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ビットコインのマイニング(採掘)用のパソコンの作り方

2017年12月27日

友人に頼まれて、ビットコインの採掘(マイニング)用の自作パソコンのパーツリストを作っていました。しかし、グラフィックカードの値段が下がらず、仮想通貨一単位100万円以上でなければ1年以内に採算が取れないことから、ボツになりました。

せっかく、「自作マイニングマシンの作り方の注意点」を作ったのに、お蔵入りにするのはもったいないので、誰かの参考になればいいかな?と思ったので記事にまとめました。

ビットコイン

仮想通貨の代表的なもので、仮想通貨の基軸通貨的存在。

インターネット回線でつながったコンピュータ同士の情報通信で、海外への送金など、お金の転送を目的としていたが、通常の通貨と両替できるようになって為替のように投機の対象になった。

ただし、ドルや円、元のような本物の通貨と違い、規制する法律がないため、何でもありの世界である。

マイニング用パソコンのパーツリスト

マイニング

仮想通貨としての処理を分担した人に、その働きに応じてビットコインをもらえることをマイニング(採掘)という。

掘れば掘るほど効率が悪くなるという 無慈悲な仕組み。

マイニング専用PC製作の手順

  1. 手持ちの自作PCで、グラフィックカード一枚で試しに一ヶ月ほど付けっぱなしでマイニングしてみる
  2. マイニングの成果を、実際に使った消費電力(電気代)とともに評価
  3. マイニング専用PCの作成
  4. 運用
1、2)手持ちの自作PCとグラフィックカード一枚でのマイニングの費用対効果

実は、個人のレベルでは採算が取れて利益が出るまでに1年以上かかることが判明し、中止になりました。2017年のゴールデンウイーク頃でしたので、ビットコインは、一単位20万円台でした。

ハッシュレートから、採掘できる仮想通貨を見積もりできるサイトがあるので、厳しめに計算して見積もってみました。

夏場の冷房の電気代など諸々をいれると、パソコン本体の元を取るだけでも1年近くかかることが分かってきたので、彼は、太陽電池パネルの売電の方が確実ということで、自宅でのマイニング計画を止めてしまいました。

あれから、わずか半年で十倍もビットコインが値上がりするなんて、想像も付きませんでしたよ。

今から、PCパーツをそろえようにも、同じ事を考えている人がたくさんいて、もう、高性能なグラフィックカードが手に入りません。

そんな事情を踏まえた上での以下、マイニング専用PCのためのパーツリストの選び方です。

3)マイニング専用PCの作成

  1. グラフィックカード取り付けフレーム
  2. マザーボード
  3. CPUとメモリ
  4. PCI-E 延長ケーブル
  5. 電源とスイッチ回路
  6. グラフィックカード
  7. HDDかSSD
  8. Windows 10 ×64 Pro か ethOS(Linuxベースの39ドル)

の順で選んでいきます。

1)グラフィックカードの取り付け用フレーム(置き場所は机の上に)と部屋

個人が趣味でやるマイニング(採掘者をマイナーという)、ホームマイニングは、パソコンケースには組み込みません。

机の上にシリコンシートを敷いて、パーツを並べます。グラフィックカードは何枚も使うので、専用のフレームを買った方が固定がしやすいです。2017年の後半から、フレームの種類も価格も安いモノがでてきました。

マイニングマシンは、グラフィックボードのファンの音がうるさいので、サーバールームみたいに、エアコンがついた専用の部屋にいれておかなければなりません。

グラフィックボードのファンは、一枚につき2つ付いています。これがフル回転するので、風切り音がすごくなります。それらの風切り音が微妙に音程が違うので、唸りとなって響くようになります。

生活空間にマイニングマシンを置くことはできません。

マイニングマシンを置く部屋には、インターネット回線、LANのケーブルを引きます。ネット無しでは、マイニングはできないからです。

2)マザーボード

2017年秋頃から、マイニング用のマザーボードがいろいろでてきています。

その特徴は、グラフィックカードをつなぐための、

  • PCI-Eスロット
  • USB3.0ポート

がたくさん付いています。PCI-Eスロットが、たくさんついていないものは、USB3.0を8個とか増やすカードを差して使います。

  • USB3.0には、USB3.0の PCI-E拡張基板とケーブル
  • PCI-Eスロットには、USB3.0変換カードとケーブル

それぞれのインターフェイスに合わせて、グラフィックカードをつなぐ拡張PCI-Eスロット基板をつなぐようになります。

有線LAN、Ethernetは絶対に必要です。ネットにつないではじめてマイニングができます。

チップセットは、最新のものから古いモノまでいろいろあります。

第四世代とか古いものがあるので、取り付けるCPUの型番を間違えないようにしましょう

新しい世代のCPUを買っても、古いチップセットのマザーボードには入りませんよ。

なぜ、古いモノが多いかというと、マイニング専用OSであるethOSが安定して動くなどの意味があるようです。

 

Amazonでみただけでも、いろいろあります。

Ryzenという2017年発売のAMD系のマザーボードでもマイニングできます。チップセットもIntelとは別物なので、CPU選びを間違えないようにしましょう。

ethOSを使おうとすると、動作確認のある古い世代のIntelのチップセットのマザーがどうしても必要になります。ってか、第四世代のCeleronとか二束三文で買えますので、コスト的にも良いですから。

3)CPUとメモリ

マザーボードを決めました。次に、そのマザーボードで動くCPUとメモリーを選びます。

具体的に例をあげて解説します。

Intel B250チップセットのマザーボード

BIOSTARのTB250-BTC だと、

  • チップセット:第7世代 Kaby Lake(2016年秋発売)
  • チップセットには、Z270、H270、B250があって、その中の一番安いB250
  • CPUは、LGA1151
  • PCI-Eの数(レーン)は、最大で12個まで
  • つまり、グラフィックカードは、10枚程度を目安にします。
  • 対応メモリーは、DDR4-2400(PC-19200)
  • Windows 10で運用する場合、2GB二枚の4GBは必要
  • メモリーは、デュアルチャンネル効果をに期待し、一枚差しより二枚差し
  • グラフィックカードを四枚つけるのなら、倍の8GBにしておいた方が安心

CPUは、必要最小限のLGA1151タイプを選びます。Celeronでもいいという人もいます。

こんな感じで選びます。

Intel H110 チップセットの場合

ASRock H110 Pro BTC+の場合は、

  • チップセットが、第6世代 SkyLake(2015年発売)
  • Z170、H170、B150、H110の4タイプのうちの一番安い H110
  • CPUは、LGA1151
  • メモリーは、DDR4-2133(PC-17000)
  • PCI-Eの数(レーン)は、最大6つ
  • グラフィックカードは、5枚を目安

Intel B85の場合
  • チップセットは、第四世代 Haskell
  • Z87、H87、B85、H81のうち下から二番目に安い
  • CPUは、LGA1150
  • メモリーは、DDR3-1600
  • PCI-Eを拡張してUSB3.0スロットにしたモノを搭載

AMD B350チップセットの場合

BIOSTAR  TB350 BTCだと

  • AMD 2017年のチップセット AM4
  • X370、B250、A320 タイプの真中
  • CPUは、Socket AM4  の Ryzen
  • メモリーは、DDR4-3200までオーバークロック可

というかんじで、マザーボードに対応したCPUとメモリーを選んでいきます。

4)PCI-Eの拡張カード

「マイニングのライザーカード」と呼ばれるものです。

マザーボードにあるグラフィックカードを差すバススロットのPCI-Eスロットだと、グラフィックカードを何枚も差せないので、延長する短いUSB3.0ケーブルでつなぐようにします。

グラフィックカードは映像の出力に使うのではなくて、グラフィック演算をするGPUをマイニングの暗号解読に流用する仕組みになっています。

元々、ビットコインなどの仮想通貨のマイニングは中国勢が過半数を占めていました。中国政府が規制をしたために昔ほどの勢いはないようです。ですから、マイニングのパーツは、中国のものが多いんです。

5)電源とスイッチと配線

グラフィックカードに電力を供給するために、複数台を必要に応じて追加していきます。

ATX電源は単体では、使えないので、オンオフをするためのスイッチも別に用意する必要があります。

今年になって、ATX電源の価格が下がらず上昇気味なのは、マイニングブームのせいだったようです。

マザーボードに電源が入ると、連動して追加したATX電源にスイッチがはいるような基板もあります。基本的に、マイニングマシンは24時間つけっぱなしですので、スイッチは簡単でいいんです。

マザーボード自体に、電源スイッチがついているものが増えています。

自分の使うマザーボードに電源スイッチがついていない場合は、ピンにつないでオンオフをするスイッチを別に取り付けます。

6)グラフィックカード

NVIDIAとAMD系があります。

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好みでどうぞ。

マイニングブームのおかげで、グラフィックカードがプレミアム価格で買えない状態が長く続いています。品不足が続いたNintendo Switchと同じように転売屋が介在するようになってきていて、困っています。

1080Tiは、10万円と高価で、通常は一年も経てば半額になるのに、2017年はグラフィックカードの値下がりがありませんでした。理由は簡単で、マイニングによる特需があるからです。

高いnVIDEAのグラフィックカードをあきらめて、AMDのRadeon RX580を十枚とかの人が多いみたいで、私の2017年に組み立てようとした自作PCが作れなかった理由は、Radeon RX570の値段が下がらず予算オーバーで買えなかったからです。

ったく、困った時代になりました。

7)HDDかSSD

Windows 10かethOSの起動ディスクが必要になります。そんなに容量はいりません。コストを優先するなら、1TBのHDDです。SSDでも、240GBあれば十分でしょう。

Windows 10 ×64 Pro かethOS 

マイニングマシンの部屋では生活できないくらいの騒音がするので、LANで、MacやWindows 10の他の端末からリモートで管理します。

Windows 10は、Pro版を使います。2016年までは、RDPWrapというアプリケーションでHomeのリモートデスクトップを有効にできていましたが、2017年早々のアップデートでできなくなりました。

まとめ

仮想通貨のビットコインのチャートを見る限りでは、今後、どうなるのか?は分かりません。

このまま、200万円前後で持ち合うように価格が維持できれば、採算もよくなるので、マイニングをやっても元がとれるでしょう。しかし、企業がマイニング業に参入してきていますし、海外勢も勢いを増しています。

S爺
S爺
ビットコインは2018年9月12日で70万円切りましたから、電気代の高い日本では採算がとれなくなりました。

日本は電気代が高いので、海外勢に比べて不利です。

家の屋根だけでなく車庫の屋根まで太陽電池パネルを貼っているソーラー住宅住まいで、売電収入が電気代を相殺しても、毎月7、8万円になるような家庭では、マイニングをしても比較的早く元が取れるでしょう。

我が家は、使えば使うだけ電気代が上がるのでマイニングはあきらめました。仮想通貨自体から完全撤退です。

注意ポイント

戦争が起きれば、敵国からのサイバー攻撃から守るためにインターネット回線は遮断されます。となると、電子マネーや仮想通貨はなくなります。現物(コモディティ)に集約されます。

こういった流動性の低い金融商品で換金がしにくいものは、素人が手を出す物ではありません。「仕手戦」という言葉すら知らない素人が今、高値で掴んだまま大損をしています。

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  • この記事を書いた人

SG(S爺)

週末にゲームに興じるジジイです。 提灯(ステマ)記事ではない”本物の”口コミ レビュー記事を書いています。

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