これは、USBオーディオインターフェイスの中でも、光デジタルやコアキシャル(COAXIAL、同軸デジタル)に出力する特殊なアダプターだ。
何に使うのか? 主に2つ。
- パソコンの音声出力をハイレゾ の良い音のまま、デジタル出力でAVアンプに入れたい
- 純正のPULSE 3Dワイヤレスヘッドセットでしか聞けない PS5の3Dオーディオをミックスアンプで聞きたい ← 3Dオーディオで聞こえない
- 購入品:FX-AUDIO- FX-D03J+ GAME edition
- 購入時期:2022年2月
- 購入価格:4,480円
- 購入店:NSJストア(Amazon マーケットプレイス)
私は、このUSBオーディオアダプタを自分で選んで自腹で買って試している。
オーディオ機器をタダでもらったアフィカスによる提灯・広告記事に不満を持ち、自腹で買った人のホンネとコスパの正直な感想を知りたい人向けに、本当の事を書いている。
代理店依頼のステマ記事ではないので、値引きクーポンコードはない。
アフィリエイト広告リンクではないので、安心してクリックできます。
FX-AUDIO- FX-D03J+ GAME edition の長期使用レポート
FX-AUDIO- って何?
FX-AUDIO- は、ノースフラットジャパン(NFJ)のブランド。大阪の輸入業者だ。
20年前、2001年のiPodから始まった PCオーディオの影響で、卓上スピーカとそれを鳴らす小型のオーディオアンプを欲しがる人が増えた。
TOPPINGなど、数多くの中国製パチモンのブランドが竹の子のようにでてきて転売屋だらけになる。
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夏休みの工作:Apple Pro Speakersを中華安物アンプTOPPING TP30につないでみた。 : Sunday Gamerのブログ
そういえば、ここ数年で、トッピン、TOPPING(拓品电子)という中国製の安物アンプが注目を浴びている。使っているデジタルアンプやDACのチップが定番のもので、その作りが中国のオリジナルブランドなわり ...
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2008年頃、カーコンポ用のアンプICのコピー品が安価に出回りはじめ、デジタルオーディオアンプを自作するブーム(流行)が起きた。
オーディオ雑誌にデジタルアンプの付録(LXA-OT1)が付いて、みんな、ケースに入れてブログで自慢していた。
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【付録に雑誌が付く】ステレオ1月号を買った。付録のデジタルアンプLXA-OT1が思ったよりいいかんじだ(笑) : Sunday Gamerのブログ
2012年 Stereo 1月号をちかくの書店に取り置きしてもらっていた。届いたと電話があったので昼休みにとってきた。基盤がむき出しなので、TDA7491HVというデジタルアンプIC、OPアンプ部はソ ...
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デジタルアンプICと部品の自作キットを中国から輸入して、ヤフオク!でオーディオ自作er に転売した業者の1つが、NFJ。
その後、独自のブランド名 FX-AUDIO- を掲げて成長している。
NFJは、中国メーカーとの連携がよくて開発スピードが速い。
大音量で難聴になった(スペックで音が変わって聞こえる)オーディオマニアの要望に即座に応えて、改良版や最新オーディオチップを使った新製品を繰り出せる。
USB-DDC って何?
USBオーディオアダプターの中でも、【USB-DDC(USB接続のオーディオ デジタル-デジタル コンバータ)】と呼ばれる機器。
光デジタル出力や同軸デジタル(コアキシャル、COAXIAL)出力端子を持たないパソコンに付けるUSBアダプターだ。
S/PDIF:デジタル音声を転送する規格で、光デジタルや同軸(コアキシャル)ケーブルを使う
用途は限られていて、今まで まったく使うことがなかった。
昔のMacはアナログ端子が光デジタルと兼用で、光デジタルケーブルの丸型プラグをさせば光デジタル出力ができた。
新型のMac miniにはアナログステレオ端子はあるものの光デジタル出力が省かれている。光デジタル出力を使ってアンプにつないでいた人は困っていた。
MacからHDMI以外のデジタル接続でAVアンプにつなぐ手段として、SoundBlaster X4などやAG03を使っていた。
他のUSB-DDCを試すついでに、ゲーム用ってことでゲーム機にもつないでみた。
FX-D03J+ GAME edition を写真で紹介
パッケージは、
- FX-D03J+ GAME edition 本体
- 取扱説明書 ペラ紙1枚
だけだった。
FX-D03J+ GAME editionの主なスペック
- 製品型番:FX-D03J+ GAME edition
- カラー:ブラック
- デジタル入力:USB Type-B端子(USB1.1 / 2.0、USBAudioClass1.0 / 2.0)
- デジタル出力:同軸デジタル(COAXIAL)、光デジタル(角形)
- 対応フォーマット:PCM ステレオ2ch、 最大ビットレート 24bit 192kHz
- オーディオコントローラ IC:C-Media製 CM6642
- サイズ:40 × 81 × 25 mm
- 重さ:90g
- 中国製造
- 製品保証期間:6ヶ月間
動作に必要な電力を実測した。0.05A / 5V 0.25W で動く。
パソコンのUSBの電源に負担はほとんどかからない。
元々、2500円くらいで売っているFX-D03Jがあった。
PS5につないで使う人が増えて「3Dオーディオが聞こえねぇじゃねぇか!」、「Nintendo Switchにつながらねぇ」とクレームが多かったんだろう。
Nintendo Switch(USB Audio Class 1)やPS4、PS5で確実に動く オーディオICに変更して、ゲーム用途を明記して値段も引き上げて,2022年2月から販売しているのが FX-D03J+ GAME editionだ。
FX-D03J+ GAME edition の出力端子側
出力端子側には、2つの端子があって
- 光デジタル端子 角形
- RCA端子 (同軸デジタル、コアキシャル)
同時に出力しているので、両方につなげば分岐(スプリッター)になる。
FX-D03J+ GAME edition の出力端子側
入力側は、USB Type-Bの端子になっている。給電と音声デジタルの入力だ。
動作LEDランプは、中国パチモンらしく まぶしく青く光る。
USB-A→USB-Bのケーブルは、付属していない。
FX-AUDIO- FX-D03J+ をつなぐ 配線図の例
つなぐために必要なケーブルは、
- USB-A → USB-B ケーブル、USB2.0
- 光デジタルケーブル 角形コネクタ
- RCA端子 同軸ケーブル
光デジタルケーブル(Toslink、トスリンク)でつなぐことが多い。
Amazonベーシックス(Amazonオリジナルブランド)が、安くて高品質なので私は愛用している。
USBケーブルは、一般的にUSB プリンターケーブルと呼ばれるもので、100均でも売られているものだ。
主な例として、パソコンとゲーム機につなぐ例をあげていく。
FX-D03J+をMacとつなぐ
最近のMacには、光デジタル出力端子がない。
USB端子にUSBオーディオデバイスをつなぐのが安価で簡単だ。
他にも、Thunderbolt 3(USB-C) → HDMIケーブルでAVアンプにつないで音声&映像を出すこともできる。
Macには、入出力どちらもできるUSBオーディオインターフェイス(たとえばSoundBlaster X4)をつなぐのが おすすめだ。
この FX-D03J+は、マイク入力ができない。ステレオ2chを出力するだけの機能しかない。
なので、用途は限られる。
Macにつなぐと、
FX-D03J+は、「FX Audio」と認識される。
サウンドの出力でしか選べない。
音声のビットレートを設定しよう。アプリケーション/ユーティリティの中に「Audio MIDI 設定」アプリケーションがある。
FX Audioを選んで、フォーマットのプルアップダウンメニューを開くと、ビットレートが選べる。
SoundBlaster X4は、48kHz 24ビットまでしか選べなかったが、FX-D03J+は、192kHz 24ビットが選べる。
Sound Blaster X4は、アナログ出力なら 192kHz 24bitのハイレゾで再生できる。
AVアンプ側のDACが、どのビットレートまで対応しているか?が大切だ。
RX-A1080は、192kHz、24bit入力に対応しているので、ハイレゾを再生できる。
Musiccast アプリで、PCM 192kHz で接続されているのが確認できる。
田舎の街外れの静かな環境では、-32dBは うるさいくらいです。
FX-D03J+をWindows パソコンとつなぐ
自作機のPCには、ゲーミング用の高いヤツなので、どれも光デジタル出力が付いているが…
マザーボード内蔵の光デジタル出力と、FX-D03J+の光デジタルの差は、ビットレートの違いくらいで、その差はわからない。
FX-D03J+をPS5とつなぐ / PS5 をUSB DACにつなぐ方法
メリットは、
- 3Dオーディオ、Dolbyサラウンド をMixAmpで聞ける
- MixAmpのイコライザが使える
- 映像出力の 4K 120Hz HDRが使える
と主張するアフィカスがいた。
この半年、とっかえひっかえ試した。
だが、3Dオーディオの効果がPULSE 3Dサラウンドヘッドセットのように、はっきりと聞こえない。
- ヘッドセットも純正のAstro A40TR。
- MixAmp の設定で、EQモードはフラット。
- Dolbyはオフの”ソース”にしている
のだが…。
USBオーディオからのデジタル出力をMixAmpにいれると、なぜか3Dオーディオがわからなくなる
PS5にUSBからの音声 FX-D03J+をつないで、PS5のチャット機能を使う場合
ブロック配線図をしめす。
PS5のUSB-Aポートを2つ消費してしまう。
USBハブでUSB-Aを増やせると思っていたが、うまく認識できなかったので自己責任で。
給電は、PS5のUSBから。
PS/PCモード切替のスライドスイッチは、PS側にする。
サウンド で、音声出力の出力機器は、USBヘッドホン(FX-AUDIO)と認識している。
FX-D03J+は、マイク機能がない。ミックスアンプ側のマイクを認識する。
入力機器は、USBヘッドセット(Astro MixAmp Pro)になっている。
マイクレベルの調整はできない。
で、3Dオーディオを試すのだが…
両耳で、左右、別々に合わせようにも、せせらぎの音が変わるだけで、高さを感じない。
Barracuda V3XやBarracuda Xでは、音の高さが変わるのがわかるのに。なんでじゃー。
PS5にUSBからの音声 FX-D03J+をつないで、パソコンのチャットアプリを使う場合
ブロック配線図を示す。
音声接続周りだけのブロック図で、
給電は、チャットソフトを使うパソコンから。
PS/PCモード切替は、PC側にする。
パソコン側では、「Astro MixAmp Pro Voice」装置を選択。
PS5側は、音声出力だけUSBヘッドセット( FX-AUDIO)になる。
こちらも、3Dオーディオの設定で、高低の差がわからなかった。
FX-D03J+をNintendo Switchとつなぐ
最近のゲーミング USB-DAC/DDC(Sound Blaster)は、Nintendo SwitchのUSBにつないでもUSBオーディオデバイスとして認識しない。
Nintendo SwitchのUSBオーディオドライバーが古いのが原因だろう。
NFJは、その辺が分かっているので、Nintendo Switchへの互換性をたもてるチップセットにした。
Nintendo Switchにも問題なくつながる。ただ、USBからわざわざ音声デジタル出力が必要なシーンがあるのか謎だが。
ノイズは、マイクのラインに入ることが多いので、このUSB-DDC側のゲームの音にノイズが入るのは、あまりない。
FX-D03J+の使用感、問題点
使用感については、何の不満もない。”ゲーミング”なので割高な4.5千円の価格が気にくわないくらい。
USB-DDC単体機能のものは、他に選択肢がほとんどない。
NFJは、ユーザの細かいわがまま(ニーズ)をくみ取り、すぐに対応する。デジタルアンプ基板の転売屋時代から変わっていない。→ 成長できている理由
マイクにノイズがのる
マイクにノイズがのるのは、USB-DDC FX-D03Jが原因ではない。
MixAmp 側の問題になる。MixAmpの電源がUSB充電器、パソコン、ゲーム機なので、そのコンセントが同じになっていると、グランドループノイズが発生する。
- パソコンのdiscordをやめて、スマホやタブレットのdiscordに変更する
- discordのスマホやタブレットを充電しながら使わずバッテリーだけで使う
- MixAmpの電源は、モバイルバッテリーでACコンセントから切り離す
ことで、ノイズは遮断できるはずだ。
光デジタルなのに音が悪い
光デジタルケーブルは劣化するので、購入してから5年以上経過したものは捨てよう。
-
光デジタル(OPTICAL)ケーブル・オーディオ用のつなぎ方。
光デジタルケーブルの話。 オーディオで使う 光デジタルは、30年前、CDプレーヤのデジタル出力として使われていた。 この30年間、光デジタルは、テレビの音声出力についているくらいで 身近なものではない ...
USB経由の音声データは、USBの外付けHDDへのファイルデータのコピーや移動と違って一方通行のデータ送信のため、正しく伝わっていなくてもエラーが出ない。
パソコンにつないでいる時は、設定の音声で ビットレートを確認しよう。
44.1kHz 16bitがCDの音質。それ以下では転送できないのでCD音質は保てるはずだ。
せっかく、96kHz24bitや192kHz 24bitのハイレゾを再生できるビットレートが選べるのに、使わないのはもったいない。
光デジタルケーブル、同軸ケーブル(コアキシャル)のどっちが良いの?
ビットレートが、96kHz24bitの頃までは、どちらも差がないと思っていた。
光デジタルケーブルの高ビットレート(96kHzや192kHz)でのPCM接続では、プツプツと音が切れる現象が起きることがある。
このFX-D03J+も例外ではなく、突然プツプツと切れる症状がでた。
光デジタルケーブルで、プツプツ途切れる現象が起きると、AVアンプ、FX-D03J+を再起動するしかない。
FX-D03J+はコアキシャルケーブルが使えるので、コアキシャルに変更して様子を見ている。
→ コアキシャルケーブルは安定しているので、AVアンプ(192kHz接続)へは コアキシャルを推奨。
-
コアキシャル(COAXIAL)ケーブルのつなぎ方。
コアキシャルケーブル。両端が、RCAプラグの同軸ケーブルである。 オーディオで、よく使う 身近なケーブルの1つ。 コアキシャル接続(デジタル)とモノラルアナログ音声接続のどちらでも使うケーブルなので、 ...
PS5の3Dオーディオをミックスアンプで使うために買ったのに、3Dが聞こえない…
「3Dオーディオで音の高さが聞き分けられない」と悩んでいる人もいるはずだ。
私も、FX-D03J+ → MixAmp Pro TRの音では3Dオーディオの高低の差がわからない。
3Dオーディオと風呂場のDolbyで4K 120Hz HDRのゲームなんてないのにをPS5でやりたい人は、へんな小細工をせず
- 側圧がキツい純正のPULSE 3Dヘッドセット
- SONY INZONE H9
- Barracuda X
- Barracuda V3 X
を使おう。
ミックスアンプで3Dオーディオが使えるのを確認できているのは…
SoundBlaster X4 では、SPDIF接続で 3Dオーディオの高低差が分かることを確認した。
PS5→FX-D03J+→RX-A1080(DACはESS社製)のヘッドホン端子からの出力は、3Dオーディオの高低差が分からない。
FX-D03J+をPCオーディオ ハイレゾ再生のDDCで活用する
PS5で 3Dオーディオが聞き分けられなくて使えなくても、PCオーディオに使い回せる。
今のパソコンは、デジタル出力ができるものが少なくなったので、単機能のUSB-DDCは使い道がある。
AVアンプ経由のHDMI接続では、AVアンプを使わない時にHDMI接続だと都合が悪い。
実際に、Mac mini → FX-D03J+ → RX-A1080 → 自作卓上スピーカー&サブウーファーで、PCオーディオを満喫している。
RX-A1080のDACは、ESS社製ESS90007S(SABRE9007S)
机の下は、こんなかんじ。
机の下は、自作PC2台と Mac Pro 2008 も置いているので狭い。PCをラックに移して RX-A1080を置く算段をしている。
ヘッドホンやイヤホンじゃ、ベースのチョッパー「んペッ んペッ♪」 てのが腹に響かないでしょ。
Sound Blaster X4は、2つの問題点がある。
- 起動するたびに 右のボタン長押しで、光デジタルへの外部出力に切替しなきゃいけない
- Sound Blaster X4 SPDIF Out は、48kHz 2ch 24bitしか選べない
FX-D03J+でRX-A1080に光デジタル入力することで、(もう聞き分けできない)ハイレゾの音質を転送できて、起動の度にボタンを長押しする必要がなくなったので助かる。
ESS社のDACとの相性については、光デジタルで4時間くらい連続で聞くと、音がおかしくなることがある。コアキシャルでは、音が途切れる、音がおかしくなることが、今のところない。
まとめ
うちのMixAmpの記事を見た人の中に、FX-D03Jを買っている人がいた。
心配になったので、下書きの記事を公開することを急いだ。
このFX-D03J+は用途が限られて、誰もが必要とするものではない。
そもそも、Astro HDMI audio アダプター → Astro MixAmp TR Proの光デジタルは、2chステレオです。
6個のスピーカーで実現できる リアル5.1chサラウンドを、左右1個ずつのスピーカのヘッドホンで再生することは物理的に不可能です。
取り扱いが難しく、その効果が定かでないものを安易に買いあおるアフィカスがネット上にあふれているのでだまされないようにしよう。
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