ブログや動画でオーディオ機器(音 ガジェット)のレビューする人が急増している。
オーディオ(音響機器)を語るのに必要な知識がないのに、「イヤホンの音が〜、ヘッドホンの音が〜」と自分のいい加減な知識と感覚だけで良し悪しを語る、ひどい状況だ。
音の良し悪しをブログやYouTubeで語りたいのなら、自分の感覚に頼らず 何か定量する方法で示さなければならない。
テスト信号を発生させ、その信号を測定するオーディオ専用の測定器「オーディオアナライザ」があるが、値段も高く買えない。そこで、
手軽にオーディオ機器をテストして音の良し悪しをブログや動画で語ったり、音響調整をしたりするのに便利なCDやDVDが販売されているので紹介しよう。
オーディオテスト用のCD、DVDの使い方 まとめ
販売元は、その名も「日本オーディオ協会」(JAS、Japan Audio Society)。
詳しいことは、公式のサイトを参照して欲しい。
https://www.jas-audio.or.jp/about/overview
オーディオ テスト CD-1 3205円
よく使うテスト用信号音をあつめたCD。
- ステレオ機器(イヤホン、ヘッドホン、卓上スピーカー)のテスト用
- 91種類の音楽測定用信号
が収録されている。
収録されているテスト信号
チャンネル・チェック用
音の大きさも「-20db」と指定された信号なので、アンプの音量の測定にも使える。
- ピンクノイズ:左右、同位相、左右同時 / 5秒ずつ
- 1kHz 正弦波1Hz :左右、両方
- スポット正弦波:20、25、31.5、10、50、63、80、100、125、160、200、250、315、400Hz、… 省略… 8、12.5、16、20KHz/10秒ずつ
- スイープ信号:1kHz, 20Hz~20kHz Sweep 、左右、6種類
- 4Hz~125Hz ステップ信号:超低音用 2種類
- 混変調 ひずみ測定用複合波信号: 60Hz : 7kHz (4:1) 、14kHz : 15kHz (1:1)
- ホワイトノイズ:20Hz〜20KHz 左右同時
- ピンクノイズ:20Hz〜20KHz 左右同時
- ウエイテッドノイズ信号:3種類
- オクターブバンドノイズ信号:1/3 20Hz〜16KHz、25区分
- 200Hz~800Hz バンド・ノイズ信号
- 100Hz~8kHz バンド・ノイズ信号
- 1kHzバースト
- 20Hz~11.025kHzバースト信号
- 20Hz~11.025kHz ピップ信号
- レイスド・コサイン信号
- インパルス信号
- 競技用ピストルの音
ファンクションジェネレータで作る手間が省ける。
受信側は、マイクとオシロスコープ、スペクトルアナライザで観測する。
-
MicW マイクダブリュー i437L と SignalScope Pro を使って、周波数特性・オーディオ音響測定をする方法
かつてオシロスコープなどの大がかりな測定装置が必要だったオーディオ・音響測定も、今は、スマホだけでできる時代になりました。 モードによって少し変わる このページは、測定用の高性能マイク「 ...
今は、スマホアプリでできる。
公式は、
https://www.jas-audio.or.jp/softs/post1228
オーディオ チェック DVD-V1:5500円
AVアンプでサラウンドにしている人向けのDVD。今となっては、古い仕様だ。
サラウンドの最小限構成は、前に3つ(左、真中、右)、横(左、右)、低音専用の5.1ch。
このDVDは、5.1chの構成に対応している。
最近の7.1ch、5.1.2chには対応していない。(AVアンプ側でテストと調整を自動でやってくれるので必要がない)
DVDプレーヤで再生する。AVアンプには、HDMI(機能は限定されるが 光デジタル出力端子、コアキシャルも可)ケーブルでつなぐ。
DVDプレーヤ対応なので、メニューから選んで、必要なテスト用コンテンツを開いて選べる。
- 48KHz/24bit/2ch LPCM AUDIO CHECK:DVD標準の音質でテスト
- 96KHz/24bit/2ch LPCM AUDIO CHECK:ワイドレンジ(ハイレゾ)の音質でテスト
- Dolby Digital 5.1ch Surround AUDIO CHECK:サラウンドの標準「ドルビーサラウンド5.1ch」
- DTS 5.1ch Surround AUDIO CHECK:DTS 規格のサラウンド 5.1ch
- デモンストレーション 音楽:ジャズ、POPS、クラッシックの曲で試そう
の5つから、選べるようになっている。
48KHz/24bit/2ch Linear PCM AUDIO CHECK
- チャンネルチェック音楽 左右
- 位相チェック 同位相→逆位相→同位相
- ステレオ音場チェック 音楽
- 周波数帯域 レベルバランスチェック用信号
- レファレンスレベル信号 1kHz -20dB 左右
- 周波数スイープf信号 1kHz 15dB、20〜20000Hz -20dB
- 正弦波スポット信号
- 1/3 Octave バンドノイズ
- ピンクノイズ
- ダイナミックレンジ測定用信号 1kHz -60dB
- デジタル ゼロ
96KHz/24bit/2ch Linear PCM AUDIO CHECK
48KHzと同じ
- チャンネルチェック用音楽
- リファレンスレベル信号 1kHz -16dB
- リファレンスレベル信号 1kHz -20dB
- 周波数スイープ信号 1kHz -15dB、5〜24000Hz -20dB
- 周波数スイープ信号 1kHz -25dB、8000〜48000Hz -30dB
- 正弦波スポット信号 -20dB、
- ダイナミックレンジ測定用 1kHz -60dB、
- ディジタル ゼロ
ドルビーデジタルサラウンド信号(48kHz 5.1ch 448kbps)
- Dolby Digital トレーラー
- 2ch チェック用信号
- チャンネチェック用信号 1kHz、1/1Octave ピンクノイズ
- 位相チェック用信号
- サブウーファー位相チェック信号 63Hz 1/1 Octave ピンクノイズ
- サブウーファーレベル調整用信号 -20dB、ピンクノイズ
- サラウンド音場チェック
- サラウンド音場チェック2
- 1/1 Octave バンドノイズ -20dB 5チャンネル同時
- ピンクノイズ 20Hz〜20KHz 5.1ch全部
- インパルス信号 -10dB
- レファレンス信号 1kHz -20dB、5ch
- 周波数スイープ信号 1kHz -15dB、20〜20000Hz -20dB、5ch同時
- 低域周波数スイープ信号 1kHz -15dB、5〜500Hz -20dB、6ch同時
- 無音
DTSサラウンド 48KHz 5.1ch
- DTSトレーラー
- チャンネルチェック音楽
- ピンクノイズ 20〜20000Hz、-20dB、6ch同時
- リファレンス信号
- 周波数スイープ信号 20〜20000Hz、-20dB、5ch同時
- ダイナミックレンジ測定用信号 1kHz -60dB、5ch同時
- 無音
デモンストレーション音楽
- 96KHz / 24bit Linear PCMステレオ(ハイレゾ)のテスト音楽
- ドルビーデジタルの音楽
- DTSの音楽
- ドルビーデジタル 動画
どれも、古い解像度の荒い映像と動画なので、期待してはいけないw
公式は、https://www.jas-audio.or.jp/softs/post1230
今は、AVアンプに調整用のマイクをつけて 自動で設定します。
オーディオチェック CD、DVDを使って実際に音響測定をする
CDをMac(Windows PC)に、AIFFやWAVファイルなどの劣化なしでリッピング(録り込み)をして、プレーヤで再生する。
- マイクは、ローランドのCS-10EM
- Macに 各種DAC→ヘッドホンをつないで
- 信号音を再生する
ピンクノイズをオクターブバンド(1オクターブを3分割で表示)で見れば、そのヘッドホンの鳴り方が一目瞭然になる。
PS5純正のCFI-ZWH1Jのイコライザ特性を見てみよう。
低音控えめのシャリシャリとした音を強調したゲーミングヘッドホンの一般的なイコライザ設定になっているのが分かる。
Astro MixAmp Pro TRとA40 TRでの音は、
低音が強めな設定なのがわかる。5KHzに突出しているのは何か分からない。
MixAmpでイコライザの設定が自由自在にできるので、どんな特性にもできるが、これは全部ノーマルの状態
Razer Kraken V3 X(USBプラグのヘッドセット)では、
ゲーミングヘッドセットなのに、高音と低音を抑えて中音域を強調したチャット通話向けの音になっている。
順次追加していく。
イヤホン、ヘッドホン、スピーカー各種のリンクを貼る。
良い音になる おすすめ オーディオ環境 構築の コツ まとめ
究極のオーディオシステムは、どうやって作るの?
素人の個人がやろうとすると、オカルト オーディオ詐欺師にだまされボッタクられるので注意しよう。
(特に欧米のブランドメーカがオカルトなのは現在も変わりなく、中国のパチモンの方がマシ。)
過去に何度かあったバブルで運良く稼げた成金が、いろんな詐欺師にだまされて、その後消えていったw
個人でも、億単位の金を出せば作れる。住宅の部屋の設計施工こみ2億円〜。
ゼネコンや大手住宅メーカーの、コンサートホールや映画館を建設する部署(担当者がいる)に相談する。
部屋(家)の設計と施工は、ゼネコンの下請け、機器や調整などは音響メーカーのホール担当、機器担当がやってくれる。
新しく家を建てるので、オーディオルームは どうしたら良いですか?
- ワンフロア リビングは、ホームシアター(AV音響、ゲーム用途も)に向いていない → サウンドバーのオカルトが横行
- PCゲームのゲーミングモニタと映画鑑賞用テレビは兼用できないため、部屋内の配置に工夫がいる
- 専用部屋の設計(6畳以上)
- 空調と換気の音を抑える仕組みは高くつく
- 配線を隠すより、引き回せる構造(ケーブルを束ねない)と工夫を
- 重低音が漏れない防音設計、特に床構造!
- 反響を制御できる構造に、
- ビリつき(共振)を抑える壁や天井、ドアの構造
- 壁につけるコンセントは多く、3Pで(低圧動力 200V)配線と兼用に
私の書斎は江戸間の4畳半で狭いため、テレビの50インチ以上が置けない。できれば、8畳以上の正方形の部屋が必要だ。
リアルサラウンドの難しさは、スピーカーの配置と部屋の残響のコントロールにある。
AVアンプの進歩で、残響は自在にコントロールできるようになった。
ゲームでは、フレンドとチャット、実況中継などマイク音声収録を多用するため、部屋はデッド(無反響)にしなければならない。
吸音の壁構造や材質を選ぶことが重要である。
ただし、経時劣化でボロついてしまうため、定期的に貼り替えが必要だ。カーテンやスポンジを貼るDIYを楽しみもあるか。
音響テストで音の変化を試してみましょうw
まとめ
このページは、イヤホン、ヘッドホン、各種スピーカーからの参照のページになる。
40年ほど前、オーディオ、BCL、アマチュア無線は、「趣味の王道」として モテはやされた。
しかし、
- オーディオ評論家(今で言うところの「嘘つきアフィリエイト Webライター、アフィカス」)たちが、雑誌やコミュニティでデマを流した
- オーディオ機器販売店が、ボッタクリ商売(過大な評価、嘘をついてオーディオ機器やソフトの販売を買いあおった)をした
- オーディオマニアが、音の良し悪しを自分の感覚だけで論じるため、「オーディオ = オカルト」の烙印を押された
ため、オーディオを趣味にする人口が激減し衰退の一途をたどっている。
2021年、Apple Music、Amazon Musicが「ハイレゾ」音源を無料化(サブスク利用者に限定して)した。
何度目かわからないが、再びオーディオブームの兆しが見え始めている。
定量的な手段を持ってオーディオ機器の音の良し悪しを語れる人が増えれば、うさんくささ「オーディオ=オカルト」から脱却できると信じている。
そのために、私はコツコツと手を動かして啓蒙活動をしている。