直流安定化電源や電子計測器の老舗メーカー「菊水電子工業」から、Bluetoothスピーカが販売されている。
以前、MakerFair で参考出品されていたBluetoothスピーカーで、3モデルがある。
2021年4月の発売だったか? 数量限定販売だったので早々に売り切れるから買えないな… とあきらめ、忘れ去っていた。
2022年の夏、計測器ランドをながめていたら、BSPシリーズの在庫があるのに気づく。Amazonでも売っていたw
結論から言うと
BSP-10は、実用性に乏しい Bluetoothスピーカーで、電子工作好きのジジイの机の飾り物。
- 購入品:菊水電子工業 Bluetoothスピーカー BSP-10
- 購入時期:2022年7月
- 購入価格:7,420円(6,270円+送料1,150円)
- 購入店:計器ランド 通販ショップ
菊水電子工業 昭和レトロ計測器 Bluetoothスピーカー BSP-10 の使用レポート
菊水電子工業って何? BSPシリーズって何?
菊水電子工業(横浜)は、電子計測機器の老舗メーカー。
キクスイの直流安定化電源は、電子工作をする個人でも 1台は持っている。私も、買って使っている。
ヤフオク!で買った テクシオの中古電源が故障したので、新しくKIKUSUIの安いモデルを買おうと、計器ランドのサイトを見ていたら、BSPシリーズの在庫があるのに気づいた。
BSPシリーズって何?
公式サイトをみてもらった方が速い。
https://kikusui.co.jp/bsp2021/
2021年4月からの発売だったが… 2021年の5月以降は多忙を極めていて…、すっかり忘れていた。
BSPシリーズには 3モデルがあって、それぞれ 6600円。日本製造。
- BSP-10:丸型ブラウン管のオシロスコープ 539型 ← この記事
- BSP-20:キクスイの電源 といえば PAD-Lシリーズ
- BSP-30:真空管電圧計 バルボル
真空管電圧計 バルボルの現物は見たことがない。
BSPの 3モデルは、それぞれ買って試しているので順次記事を公開していく。
菊水電子工業 Bluetoothスピーカー BSP-10を写真で紹介
BSP-10のパッケージ内容は、
- BSP-10 本体
- ACアダプター DCケーブル 1.6m付き
- ACケーブル メガネプラグ 1.5m
- 取扱説明書
- しおり「安全のために」
- BSP-10 タッチパネル 操作マニュアル
取扱説明書は、3モデル共有だ。詳しく記載されている。
BSP-10だけのタッチパネル操作のフルカラーのマニュアルがついている。(なくしても、公式サイトにPDFあり)
BSP-10の主な仕様
- タイプ:オシロスコープ 539型
- 最大出力:1.8W モノラル
- アンプ部:D級PWM(デジタルアンプ)
- 通信:Bluetooth Ver 4.2
- 対応コーデック:SBC / A2DP
- 液晶タッチパネル表示
- 電源:12V/5A DCプラグ 外径5.5m 内径 2.1mm
- 大きさ:7.5 × 14 × 14 cm
- 重さ:約550g
- 保証期間:1年
- 製造国:日本
BSP-10の正面観
- 5cm径の円型液晶ディスプレイ タッチパネル
- ダミーのつまみ(まわせない)
- TONEつまみ
- VOLUMEつまみ
- POWERスイッチ
- LEDランプ オレンジ色
- 向かって左側にスピーカー
ケースは樹脂製。きれいな成形とつや消し塗装で凝っている。
タッチ液晶パネル
円型液晶ディスプレイは、タッチパネル式だ。
詳しい使い方は、付属の「BSP-10 タッチパネル操作マニュアル」を参照のこと。
電源投入時は、32秒間 画面が白くなったまま何も表示されない。買ってはじめて起動したら、壊れたのではないか?と不安に思うだろう。
起動に75秒前後かかる。
終了に、15秒ほどかかる。
BSP-10の中身は、Raspberry Pi 3A+ と5cm角の液晶タッチパネル。
RaspberryPi の扱いも含めた より高度な操作方法は、自己責任で。
Wi-Fiを有効にして インフラストラクチャモードで、RaspberryPi にリモートログインする方法が解説されている。
ダミーのつまみ
オシロスコープを模しているので、必要のないツマミも飾りで必要だ。
VOLUME つまみ
ボリュームつまみは、オシロのつまみ らしいデザインだ。
BSPシリーズの波形やUVメータ表示は、大きな音でBluetoothで入力されなければならない。
Bluetoothのソース側(スマホやPCなど)は最大音量にしないと、波形が出ない(UVメータが触れない)。
なので、ボリュームつまみを大きく右に(時計回りに)回したまま終了させてしまう。
次回、起動完了時にチャイムが 最大音量で鳴るのでビックリする。
起動する前に ボリュームは小さく(反時計回りに)しておこう。
TONE つまみ
低音強調ボリューム。右に回すと低音が大きくなる。
スピーカーで再生される音は、あまり良くない。TONEつまみを左右にひねっても、あまり音が変わらない。
POWERスイッチ
パチッパチッとオンオフしたのが分かりやすい トグルスイッチが、私は好きだ。
しかし、中のラズパイ(Raspberry Pi)の起動する時間(75秒)と終了時間(15秒)があるので、最初は戸惑った。
LEDランプ オレンジ色
電源のオンオフをオレンジ色のランプでってのが良い。
これを青にしたがるのが、中国メーカー。
スピーカー モノラル
向かって左側面に スピーカーがついている。ステレオではなく、モノラル再生。
再生周波数も、150Hz〜12000Hzが再生されているので、良い音とは言えない。
radikoを再生して聞くのに適している。
BSP-10の背面観
背面には、DCジャックがある。
技適認証番号や、シリアル番号もある。
BSP-10のACアダプター
差し込むDCプラグは、おなじみの 5.5mm径 2.1mm径タイプ。12Vなので、延長DCケーブルの自作も可能だ。
付属のACアダプターは、定格 12V/5A。
大きさは、5.1 × 11.1 × 3.3 cmで、メガネプラグのACケーブルをつける。
ACアダプター本体からでるDCケーブルは、1.6mあるので引き回しも、そこそこできる。
BSP-10の底面
裏は、空冷のための吸気口があるくらい。
さすが、電子計測器メーカー。オモチャでも、ちゃんと作り込んである。
BSP-10を実際に使ってわかった 良い点 悪い点
ペアリングは、取扱説明書どおりにやれば、できる。失敗することもなかった。
特に難しいことはない。Mac、Windows 、iPhone、Bluetoothトランスミッター につながるのを確認した。
インテリアとして飾る術を私は知らない。
お気に入りのamiiboや 菓子についてくるフィギュアを置くくらい。飽きたら、放すので。
BSP-10 のメリット Pros
- 電子工作、ガジェット系ブログ的に ネタにできた
- 日本製のオモチャなのに、6600円と良心的価格
- スマホのradikoを再生すると良い感じ
- Echoの外部スピーカーにすると 面白い
BSP-10 のデメリット Cons
- 起動時間に75秒、終了に15秒かかる
- Bluetooth接続が不安定で、音楽止まったり、音が変になることがある
- バッテリーを内蔵していない
- ACアダプターが大きい
- モノラルスピーカーが残念。音も悪いし
BT-B10のオシログラフ表示
BSP-10は、マイコンのRaspberry Piで、Bluetoothからの音声をオシログラフにしている。
なので、横の時間軸 Xと縦の電圧軸 Yを、左右の音声の電圧で表示する「リサージュ曲線」も表示できる。
昔、ニコニコ動画で、リサージュ曲線の「はちゅねミク」をオシロに表示する音源があった。
今でも持っている人は、表示してみるのも面白いだろう。
BSP-10を PCオーディオ アクセサリー として活用する
書斎机の いつも使っているPCオーディオのシステムに組み込む。
中級以上のAVアンプなら、音声出力を分岐するZONE機能が付いているので、Bluetoothトラスミッター(送信機)をつなぐ。
RX-A1080のZONE OUT をRCA→ミニステレオプラグで BT-B10(TXモード)につなぐ。
BSP-10のボリュームは最小にして、BSP-10のスピーカーからは音がでないようにしておく。
液晶での音声波形だけを利用する。
ブログ書き作業中、Amazon Musicプレーヤの音は、AVアンプRX-A1080の2.1chで再生。
AVアンプのZONE OUT機能を生かして、VUメータの針を動かし、波形(0.8秒ほど遅れた音)を表示するw。
本物のオシログラフを使いたい人は… 初心者用のやつがあるので↓で紹介している。
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まとめ
菊水電子工業のBSPシリーズは、「何それ? 何に使うの? どうするの?」と興味を持てるのは、一部のジジイたちだけだ。
BSP-10は、他の20や30と比べて、液晶パネルがある分 できることが多い。
昨今、リモートで仕事をする人が増え、ブログや動画で、パソコン机を自慢する「デスクツアー」に興味を持つ人が増えている。
昭和の真空管ラジオに似せたBluetoothスピーカーは既にいろいろ出ているが、昔の電子計測器に似せたBluetoothスピーカは珍しい。
昇降機能付き机、横にやたら長いモニターなど、みんな同じようなグッズでそろえている デスクトップの装飾自慢をする連中にとっては、まったく興味のわかないものだ。
3モデルとも 6600円なので、ラズパイとタッチパネルで動作する BSP-10が1番お得なのかもしれない。
「台数限定の売り切りごめん」だったはずだが、1年以上経ってもまだ売っているので、欲しい人は、なくならないうちに どうぞ。