M2 Mac mini 2023年モデルにつける Thunderbolt 4(本当は Thunderbolt 3)に対応した SSDケースを買った。
Thunderbolt 4 / 3(USB4、USBーC)でつなぐ、既製品の外付け SSDは3万円以上する。
最近(2023年)、 SSD用のフラッシュメモリの価格が(2022年前半の半額)急落していて、高速な読み書きのできるNVMe タイプの 1TB が1万円前後で買えるようになった。
「NVMe SSDケースに、M.2 NVMe SSDを入れて、少しでも安く 外付けのSSDが作れないか?」 と私もいろいろ試している。
読み書きは内蔵SSDと同じ 2500MB/秒で、Macの外付けの起動ディスクとして使える。
結論から言うと、
PCIe 4 × 4 のNVMe SSDをいれても Read:2700MB/秒どまりで値段相応。
- 購入品:SANZANG MASTER M.2 SSD 外付けケース
- 購入時期:2023年2月7日
- 購入価格:10,498円
- 購入店:Amazon Japan G.K.
私は、この製品を自分で選んで、自腹で買って試している。
製品やサービスをタダでもらって、宣伝・提灯記事や動画をネットにばらまく”アフィカス”のステマ犯罪にうんざりしている。
私のブログには 広告案件記事はない。外国スポンサーの影響を受けないので 本当の事が書け、情報工作(プロパガンダ)もない。
Macの外付けの起動ディスクになるThunderbolt 4 SSDケースと中にいれる M.2 NVMe SSD の使用レポート
m.2 NVMe SSD用 ケースって何?
この手の外付けSSDケースは、中国メーカーの独壇場である。
SoC基板(8116 V4.1)とコントローラIC(Intel HJL7440、Thunderbolt 3)が同じなので、ケースの形やロゴが違うだけのOEM製品だらけだ。
1万円で売られているThunderbolt 4のSSDケースは、ナンチャッテ Thunderbolt 4 SSDケースです。
今回は、SAN ZANG(サンザン?)を買ってみたが、他の中国ブランドメーカーからも出ている。
- ORICO
- GiGimundo
- Yottamaster
など、Amazonで検索すれば、いろいろ出てくる。
中国のECサイト AliExpressでも、たくさん見かける。70ドル。
AliExpressで買えば安いかわりに、中国からの配送で時間がかかる上に、不良品が届いた時、公開紛争(open dispute)を英語でやらなければならない。その辺は、自分のスキルや都合で購入先を決めよう。
Thunderbolt 4 は、3の上位互換で、USB4とも互換性がある。解説記事は、
-
USB-C 、 Thunderbolt 3(USB4)、Thunderbolt 4 の違い まとめ
USB-C(USB Type C)のポートを持つ機器が増えてきました。 スマホ、Nintendo Switch、iPad Proで、USB-Cが採用されたことで、USB-Cの規格が主流になりました。 ...
昔のHDD / SSDケースのまとめ記事は、
-
買って使っている HDD / SSDケース まとめ。おすすめの コスパの良いSSDも紹介。
私が実際に買って使っている おすすめのHDD/SSDケースを紹介 します。 HDD/SSDケースって何? 外部記憶装置【HDDやSSD】で、パソコンにつないで使うためケースです。 パソコンにつなぐ接続 ...
m.2 NVMe SSDって何?
パソコンの記憶装置の1つで、HDDやSSDの中でも1番読み書きが速くできる部品。
パソコンのマザーボードで、CPUの近くに M.2(エムドットツー)スロットがある。
このM.2スロットに差しこんで使う、NVMe規格のSSD(フラッシュメモリーボード)だ。
いままでのHDDやSSDは、シリアルATA(SATA)規格だったので、データ通信は、理論値の最高速度が 750MB/秒(6Gbps)までだった。
NVMe(エヌブイエムイー)なら、PCI Express 4.0 × 4タイプで、16×4=64Gbps(8000MB/秒)まで出せる。
Thunderbolt 3/4、USB4のデータ通信は、40Gbps(5000MB/秒)が最大転送速度。それ以上に SSDの読み出し速度が速くても転送できない。
なので、中に入れる NVMe SSDは、PCI Express 3.0 ×4 の 8×4=32Gbps(4000MB/秒)の 遅いタイプでも問題はない。
アメリカが、ロシアに加担する中国への制裁で中国製半導体の輸入規制を始めたため、SSDの価格が急落している。
m.2 NVMe SSDケースを写真で紹介
パッケージ内容は、
- ケース本体
- USBケーブル:USB-C、USB-A→USB-C 25cm
- ヒートシンク(導熱ゲルテープ付き)
- 止めるネジ 2個
- ドライバー
- 取扱説明書
NVMe SSDのケースには、ネジとドライバーがセットでついている。
サポートは、Amazonで購入した場合、ショップに連絡することでできるようだ。
他の中国のショップと同じと考えて良いだろう。
保証は 1年 と書かれているが… はてさて。
毎日使っているので 1年以内に壊れたら、その対応ぶりをみてみよう。
主なスペック
ざっくりとかじょうがきにしておく。
- 対応インターフェイス:Thunderbolt 3、USB4、USB 3.2
- リンク速度:最大 40Gbps(5000MB/秒) → 実際は?
- 対応ソケット:m.2 NVMe(m.2 M Key、B&M Key 両対応)
- 対応SSDサイズ:2230、2242、2260、2280、シングルサイド(片面実装)4TBまで
- 大きさ:5.0 × 10.8 × 1.7 cm
- 重さ:103g(SSD、ケーブルなし)
メモリが両面実装のSSDをいれてみたが、ヒートシンクもかぶせられてケースに収まった。
両面実装のSSDの中には、入らないものがあるかもしれない。
Thunderbolt 4 / USB4 NVMe SSDケースの正面観
単なるケースなので、シンプルだ。
1m弱の肉厚なアルミケースでできていて、5×10.8×1.7 cm の大きさ、約100gの重さがある。
USB4/Thunderbolt3/4のUSB-Cプラグが差し込める穴があいていて、その横には、アクセスランプがある。
アクセスランプは、緑色で、アクセスのあるときに点灯する。
Thunderbolt 4 / USB4 NVMe SSDケースの裏面
裏面はフタになっていて、中にSSDをいれる。
プラスねじは、00番。
SSDの取り付けとヒートシンクが近接する、この裏側の方が発熱する。
ケースがアルミで、なおかつ平らなので、ヒートシンクを外付けしやすいのが良いところだ。
付属のThunderbolt 4/3、USB4 ケーブル
付属の20cmのケーブルは、USB-C→USB-A変換プラグも付いている。
USB-C端子で 結線を USB CABLE CHECKER で調べてみると…
すべての結線があって、E Marker もついている フルスペックのUSB-C ケーブルである。
実際に使ってみると、プラグがグサグサしていて不安定なので 早々に手持ちのThunderbolt 3ケーブルでつなぎ直しました。
NVMe SSDケースにいれる SSDの紹介
2023年、アメリカの対中半導体輸出、輸入規制の影響で、フラッシュメモリの価格が暴落。
アメリカへSSDの輸出ができない中国メーカーは、過剰在庫を規制のない日本に輸出するため 価格が暴落している。
中国 Hanye M.2 NVMe SSD Gen 4×4 1TB 1万円
中国製パチモンブランド Hanye(ハニー)。
中国ブランド SUNSETと同じく、Amazonで、口コミ情報が多い。
第4世代なので、5000〜7000MB/秒の読み書きのスペックを持つ。
片面実装ではなく、裏面にもフラッシュメモリーのICチップが付けられている。
その分の厚みがあるので、SSDケースに入れられないことがある。
日本 キオクシア M.2 NVMe SSD Gen 3×4 1TB 9千円
わけのわからない ブランド名の中国製パチモンが大量にAmazonで売られるようになって、1万円で買ったキオクシアの Gen3 のNVMe SSDも、安くなっている。
キオクシアのSSDは、台湾製造。第3世代なので、書き込みが 1700MB/秒、読み込みが 2000MB/秒とのこと。
実際にケースに入れて、Disk Speed Testで調べると、書き込みで 1500〜1600MB/秒と カタログスペックに嘘はない。
NVMe SSDケースに SSDを入れる(インストールする)
NVMe SSDケースに SSDをいれる手順は、付属の取扱説明書にイラスト入りでわかりやすく書かれているので、省略する。
イメージとしては、こんなかんじで、M.2スロットに差し込んで…
浮き上がっているSSD基板をネジで固定する。
固定するネジは、2個付いているので助かる。
NVMe SSDも フラッシュメモリーとコントローラのICチップが激しく発熱するため 速度が低下、故障するので、放熱が何よりも大切である。
ヒートシンクを熱伝導ゲルテープでくっつけて使う。
軽い粘着力があるのではり付ける。
しかし、このヒートシンクは、SSD基板がうまく はめられない。
無理して押し込むと 基板を傷めて壊してしまう。そこで、ヒートシンクのコの字の部分をペンチでつまで 広げて はまるようにした。
一か所だけ広げたのでは入らないので、少しずつ ペンチではさむところをずらして 全体を広げた。
広げてしまえば、抵抗なく はまって かぶせられる。
ケースに取りつけた。
付属のケーブルは、USB-Cのフルスペックの接続ができる。しかし、テスト中に 何度も認識エラーになるので使えない。
ケースにヒートシンクを別に付ける
NVMe SSDは、熱に弱い。とにかく、冷やすことが重要だ。
肉厚のアルミケースのため放熱はできていて、表面温度は 室温24度でも 40度を超える。
さらに効率良く冷やすために、大きめのヒートシンクを取りつけることをおすすめしたい。
熱伝導ゲルシート(サーマルパッド)を適当な大きさにきって、(SSDに近い側)裏ぶた側にはり付ける。
両面に透明シートが貼ってあるのではがして はり付ける。
軽い粘着力があるので いいかんじにひっつく。
ヒートシンクを載せる。
軽くくっついているだけなので、引っ張れば簡単にとれる。
ヒートシンクを付けると 5〜6度 温度が下がる。
放熱には、これくらいの大きさのヒートシンク(1個千円)でないと 夏場が厳しい。
Amazonで アルミのヒートシンク を見るNVMe SSDケースをパソコンにつないで使う
Mac、Windows それぞれ、フォーマットしなおして使う。
- Mac:APFS
- Windows :NTFS
exFATは、MacとWindows 両方で読み書きできるが、以下の問題 2点があるので注意してほしい。
- 読み書きのスピードが半分以下になる
- ファイルの「移動」をすると高い確率で データ破損が起きて、ファイルを全部失う
Macにつないで使う
M2 Mac mini の外付け起動ディスクにしてテストしている。
キオクシアの PCIe 3 のSSDをいれて速度テストすると…、内蔵SSDと同じ 読み書きで 1500MB/秒といいかんじだった。
PCのM.2スロットで 5000MB/秒近く書き込み速度がでる 中国製パチモン Hanye の PCIe 4 のSSDに入れかえて 起動ディスクにすると…
Disk Speed Testで、2500MB/秒と 1000MB/秒速くなった。
M2 Mac mini の1番安いモデルの内蔵SSDは、1500MB/秒と遅い。その問題は、Thunderbolt 4で接続した外付けのSSDで解決することができる…。
ただし、外付けのSSDを起動ディスクにすることは、以下3つの問題がある
- 2つしかないThunderbolt 4 ポートを1つ占有してしまう
- 消費電力が7〜8W増える
- Thunderbolt 4ケーブルがサーマルサイクル(熱い冷たいを繰り返す)による寸法変化で緩んで接続不良になる
以上の理由から、Macの外付けストレージを起動ディスクにすることは あくまでも緊急用である。
常用することは自己責任でお願いしたい。
Macの外付けストレージを起動ディスクにするやり方と問題点は別ページにまとめた。
外付けSSDで使用時のSMART情報
コメントをいただいたので… smartmontoolsで 調べた。
室温は、22度。ケースの温度は、36度。ヒートシンクの温度は、25度。
アイドリング状態で
SSDのSMART情報上の一部を抜粋する。
=== START OF INFORMATION SECTION ===
Model Number: Hanye ME70-1TA01
略
Warning Comp. Temp. Threshold: 90 Celsius
Critical Comp. Temp. Threshold: 95 Celsius
略
SMART/Health Information (NVMe Log 0x02)
Critical Warning: 0x00
Temperature: 48 Celsius
Available Spare: 100%
略
Warning Comp. Temperature Time: 0
Critical Comp. Temperature Time: 0
Temperature Sensor 1: 58 Celsius
Temperature Sensor 2: 48 Celsius
48度で動作している。おおむね良好な温度である。
室温 23度、読み書きテストを10分以上連続して…
Temperature Sensor 1: 67Celsius
Temperature Sensor 2: 58 Celsius
で上昇が鈍化。
両面実装なので、ケース側の温度は58度で止まり、かわりにケースに付けたヒートシンクの温度が上がってきているようだ。
室温が上がる夏場は ケースに熱伝導ゲルシート&ヒートシンクをつけることをおすすめしたい。
Windowsパソコンにつないで使う
Thunderbolt 3ポートにつけて、NTFSでフォーマットして、テストしてみた。1500MB/秒と Macと同じ速度がでている。いいかんじだ。
ベンチマークなど、後日、追加する。
まとめ
中国の怪しいブランド同士のシノギを削る価格競争のおかげで、SSDが安くなっている。
「安く買えるようになったSSDをいれるSSDケースをどれにするか?」が注目されている。
このSANZANGブランドは、他のブランドが 1.6万円前後で売る中、最低価格の1万円で販売している。
ついでに、中国の怪しいブランド Hanyeの NVMe PCIe 4×4 NVMe SSD 1TB を入れてみた。
果たして どれくらい故障せずに使えるのか? 実際に買って使いこんでみないと分からない。
あまり 期待していないものの、保証期間が1年あり、毎日使ってみて 何が起きるのか?を記録していく。
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USB3.1 10Gbpsで接続する USB HDDケースを使った外付けのSSDについては、↓
-
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