深夜に畑を荒らす動物や、敷地内にはいってくる人を監視するために使っているトレイルカメラの電源が勝手に落ちるようになりました。
「電源が落ちる、スイッチを入れても反応しない。」という不具合なので、電源の故障が疑われます。
幸いにも、分解して故障か所が分かったし、簡単だったので直しました。
「トレイルカメラの電源が入らない」故障を修理したレポート
にまとめました。
- 分解するので、メーカーのサポートは受けられなくなります。
- 1年の保証期間が過ぎたトレイルカメラを自分で整備、修理した記録です。
- ここに書かれていることを勝手に実行して何らかの損害が起きたとしても、私には一切の責任はありません。
トレイルカメラとは、電池を内蔵した置き型の監視カメラです。赤外線センサーでカメラの正面に来た動物を観察するための野外カメラです。
詳しくは、こちらで解説しています。
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故障したトレイルカメラの症状
今回故障したトレイルカメラは、
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です。
不具合の症状は、
- SDカードに記録された録画ファイルが、途中からない
- 電池を新しいものなのに、電源がすぐに切れて録画されていない
- スイッチをいれても、反応しないことがある
- 電源スイッチを入れても、反応しなくなる
- USBのポートに差してみるとカメラは起動して正常に機能する
以上のことから、
考えられるトレイルカメラの故障原因
- 電池とカメラの基板への電源ケーブルが断線
- 電源スイッチのハンダクラックがおきて接続不良
などが予想されました。
トレイルカメラを修理する
分解
基板、電源コードがみえる状態まで分解します。
接着剤や両面テープでくっつけたところがなかったので、ネジを外せば簡単に分解できました。
シール、パッキンがあって、防水構造になっています。なかなか良くできています。
マイクはシリコンゴムで覆ってあるので、表のケース側からひっぱって外さないと基板がはずぜません。
ハンダがケチってあるのでケーブルが切れました。
電源スイッチ
最初にわかった不具合が、スイッチを入れても動作しないことがあったりなかったりと不安定だったので、電源スイッチをまずチェックしました。
スライドスイッチの足のハンダ具合を確認しました。特に問題はないようです。念のために、再ハンダづけしました。
動作確認のため、電池をいれてもまったく電源が入りません。
前は、たまに電源が入ったり、入らなかったり、突然切れたりだったりとかしていました。今回は、うんともすんとも全く電源が入りません。
電源コード
次に、1番疑わしい電源コードをチェックします。
構造上、単三乾電池を収納する裏ぶた部とカメラなど基板が入った表の蓋の2つで成り立っています。
このトレイルカメラは、操作、電池交換、SCカード取り出しのたびにフタを開きます。
電源コードは、開閉の度に徐々に疲労していますので、遅かれ早かれ断線します。
「開閉するところを配線する時に、どういう構造で防水性を高めるのか?」は、永遠の課題だと思います。
この構造は、よく考えてあると思いました。シリコン被覆のコードをギリギリの穴の中をグニャニャと通してあります。さすが中華、強引なやり口です。コストダウンには、結果オーライでいくってことですね。
さらに、水が浸入しないように、シリコン樹脂で隙間を埋めてありました。パッキンの下をシリコン被覆のコードが通っています。
電池側の構造も、万が一水が浸入しても、電池にすぐにかかって、ショートして発火するような構造にはなっていません。
ケーブルを伝って水が入っても、ケースの下に水が貯まるようになっています。
この配線まわりの構造解析に夢中になっていて、写真を撮るのを忘れていました。
テスターで調べて、赤いプラスのコードが通電しないので、断線していることがわかりました。外します。
ゲル硬化のシリコン樹脂ペーストで穴も埋めてありました。ゲルだから、ひっぱれば外せます。
電源コードの交換修理
はて、困りました。手持ちの配線材に、屈曲疲労に耐えるものはありません。
そこで、コードが断線する度に簡単に交換できるように、メンテナンス性をあげて配線することにしました。
ケースに穴を開けますから、防水性はなくなります。
水の中に浸けるものではないし、雨の降る日だけ気を付けて設置すればいいので、ビニルテープで穴をふさぐようにします。
台風など暴風雨の中を撮影することはないので、問題はないでしょう。
ケースに、ケーブルをショートカットできるように、穴をあけて、邪魔する部分は削りました。
技工の合間に、ちょこっと作業するだけです、削りかすは、エアで飛ばします。愛用しているKaVoのエンジンじゃなくて、非力なドレメルのリューターでやってみました。
時間はかかりますが、穴開け、バリ取りはできます。
- 構造をみながら
- 穴の位置を決めて
- コード通して試して
- 穴を広げて
以上の作業をします。
コードをハンダ付け
コードが長すぎると、うまく引き回せないので、長さをギリで切って2mm被覆をむいて、ハンダづけします。
ピンセットが必要な作業です。
ハンダづけできたら、電池をいれて動作確認をします。
配線の極性さえ間違えなければ、とくに問題はないはずです。電源が入りました。直りました。
コードがひっかからないように、ケースに基板を収めていきます。
やっつけ仕事です。
このむき出しの部分は、ビニルテープをはってカバーしました。
マイクの断線を修理
分解して、テストしてるときに、マイクのケーブルが取れました。ハンダづけ部からはがれてしまいました。
シリコンでシールしてあったのをはがして、ハンダ部を露出させて、切れたケーブルをハンダづけし直しました。
これで、動画への音声取りこみも復活しました。
まとめ
簡単な故障だったので、なんとか使えるように直せて良かったです。
電源ケーブルを通すために穴を開けなおしたため、穴があいたままで防水ではなくなりました。
ビニルテープを貼ってカバーします。それでも、雨の日に屋外でそのままの設置はできないでしょう。上に傘をつければ問題ないかな。
基板やカメラなどの主要部品が壊れるまで使い続けます。
カメラの光学センサー(中華の安物)の劣化を考えると、ドライブレコーダーと同じで2〜3年程度の寿命だと思います。
ガジェットブロガーならメカにも強くて当然ですから、修理ネタもブログ記事として必要なので、ラッキーでした。