Belkin SoundForm CONNECT Audio Adaptor with AirPlay 2は、iPhone(Mac)の”Wi-Fi無線でつなぐ音楽再生専用装置”だ。
Mac / iPhoneから、音楽を無線で飛ばしてスピーカーを鳴らせる。
2021年の春、仕事場でBGMを流すのに使っていた200連奏CDプレーヤが壊れた。
CDプレーヤの代わりに、200枚のCDをMacの Music(iTunes)に録り込んで、Macから曲をかけることにした。
SoundForm Connect(AUZ002)は、そのために使っている。
こんな方におすすめ
- iPhone、Macのユーザー
- 手持ちのオーディオ システムが古くて AirPlayに対応していない
- 小型のAirPlay 音楽プレーヤ(再生装置)を探している人
- 購入品:Belkin AUZ002(Belkin SoundForm Connect Audio Adaptor with AirPlay 2)
- 購入時期:2021年9月12日
- 購入価格:10,970円
- 購入店:ヨドバシドットコム
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Belkin SoundForm Connect(AUZ002) の長期使用レポート
AirPlay って何? AirPlayとAirPlay 2と何が違うの?
AirPlayは、元々、Appleの独自規格の「AirTunes」だった。
2001年に携帯音楽プレーヤのiPodが発売され、あっという間に 「カセットテープの携帯音楽プレーヤ SONY ウオークマン」を駆逐(くちく)した。
iPodとMacの音楽プレーヤソフト「iTunes」は、2000年代のPCオーディオブームの火付け役である。
これは、2004年?に買った AirMac Express BaseStation A1089。
MacのiTunesから、Wi-FiやLANケーブルをつないで音楽を送ることができる。
AirMac Express BaseStationは、『ネットワークプレーヤー』の先駆けである。
AirMac Expressは、Wi-Fiルーター、Wi-Fi子機でもあり、光デジタルとアナログ兼用の3.5mm径ジャックを持つ。今でも互換性を持つので、有線LANでなら使えるはずが壊れてしまった。
PCオーディオ マニアの必携アイテムで、第3世代まで長く売られた。
AirPlayで仕様が公開され、サードパーティの「ネットワークプレーヤ製品」が増えた
2006年から発売されているApple TV(AppleのSTB)の第2世代が2010年に発表された時に、下位互換性を持つ「AirPlay」になった。
Apple 独自規格のAirTunesから、他のメーカーが使えるように規格を公開したのが、AirPlayだ。
いままで、CDをリッピングしてMacにため込んでいた Apple Losslessの曲だけでなく、iTunes Storeからダウンロードしてくる著作権保護のある映像も Apple TVへ送れるようになった。
iPhoneの発売から爆発的にAppleのユーザが増えたのもあって、AirPlay対応のオーディオ機器が増えた。メディアプレーヤ、メディアサーバのNASなど。
AirPlay 2は、何が違うの?
- 2018年のiOS 11.4から対応
- バッファ容量が増えた(貯めておける動画や音楽のデータ量が増えて途切れにくい)
- マルチルーム再生機能追加
- 低遅延
ベルキンって何?
- アメリカのパソコン周辺機器メーカー
- Apple ComputerのMacintoshの周辺機器も作っていて、昔からのマカーにも人気のあるブランド
- シスコから、リンクシスを買収したりして拡大路線だったけど…
- 台湾のフォックスコン(鴻海科技集団)の傘下に(日本の総合電機メーカー シャープと同じ)
ちなみに、フォックスコンは、iPhone、Nintendo Switch、PlayStationなど、世界的人気商品をOEM製造している会社。
我が日本国は、国策で フォックスコンを超えるEMS(受託生産)企業グループを育てなければならない!。
Belkin SoundForm Connect を写真で紹介
SoundForm Connect(AUZ002)のパッケージ内容は、
- AUZ002(SoundForm Connect Audio Adaptor with AirPlay 2)本体
- USB充電器 5W(5V / 1A)
- USB-A → USB-C ケーブル 1.2m
- 取扱説明書と保証書
SoundForm Connect(AUZ002)の主な仕様
- 型番:AUZ002
- 出力:それぞれ排他的
- 3.5mm径 アナログオーディオ
- SPDIF 光デジタル 角形
- Apple AirPlay 2 対応:対応するのは1台だけ
- Wi-Fi:2.4GHz、5GHz、IEEE 802.11 b/g/n/ac
- 対応音楽フォーマット:44.1KHz@16bit(DVD音質)
- Apple Homeアプリ対応、HomeKitにて登録設定
- USB電源 5V / 1A 5W
- 大きさ:6.2 × 4.3 × 1.9 cm
- 重さ:27g
- 中国製造
- 保証期間 2年
Bluetoothはない。
Androidスマホには当然対応していない。
バッテリーは内蔵していないので、USB-Cケーブルから給電して使う。
設定は、iPhoneの Homeアプリ(HomeKitアプリ)で行う。
SoundForm Connectの状態は、SoundForm Connect アプリで見ることができる。
Belkin SoundForm Connect (AUZ002) 正面観
- 3極ステレオミニプラグ出力端子
- SPDIF 光デジタル出力端子 角形
- マイクの穴
- ステータスランプ
3.5mm径のステレオミニプラグ端子が付いている。光デジタル出力端子 角形もついているが、排他的である。
両方出せればスプリット(分岐)できて、いろいろ遊べるんですが、値段は倍くらいになったりしてw
AUZ002 のマイクの穴
マイクの穴があるので、「ヘイ シリ!」が使えるのかと期待していたが、これはフィードバック用のマイクだった。
つまり、音が出ているかどうか、音の遅延が起きないように自動調整するためのマイクとのこと。
Belkin SoundForm Connect AUZ002 のステータスランプの意味
- 消灯:電源オフ
- 白 ゆっくり点滅:セットアップモード、起動中
- 白 点灯:Wi-Fi接続に成功し 正常動作中
- 緑 ゆっくり点滅:ファームウエアアップデート中
- 赤 点滅:デバイスエラー
- 赤 点灯:Wi-Fi接続なし
Belkin SoundForm Connect(AUZ002) 背面観
- USB-C 電源ポート
- リセットボタンの穴
USB-C電源ポートには、付属のUSB-Cケーブルをつなぐ。
付属のUSB充電器
AUZ002にはバッテリーがないので、AC-USB電源アダプタと呼ぶべきもの。
ごく普通の USB-Aジャック。出力は、5W(5V/1A)。iPhoneも充電できる。
実測すると、5.3V/0.9Aと電圧が高めにでるので、USB延長ケーブルで使うのに適している。
SoundForm Connect(AUZ002)の動作電力は、5V 0.15Aの約0.75Wなので、これで十分だ。
USB-A→USB-Cのケーブルは、ベルキンのロゴが付いている。1.2m。
リセットボタン
引き出しに、リセットボタンの穴に差し込む クリップの針金を伸ばしたやつが、1つは入っているはずだ。
リセットボタンは、3秒長押し。
ステータスランプは、赤く点滅 その後 緑点滅から、白ゆっくりと点滅で、ホームアプリのアクセサリー登録待ち。
Belkin SoundForm Connect (AUZ002) 底面観
iOS(iPhoneやiPad)のHomeKit に登録するデバイスなので、裏面に、認証コードが印刷されている。
登録は、カメラで読み込めるはずなのだが…実際にやってみると、うまく認識できない。直接コードを入力した方が早い。
技適マークと認証番号もついている。
Belkin AUZ002 をつなぐ方法
SoundForm Connect(AUZ002)は、HomePod(Appleのスマートスピーカー)と同じように、Homeアプリで登録する。
登録の仕組みは、
- iPhoneとAUZ002は、Wi-Fiでお互いに直接つなぐアドホック接続になる
- iPhoneが接続していたWi-FiルーターのSSIDとパスワードをAUZ002でも設定する
- AUZ002は、iPhoneと同じSSIDとパスワードでWi-Fiルーターに接続する
- LANを経由して(インフラストラクチャー接続)、他の設定をする
付属の取扱説明書のイラストを見ると… NFCを使って接続する。
AUZ002 は、NFCも対応しているので、iPhoneを近づけるだけで認識してくれる。
SoundForm Connect(AUZ002)の接続手順
まず最初に、
- iPhoneには、ホーム(Home)アプリがインストールされていること
- Belkin SoundForm アプリもインストールしておく
- iPhone のWi-FiがONになっていて、AUZ002をつなぎたいWi-FiルーターのSSIDにつながっていること
- つなぐWi-Fiルーターは、MACアドレスフィルタリング、隠蔽したSSIDはOFFであること
以上の4点を必ず確認すること!
隠蔽したSSIDでも、iPhoneがつながっていれば設定できる
隠蔽したSSIDは接続トラブルの原因なのでOFFのままでかまわない。
同梱されている別紙の「iPhoneのNFCのあてがい方(英語)」のイラスト通りに…
オーディオレシーバーと白いウインドウが開くので、「ホームに追加」をタップ。オーディオレシーバーの場所で、部屋を指定。なければ自分で新規に作成して 続けるをタップ。オーディオレシーバーの名前を確認。複数使いたい場合は、番号を付ける。
登録される。
もし、NFCでやろうとして iPhoneを近づけてもウインドウが開かない場合は、
- ホームアプリから、+のアイコンをタップ、アクセサリーの追加
- カメラからのコードはスキャンできないので、「コードがないかスキャンができません」で次へ
- 「マイホームに追加するアクセサリーを選択してください」で SOUNDFORM CONNECTが出ない場合は、「アクセサリがここに表示されない」をタップして指示にしたがう。
- SoundForm Connectのアイコンがでていたら、タップして HomeKit設定コードを入力する
SoundForm Connect(AUZ002)のステータスランプは、白く点灯しているはずだ。
白の点滅が止まらない場合は、
- ホームアプリのアクセサリーで、SoundForm Connectを削除
- SoundForm Connectのリセットボタンの穴にピンをさして3秒以上で、リセットしてから
- 最初から、NFCをかざして… でやり直し
ローカル固定IPアドレスを設定する(スタティックIPアドレスの指定)
SoundForm Connect(AUZ002)は、Wi-Fiルーターからの動的なIPアドレスを割り当てられている。
iPhoneで、Belkin SOUNDFORMアプリを開いて…
デバイスから、SOUNDFORM CONNECTを選択。「スピーカー情報」から、
Wi-Fi ステータスは、接続しているSSID。ここで、「MAC」の項目のアドレスをメモる。
このアプリで、いろいろ設定できると思ったが、名前を変更することができる以外、情報をみることしかできないアプリだった。
Wi-Fiルーターの設定画面をブラウザで開き、DHCPからのIPアドレスをMACアドレスで指定して、固定IPにする。
Belkin SoundForm Connect (AUZ002)を実際につないで音楽を聞いた感想
3.5mm径のアナログ端子を使う
10年前、一世を風靡した 中国製パチモン S.M.S.L デジタルアンプと フォステクスのスピーカー自作キット改で聞く。
日頃は、USBオーディオインターフェイス「Steingerg UR12」で、フォーマットは、192KHz/2ch、24bitで、Amazon Music HDを聞いている。
AirPlay のフォーマットは最大でも、44.1KHz/16bit。音が悪いはずだが… ジジイの老化した耳では、その違いが分からない。
それにしても、音が小さい。デジタルアンプのボリュームを1/4回さないと、UR12と同じ音の大きさにならない。
3.5mm径 3極ステレオミニプラグ → RCA端子 ケーブルをデジタルアンプにつなぐ。
Mac側のMusicアプリケーションで、右上の音声出力先を変更する。
音楽再生ソフトごとに、出力先を指定するクセを付けよう。
どこに音がでているか? 分からなくなってあわてる。
音量は最大にしておく。それでも、本来のLINE出力より音が小さい(電流 電圧が小さい)。
光デジタル端子につなぐ
AirPlayの情報が公開されてから、AVアンプも AirPlayに対応してきたので、SoundForm Connectを必要としない。
光デジタル入力端子を持つプリアンプや古いAVアンプになら、つなぐ意味がある。
Belkin SoundForm Connect(AUZ002)の問題 まとめ
音は途切れませんか?
音が途切れることがある。完全にプツリと止まることはないが、Wi-Fi無線なので電波障害があれば、当然止まる。
見渡せる範囲であれば、5GHz帯のSSIDにつなぐようにしよう。
2.4GHz帯は電波障害のため、ますます使えなくなってきた。
Macから、Amazon Music HDを 再生したり、MusicからのCDのLosslessの曲をかけ続けて テストを繰り返している。
PA-WX3600HPを近くに設置して、遠いPA-WX6000HPから変更したので、曲が途切れることはない。
発熱はどうですか?
AUZ002からの発熱は、そこそこある。
室温 27度で3時間連続使用中で、表面温度の1番高いところで、42度前後。
消費電力は、USBテスターで実測しても、1Wに満たない。
BGM用のアンプは放熱のため熱くなっているので、その上に直に置きたくない。
2年経過 問題なし
購入して使い始めて、2年半が経過した。月平均営業日数が20日、6時間はBGMを流しているので、約2800時間。
Wi-Fiアクセスポイントが2mのところにある、5GHz帯を使っていることから、切れたり、つながらない といったトラブルは一度もない。
音がおかしくなったことが1度だけあるが、電源の入れ直し、Wi-Fiアクセスポイントの再起動で復活した。
まとめ
手持ちのオーディオシステムを、1.1万円でAirPlay 2に対応できる ベルキンのサウンドフォーム コネクト。
もっと良い音で、他のネットワークオーディオのプロトコルも使えるネットワークプレーヤーが3万円で買えることを考えると、1.1万円のコスパは悪い。
しかし、単純にAirPlay 2だけに特化したメディアプレーヤが他にないため、選択肢が限られる。
AirPlayプレーヤとしてAirMac Express BaseStationを使っているユーザには、壊れたら、このBelkin AUZ002が後継になる。
時間に余裕があれば、Raspberry PiにDACを付けて、AirPlayサービスをインストールして使えるようにするのが、ブログネタ的にも おもしろいのだが…。残念だ。
テレワーク(昔のSOHO)全盛期になって、PCオーディオも再燃してきている。
過去に何度も繰り返されてきたオーディオブームは、同じ結論に行き着く。
簡便なシステム「ブックシェルフ型(卓上)スピーカー」であれこれやって、サウンドバーやパワードスピーカーはオモチャに過ぎないことに気づく。
AVアンプと自分を囲むスピーカーによる本物のオーディオシステムでリアルサラウンドを味わうと、元には戻れない。
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