IPv6 って何?
IPv6は、アイピーヴァージョンシックスと読む。
今のインターネットの規格は、IPv4(アイピーヴァージョンフォー)。その拡張版が、IPv6。
すでに、2011年頃から日本でもフレッツクスクエアなどで使われている”枯れた”技術だが、未だにインターネットのサイトやサービス側がIPv4のままでIPv6に対応していないことから、ゆっくりと普及している。
回線業者やインターネットプロバイダー業者がIPv6対応をアピールしてシェアを拡大しようとネットでステマを展開している。(ipv6)
IPv6 でできること
いままでの、IPv4のアドレス空間(32ビット、約43億弱)が足りなくて、切り替えるなどのやり繰りしていたためにインターネットでの接続が遅くなっていた。
IPv6は、128ビットのため割り当て個数が事実上無限になった。世界中のインターネットにつながる機器すべて、一つ一つにユニークな(唯一の)IPアドレスが割り当てられるので、(差し替えたり、やりくりしたりする手間がかからないから)最適の通信速度が得られるようになる。
- インターネット上のサイトやサービス
- プロバイダー(ISP)
- 接続する端末のユーザー(エンドユーザー)
互いの条件がそろえば、混雑して遅くなることが改善される。
IPv6 IPoE って何? PPPoEとは違うの?
いままでのIPv4のPPPoE接続
旧来のIPv4がインターネットのプロバイダーに接続する方式がPPPoE。(ipv6ipoe)
IPv6なら、「IPoE」の接続方法が使えるので、日頃から混雑しているIPv4のPPPoEの接続先(サーバー)をさけて、インターネットに接続できる。
基地局内では…
こんなのが、ずらずらと空調の効いた部屋に並べてあって、ものすごい数の配線が裏とか表とかにつないである。これらがネットワークサーバーとして働いている。ファンの音が凄まじい。
PPPoE → IPoE
PPPoEは、IPoEのデータ通信より、変換して元に戻す手間(Ethernet内にトンネルを作る手間)がかかる。みんなが集中すると終端のサーバーに負荷がかかって遅くなってしまう。
IPoEは、我々がパソコンでLANとして使っているデータ通信で身近な存在である。これが、ネットにそのままつながるのだから、遅くなるわけがない。
ただし、インターネットにIPv6でIPoE接続するには、接続事業者「VNE」でなければならない取り決めがある。
VNE接続事業者(VNE:Virtual Netrwork Enabler)
末端のユーザをIPv6でインターネットに直接接続する「IPoE」での接続サービスを許可された業者。(どの会社でも自由勝手きままにつなぐことは許されないw)
Wikiペディアによれば、
2018年3月時点におけるVNE事業者は以下に列挙する通りである。
- BBIX株式会社
- 日本ネットワークイネイブラー株式会社(JPNE)
- インターネットマルチフィード株式会社
- ビッグローブ株式会社
- 株式会社朝日ネット
- NTTコミュニケーションズ
- フリービット株式会社
- アルテリア・ネットワークス株式会社
の8社が登録されている。今後も増えるのは必須だ。
こういった事業者になるためには、コストがかかる。企業体力のある大手プロバイダーは、自前でVNE接続事業者になれる。
体力のない弱小のインターネットプロバイダーは、VNE接続事業者と提携することで対応していくことになる。接続コストがかかるので、追加料金としてユーザが負担させられてる。
IPv6の接続方式
- IPv6 IPoE
- IPv6 PPPoE(使われない)
- IPv4 over IPv6
などがある。
IPv6 IPoE
IPv6が策定され、実装された当初から理想的な接続形態として注目されていた。(ipv6ipoe)
IPoEは、我々エンドユーザが、
- パソコン同士をつないで使うLANで使うデータ通信接続方式と同じ
- 使う通信機器(ネットワークサーバー)が既存の物が流用できる
- 速度低下につながる認証のサーバーが省ける
良いことづくめの接続方法。
この方式なら、
- Next Generation Network(NGN、フレッツ網)の速さが生かせる
- プロバイダー自身がVNE
- プロバイダーのコスト面での負担が小さい
- 月額利用料金が増額されることなく
いままで通りの、IPv4 PPPoE接続の料金のままで、IPv6が使える。
ただし、
- インターネット上にあるサイトやサービスが、IPv6に対応していなければつながらない
- NGN内は1Gbps以上の速度がでても、プロバイダーの回線速度が遅いので意味がない
IPv6 PPPoE(使われていない)
IPv4でやっていたPPPoE認証接続は、技術的にIPv6でもできる。
我々(エンドユーザ)側も、
- この仕組みに、パソコン(OS)やWi-Fiルータなどを対応させ
- プロバイダー側も専用の機材(サーバー)を追加し
- 費用負担が大きい
- 速度面でもNGN内で速度が制限される
など欠点ばかりで、メリットがないため採用するプロバイダーがない。
IPv4 over IPv6
インターネット上には、IPv6に対応していない、IPv4でしかつながらないサイトやサービスが未だに過半数を超えて存在する。
「IPv4 over IPv6」は、端末のユーザーがIPv6で接続したままで、旧IPv4のサイトに接続するためには、IPv6をIPv4に自動で切り替えて接続する設備(ネットワークサーバー)を必要とする。
「IPv4 over IPv6」を切り替える設備は、サーバーや接続機器、それを維持管理する人件費、基地局の間借り賃と、とにかく金がかかるものだ。
このIPv4をIPv6やIPv4と自在に切り替えるサービスを
- DS-Lite(transix)
- v6プラス
- OCNバーチャルコネクト
- IPv6 IPoE + IPv4 ハイブリッド
などと、VNE事業者が、独自に名前を付けて、提携するプロバイダーにサービスを提供している。その分のコストは、ユーザが追加料金を払って負担している。
通信速度が速くなるわけではなく、都会の密集地のインターネットの混雑で遅くなっている人が、すこしでもマシになる程度のものです。
Asahiネットのような大手は、自身がVNE接続事業者となり内包することでコストダウンし、NTT フレッツを使う一般ユーザに対しては、切りかえサービス(IPv4 over IPv6)をしないことで追加料金を無料でIPv6対応にしている。(ipv4overipv6)
注意ポイント
こういう不安定な技術は、Wi-Fiルーターのメーカー、プロバイダー(ISP)両方にとって、慢性的な人不足で悩むサポートの負荷になるためできるだけ避けたいはず。
我々エンドユーザとしても、最初から対応しないとアナウンスしてくれた方が割り切れるので都合が良い。
目先のわずかな速度向上よりも、安定性を重視した日頃の使い勝手の方が優先されるのだから。
IPv4 over IPv6 の欠点、問題点
- IPv4と同じ扱いにはならない
- 機器(HGW、Wi-Fiルーター)の貸し出しとセットで、月額500円程度の別途追加料金が発生
- 手続き、解約で、手数料をとられる
- ダイナミックDNSサービス、固定IPアドレスサービスは、IPv4のものなので使えない
- Nintendo SwitchやPS4などで使われる分散型のネット対戦通信ができないことがある
- 他のv6サービスと互換性がない
IPv6対応のWi-Fiルーターが必要
我が家が契約しているインターネットプロバイダも、2017年にIPv6 IPoEに対応した。ただし、IPv4 over IPv6には対応してない。
今まで使ってきたWi-Fiルーターは、PA-WG2600HP2だった。本体自体はIPv6に対応していない。
それでも、IPv6はそのままPA-WG2600HP2を透過する「パススルー」の設定にしてあるため、MacやWindows 10のパソコンは、そのまま、プロバイダ経由でインターネットにつながっていた。
YouTubeは、IPv6でつながっているため、夜のネットが混雑する時間帯でも表示がもたつく症状は起きなくなった。それくらいしか、IPv6の恩恵を実感できるところはない。フレッツスクエアのネット速度測定で、800Mbpsとかでて喜ぶくらいだった。
2018年7月に発売になった PA-WG2600HP3で、IPv6 IPoEに本体が対応したため、IPv6を意識することなく使えている。
2020年からは、PA-WX6000HPに切り替えて使っている。Wi-Fi 6にも対応し安定していて存在を忘れるくらいだ。
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IPv6 確認方法
プロバイダーがIPv6に対応してしていなくても、
フレッツスクエア(NGN)内にある(NTT西日本の場合)NTT-West(https://www.club-ntt-west.com/)は、IPv6で認証と接続をする。
インターネット回線をIPv6にするためには、
- NTTフレッツ光ネクスト などの回線業者に対してIPv6に対応するように手続き
- プロバイダーが、IPv6に対応
の2つのポイントがある。
通常は、プロバイダからIPv6対応の案内が来たら、プロバイダ側からNTTの光回線に対して設定変更を依頼してもらって、IPv6に対応するようになる。
プロバイダーの個人設定ページにいけば、IPv4か、IPv6で接続しているのか? 分かるページがあるので、そこで確認する。
IPv6 おすすめ プロバイダー
基本的にない。
光回線業とプロバイダのセットで「2年縛り」をユーザに強要するアフィカス(ASP)による誘導広告だらけの嘆かわしい状況。
「IPv4 over IPv6」のコストを回収するため、光ファイバー回線業とプロバイダーとセットでの加入を強引にすすめて、ユーザを2年、3年縛りにする商法を展開している。
IPv6に関する取り扱いで、「IPv4 over IPv6 に対応せず、IPv4 PPPoEと併用」と明記しているプロバイダーが、無理な誘導をユーザに課していないので多少安心できる程度のものだ。
西日本では評判が良くても、東日本では使い物にならないくらい遅いとか、実際に使ってみないとわかりません。
IPv6 おすすめルーター
親ロシア派の中国のWi-Fiルーターは国防上問題(電子戦に利用されるおそれ)があるので 使えない。
日本のNECやBUFFALOの中から選ぶ事になる。
型番落ちになった WX6000HPは値段が高いけど、トラブルらしいトラブルがなくて安定して使えている。
PA-WG2600HP3も良かった。
といっても、プロバイダーが、IPv4 over IPv6に対応してないので、従来のPv4 PPPoE接続で、IPv6は、パススルーのWG2600HP2と同じように、MacやWindows 10パソコンやスマホの端末で自動で切り替える接続になっている。
- 回線が遅い
- 勝手に切断される
など、致命的な問題や不満がなく満足している。
オンライン資格確認、保険証廃止でIPv6を使う時代に
新型コロナウイルス(武漢肺炎ウイルス)のパンデミックの影響がここにも。
政府は、2021年3月から、レセプトの資格確認をオンラインでする制度を医療機関に導入させることになった。
元々、レセプトオンライン請求はインターネット回線を使わず、NGN網(NTTフレッツ網)を介して行われる。これはIPv6を使っているため、インターネット回線(HGW、Wi-Fiルーター)の取り扱い、設定に注意が必要な時代になった。
まとめ
IPv6に関するまとめページは、ガジェットをあつかうブロガーとして非常に重要な項目なので、手間と時間がかかっても作っておくことにした。
こんなことを書いている人は嘘つき
- NUROが、一番安くて爆速です
- v6プラス のプロバイダと回線業者とセットで加入しよう!
- NTT西日本、東日本のフレッツは遅い
- インターネットプロバイダーは、○○がベストです
バイアスのない、公平な判断ができる情報はネットを検索しても出てこない悲惨な状況をなげいていても仕方がない。なので、自分用にまとめたページをつくった。
NTTではない回線業者は、国防上問題のある外国の通信機器を使っています。
なので、私が作りました。