日本製のヘッドホン サウンドウオリアー SW-HP300を買った。

愛用している SONY MDR-1R が朽ちてきたので、新しい ヘッドホンを探していた。

MDR-1Rは、2万円前後で買える有線ヘッドホンでコスパが良かったので人気だった。
当時、ブログでヘッドホンの良し悪しを語るのに、このMDR-1シリーズを基準にする人が多かった。
現行モデル MDR-1AM2は、2.4万円(定価3.6万円)前後。
同じ価格帯で、「日本人好みのヘッドホンは、日本メーカーでしょっ」ってことで、SW-HP300を買ってみた。
結論から言うと
ヘッドホン WS-HP300は、2万円のわりに装着感も良くて低音から高音までちゃんと聞こえるので気に入った。
- 購入品:SOUND WARRIOR SW-HP300 、ヘッドホンスタンド付き
- 購入時期:2022年6月
- 購入価格:24200円
- 購入店:SHiROSHiTA Direct(Amazon)

低音が強めで、音楽や映画鑑賞はもちろん、YouTubeやVODのアニメなどに適しています。
城下工業 ヘッドホンサウンドウオリア SW-HP300の長期使用レポート
城下工業って何?
信州の業務用ヘッドセット(マイク付きのヘッドホン)の老舗メーカー。
学校の放送室や視聴覚室のヘッドセットとかで、見かけたことがあるかも。
声を出して読み上げて聞いて覚えるフィードバック学習法(サイドトーン学習法)を試した人も多いだろう。
そのための、ヘッドセット「キオークマン」のメーカーといえば、分かるかな?
日本のヘッドホンイヤホンのメーカーといえば、SONY、パナソニック、オーディオテクニカが大手だが、城下工業やアシダ音響とか、中小企業の老舗メーカーもたくさんある。
城下工業の定番商品 ネックマイクや片耳ヘッドセットは、2020年からテレワーク需要で品薄だった。

ヘッドホンって何? など ヘッドホンの総論的なことは、こちらでまとめている。
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ヘッドホンの基礎知識をまとめて、ヘッドホンの選び方を解説します。
ヘッドホンやイヤホンは、耳に直接音を送り込む音響機器です。このページでは、 どんなヘッドホンが良いのか?と悩んでいる人への選び方についてまとめ ました。 ヘッドホンをヘッドフォンと表記することもありま ...
SOUND WARRIOR SW-HP300 を写真で紹介
SW-HP300の同梱物は、

- SW-HP300 本体
- φ3.5mmステレオミニプラグ→φ2.5mmモノラルミニプラグ ×2 左右 1本
- φ6.3mm標準プラグ変換アダプタ 1個
- 取扱説明書
- 保証書
SW-HP300の主な仕様
- ドライバータイプ:セミオープン・エアー・ダイナミック型
- ドライバーユニット:φ40mm
- インピーダンス:40Ω/1kHz
- 周波数特性:10Hz〜35kHz
- 最大入力:150mW
- 出力音圧レベル:102㏈/1kHz、1mW
- コード:丸型コード2.5m
- プラグ形状 ヘッドホン側:φ2.5mmモノラルミニジャック ×2 左右
- 重量:実測 234g(220g) ケーブルなし
- ヘッドバンド部:ビニールレザー
- シェル素材:ナイロン樹脂
- 保証期間:1年間
- 生産国:日本
ドライバーは、4cm径。低音の豊かさに満足している。
インピーダンスが 40Ωと高めなので、iPod touch 7のイヤホン端子に挿したときは、少し音量を大きめにする。
プロ用ヘッドホンの470Ωとか ヘッドホンアンプを使わないと全く鳴らない無慈悲なヘッドホンではない。

なので、SW-HP300は静かな場所で使うことが大前提です。
高い音から低い音までよく聞こえるので音量を下げられる。音もれが ほとんどない音量で使えるのが良い。
SOUND WARRIOR SW-HP300 正面観

有線ヘッドホンなので、ツマミもマイクもついていない。構造は単純だ。むだな装飾もない。
SW-HP300の配線について
配線は、左右のドライバースピーカーにそれぞれ直接つなぐことができる。
2.5m径の2極なので、3極のバランスプラグを2極に変換する変換回路付きジャック&プラグが自作できれば可能だ。

付属するのは、3極のグランドが共通化された一般的な3極ミニステレオプラグ→2極ミニプラグ×2 分岐 ケーブル。
左右の区別は、赤いマークがある方が右(R)。右側のジャックは赤い。

付属のケーブルの長さは、2.5mと長めになっている。品質は良い。
USB-DAC、ヘッドホンアンプは、標準フォーンジャックで出力するものが多い。
そのために、3.5mm径3極ミニプラグ→3極標準フォーンプラグ変換アダプタが付いている。

有線なので、ケーブル(コード)のタッチノイズはある。ケーブルの引き回しを工夫しよう。

SWA-HPS-HM ヘッドホンスタンド

- 大きさ:台座部 10×2×8cm、高さ 25.3cm
- 重さ:225g実測(238g)
- 素材:台座、木材、アーム部 鋼板につや消し塗装
- 日本製
2980円で売られている。鋼板をLに曲げて木の台につけただけ。日本の町工場で作るんだから 3千円にしないと元がとれないか。
SW-HP300のハウジング部
ハウジング部は、通気口がついているのでオープンタイプ(開放型)になる。

コップを耳に当てると音「ゴー」がする。”貝がらを耳に当てると海の音がする”効果だ。
ヘッドホンのハウジングカップにわざわざ穴を開けて開放型にする理由は、”貝殻を耳に当てると音がする効果”を減らすためである。
音もれがあるし、外の音が そのまま入り込んでくるので、うるさい場所(電車や飛行機の中など)で使えない。
閑静な住宅街の自宅で、静かに過ごしている人向けである。
もちろん、マイクで周辺の音を拾ってデジタル処理するアクティブノイズキャンセル機能はついていない。
家の前の通りで近所の子供達が大きな声をあげて騒いだり、サッカーやバスケットなどボールのはねる音や足音を、このヘッドホンで防ぐことはできない。
SW-HP300のヘッドバンド部

短冊状の合成皮両端をミシンで縫って筒状にしたものを、芯になる樹脂板とクッションを入れたってことか。
特に、凝ってもいないし、昔ながらのヘッドバンドだ。
作りは丁寧で、クッションの具合も良い。
ヘッドバンド、アーム部の長さの調整、角度調整
ヘッドバンドの長さは、左右 3cmずつ調整できる。

適度な(カチカチという)クリック感があって、決めた長さで しっかりと止まる。
他の同じ価格帯のヘッドホンには、ハウジングとヘッドバンドの間に関節がある。
このSW-HP300は、ハウジングとヘッドバンド部は直結で折り曲げたり回転する関節がない。

なので、折りたたむことはできない。関節機構を持たないことから、関節部の破折や音がしない。
イヤーパッド部、ドライバー開口部
イヤーパッドの形状も、それぞれのメーカーでこだわりがあって面白い。

- 大きさ:外径 10 × 7cm、内径 3cmの円型
- 深さ、イヤーパッドの厚さ:1.7〜2.5cm
- イヤーパッド部の幅:3〜4cm
独特の形をしている。下側のフチが厚めになっていて耳をいいかんじに覆ってくれる。
イヤーパッドは簡単に外せる。

固めのゴム状の板との間に、はさんであるだけなので簡単に外せる。はめるのも簡単。

イヤーパッドの型番は、SWA-HP300-EP、4,840円。
SW-HP300を聞いた感想、使用感、問題点など
中国 FiiO のヘッドホンアンプ K7は、旭化成のDACチップを使っている。

USB-DAC、ヘッドホンアンプとしての主張はなく、ヘッドホンの鳴りの違いが分かる… はずだが… Sound Blaster X4 と違いが分からない。
SW-HP300は低音が強めに鳴るので、AVアンプのスピーカー群で聞くとき、サブウーファーを +2〜3dB大きくしたかんじだ。
スピーカーで、SW-HP300並に低音を大きくしようとするなら 近所迷惑な騒音レベルになる。
サブウーファーが使えない住宅事情の人で 重低音を堪能したいのなら SW-HP300の選択もありだろう。
SW-HP300の良いところ
私の頭(顔幅17cm)には、合う。キツいなどの違和感がない。耳のあたるクッションが、なんか よくわからんけど良い感じ。
ハゲかけた頭頂部へのヘッドホンアームの当たりも優しい。
室温が30度前後では、耳に汗が貯まってくるが、吸い込むことはなく、はじくのでタオルで拭ける。
汗でイヤーパッドが腐ったら外して洗えるし、新品と交換できるので安心だ。
妻(顔幅15.5cm)にかぶせてみると…、アームのスライド部をひっこめて短くすれば、良い感じに頭と耳に収まるので評判は上々だ。
低音がよく響く。超低音域でイヤーパッドも振動して、耳がくすぐったい。
かといって、高音域がつぶれて聞こえないわけじゃないし…。まぁ、調達したドライバーの特性なんだろう。

SW-HP300の悪いところ
不平たらたらと書いてナンボのものなのだが…。
ヘッドホンで不満がない、欠点がないのは、ブログネタ的に困る。
ハウジングのつや消し塗装が、爪でひっかくくらいの擦れでスジの傷になる。
有線のためケーブルのタッチノイズがある。ケーブルが太く重いのが欠点かな? しなやかなだけど、2.5mと長いので邪魔になる。
SW-HP300は、折りたたんでコンパクトにできないので持ち運びはできない
夏なら冷房(冬なら暖房)の効いた静かな部屋(空間)で、お気に入りの音楽を聞きながら本(電子書籍も)を読んだり、タブレットでVOD(プライムビデオなど)を見たりして くつろぎたい。
静かで快適な気温の場所を求めて出歩く。しかし、SW-HP300は、折りたたむ構造になっていないので、カバンにいれて持ち歩くことができない。
関節部での破折の心配がないので耐久性の面で有利だ。
SW-HP300の側圧について

SW-HP300の側圧は約150gで、しめつける力が小さくて装着感が良い。
イヤーパッドの形が良いみたいで、食い込む感じがないのにヘッドホンがずれない。
SONY MDR-1Rの側圧が200g前後と軽めで快適なのに、さらに50gも弱いのだから、そりゃ、しめつけられる感がないわけだ。
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ヘッドホンの側圧(ヘッドホンの頭を左右からしめつける力)を調べる方法
ヘッドフォン(以下、ヘッドホンに統一)を選ぶ時、「付け心地」「装着感」が重要なポイントになります。 どんなに良い音が再生できるヘッドホンでも、キツすぎて数分しか かぶることができなければ使えません。 ...
SW-HP300の音響
Mac→AG03MK2、iPhone のイヤホン端子 からのテスト信号で音響テストをした。
正弦波を再生して、オクターブバンドで観察すると…

40Hz〜20kHzまで再生できている。ハイレゾ再生ができる。
人がよく聞こえる音域がフラットにでるように調整されている。
ピンクノイズは、低音から高音までをランダムで再生するノイズで、「ザー」と人には聞こえる。

耳障りな高音域は控え目にしつつ、音の味がでる倍音領域、音にキレをもたらす高音域は出ている。
矩形波をオシロスコープモードで見て、音のにごり(倍音)を観察してみよう。

1kHzあたりでの再生は、ノコギリ波になっていて、よくある ヘッドホンスピーカーの形で鳴っているのがわかる。
ギザギザ部分は、高音側への倍音になる。FFTでみても、倍音が綺麗に減衰しながら高音域に広がっている。

SW-HP300と比較検討した有線ヘッドホン
2〜3万円の価格帯のヘッドホンは、たくさん種類あって選ぶのに困った。
- AKG:K712 PRO、K701,
- オーディオテクニカ :ATH-1000z、ATH-R70x、ATH-M50x、
- SONY:MDR-M1ST、MDR-1AM2
- ゼンハイザー:HD 300 PRO、HD 400 PRO、HD560S、
あたりをチェックした。
2万円以上のヘッドホンは、どれを買っても良い音で鳴るから、見た目で選ぶしかない。

まとめ
”趣味の発表の場としてのブログ”をやる人間として、「手頃な価格で、入門用に誰が買っても高い満足度が得られる」物やサービスの紹介を心がけているw。
今回は、無骨(シンプル)な有線のヘッドホン。
実売価格で 2万円と安く、見た目もぱっとしないヘッドホンなので、”買った自慢”をブログや動画、Instagram、Twitterでできない。
賃貸アパートで、足音に気を付けたり、大きな話声や物音を立てないようにしたり気を使いながら生活している人にとって、ヘッドホンは大切な道具だ。
SW-HP300は、タブレットやパソコンの画面で映画を見たりゲームをしたり、音楽を聞いたりするのに都合の良いヘッドホンの一つだろう。
低音が強めなのが好みの人にウケるはず。
ここまでの重低音をリアル 5.1chサラウンドで再現することは、賃貸やアパートの部屋では無理だ。
ただし、対戦ゲームで使うのには、聞こえる音の情報が多すぎて索敵がむずかしくなるので適していない。
1人でその世界感にどっぷり浸かって遊ぶゲーム、たとえば、ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド、あつまれ どうぶつの森は没頭できる。
装着感が良いので、いつまでもつけたままになる 。耳を傷めないように 小さめの音で聞くように心がけよう。