アシダ音響の有線イヤホン EA-HF1 を買った。
イヤホンのレビュー記事を書く時、評価の基準になるイヤホンが必要だ。
基準にするイヤホンは、2つの条件【①誰もが買える価格、②品質が安定している】を満たしているものを選ぶ。
レビュー記事で基準にする有線イヤホンを 日本のイヤホン/ヘッドホン専業メーカー アシダ音響のイヤホン EA-HF1 にした。
小さい音量でも良く鳴る。万人受けする音。見た目のわりに 装着感も良い。
結論から、
有線イヤホン どれか1つだけ買うとしたら? EA-HF1で良い。
- 購入品:カナル型ステレオイヤホン MODEL EA-HF1
- 購入時期:2023年3月
- 購入金額:6,490円(5,500円+990円送料)税込み
- 購入店:アシダボックス オンラインショップ
アシダ音響 音楽イヤホン EA-HF1 の長期使用レポート
アシダ音響のEA-HF1って何が違うの?
ポケットラジオ(広域受信機)につないで使う千円のモノラル有線イヤホン RF-17。
ラジオ好きのジジイの間ではよく知られている定番のモノラル有線イヤホンだ。
100均のイヤホンの10倍の値段で、「高級なモノラルイヤホンを使ってんだぞ」的なジジイの ささやかな贅沢を演出してくれる。
ハンディの無線機や広域受信機(レシーバ)で使う ヘッドホンやイヤホンのブランド「アシダ音響」。
無線機/受信機、プロ用音響機器の市場は小さい。なので、一般消費者(コンシューマ)向けのお手頃価格のイヤホン「EA-HF1」も販売している。
イヤホンに関する総論(概論)的な記事は、↓にまとめているので興味のある人はどうぞ。
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イヤホンの選び方 / イヤホンの基礎知識 まとめ
耳にあてて音を聞く道具には、イヤホンとヘッドホンがあります。 このページは、数あるイヤホンを調べて選んで買う時間がない 忙しい人のために、ガジェット通のジジイが、 イヤホンの 種類や選び方 を まとめ ...
ASIDAVOX(アシダ音響)EA-HF1 を写真で紹介
EA-HF1のパッケージ内容は、
- EA-HF1 イヤホン本体、イヤーピース Mサイズ付き
- 交換用 イヤピース(Lサイズ 、Sサイズ 、SSサイズ それぞれ 1ペア)
- 取扱説明書(兼保証書)
交換用イヤーピースは、公式のオンラインショップで 送料込み900円チョイ売られている。
簡素な黒い箱に入ってくる。
送料が千円弱するだけあって 大きめの発送用の箱に緩衝材が詰められて カタカタしないようになっていた。
EA-HF1の主な仕様
- 形式:ダイナミック型
- ドライバー径:15mm
- インピーダンス:16Ω(at 1kHz / 1mW)
- 音圧感度:111dB/mW
- 最大入力:150mW
- 再生周波数:5〜40000Hz
- コードの長さ:1.3m
- プラグ:3.5mm径ステレオミニプラグ
- 重さ:18g ケーブル込み
- 製造国:安いので純日本製じゃない?
仕様から読み取れることは、
- ドライバーが、1.5cmと大きめの円型スピーカー1個なので、中低音が良く鳴る
- 円型スピーカー(ドライバー)1個なので、にごらない音、倍音もたくさんでて豊かに鳴る
- フィルター(LC回路)がないので 加工された音にならない
- フィルター(LC回路)がないので電気抵抗(インピーダンス)が小さくて、小さいボリュームで大きく鳴る
- 樹脂製ハウジングで軽い
中国製パチモンのIEMにありがちなドライバーが2つ以上ついた にごった音を出すイヤホンではない。
EA-HF1の外観
見た目は、昔から良くあるイヤホンの形。
大きさは、15mm径ドライバーを使っているので、そこそこの大きさである。
デザインと模様は、アシダ音響の定番スピーカーをモチーフにしているとのこと。
女性や子供の小さい耳には、おさまらないかもしれない。
樹脂製のハウジング(ガワ)で、ケーブルは着脱できない。プラグ式ではない。リケーブルはできない。
EA-HF1のイヤーピース と ノズル形状
イヤーピースは、SS、S、M、Lの4種類。
Mサイズは、EA-HF1に最初から付けてある。
自分の耳に 良い感じにはまって、音も良い感じに響くように、左右それぞれ合うものを見つけよう。
男性でも 標準のMサイズよりは、Sサイズの方が 良かったりするので 試行錯誤してほしい。
EA-HF1のノズル形状は、中国製パチモンのIEM(イヤーモニター)、イヤホンとほぼ同じだ。
外径は5と6mm径、内径は4mmのパイプ部分がノズル。(ステムは軸なので、ノズルが適当だ)
イヤーピースの着脱についても、きちんと はまりこんで 外れないようになっている。
中国製パチモンと少し形がちがうので、汎用のイヤーピースを買って 交換しても うまく 入らないことがあるかもしれない。
自己責任で交換して、自分の耳に収まるように調整しよう。
EA-HF1のケーブルとプラグ
ケーブルは、1.3mで イヤホンのケーブルの長さとしては 普通。
ケーブルは、光沢のある 柔らかいケーブルで、径は2mmで 0.9m。
もつれやすい(からみやすい)ケーブルだ。
ケースはついていない。
携帯するときは、工夫をしてケーブルを巻いて 収納しなければならない。
プラグは、3.5mm径3極のステレオミニプラグ。金メッキ。
アルミのいいヤツが使われている。「ASHIDAVOX」のロゴ入り。
左右の分岐部は、いいかんじに仕上げてある。
この辺の処理も丁寧にできている。左右の分岐したケーブルは、1.2mm径で 0.4m。
取り回しは良い。
SUREがけもできる。
ケーブルタッチノイズは、有線イヤホンの宿命なので、ケーブルの取り回しには こだわろう。
EA-HF1の音質をチェック、 感想
とりあえず、音楽プレーヤーの標準機といえば、iPod。
iPod自体はなくなったが、iPhoneに受け継がれている。
iPod touch 7につないで聞いてみよう。
EA-HF1は、低音から高音まで良い感じに鳴る。
インピーダンスが16Ωと小さいので、ボリュームは かなり しぼらないと 音が大きすぎて耳を傷めてしまう。
EA-HF1には、ノイズキャンセル機能はなく、遮音効果もないので、静かなところで聞くイヤホンだ。
イヤホン端子(3.5mm径イヤホンジャック)がないiPhoneには、純正の Lightning to Headphone Jack をつないで使う。
この AppleStoreで買う Lightning to Headphone Jackは、基準になるDAC(Digital Analog Converter)で、安価で高性能なのでおすすめだ。
偽物が多いので、アマゾンで買う時は十分注意してほしい。
中国製パチモンの1万円以上もするDACをつけて、「音が良いから買え」と宣伝しているアフィカス連中を動画やブログでやたら見かけるので、だまされないようにしよう!
通話の時はスマホ(iPhoneなど)本体のマイクを使います。
EA-HF1の簡易音響測定
イヤホンやヘッドホンなど音響機器から再生される音を言葉で表現するのは難しい。
なので、簡易音響測定をしつつ、そのグラフを見て解説しよう。
イヤホンの音をマイクで録り込んで、音響解析アプリで見る。
本格的な測定器や機材は、ものすごく高いので簡単な方法を使う。
こんなのでも、再生される音の状態が分かるので おすすめだ。
まずは、周波数特性。
iPod touch 6のイヤホン端子からの出力は、20Hz〜20kHzまで、マイクも、20Hz〜20kHzまでしか測れないが、20Hz、20kHzともにグラフが観測され、音がでているのを確認した。
そもそも、40kHzの超音波を測定するには専用のマイクが必要ですし、人間の耳には聞こえない音ですから。
次に、ピンクノイズ(低音から高音までをランダムに再生する音で シャーと聞こえる)を再生して、20Hz〜20kHzをオクターブバンド表示で それぞれの音域の音の大きさを見る。
ドライバースピーカーが 1.5cm径と大きめなので低音から中音域がフラットに出ている。
さらに、ハイハットやウインドチャイムなど打楽器がよく聞こえる…つまり 音のキレの良さやキラメキを表現する高音域(2〜8kHz)が強めに出ている。
6〜8kHzがよく聞こえると 無音時のデジタルアンプ特有のシャーというホワイトノイズが目立つ
この音だと、どの音楽のジャンルを聞いても自然に聞こえる。
若い人だけ聞こえる高い音域は、かなり少なめなので、若い人にとっては 聞き疲れの少ない音に聞こえるだろう。
次に、音の響き、豊かさ、にごりを表現する「倍音」の量を見る。
基準音を正弦波ではなく、矩形波にして周波数を1kHzの高音で FFTでみると…
イヤホンは、普通スピーカーやヘッドホンと比べて倍音が強く出る。
理由は、スピーカーと鼓膜(マイク)の間が、細いパイプで直接つながっているから、倍音がハッキリと記録できるからだ。
測定用の外耳道を真似た シリコンパイプと共鳴する周波数は特に大きく倍音が観察される…。
倍音の多さは、原音再生を妨げている
倍音は、音のにごりである。
倍音の多さは「音が悪い」ことなのに、「音が良い」と評価する人がいる。
アフィカス連中は、倍音による音のにごりを 音の重厚さ、深み、豊かさと表現している。
この辺のいい加減さが、イヤホンのレビュー記事のすべてが、オカルト表現の過大広告である理由でもある。
「原音に忠実」とは何なのか?
マイクで拾った音の電気信号が、スピーカーで再生している音声電気信号と同じ形になるのが「原音に忠実」である。
しかし現実は違う。
原音を矩形波の信号でスピーカー、今回は、イヤホンのEA-HF1で見てみよう。
矩形波は、スピーカーの振動する紙を単純に振動(ON/OFF)させる。
その振動が空気の振動に変わるとき、ON/OFFのデジタルな動きに追従できないので、ノコギリ波になってしまう。
振動がコーン全体に同心円状に波打ちながら広がる時、その波が重なりあって 高音域に向かって2倍、3倍(n倍)の倍音が発生する。
複雑な物理現象を起こして、空気にその振動を伝えて… と 元の矩形波の信号とは似ても似つかないギザギザのノコギリ波の複合信号になって聞こえてくる。
つまり、矩形波を人は正確に音として聞くことができない。
ちなみに、正弦波はコーンを滑らかに振動させるので、倍音が出ずに正弦波のままで再生できる。
正弦波で全ての音が成り立っているわけではない。
で、1万円のものを100万円で売ろうとするボッタクリ商売が成り立ってしまい、オーディオが衰退する元凶になりました。
EA-HF1のエージングによる変化は?
”慣らし”の意味のエージング(エイジング)は、オカルトである。
耳で普通に聞ける音量で、振動系部品に負担がかかる矩形波を数時間も連続で再生しておけば、オーディオマニアを騙るアフィカス連中の言う”慣らし”は終わるだろうw。
で、EA-HF1は? エージングでの音の差はない。
「エージングで音が変わるのではなく、聞く人間(の脳)が その音に慣れる」のが正解。
EA-HF1 を聞いて分かった良い点、悪い点
EA-HF1のメリット Pros
- 送料込みで6,500円で買える
- 音も良い
- 軽く装着感が良い
- スピーカードライバーが1つだけなので、LC回路もなく 複数ドライバーによるクロス周波数のカブリもないので、再生される音がきれい
EA-HF1のデメリット Cons
- ケーブルのタッチノイズがうるさい
- アクティブノイズキャンセル機能がないので 周辺の音が丸聞こえ
- イヤーピースの選択を間違えると 耳にはまらない
- インピーダンス(電気抵抗)が小さいのでデジタルアンプのホワイトノイズがよく聞こえる
- 見た目が地味で、値段も安いので、SNSで買った自慢ができない。
EA-HF1は、有線のカナル型イヤホンの欠点はすべて持っている。
- 周辺の音がうるさいと音量をあげてしまうので 耳を傷める
- 耳の閉塞感と 乱暴な着脱で気圧の増減で鼓膜がペコンとなる
- コップを耳にあてると聞こえる「ゴー」音
- 血管の拍動音
- 口の開け閉めで顎関節の音
- 飲み込む嚥下音、噛むときの咀嚼音が響く
- スマホにはDACをつながなきゃいけない
- つけっぱなしで不潔にすると 外耳道炎になる
環境音が静かなところで、音量をかなり絞って 小さい音で聞くように!
1時間使ったら、10分間は外して 耳を休めるように!
100本のイヤホンを持っているが、EA-HF1は音が曇ったように聞こえる
買った EA-HF1個体が不良品の可能性が高い。
それとは別に、聴力障害者がオーディオ機器をレビューする問題が潜んでいる。
イヤホンマニアの多くが、聴力障害者である問題
蝸牛の音を感じる細胞は1度破壊されると もう再生しない。
歯が抜けてかめなくなるのと同じで、音も高音域や低音域が欠けて聞こえなくなっていく。
自分の耳が、どの音域でどれくらいの音量で聞こえるのか? 日頃から音響測定機器で調べておこう。
曇った音に聞こえる人は、7000Hz以上の高音域が聞こえなくなっている。
このEA-HF1が曇った音に聞こえる人は、高音域を強調する BA(バランスド・アーマチュア・ドライバー)が付いたIEM(イヤーモニター)を好んでいるはず。
聞こえない音を強調しているので そのIEMは補聴器なのだが… 自分が難聴であることに気づいていない。
測定器を持たず 自分の耳すら校正できんヤツが、イヤホンやヘッドホン、スピーカーなどオーディオ機器のレビュー(ゴミのコンテンツ)をブログや動画でやるのは止めてくれ!!
まとめ
イヤホンのレビュー記事の元になる EA-HF1のレビュー記事がやっと書けた。
EA-HF1は、万人受けするイヤホンである。
6,500円と安いので断線したり、汗で水没故障しても買い換えの出費が抑えられる。
口コミで人気なイヤホンのポイント(具備するべき条件)は3つ、
- 低音や高音が強めのズンドコ、キラキラと派手な音が鳴るもの → ドンシャリ
- 音のにごり「倍音やカブリ」が少なく、何の音なのか?はっきり分かる → 明瞭性(解像度)が高い
- 装着感が良い、ながく付けていられる
EA-HF1は、ゲームをするときのイヤホンとしても使えるし、音楽もすべてのジャンルが聞ける。
DACの良し悪しを語る上でも、インピーダンス(交流電気抵抗)が小さいEA-HF1なら、デジタルアンプ特有のホワイトノイズがよく聞こえて評価できる。
「EA-HF1と比べて…」と イヤホンの音の違いの表現するのに使える。
Amazonも楽天も転売屋には注意されたし!
e☆イヤホン なら、公式オンラインショップより、送料分安いことがある。