ゲームの音を つないでいるHDMIケーブルから取り出したい時、【HDMIオーディオスプリッター(音声分離器)】を使う。
今回、ラトックシステム(大阪)から、HDMI音声スプリッターの新しいのが出たので買ってみた。
HDMI音声分離器は 中国製パチモンの独擅場だ。詳しいことは、
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PS5・PS4 にオーディオ光デジタル接続をするための4K/60Hz HDMI 音声分離 スプリッター 選び方 まとめ
PS5は、光デジタル出力端子がなくなった。 PS5に光デジタル端子をつける方法は、HDMIから音声を分けて取り出す「HDMI音声(分離)スプリッター」を使うこと。 HDMI音声分離機能は、HDMIセレ ...
で解説している。
結論から言うと
RS-HD2HDA2-4Kは、HDMI音声スプリッターの後発で5千円と高いが、基本性能はちゃんとしているのでヨシ!
- 購入品:RS-HD2HDA2-4K ラトックシステム HDMIオーディオ分離器
- 購入時期:2021年10月
- 購入価格:4,980円
- 購入店:Amazon Japan G.K.
私は、この製品を自分で選んで自腹で買って試している。
ラトックの製品をタダでもらったアフィカスによる提灯・広告記事に不満を持ち、自腹で買った人のホンネとコスパの正直な感想を知りたい人向けに、本当の事を書いている。
ラトック依頼のステマ記事ではないので値引きクーポンコードはない。
アフィリエイトリンクではないんで、安心してクリックしてください。
HDMI音声分離器RS-HD2HDA2-4K の 使用レポートとつなぎ方の解説
ラトックシステム って何?
ラトックシステムは、大阪のファブレスメーカーの老舗。
企業向けだけでなく一般向けに、通信、IoT機器を扱うブランドメーカーみたいな。
主に 中国製品をOEMで販売している。
HDMIマトリックス型スプリッター、バッテリー内蔵Wi-Fiストレージ、スマート赤外線リモコン、Wi-Fi 消費電力測定タップなど、昔から色々買っている。
HDMI音声スプリッター RS-HD2HDA2-4Kの良い点、悪い点
RS-HD2HDA2-4Kのメリット Pros
- HDMIから音声をアナログと光デジタルで取り出せる
- アナログ側のDACが、16bit 192kHzとして認識されて 案外音が良い
- 1年保証
- PS5の 1440p 120Hz HDR出力に対応している(非公式?)
RS-HD2HDA2-4Kのデメリット Cons
- DCプラグが、3.5mm径と特殊
- ARC入力→光デジタル出力機能は動作しない?
HDMI音声スプリッター RS-HD2HDA2-4Kを写真で紹介
同梱物は、
- RS-HD2HDA2-4K 本体
- ACアダプター:1mDCケーブル
- 取扱説明書
- 保証期間:1年
取扱説明書は、イラスト入りの日本語で書かれているので 分かりやすい。
プレミアムハイスピードHDMIケーブル、角形 光デジタルケーブル、3.5mmミニステレオケーブルはついていない
ラトックシステム RS-HD2HDA2-4Kの主な仕様/スペック
ざっくりと まとめると…
- 名称:4K60Hz/HDCP2.3/ARC対応HDMIオーディオ分離器
- 型番:RS-HD2HDA2-4K
- 出力解像度:2160p 60Hz 24bit YUV4:4:4、1080p 240Hz、
- 対応オーディオフォーマット
- PASSモード:全てのフォーマット
- OPTモード:Dolby Digital、DTS、DTS-ES、AAC5.1ch、リニアPCM 2ch
- LINEモード:リニアPCM 2chステレオ
- 接続コネクタ:
- 入力 :HDMI Type A
- 出力:HDMI Type A光デジタル角形、3.5mmステレオミニ
- 対応HDMI規格:HDMI2.0、HDR10、Dolby Vision、HLG、ARC、CEC、HDCP1.4/2.3
- 伝達帯域・速度:最大 600MHz、18Gbps
- HDMIケーブル長:2160p/60Hzは5mまで、1080pは10mまで
- 機器間制御(CEC)、ARC:一部対応
- 電源:DC 5V ACアダプタ
- 製造国:中国
中国パチモンHDMI音声スプリッターの対応フォーマットは、盛り盛りの性能記載で、嘘も多くて信じられない。
この音声スプリッターは、ラトックシステム ブランドなので信じて良いだろう。
HDMI音声スプリッターも、実際につないで、いろいろテストしてみないと 可否が分からない製品である。
PS5 と WQHDゲーミングモニタ LG 32GP83B-Bにつないで 1440p 120Hz HDR出力が出せるのは確認済み
ラトック RS-HD2HDA2-4Kの外観、端子について
出力側
RS-HD2HDA2-4Kの出力側は…
まず、サイズ。
- 大きさ:7.7 × 6 × 2.1cm
- 重さ:121g
と手の平にのる大きさだが、放熱性をよくするために金属の筐体になっているので重い。
横のスリットは大きめに開いていて、放熱性を高めている。
HDMI音声スプリッターは基板が熱くなるので壊れやすい → ヒートシンクをつけて放熱をする
アナログ音声 端子
3.5mm径の2chステレオ出力端子だ。
LINE出力なので、ヘッドホンを付けると爆音。ミキサーが必要だ。
Fire TV Cubeの出力でアナログ音声で出力テストをしてみたら、DACの性能は、16bit / 192kHzで認識されている。
AVアンプ RX-A4AにHDMIでつないでも、16bit / 192kHz
HDMIスプリッターのSoC(チップセット)は、中国製パチモンも汎用品を使っているので どれも同じで性能面で差はない。
コーデックは、FLAC。中国製パチモンだと馬鹿にしていると良い音で出力されていることに気づかない。
モニターに付いているヘッドホン端子からの音に不満を持っている人は、HDMIスプリッターのアナログ音声端子を活用しよう。
HDMI音声スプリッターのアナログ音声出力は、爆音な上に音量が調整できない(RCA出力と同じ)ので、ミキサーにいれて音量を調整する。
光デジタル出力端子 角形
光デジタル端子からは、Dolby 5.1chサラウンドの音が出せることは確認した。
ミックスアンプへの出力は、2chでなければならない。
PS4やPS5で5.1chや7.1chサラウンドの設定になっていても、強制的に2chステレオに変換されて出力されているので、音が出なくなる問題は回避されている。
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光デジタル(OPTICAL)ケーブル・オーディオ用のつなぎ方。
光デジタルケーブルの話。 オーディオで使う 光デジタルは、30年前、CDプレーヤのデジタル出力として使われていた。 この30年間、光デジタルは、テレビの音声出力についているくらいで 身近なものではない ...
ARCボタン
「音声モード切換スライドスイッチが、「PASS」(パススルー)になっていて、ARCボタンをONにすると、ARCのHDMI出力から音声が取り出せるらしいが、できない。
光デジタル端子に5.1chサラウンドが出せない。
他の中国製パチモンのHDMI音声スプリッターのパススルーモードでARCの音が取り出せると思って試したが、ARC機器だと認識されないので音がでない。
RS-HD2HDA2-4Kには、ARC機器であることをEDIDで教えるためのスイッチのはずだが、ブラビアはARC機器だと認識できない。
説明書には、緑で点灯と書いてあるが、青く点灯していることからダメだ。
私の標準的なテスト環境(ブラビアXRのeARC端子)では動作しなかった。つまり、この機能は使えない。
入力側
まずは、入力側から
左側から、
- 電源ポート:外径3.5mm 内径1.35mmのDCジャック
- 電源ランプ:青点灯
- ARCランプ:ARC接続したら緑点灯(現実は青で点灯)→動作しない
- オーディオモード切替スライドスイッチ
- PASS:映像音声をそのまま通す。(音声分離をしない時)
- LINE:ステレオ2chアナログ音声出力
- OPT:光デジタルの音声出力
- HDMI入力
5.1chサラウンドを光デジタルで入力するミックスアンプはないので、ゲーム機側のHDMI出力の音声設定では「2chステレオ」にしておこう!
ACアダプター DC 5V
中国製パチモンの多くが、USB-A→DCプラグ(5.5mm/2.1mm径)の変換ケーブルが付いてくるだけなのに対して…。
ラトックのRS-HD2HDA2-4Kには、ACアダプターが付いていた。
DCプラグは、外径3.5mm径、内径1.35mmのタイプ。
このDCプラグは、3.5mm径のミニステレオオーディオジャックと間違えて差してしまうため使われない。
私も、最初、間違えてDCプラグを3.5mmミニステレオジャックに挿してこんでしまっていた。
ACアダプターがコンセントにささっていて、DCプラグに5Vの電気が流れている状態で、まちがえて指しても故障はしない。同じグランド(ー)の配線側が接触するだけだから。
それでも、ユーザが間違えないような仕様にするべきだと思うのだが…。
HDMI音声スプリッター RS-HD2HDA2-4Kを使ってみた感想、問題点
手持ちのゲーム用 AVシステムに組み込んで、接続テストをしている。
- 4K(Ultra HD)60Hz HDRのモニターは、LG UK650、DELL G3223Q、
- WQHDゲーミングモニタは、LG 32GP83B-B
- AVアンプは、RX-A1080、RX-A4A
- ソースは、LG BDプレーヤ、Fire TV Cube、PS5など
Fire TV Cubeとモニターの間にRS-HD2HDA2-4Kを入れて、光デジタルケーブルをAVアンプにつなぐ。
Fire TV Cubeの「オーディオ/ビデオの診断」で、RS-HD2HDA2-4Kのオーディオフォーマットを調べる。
Dolby Digital、PCMオーディオが検出された。
光デジタルで、Dolby 5.1chサラウンドが出ているか?を AVアンプ RX-A4Aへ光デジタルケーブルをつなぎなおしてテストする。
BDプレーヤ UBK90に、サラウンドテストのDVDをいれて再生してみる。
ちゃんと、5.1chサラウンドがでていることが確認できた。
ただし、ビットレートは、48kHzと DVD並の音質である。
光デジタルのデータ転送量には限界がある。DolbyやDTSの圧縮した音声データでなければ、サラウンドの6ch分が伝達できない。
なので、リニアPCMの5.1chサラウンドは光デジタルではできない。→ Nintendo Switchは、リニアPCMの5.1chサラウンドだけ対応。
PS5/PS4 で、RS-HD2HDA2-4KとMixAmpをつなぐ
音響テストDVDをPS5にいれて、RS-HD2HDA2-4Kをつないで、RX-A4Aに光デジタルでつなぎ 5.1chサラウンドがでるかどうか?をテストした。
PS5の設定で、サウンド/音声出力/出力機器 を "テレビ”や”AVアンプ”にして 5.1chを指定しても、RS-HD2HDA2-4Kから光デジタルに出力される信号はサラウンドにならない。ステレオ2chの出力になる。
つまり、MixAmpをつないだ時、”5.1chサラウンドの出力のため 音がでない問題”が起きない。
1080p/240Hz対応のゲーミングモニターと対応グラフィックカードをいれたWindows パソコンを持っていないのでテストできない。→準備中
PS5、MixAmpの基本配線は、こんなかんじになる。
設定は、
- PS5は、設定→サウンド→音声出力:出力機器を「HDMI機器(テレビ)」
- PS4は、設定→サウンドとスクリーン→音声出力設定:主に使用する出力端子を「HDMI出力」、音声フォーマットを「Linia PCM」… 2chになる
PS5をつないだ LGのモニター(27UK650)では、4K(Ultra HD)60Hz HDRで表示される。
Astro MixAmpは、光デジタルでの入力は2chでしか受け付けない。Dolbyボタンで切り替えても、疑似サラウンドである。
PS5やPS4のボイスチャット機能を使う場合の接続は、こんなかんじ。
PS5の設定は、
- サウンド→マイク:入力機器は、「USBヘッドセット(Astro MixAmp Pro)」のまま
- サウンド→音声出力:出力機器を「USBヘッドセット(Astro MixAmp Pro)」から「HDMI機器(テレビ)」に変更
PS4の設定は、
- サウンドとスクリーン→音声出力設定 :主に使用する出力端子を「HDMI出力」、音声フォーマットを「Linia PCM」
- 周辺機器→オーディオ機器→出力機器:「テレビまたはAVアンプ」
- 周辺機器→オーディオ機器→入力機器:USBヘッドセット(Astro MixAmp Pro)
光デジタルの出力がない PS4 slimや PS5で使う人向け。
モニターの相性問題あり
G3223Qでは、なぜか4K 120Hz にならずに、 なぜか 4K 60Hz HDR にならずに、フルHD 1080p/60Hz HDRなしまで落ちてしまう。
G3223が、HDCP2.2に対応していない?(設定でLegacy HDMIに変更可能) ためか、Fire TV stick 4K Max 2nd Genをつないで、4K 60Hz HDRがでないのは困る。
元々、G3223Qは安かっただけあって HDMI入力にバグがあり、うまく表示できない問題をいろいろ抱えている。
それでも、WQHDのLG 32GP83Bは、1440p 120Hz HDR表示できるし、UHD 60Hz HDRのモニター( UK650、JN-IPS2801UHDR) では、4K 60Hz HDRで表示できているのでヨシ!
Nintendo SwitchでMixAmpをつなぐのに使う
これも問題ない。
設定の音声出力で、サラウンドではなく、ステレオを選ぶようにしよう。
RS-HD2HDA2-4Kのアナログ 2chステレオ出力をAG03に入れる
RS-HD2HDA2-4Kの音声モードをLINEにして、3.5mmのミニステレオジャックから、アナログ音声をAG03MK2に入れて聞いてみた。
HDMI音声スプリッターの アナログ出力は、(減衰するのを前提で)ノイズを減らすために最大音量になっている。
AG03側で GAINを半分以下に落とすことで、PC(チャット音声)側の音声とのバランスが良くなる。
HDMI音声スプリッターの中には、アナログ音声がクリープ(音が大きすぎて割れている)ものがあったり、ビットレートが合わないのか?音が極端に悪いものがある。
このRS-HD2HDA2-4Kのアナログ出力音声は、音が良い。
先にも述べたが、DACは 16bit 192Kbpsと AVアンプ並のビットレートでつながる。
理想は、24bit 192kHzだが…。
モニターのイヤホン端子からの音は、どうしても雑音が入ってしまう。
RS-HD2HDA2-4KのARC機能について
ARC機能が付いていることをアピールしている。
しかし、私のAVシステム テスト環境下では動作しなかった。
ブラビアXRのeARCからの入力、光デジタルは、RX-A4Aのオーディオ1の光入力で試した。いずれも、2020年モデルの最新AV機器でのテスト環境である。
BDプレーヤをRS-HD2HDA2-4Kにつないで、光デジタルで出力するのは問題なくできているし、ブラビアXRのeARCは普段は、RX-A4AのHDMI2端子につながれて正常に機能している。
あれこれ試したが、そもそも仕様として載せるのがダメな部類だろう。
たとえ、動作したとしても…、RS-HD2HDA2-4KのARC機能を使うシーンが思いつかない。
あるとすれば、HDMI入力端子がない 15年以上前のAVアンプを持っている人くらいか?
この頃のAVアンプのDACの性能は低くて、アナログ変換に時間がかかるICを使っているので、遅延が気になるレベルだろう。
今は、4万円だせば、4K60Hz HDR対応の基本的な性能を持つAVアンプが買えるわけで…。
RS-HD2HDA2-4Kで起こりえる 問題解決
音声や映像がでない
HDMIの最も多いトラブルで、HDMIケーブルの抜き差しやHDMI機器の電源の入れ直しで解決することが多い。
HDMIケーブルが不良なこともあるので、良いケーブルを使おう。おすすめはこちらで紹介。
勝手に電源がはいる
HDMIのコントロール機能、CECが悪さをしている。
HDMIにつながる機器を自動で全部電源が入ったり、電源を切ったりするのは、便利そうに見えても誤動作であわてることの方が多いので おすすめしない。
ナントカリンク、CEC機能は、HDMI機器のそれぞれでオフ、無効化の設定にしておこう。
使う時は、個々に電源をいれれば済むことだ。
4K 60Hz HDRにならない
これも、良くある問題で、私の手持ちの4Kモニター G3223Qでも起きている。
モニターやテレビ側との相性(バグ)も多いので、相性の良いものをつなぐ方法で回避しよう。
WQHD(1440p)/120Hz HDRにならない
PS5の1440p/120Hz HDRの表示は、LG 32GP83Bで表示できることは確認している。
120Hz HDRになるかどうかは 非公式なので自己責任でお願いしたい。
光デジタルケーブルでの音声出力は、PS5のサウンドの設定で、「AVアンプ」の「5.1chサラウンド」を選択しても、出力されるのは、2chステレオであることを確認した。
MixAmpに入力する時に。音がでない問題がおきない。
まとめ
4K 60Hz HDR対応のHDMI音声スプリッターは、中国製のパチモンで3千円前後である。
HDMI音声スプリッターは、音がでない、音がおかしい、映像の解像度が4Kにならないないなどの問題が起きやすく、初心者にはハードルの高いアイテムでもある。
サポートが必要な初心者で、HDMI音声スプリッターを購入することが不安でためらっているのであれば、このラトックシステムのHDMI音声分離器 RS-HD2HDA2-4Kの5千円も検討してみよう。
ARC機能については正常に動作しない。まぁ、オマケ機能で使う人もいないから問題はない。その分、安くしてくれ。
サポートが日本語が通じる日本の会社なので、ある程度の面倒を見てもらえるって意味です。
それに、題名に【広告】をいれていないのはルール(景表法)違反です。
Amazonで RS-HD2HDA2-4K を見る 楽天で RS-HD2HDA2-4K を見る
2024年8月、4K 120Hz HDR に対応した RS-HD2HDA-8Kが発売された。
現在テスト中だが、好感触だ。書け次第 公開する。
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ラトック RS-HD2HDA-8K レビュー。PS5用 4K 120Hz HDR、8K 60Hz対応、5.1chサラウンド、2chアナログ出力。
ゲーム機のHDMI出力から ゲームの音を取り出す【HDMIオーディオスプリッター:RS-HD2HDA-8K】を買った。 そもそも、PS5やNintendo Switchには、光デジタル音声出力端子がな ...