ベンチ台を買った。
ベンチ台は、パソコンをパーツで買って組み立てる時、仮組みをして動作確認をするのに使う。
「まな板」と呼ぶ人もいる。私は、組みこみやすいケースを「まな板」として使っていた。
2022年夏頃、オープンフレーム PCケースメーカー「長尾製作所」のベンチ台の新しいやつが発売されたので、Amazonのウイッシュリストにいれていた。
パソコンのクロック周波数をあげて性能アップを競う”オーバークロック界隈”の有名人「清水さん」がデザインしたことがセールスポイントのようだ。
- 購入品:シミラボ×長尾製作所 コラボモデル 2WAY ベチテーブル SMZ-2WBT-ATX
- 購入時期:2022年11月27日
- 購入価格:12,955円
- 購入店:Amazon Japan G.K.
結論から言うと、
ベンチ台 SMZ-2WBT-ATXは、加工精度が良くて使いやすいが…
「縦置き」は傾いているし 取っ手がないし… 微妙。
長尾製作所 オープンフレーム ベンチ台SMZ-2WBT-ATXの組み立て方 と 長期使用レポート
長尾製作所って何?
長尾製作所は、PC ベンチテーブルのメーカー。PCパーツの金具を自社設計製造販売をする金属加工の町工場だ。
パソコンのパーツを交換しやすいように、基板がむきだしの骨組みだけのPCケースを「オープンフレーム」と呼ぶ。
日本では、長尾製作所のものが有名。ほぼ独占と言っても良い。
中国製の安いオープンフレームは、加工精度が悪い。
ネジ穴がそろわない。フレームが ゆがんでいてグラフィックボードが固定できない、マザーボードがしなって固定できない など問題が多い。
長尾製作所のオープンフレームPCケースには、縦型にも対応したものがあり取っ手がついる。私も前々から欲しかった。
PCベンチ台 SMZ-2WBT-ATXの良いところ、悪いところ
PCベンチ台 SMZ-2WBT-ATXのメリット Pros
- 加工精度が良くて、ネジ穴がピッタリ
- マザーボードやグラフィックボードが簡単に固定できて、テストができる
PCベンチ台 SMZ-2WBT-ATXのデメリット Cons
- 縦置きはオマケで、斜めになるので不安定
- 取っ手がないので移動が片手でできない
- 自作パソコン初心者や工作の組み立てが苦手な人には 使えない
SMZ-2WBT-ATX を写真で紹介
パッケージ内容は、
- SMZ-2WBT-ATX 組み立てパーツ一式
- 組み立てネジ 一式
- ゴム足
- 簡易電源スイッチ
- ケーブルバンド
- 組み立て説明書
取扱説明書も必要最小限のことだけが書かれている。
ベンチ台を買うパソコンユーザは、百戦錬磨のPCスキルを持っているので クドい説明は要らない。
ネジも、小袋に小分けしてあるし、内容を書いたシールが貼られていて助かる。
SMZ-2WBT-ATXの主な仕様
- 商品名:2WAY ベンチテーブル
- メーカー:長尾製作所、SIMI-LAB コラボシリーズ
- 型番:SMZ-2WBT-ATX
- 対応マザーボード:mini-ITX, mini-DTX, micro-ATX, ATX
- 対応ドライブ:2.5インチ1台、3.5インチ1台、同時取り付け可能
- 対応スロット:7スロット(VGA 2+2+3)
- 対応電源:ATX電源
- 電源スイッチ:簡易電源スイッチ
- 大きさ:約380 × 285 × 260 mm
- 重さ:約2.4kg
- 材質:1.6mm厚鉄板、L型スロット金具は 2.0mm厚
- 色(塗装):黒
- 生産国:日本
SMZ-2WBT-ATXの背面観
マザーボードのI/Oパネル、PCIスロット側、パソコンケースで言うところの背面側から。
電源を取りつけるブラケットは、フレームだけで固定する。(思いのほか しっかりと固定されるので大丈夫)
ブラケット
bracket、壁につける照明を固定する支え棒、何かを固定するための金具
HDD(SSD)を付ける場所は、ATX電源の反対側の横置きにする時の足(スタンド板)に穴があいている。
電源側の足(スタンド板)にもHDDを取りつけられる穴が開いてるが、電源を取りつけてしまうとナットが入れられないので取りつけられない。
グラフィックボードを取りつけるためのL字のブラケットがつく。ブラケットは、2スロット用が2個、3スロット用が1個ある。
ベンチ台なので、グラフィックボードもとっかえひっかえ交換してテストしやすいようにできている。
水冷用のファンを付ける時は、マザーボードの取り付け天板の正面、背後のフチの長い穴にネジ止めする。
SMZ-2WBT-ATXの正面観
正面側は、マザーボードのATX電源コネクタが来るので、電源のケーブルの引き回し側になる。
電源側にはゴム足が付いていて、立てることもできるが、かなり斜めに傾いた状態になる。
取っ手がついていないので、縦型として使うことは、あまり想定してないのだろう。
SMZ-2WBT-ATXを組み立てる
ベンチ台はマニアが使うものなので、取扱説明書も 手取足取りの記述はない。
「それくらいのことは、PC自作erにはわかってるだろ」を前提に書かれている。
SMZ-2WBT-ATX ベンチ台を組み立てるのに必要な道具
ベンチ台は 形は違うがPCケースなので、自作パソコンで使う工具を使う。
- プラスドライバー
- 対辺5.5mm、5.0mmのナットドライバー
- ピンセット
マザーボードを固定するスペーサーの取り付け
ベンチ台の天板「マザーベース」に、スペーサーを付ける。
マザーボードの穴のない所にスペーサーを立てていると、基板の実装チップ部品を飛ばしたり、プリントパターンを削って切断したりするので、取りつけるマザーボードごとにスペーサーの位置は決めるようにする。
マザーボードのサイズは、主に ATXとmicroATXの2種類がある。
スペーサーの取り付けには、ボルト側がマザーボードの穴を貫く形にした方が、マザーボードを置くだけで設置できるし、仮止めの手回しナットが使えるので便利だ。
スペーサーとマザーベースの固定は、裏側からプラスねじで固定する。
スペーサーは六角柱。対辺5.0mmの六角ナットドライバーが使える。
ナット側は、ネジが飛び出ていないので、六角ナットドライバーが きちんとはまる。
ボルト側は、六角ナットドライバーのボックス部分が浅いと ネジ部分がつかえて入らない。
そんな時は、ラジオペンチで六角柱部分を軽くつかんで、マザーベースの裏側からネジでしめる。
スペーサーの中には、ネジ側に溝がないものがある。
これは、ATXとmicroATXのマザーボードの穴で中央あたりに共通するところに取りつける。
指回しの仮固定用ナットで固定するわけではなく、マザーボードの穴に単にさしておくだけのもの。
ベンチ台にのせるマザーボードを何枚か仮において、ボルト側にするのか? ナット側の穴にするのか?を自分の好みで決めていこう。
基本になる スペーサーの取りつけ位置は、こんなかんじ。
マザーボードによっては穴が開いていないところもあるので、四隅の固定用の定番の穴の位置以外の真ん中辺のスペーサーのネジの向きは注意されたし!
マザーベースにスタンド(足)を取りつける
注意すべき点は、4つ
- スタンド(足)の向きをまちがえないように
- マザーベースとは、手回しのネジで固定する→ワッシャーをかませる
- ゴム足を付ける
- ATX電源取りつけブラケットとゴム足が”共じめ”になる所がある
マザーベースとスタンド(足)の板は、スタンド固定用手回しネジ(つまみネジ)2本ずつで固定する。
スタンド固定用手回しネジには、ワッシャーをかまして、マザーベースをしめるとき、塗装がはげないようするようだ。
スタンド側の穴にネジ溝をきってあるので、スタンド固定用手回しネジにナットはいらない。
手回しネジの穴が 細長いことに注目! 2つの位置を移動できるようになっている。
電源用ブラケットのネジで完全に固定される。
ATX電源用ブラケットの取り付け穴は、外側と内側の二か所で固定する穴が開いている。
縦置きをせず横置きだけで使うのならは、スタンドと電源ブラケットを外側にずらしてネジで固定(赤の矢印の位置)する。
縦置きにする時は、内側にずらして(青の矢印の位置で)固定する。
横置き専用から縦置きもできるようにスタンドの位置をずらすのに、電源ブラケットの固定ネジを外して、手回しネジをゆるめて動かす。
ATX電源をブラケットに取りつけた状態でも動かせるようになっている。
縦置き用 ゴム足を付ける
スタンドにゴム足を付ける。
横置きの時のスタンドのゴム足は ネジで固定するタイプで、縦置き用のゴム足は 穴にゴム足を押し込んで取りつけるタイプになる。
まずは、縦置き用のゴム足を付ける。
指で押さえるくらいの力では、穴に入らない。
説明書には「つまようじ等の細長いもので押し込むと…」と書いてある。
先の丸い千枚通しのようなものが良いだろう。私は、ピンセットを使った。
ゴム足を引きちぎらないように、丁寧な作業が必要だ。
4か所に取りつける。
次に、横置きのゴム足を取りつける前に、電源ブラケットをつける。
スタンドとマザーベースに 電源ブラケットを取りつける
ATX電源取り付けブラケットに、マザーベースと固定するためのスペーサーを取りつける。
スタンドの位置を変えられる側のスタンドに、ATX電源取り付けブラケットが付く。
付属のネジで固定していく。
スタンドのゴム足を固定するネジをつかって 一緒に”共じめ”になるところがある。
マザーベースとATX電源ブラケットのスペーサーとスタンドとの計3か所のネジ止めをする。
横置き用ゴム足をスタンドに付ける時に、一緒に、この↑の”共じめ”にする。
この共じめは、ブラケット側の穴にネジが切ってあるのでナットは使わない。
横置き用 ゴム足を付ける
横置き用のゴム足は、ネジでとめるタイプだ。
穴の開いたゴム足にボルトをさしこんで、スタンドの穴に差し込み、裏側からナットをあてがって しめる。
3か所は、こんなかんじに ネジで固定していく。
1か所は、電源取りつけブラケットと共じめになる。
日本製なので加工精度は良い。穴がちゃんと合う。ボルトを通してナットをあてがって、プラスねじでしめておく。
ゴム足を付けたら、ほぼ完成。
マザーベースにPCIブラケットをつける
グラフィックボードなどPCIカードを固定する コの字のPCIブラケットを取りつける。
後述しています。
PCIブラケットの穴にはネジが切ってあるので、ナットなしでマザーベースの裏側からネジで取りつけられる。
グラフィックボードの大きさやマザーボードのPCIスロットの位置関係で、どこに取りつけるのか?は、それぞれで合わせるようにする。
取りつけていない コの字のPCIブラケット、マザーボードごとに付けかえるスペーサー、他のネジなどをなくさないように袋にいれておこう。
専用のナットドライバー、プラスドライバーとあわせて 収納できるケースを100均で探してきた。
Seriaで いいかんじの透明ボックスがあった。いれると、良い感じに収まる。
ナットドライバーは 5.0と5.5しか使わないが、AmazonでVESSEL(日本製)のを買った。
手回しナットでマザーボードを仮固定できると思っていたが、ヒートシンクと干渉して 手回しナットが入らないところもある。
なので、ナットをナットドライバーで軽くしめて仮固定になってしまう。VESSELのナットドライバーは、この用途にピッタリだった。
テスト用のATX電源を取りつける。
オーバークロック台として使うのなら、大容量の1000WAクラスを付けると良いだろう。
予備で置いてある オウルテックのATX電源を取りつける。
取りつけるケーブルは、マザーボード用のATXケーブル、CPUケーブル、VGAケーブル、HDD/SSD用のSATA用電源ケーブル。
ブラケットに インチねじ4本で固定するが、宙ぶらりんなので重いATX電源だと バタンと倒すような衝撃を与えたくない。
あくまでも、仮組み、テスト用ということで使う物だから、ケースに組み込むのとは 勝手が違う。
SMZ-2WBT-ATX にグラフィックボードを取りつける。 PCIブラケットの取り付け方
先に PCI(VGA)ブラケットをマザーベースに取りつけていると、ブラフィックボードがマザーボードにうまくささらない。
ピッタリに作られているので、先にPCIブラケットが付いていると、グラフィックボードのスロットに入らない。
PCIブラケットをはずしてから、グラフィックボードを差しこむ。
じゃまするものがないので、大きなグラフィックボードでも PCIスロットにささる。
PCIブラケットをあてがって、
ネジ穴をそろえてから、ネジを差し込んでゆるめにしめる。
SMZ-2WBT-ATXのI/Oポート側を机の端に置くようにしないと、+ドライバーがはいらないので ネジがしめられない。
マザーベースとPCIブラケットのネジどめは、机の端ギリギリに置いて、下からドライバーを入れるようにする。
縦置きにすると グラフィックボードが重いので傾いて 基板のPCIスロット部が破折してしまうおそれがある。
上のネジ止めは一か所で良いだろう。ゆるめに止めてから、グラフィックボードをまっすぐにしつつ、ネジをしめて固定する。
これで、VGAの電源ケーブルの抜き差しをしても、グラフィックボードがひっついて上がってくることはない。
ベンチ台 SMZ-2WBT-ATXを使ってわかる問題点など
具体的な装着例などを順次追加していく。
- ATX電源は、プラグイン式にしないとケーブルがウザい
- 横置きは邪魔になるので縦置きにするのだが、斜めなので案外場所を取る
ATX電源の使わないDCケーブルは、ベンチベースの下の空きスペースに、まとめてタイラップ(結束バンド)で仮止めしておくと使い勝手が良くなる。
縦置きというより 斜め置き になる点
「こんなに傾いているけど… だいじょうぶなのか?」と最初は思ったが、ATX電源をつけて重くなると安定することがわかった。
まとめ
盆正月は、自作パソコンの修理、組み直しをする。
軽く使ってみたが、「まな板」はもっと早く買っておくべきだったと後悔している。
年末年始のパソコンいじりに間に合っただけでもマシかw
自作パソコンの関連記事からの参照する記事になる。
順次追加していく。