テレビの外付けスピーカー【Anker Soundcore Infini 】を買いました。
2018年の9月に買ったminiの親分タイプです。幅が88cmもあるので置き場所に困ります。テストするにも難儀しています。これは、50インチ以上のテレビを買った人向けのスピーカーでした。
そもそも、50インチのテレビを買う人は、とっくの昔にAVアンプとリアルサラウンドスピーカーシステムを組んでいるので、わざわざ、こんな中途半端な横長スピーカーを買う意味はないでしょう。
そんな不満や、実際に音はどうなのか？について詳しく書いて、中長期レポートになります。
- 購入品：Anker Soundcore Infini（アンカー サウンドコア インフィニ）
- 購入時期：2019年5月12日
- 購入価格：8799円（初回割引）
- 購入店：Amazon Anker直売店
この Soundcore Infini の記事は、
- Ankerの製品レビューは、商品をタダでもらったアフィカスによる提灯記事しかないので参考にならない
- 中華の１万円前後で売られているサウンドバーは、音響的にどうなのか？を分析した記事が他にない
- Nintendo SwitchやPS4を安価にいい音で楽しみたいという人にも使えるのか？
- 自腹で買った人のホンネとコスパの正直な感想を知りたい
という疑問や不満を持っている人向けに書いています。
サウンドバーって何？
- 音が悪い薄型テレビにつける外付けのスピーカー
- 横長の細長い棒の形をしていることから、「サウンドバー」
です。
5.1chのサラウンドシステムの左右のスピーカを省いて、フロントスピーカーを一つにまとめた物でもあります。
もし、AVアンプとサラウンドスピーカを使ったリアルサラウンドシステム（AVアンプ3万円＋スピーカー6個セット2万円）を構築できるのであれば、このようなサウンドバーを買ってはいけません。
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Anker Soundcore Infini の実機レビュー
同梱物は、
- Soundcore Infini （サウンドコア インフィニ）本体
- リモコン、単4電池2本
- ACケーブル
- RCAｰ3.5mm径ステレオミニプラグ
- 光ケーブル
- 壁に取り付けるネジと治具
- 取扱説明書、保証書、壁取付け説明書
です。
取扱説明書は、分厚く多言語マニュアルです。
英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、中国語簡体、字中国語繁体字、ベブライ語、アラビア語です。
日本語は自然です。多言語に対応しているため、分厚いわりに書いてある内容は必要最小限のことしか書いていません。「イラストがあるので、見ればわかるでしょ」というかんじです。
たしかに、イラストを見ればセッティング、操作はできます。
主な仕様
- 電源：100 - 240 V 50/60Hz 0.5A
- オーディオ出力：100W
- サイズ：88 × 5.6 × 9 cm
- 重さ：2.9Kg
- Bluetooth：V4.2
- Bluetooth到達範囲：10m
と説明書に記載があります。
電源は内蔵してあるので、本体にACケーブルをさして使います。
オーディオ出力は、100Wということです。一般家庭での防音のないリビングで、3Wほどを出せば音がうるさくて、家族から怒られるレベルです。アンプの出力の100Wなどはまったくアテにならないので無視して良いスペックです。
「オーディオ出力が100Wだから、余裕があって音が良い」なんてアホなことを書いているヤツなんて今時、アフィカスくらいしかいません。
重さが3キロ弱あります。サブフーファーもついていて、低音を響かせる設計のスピーカーを壁掛けにするのであれば、コンクリートの鉄筋か1.2cm厚のコンパネ二重にしてある壁にしてあるリビング背面の壁でなければなりません。
我が家のような石膏ボードの壁だと、この重さに耐えられません。
賃貸だと、壁に取り付けられませんから、2×4の柱を組んだディアウオールを使って大型テレビを壁掛け風に取り付けるついでに、こういったサウンドバーも取り付けることができます。
そこまで防音に優れた物件に住める人は、こんな安物のサウンドバーを買わないか。
Bluetooth は、V4.2です。対応コーデックは書かれていません。
Bluetoothトランシーバでつないでテストしたら、コーデックがSBCでしかつながらず音は良くないです。
Soundcore Infini の入力端子など
Anker Infini の入力端子は、裏側中央部にあります。
くぼんだところに、
- USB端子（メンテナンス用）
- 3.5mm径ステレオミニプラグ メス
- COAXIAL同軸（同軸ケーブル、デジタル）端子
- 光デジタルケーブル用端子（角形）
がついています。その他、ワイヤレスのBluetoothが対応しています。
反対側には、
Soundcore Infiniは、電源を内蔵しています。メガネACインレット（メガネ ソケット）がついています。ここに付属のACケーブルをさしこんで使います。
ちなみに、Infini miniは、ACアダプター付きでした。
Soundcore Infini 前面操作パネル
- ステータスランプ
- 電源ボタン
- 音量ボタン
- 音量アップ
- ソース入力切り替えボタン（長押し3秒でBluetoothペアリングモードに）
サウンドコア インフィニ ステータスランプ の意味
LEDは、フルカラータイプが一つ付いていて、以下の意味になります。
- スタンバイ：赤点灯
- 光デジタル：緑点灯 10秒
- 同軸：オレンジ点灯 10秒
- AUX入力：青緑点灯 10秒
- Bluetoothペアリングモード：青点滅
- Bluetooth接続完了：青点灯 10秒
- 音量大、小：白点滅
- 最大音量：白点灯 10秒
- 最小音量：白点灯 10秒
- イコライザ（ミュージック）：白点滅 1回
- イコライザ（ムービー）：白点滅2回
- イコライザ（ダイアログ）：白点灯 5秒
- ミュート：黄点灯
入力切替ボタン（Bluetoothペアリングボタン兼用）
音声入力は、自動選択です。
例えば、光デジタルケーブルでテレビとつないでいる場合、テレビを付けるとテレビの音がサウンドコア インフィニからでるようになります。
それぞれの入力端子に音声が来ている場合は、入力切替ボタンで聴きたいソースに切り替えます。
音声入力がない場合、30分後の自動的にスリープモードになります。
この入力切替ボタンを、3秒長押しすることでBluetoothのペアリング待ちの状態（青で点滅）にできます。
リモコン
赤外線リモコンですので、リモコンの上部にある赤外線LEDを Soundcore Infini に向けて操作します。
AmazonのFire TV stick 4Kのリモコンによく似た形をしているので間違えます。
テレビには、Fire TV stick 4Kを付けてる人が増えているから、このそっくりなリモコンはダメでしょ。グレーとか他の色にするべきでした。
サウンドコア インフィニ を テレビに つないでみた
テレビとSoundcore Infiniをつなぐ方法は、アナログとデジタル接続の2つがあります。
- 光デジタル出力端子で光ケーブルを使って：デジタル
- コアフィキシャル端子（同軸端子）で：デジタル
- 音声出力端子 RCAタイプにつないで：アナログ
- イヤホン端子に ミニステレオケーブルをつないで：アナログ
RCAタイプの音声出力端子やデジタル音声出力端子が付いていないテレビは、イヤホン端子を使います。
Infiniに同梱されていたケーブルには、両端が3.5mm径ステレオミニプラグのオーディオケーブルがありませんでした。安物の小さいテレビは、ヘッドホン端子しかないことが多いです。
とくに、パソコン用の液晶ディスプレイにつなぎたい人は必要です。
テレビやディスプレイのイヤホン端子をつなぐと、ブーンというハムノイズ（グランドループノイズ）が大きいことがあります。
Anker Soundcore Infini の音はどうなの？
サウンドコア インフィニの両端は、穴が開いています。低音用のスピーカーの共鳴筒【バスレフポート】として機能して、穴から低音が響くようにできています。
サウンドバーの多くが、細長いボディ（筐体、エンクロージャ）を共鳴筒として使っていることからも、低音を効率よく鳴らすのに都合が良いんです。
それでは、iPhoneとiPod touch 6のオーディオアナライザアプリを使って、音響テストをしつつ、音質について解説していきます。
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ピンクノイズを発生させ、アナログ入力で Infiniに再生させます。それをマイクで拾って、オクターブバンドで表示します。
Soundcore Infiniには、3つのイコライザーモードがあります。
- ダイアログモード
- ミュージックモード
- ムービーモード
です。
イコライザ
音の高さを調整する機能。
低音、中音、高音をそれぞれ強弱を付けることができる。
ダイアログモード（会話モード）
人の会話の多いトーク番組などを見るのに適していると思われる音響設定です。
高い周波数の聞こえる子供らは、シャリシャリした音に聞こえます。
私のような爺の耳には、フラット（全周波数域を強調しない）な音の印象をうけました。
それもそのはず、低音は控えめにしつつ、高音にかけてほぼ一定の音にしてあります。
老人は高い音が聞こえませんので、フラットな音に聞こえます。
老人に優しい音響は、低音と高音をカットしたかまぼこ状のオクターブバンドの音響特性が良いことが分かっています。もうすこし、低音を落として、200〜6000Hzあたりを強調した方が会話が聞こえやすいです。
耳が悪い、聞こえの悪くなった老人の親に、テレビの音を聞きやすくしてやろうと、Soundcore Infiniを付けることはおすすめできません。
板張りの洋室では低音が響きすぎて、ニュースやバラエティ番組のナレーションや会話が聞こえません。リフォームをしていない昔の古民家であれば、音響的にデッドなので、この音響設定でもいけるでしょう。
ミュージックモード（音楽モード）
クラッシック以外のジャズやポップスなど電子楽器を多用した音楽を聞くのに適した音響設定のようです。
音楽を聴く時に、低音が響いて心地よい というのが、50〜150Hzが強めの設定です。
教科書的な低音の強調をしています。「豊かな響き」として表現できます。
バスドラムやエレクトリックベースの腹に響く低音が鳴ります。かといって強すぎることもないので、「ブーミーというほどでもないが、低音がよく響いて太い音が鳴る」と表現できます。
打楽器のなかでも、シンバルやハイハットの鳴りが不自然にならないように、高音域も段階的に強めにしておくと、「歯切れの良い」音として表現できます。
ムービーモード（映画モード）
ムービーモードに切り替えると、音が広がるように感じます。
AVアンプなどに搭載されている残響（リバーブ）効果をムービーモードでは採用しているようです。
ピンクノイズをオクターブバンドで観察する限りでは、ミュージックモードとさほど変わりないように見えます。
低音と高音をやや強調した「マイルドなドンシャリ」が、映画などの音響として私の好みなのですが、それに近いと感じました。
セリフでストーリーが進行する日本の映画やドラマは話が聞き取れずにイラつくことになります。
このリバーブの状態を、波形でどう捕らえたらいいのか？ まだまだ研究の余地があります。
Soundcore Infini の音の鮮明さについて
「音がクリアです」という表現を使うエアレビューのアフィカスがネット中にウヨウヨいます。「クリアって何ですか？」とコメントで聞くと、誰一人 エビデンスのある解答が得られません。
「入力された原音（原音って何？ｗ）そのままに音になること」をクリアな音だという人もいました。
それにしても、入力された音が、そのままスピーカーから出ていると勘違いしている人の多いこと（笑）。
アンプなどオーディオ機器の性能をテストする時のテスト信号で、矩形波を使います。
これは、6000Hzの信号の例です。波形で一般的な正弦波に比べると、電気信号の処理的にいろいろと特性が分かる波形です。
正弦波の音と矩形波の音の違いは、スピーカーで聞くと明らかに違います。
正弦波を入力してスピーカーで聴く音を観測すると、正弦波になっています。比較的まともなオーディオ機器であれば、「正弦波 → 崩れた正弦波」として観測できます。
つまり、Soundcore Infiniは、アンプ、スピーカの諸々が「まとも」なものであることが分かります。
では、矩形波では？
まともなオーディオ機器であれば、崩れたノコギリ波として観測されます。
はい、期待通り、ノコギリ波として観測されました。これで良いんです。決して、入力信号のとおりの四角の形では出てきません。
なぜ、そうなるのか？については、面白い知見をみんな持っています。
次に、オーケストラなど楽器の調律の基準音 Ａ（ラ）の音、440Hzを鳴らしてみます。
これは、Infiniのスピーカーだけでなく、部屋全体の共鳴具合を観測することになります。
音は、FFT スペクトラム表示にします。FFT表示は、右肩下がりになります。
Ａ（ラ）の音を鳴らすと、倍音が延々と聞こえない音域まで出ていることがわかります。
音は、常に倍音とのハーモニーでできているので、こんなかんじで響いています。倍音が多いと「重厚な音の響き」として人は評価します。単に音が濁っているだけなんですけどね。
楽器（スピーカー）を自作するとき、シンセサイザで音を作る時、この倍音を考慮に入れて作り込みます。
「クリアな音」という話に戻りましょう。
この倍音がなければ、クリアな音になるんでしょうか？ それは違いますよ。結論は、三十年経っても出ていません。
Bluetooth接続の音の悪さについて
Bluetooth トランシーバーに基準音Ａをアナログで入力し、Soundcore InfiniにBluetoothで飛ばします。
高音域の倍音の少なさからも、SBCコーデックは高音を省いているのが分かります。
Bluetooth接続での音は、他のBluetoothスピーカーと比べてもボディが大きいだけあって、音は良いです。
元々、Bluetoothのコーデックが、SBCにしか対応していないので、遅延もあるし、高音と低音が省かれて音が悪いのは、他のBluetoothスピーカと変わりありません。
サウンドコア インフィニはゲーム用スピーカとして使えるのか？
机の上におくディスプレイでテレビゲームをする場合、このサイズのサウンドバーは置けませんよ。
ディスプレイの後が空いていて左右に90cm以上の長さが確保できるのであれば、おけないこともないかな？
スピーカーボディ（エンクロージャ）全体が共鳴して低音が響くので机の上におくと、共振が派手にでます。ビビリ音がするはずです。防振ゴムかなにかをかませて置くと良いでしょう。
リビングに置いている40インチ以上のテレビに付けるのであれば、AVアンプとサラウンドスピーカーの方が良いので、ゲーム用として、私はおすすめしません。
Amazon Echo や Google HomeなどのAIスピーカにつなぐのは？
サウンドバーは、テレビやディスプレイの外付けスピーカーです。
音声で操作するスマートスピーカーのEcho や Google Homeは、誤動作を防ぐため、テレビの近くに置かない方が良い事が使い込んで分かってきました。
- 誤動作をする
- テレビとBluetoothの切替が必要
という手間がかかるのを覚悟すれば、使えないわけではありません。
まとめ
こんな方におすすめ
- 50インチ以上の大きなテレビの音が気に入らない人
- AVアンプ（3万円）と5.1chサラウンドスピーカ（2万円）を買えない人
- 音にこだわりがない人
- Anker の製品を使う自分が好きな人
サウンドバーは、この大きさになって、やっと低音の響きがまともになります。
サウンドバーを買ってはいけません！
AVアンプと左右と後ろ左右のスピーカをつけない、フロントスピーカだけの3.1chで組むことをおすすめします。
サウンドバーは、細長い棒状の箱（エンクロージャ）にスピーカーが入っているので、部屋の音響に合わせて、スピーカーの向きを変えるなどの微調整ができません。
「何ができて何ができないのか？」さえ分かれば、その使い方はイメージできると思います。その参考になれば幸いです。
寝室で、寝落ち＆目覚ましとして使う22インチの AQUOS LC-225K5 に光デジタルケーブルでつないで使うことにしました。Infini miniよりは、音量をしぼった状態でも低音から高音まで良い感じに響きます。邪魔なので、テレビの後にはみ出て起きます。
Fire TV stickでプライムビデオやミュージックをかけつつ、寝室の照明を落とすとテレビは自動で15分後に切れる消灯モードになるので寝落ちできます。
Soundcore Infini は、音声入力がなくなると30分ほどでスリープになります。
大切なことなので、繰り返します。サウンドバーを買ってはいけません。銭失いです。
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