USB-C(USB Type C)のポートを持つ機器が増えてきました。
スマホ、Nintendo Switch、iPad Proで、USB-Cが採用されたことで、USB-Cの規格が主流になりました。
実は、AppleのMacもUSB-CポートをThunderbolt 3の通信ポートとして使っています。
そんな「USB-C」と「Thunderbolt 3」「Thunderbolt 4」について、簡単にまとめました。
PS5につなぐ USBのストレージ(爆速SSD)の話は、「PS5の外付けSSDの選び方とおすすめ3つ」にまとめました。
私のブログ記事内で、「USB4 って何?」など用語の解説をリンクで参照するものです。
なお、文中のリンクは用語解説です。アフィリエイト広告ではありません。
USB-C と Thunderbolt 3(Thunderbolt 4) って何? どう違うの?
- USB-Cは、USB Type Cのことで、USBの最新規格で、超高速通信と100Wまでの電気も通せる
- Thunderbolt 3は、USB-Cの(上位)互換性関係にあり、USBの2倍、4倍の超々高速通信ができる
- 2019年3月、IntelがThunderbolt 3のプロトコル使用をUSB協会(USB Promoter Group)に提供し、USB4となる
- 2020年、Thunderbolt 4 規格 発表
USBーC(USB Type C)
USBって何?
USBは、Universal Serial Bus(ユニバーサルシリアルバス)といって、パソコンと周辺機器をつなぐデータ通信の規格と接続ケーブルやコネクタです。
1996年に作られました。(usbc)
1998年に発売された初代iMac(ブラウン管の青い透けたMac)にUSB 1.0 が使われて、一般的に広まりました。
2013年には、USB3.1がでて、さらに、2017年にUSB3.2に拡張。
- USB 3.1 Gen 1(第1世代):USB3.0、5Gbpsの通信速度、1mまで
- USB 3.1 Gen 2(第2世代):10Gbpsの通信速度、1mまで
- USB 3.2 Gen 1:10Gbps、ケーブルが2mに
- USB 3.2 Gen 2:20Gbps、ケーブル 2m
次々と新規格がでて分かりにくくなったUSBは、ロゴを一新し、転送速度が一目で分かるようになりました。
正しい(詳しい、最新の)USBの規格については、↓でリリースされるUSB仕様書を参考にしてください。
-
Front Page | USB-IF
www.usb.org
USB-C って何?
USB-C(USB Type C)は、コネクタ(プラグ)の形状の一つです。
いままでの、A、B、miniB、microBのコネクタ(プラグ)の形と違って、Type Cには向きがありません。便利になりました。
USB-Cのピンは、24ピンとたくさんの線が使えます。
詳しくは、ウィキペディア(USB規格が複雑なので まちがえている)で
-
USB Type-C - Wikipedia
ja.wikipedia.org
- 電源・バス電源:4ペア
- データ通信 :2ペア
- 超高速通信:4ペア
- コネクタやケーブルの向き・サイドバンド:2ペア
Power Delivery(USB PD)
USBで供給できる電源(USB給電)の規格です。USBバスパワーとも言います。(usbpd)
最初のUSB 1.0 は、キーボードやマウスの接続を想定していたので、5V / 0.5A(2.5W)でした。
その後、いろんなデバイスをつなぎたいがために、コロコロと規格を変えて進化しています。
USB 3.0における Power Delivery 3.0では、最大で
- 5V / 3.0A → 15W
- 9V / 3.0A → 27W
- 15V / 3.0A → 45W
- 20V / 3.0A(5.0A) → 60W(100W)
の電流を供給できるようになっています。
オルタネートモード(Alternative Mode)
USBの信号線を他のプロトコル(データ通信規格)を使うのをAlternative Mode(オルタネートモード)と言います。
- DisplayPort:デジタルディスプレイをつなぐ規格
- MHL:スマホ、タブレットの映像、音声伝送規格
- Thunderbolt 3:主にAppleのMacで使われている
- HDMI:音声、映像の伝送規格
- VirtualLink:VRヘッドセットの接続規格
などが、USBのオルタネートモードに対応しています。
つまり、
- パソコンやスマホとディスプレイを
- HDMIケーブルでゲーム機をテレビやディスプレイに
- キャプチャーデバイスをつなぐ
- eGPUユニットをつなぐ
つなぐことが、対応したUSBケーブルでできます。
Thunderbolt 3(USB4)
Thunderbolt(サンダーボルト)は、インテルとAppleが共同開発した超高速データ転送技術(シリアル通信)です。(tb3)
- Thunderboltの元は、FireWire(IEEE1394)という高速シリアルバス通信でデイジーチェーン(数珠つなぎ)をサポート
- Thunderbolt は、2011年のMacBook Proから搭載、Mini DisplayPortと兼用
- Thunderbolt 2 は、2013年に登場。20Gbpsの転送速度に
- Thunderbolt 3は、2015年に登場。40Gbpsの転送速度に、USB-Cポートと兼用
- 2019年3月、IntelがThunderbolt 3をUSB Promoter Groupに提供し、USB4™ に
デイジーチェーン
数珠つなぎのこと。
Apple Computer社のMacintoshのインターフェイスは、
- SCSI(スカジー):HDD、プリンター、CDドライブ
- ADB(エディービー):キーボード、マウス、トラックボール
のどちらも、デイジーチェーンだった。
Thunderbolt 3 (USB4 )の特徴
ウィキペディアからの抜粋。
- 2015年
- 通信プロトコル
- PCI-Express 3.0
- DisplayPort 1.2
- DisplayPort 2.0 ← New
- USB3.1 Gen 2
- USB3.2 Gen 2 2レーン
- レーン:全二重1レーン
- 最大転送速度
- Thunderbolt:40 / 20 Gbps
- USBーC:10Gbps × 2 (1レーン)
- 供給電力:15W、10W(5V / 2A)〜 100W(20V / 5A)
- 最大ケーブル長:2m
- 光ファイバー 60m
- USB4™:0.8m
2020年11月以降、AppleのMacは、Intelベースのチップセットから、独自のARMベースのSoC(Apple M Chip)になりました。
M1 ChipのMacの仕様は、Thunderbolt 3までのサポートで、データ通信帯域がIntel版Macと比べて劣っていて試作品状態です。
8K対応に性能が若干アップしただけ。
USB4、DisplayPort Alternate Mode 2.0
2021年頃に製品が出る予定。8Kや16Kの映像表示のためのビデオケーブル。
DisplayPort Alternate Mode 2.0(DisplayPort Alt Mode 2.0)の上位互換規格
- 1レーン、19.34Gbps、4レーン:77.37Gbps、最大80Gbps
- USBデータずつ、40Gbpsのデータ通信
- 8K(7680×4320)/ 60fps、カラー30bpp、4:4:4
- 16K(15360×8460)/ 60Hz 、カラー30bpp、444 HDR(圧縮)
USB4 PD(USB PD Extended Power Range・EPR)
2021年5月、PowerDeliveryの上限を20V→48Vにあげる。20V / 5A、100W → 48V / 5A、240Wに。
ケーブルや配線をまちがえると、火を噴くレベルに。
Thunderbolt 3とUSBーCケーブルの違い
似て非なる物です。
USB4(Thunderbolt 3)ケーブルとUSB-C充電ケーブルは別物なので間違えないようにしましょう。
見た目が同じで、さまざまな仕様のあるUSB-Cケーブルとプラグを調べるテスターがあります。
-
USB CABLE CHECKER 2(USB ケーブルチェッカー2)レビュー。つなぎ方、使い方を徹底詳細解説。
ガジェットを買うと、付いてくるUSBのケーブルや変換プラグが、机の引き出しに貯まってきますよね。 USBケーブルや変換ケーブル/プラグが、 データ通信もできるのか? USBの給電だけ、バスパワーだけな ...
高速なデータ通信 40Gbpsを安定してだせるケーブルの長さに限界があり、0.8m以下になります。
Thunderbolt 2(mini DisplayPort)のように2mの(アクティブ)ケーブルがないので不便です。
Thunderbolt 3(USB4) ケーブル
- eGPUユニット
- RAIDストレージ
- Thunderbolt 3接続のディスプレイ
- Thunderbolt 3のドックステーション
これらのものは、付属のThunderbolt 3ケーブルか、Apple ストアで売られている純正のThunderbolt 3 ケーブルをつなぎます。
Thunderbolt 3(USB-C)ケーブル(0.8 m)¥4,950 (税込)
- 最大40Gbpsのデータ転送
- USB 3.1 Gen 2による最大10Gbpsのデータ転送
- DisplayPortビデオ出力(HBR3)
- Thunderbolt 3またはUSB-C対応デバイスとディスプレイに接続
- 最大100Wの充電ができるPower Delivery機能
- ほかのケーブルと見分けやすいようにThunderboltのロゴ入り
- 最大6台のThunderbolt 3対応デバイスを連結接続(デイジーチェーン)
非常に高価です。だからこそ偽物が多いので、Appleストアから純正品を買うことをおすすめします。
USB-Cの充電ケーブルと間違えないように区別して大切に扱いましょう。価格が全然違います。
Wavlink Thunderbolt 3ケーブル
WAVLink ブランドの50cmのケーブルです。
USB-Cコネクタ部に、Thunderbolt アイコンと3の文字がついて、他のケーブルと区別できます。
USB CABLE CHECKER2で、みると、Emarkerもついて、すべての結線がある、フルスペックであることがわかります。
Anker Thunderbolt 3 ケーブル 0.7m 2500円
Ankerも、Apple純正の半額で販売しています。
Thunderbolt 3接続のHDMIキャプチャデバイスやeGPUとの接続もOKでした。
Thunderbolt 3 - Thunderbolt 2アダプタ 5280円税込
いままで使っていた Thunderbolt 1と2の接続機器につなぐためのアダプターです。5千円超の高いものですが、Apple純正しかありません。
Intel Mac専用です。M1 MacのThunderbolt 4(USB-C)端子につないでも、まったく認識しません。
Amazonのアップルストアで TB3→TB2ケーブル を見る
USB-C ケーブル
ピンキリです。
- USB-Cのフルスペックのものは、短く高価
- USB-C 充電ケーブルは長くて安価
- USB-C ー USBプラグ
- USB-C ー Lightning ケーブル
- USBーC ー HDMIケーブル
- USB-C ー DisplayPortケーブル
などいろいろあります。
USB-C ー HDMIケーブル
Thunderbolt 3(USB-C)がついているマザーボード(Windows )やMacに、HDMI変換ケーブルをつかって、UHD(4K)ディスプレイに繋げられます。内蔵グラフィックスを使います。
USB-A - USB-Cケーブル
主にスマホやタブレットの充電用として使われます。Nintendo Switch(携帯ゲーム機)の充電用ケーブルとしても使います。
-
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充電以外にも、USB2.0程度の通信ができるタイプと、USB3.0の通信ができるすこし高いケーブルがあります。
USB2.0-USB-Cケーブル
データ通信は、USB2.0で、スマホやタブレット、外付けHDDなどの超高速なデータ通信が必要のないデバイスにつないで使います。
USB3.0-USB-Cケーブル
これは、キャプチャーデバイスのGV-HUVCについていたUSB 3.0 - USB-Cケーブルです。USB3.0のポートがあるパソコンへ高速なデータ通信を安定して送る時に使います。
トランジスタ技術 2020年2月号 USBの特集
USBに関する技術的情報を入門用にやさしくまとめてあります。
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トランジスタ技術 2020年2月号 特集「世界規格 新USB Type-C 攻略DVD」トラ技エンジニア手帳付き
2020年2月号は、USB Type-C です。 DVD:全400分超! USBワークショップ「実演セミナー」 別冊付録:トランジスタ技術エンジニア手帳 2020 今月の特集 USB規格も、Type- ...
Thunderbolt™ 4
Intelが、2020年7月8日発表。
- Intelのチップセット:Tiger Lake(第11世代)に搭載
- Intel 8000シリーズ
- 2021年 AppleのiMac、iPad Proから搭載
- 形状ともに、USB4と同じ
- 40Gbps
- PCI-Eのデータ通信が、16 → 32Gbps
- ケーブル長が2mの制限から、5m以上の延長可能に
- Thunderbolt ハブで 4分岐のカスケード接続も可能に
- DMA(Direct Memory Access)のセキュリティ「VT-d」
Thunderbolt 4の転送速度
40GHz(40Gbps)超のデジタルデータ通信は、物理的に限界に達しています。
PCI-Express(パソコンの内部バス)の転送速度は、16Gbpsの2倍の32Gbpsまで出せるようになり、4K の倍、8Kの転送もできるようになりました。ギリギリです。
アクティブケーブルの改良で 40Gbpsを5m以上に延長可能に?
ケーブルを長くすると通信データの信号が弱まったり、ノイズでデータのエラーが起きたりして伝わらなくなります。
単純なコントローラICチップと銅線のケーブル(パッシブケーブル)だと、Thunderbolt 3で 0.9mが限界。
Thunderbolt 4で2m、それ以上のケーブル長でのデータ転送をするために、USB-Cコネクタ内に専用ICチップを組み込み、データ通信エラー修正と通信信号の増幅強化した「アクティブケーブル」になるようです。
現時点では、2mのUSB-Cケーブルです。
デイジチェーンから、USBハブのスター(カスケード)接続
Thunderbolt 3は、ケーブルで数珠つなぎをすると最大6台までつなぐことができました。
Thunderbolt 4からは、Thunderbolt分岐のハブで4つに分けることができます。
数珠つなぎだと途中の機器の電源をオフにしてしまうと、後につないだ機器につながりません。
ハブでつなぐのなら必要な機器に電源をいれてつないで使えます。
Thunderbolt 4のハードウエア セキュリティの強化
データ通信に直接アクセスして、コンピュータを乗っ取ることのできるハッキングツールをつながれても、パソコン(タブレットなど)を乗っ取られないような仕組みになりました。
Thunderbolt 出力を USB-Cのモニターディスプレイで 映像がでない問題
ThunderboltとUSB-Cは互換性がありますが、映像入力のUSB-Cに Thunderboltケーブルをつないでも映像がでないことがあります。
USB-Cで映像入力できるモニターディスプレーには、USB-CのeMarkerのついたフルスペックのUSB-C ケーブルを使いましょう。
古いThunderbolt3ケーブル、怪しいUSB-Cケーブルは使えません。
まとめ
USB-CとThunderbolt 3のケーブルとポートについてのまとめ記事です。
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