円の予算と足元にスペースがあるのなら、サウンドバー&サブウーファータイプがおすすめです。
-
1万円以下で買える サブウーファー付き サウンドバー Creative Stage(クリエイティブ ステージ)を買って使っているのでレビュー
「1万円前後で買える コンパクトで音の良い ゲーム / PCスピーカー を紹介して欲しい」とリクエストを数多くいただきます。 いろいろ買って試しているものの、「コレは、おすすめ!」なものが、見つかりま ...
続きを見る